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2007年12月02日

J2首位のその上へ

最後のホイッスルが鳴り響いて。
天を仰ぎ見て。
そして。

何も考えられなくなった。

真っ白だった。




ただ、『 5年間 』って言葉だけが、溢れていた。





本当はこの1週間、何度も何度も思った。

「もし、勝てなかったらどうしよう」

京都戦の前のような高揚感よりも、不安が先に立った。
考える事を避けているような感じもあった。
11月の間中、「次で昇格出来るかもしれない」という状況を引っ張られて、正直に言って限界だった。

「このまま昇格なんて出来ないんじゃないか?」

そんな怖さが、常に何処かに付きまとっていた。



 もし、勝てなかったら?
 もし、入替戦になってしまったら?
 もし、昇格出来なかったら?




不安を振り切る為にも、勝つ事だけを考えた。







勝とう・と。
ただそれだけを思った。
勝つんだ。勝てば決るんだから。



勝てば全て付いて来るから。



不思議と何度もそう思った。







運命の日の朝。
不思議な程に風が無くて。
東の空が綺麗で。

『何か』が後押ししてくれてるような気がした。



ドームへ向うバスには、再度「J1行き」の貼り紙。
ちょっと時間がかかったけど、今日こそ辿り着こう。
もう他力なんてどうでもいい。
他の結果なんてどうだっていい。
自分達の力で勝とう。
自分達の手で掴もう。

ようやく、固まる決意。

ここまで来たんだ。
5年かけて。


ようやく、後1歩の所まで来たんだから。





ここまで来て、やる事は一つだろ。

 跳ぶ事と。
 歌う事と。
 諦めない事。

他に、何が出来る?


全力を尽くせ!
意地でも諦めるか!
ここまで来て、誰が譲るか!
何が何でも絶対に勝つ!
勝って決めてみせる!!


その想い以外の全部を放り投げて試合に挑んだ。


「入替戦なんて、絶対に嫌だからね!」
「広島なんて行かないよ!だって遠いんだもん!!」


そう笑いあったのは、決して冗談だけじゃなかった。




1失点しても、不思議と何も動揺は無く。
怒りも溜息も落胆も無くて。
ああ、じゃあ今日は2点取らなくちゃな・と普通に考えて、そのまま歌い続けている自分が居た。

前半は動きが固く。
連携のミスが目立つ。
プレッシャーからなのか、寒さのせいでコンディションが整っていないのかは解らないけれど。

でも、そんな中で。
正に『札幌』を象徴するような、泥臭い同点弾。
混戦の中から諦めずに強引に根性で押し込んだ1点。
それでいい!それでいいから!
諦めなきゃあ、絶対に勝てる!



テンションが上がったまま、前半が終わる。



ハーフタイムで他チームの途中経過が入って来たけど。
全部、気にしない事にした。
だって、自分達が勝たない事には、何も決らない。



後半になってしばらくして、また少し重くなってきてる事に気付く。
選手もだし、ゴール裏もそう。
時計を見ると、30分頃。
一番、キツい時間だ。

ここで踏ん張らなきゃ。
こういう時にこそ、根性を絞り出さなきゃ。
勝負の時間だ。


全力で勝ちに行って、ようやく引き分けれる。
全力の中の全力を出し切って、初めて勝てる。
今日はそんな試合をしてるんだ。
それぐらいキツイ試合なんだ、今日は。


今、歌わないでどうすんだ!
こんな時にこそ、全力を出さないと!





ここを耐えれば、勝てる!!





後半38分。
目の前で訪れた、『 その瞬間 』。
長いボールを追って駆け込んで来たダヴィが水戸のDFを抜いて。
そして、そのまま決めた。


ボールがゴールネットを揺らす瞬間が、妙にゆっくりと見えた。


歓喜。
絶叫。
ぐちゃぐちゃになって喜んで。
でも、直ぐに気持ちを切り替える。
だってあと10分ある。
京都戦の轍は踏まない。絶対に。

「絶対に勝て!」

同じ悔しさは、もう要らない。




時計を見る回数が増える。
ロスタイムに突入する。
太鼓の音が止まる。
手拍子と歌声が響く。
誰からともなく掲げる、コレオグラフィのボード。

主審がファウルで吹いた笛を、一瞬勘違いする。
まだか・と思いながらも、同時に沸き起こる実感。


本当に、あとちょっとなんだ。


不意に浮かんだその実感に、視界が滲む。
だめだ!まだ早い!
そう思っても、声が上擦る。
まだ!あとちょっと!




全部決るまでは、泣くもんか!!


 




そして、最後のホイッスルが鳴り響いた。
天を仰ぎ見て。
そして。

何も考えられなくなった。

真っ白だった。




ただ、『 5年間 』って言葉だけが、溢れていた。




 『  5年間  』




この、『 5年間 』を。
闘い抜いたんだ   って。

























その後に、涙が出た。

















泣いた。
本気で泣いた。

ここまでかかった。
こんなにもかかった。
でも、ようやく辿り着いた。

ようやく、自分達で手に入れたんだ。



鳥栖戦で他力にも頼って決めていたら泣けなかった。
京都戦で勝って決めていたら喜んだだろうけれど、泣きはしなかっただろう。
51節で決まってしまったら、嬉しかっただろうけれども、拍子抜けもしただろう。



今日、決めたからこその、涙だった。



5年・って何度も叫びながら泣いた。
5年分の想いとか悔しさとか辛さとか。
それでもこの道を歩いて来たんだ・って気持ちとか。
全部、ごちゃまぜになって、泣いた。




泣いて泣いて放心して。
何度も何度も確かめる。

「勝ったんだよね?」
「昇格だよね?」
「ホントに勝ったんだよね?」
「間違いじゃない?」
「ねぇ、これ、夢じゃないよね?!」


ヴェルディの結果がスクリーンに出る。



『   C大阪  2-2  東京V   』



目を疑う。
向うは引き分け。


優勝まで、付いて来た!





セレモニーに入って、ようやく笑えた。



「サポーターのみなさん、おめでとうございます!」
監督の第一声に、ドームが湧く。
芳賀キャプテンのシンプルな挨拶に笑いが起こる。
高木くんは挨拶しようとしたらマイクが入らない・というハプニングが起きて、思い切り和む。

サンクスウォークでは、選手の子供達も一緒に歩く。
子供達が芝の上を転がって遊んでいる。
曽田くんの子供が脱走して、慌てて追いかけてた。
選手同士で記念撮影したりもしてた。

コールして。
フラッグ振って。
ゲーフラ掲げて。
皆で大喜びして。
大脱走を歌って。
大移動もやって。
「好きですサッポロ」も歌った。
ホームでこれを歌える日が来るとは思わなかった。



5年間。
ここまでかかった。
ここまでかかって、ようやく。


この歓喜に辿り着いた。




無力さと喪失感に打ちのめされた2003年。
勝てなくても勝てなくても微かな希望に全てを託した2004年。
成長を感じながらも、あとちょっとの所で可能性を手放した2005年。
迷いを振り切って信じ抜いたからこそ天皇杯で歓喜を得た2006年。

そして、平坦ではない道を辿ってこの悲願に達した2007年。



全てを忘れない。
簡単に手に入れたものではないのだから。
ようやく自力で掴み取ったのだから。
この悲願を。





さあ、これからだ。
来年からはもっと厳しい闘いが待っている。
この5年間で積み上げたものを忘れないで。
そして、挑もう。

J2首位の、その上を目指して。



今日の歓びを忘れない。
今日までの悔しさも忘れない。



そして。



次の道へ歩きだそう。


積み上げて来た誇りと共に。
またみんなで、この苦しくとも充実した道を。

posted by 半月 |02:32 | 試合に行った日 | コメント(0) |

2007年05月07日

5月6日

昨日の朝は、ぼんやりと薄曇りだった。
ちょっと残念な気分もしたけれど、でもまぁ札幌着くまでに晴れるか・と気持ちを切り替えて家を出た。
日曜日の朝7時半の36号線は気持ちがいいくらい車がいない。
加減するのも忘れて千歳まで一気に走る。
ウトナイ湖畔の直線で、並走する様に右手側の空を飛行機が滑空して行った。よし、なんかいいモン見たぞ。

大谷地に着く頃には、予想以上の良い天気に。
春霞の空は絵に描いたような淡い空色。
風も穏やか。桜も咲いてる。
途中の駐車場が何時もの様にフラッグを立ててくれている。
曲がり角に恒例の案内看板。
その向かいのコーヒーショップには応援のボード。
大谷地病院の横でシャトルバスが下の道路を走って行った。


厚別への道。
坂道を登って下ってまた登って。


なんか懐かしい・と思ったら、ここを歩くのは去年の8月以来だった。
そう言えば9月は新さっぽろからバスを使ったし、10月の試合は行けなかったんだ。
約9ヶ月振り。そりゃあ、懐かしい筈だ。

開場15分前にようやく到着。
SBの列は既にバックスタンドの端まで続いてた。
見上げた空で、太陽が虹色の傘を被ってる。
雨の前兆・だけど。確か、入江の試合でも被ってなかったっけ?
そう思うと何だか吉兆のようにも思えてくる。

11時丁度、開場。
ゲートを潜り、中へ入る。
今まではSB方面の階段へと向っていたけれど、今日はゴール裏方面へ。
スタンドの陰から出た瞬間、目の前に広がる緑のピッチ。
ピッチの向こうには白樺の新緑と。
その上に広がる空と。



厚別だ!

厚別だ!!



それだけで、沸き上がる歓喜にも似た感情。

帰って来た!ようやく来れた!!




厚別に来たんだ!!




この風景を目にしただけで、嬉しくて堪らない。
なんだか目的の半分は果した気すらする。

いや本番はこれからなんだけどさ。


でも。


日差しが気持ちいい・とか。
風が心地良い・とか。
空が綺麗・とか。
鳥が飛んでるぞー・とか。
飛行機雲・とか。

やっぱりドームじゃ味わえないから。


やっぱりサッカーは空の下のスポーツだよなぁ・と。
しみじみと思ったりもした。


着いた頃には心地良かった風が徐々に強くなって来て。
レプリカ1枚だと涼しいぐらい。
でも、跳んでたら丁度いいぐらいかも?
USさんが配った旗を広げてみると、風に煽られて結構大きな音がした。

強くなる風の中、ピッチ練習が始まる。
ふと気が付けば、ゴール裏だけじゃなくてバックスタンドもアウェイ側もかなり埋まっている。
メインも、空席がそんなに目立たないぐらいだ。
かなり、入ってない?これって。
久々に1万ぐらいかな。
うわ、この人数の前で、負けられないぞ。

「今日から新しい厚別の伝説を創ろう!」

『厚別』の歌では、ひと際大きな歌声が響いた。



試合そのものは、申し訳ないぐらい覚えてない。
前が恰幅のいい男の人だったから、ピッチの中央が頭の陰になってしまって。
で、ほとんど見えなかったからなんだけれども。
でもまぁ、ここまで見えないと開き直れる。
今日は「見る」のは諦めて、ひたすら跳ぶ方に専念しよう・って気分になれたし。
これも厚別。
逆に、試合展開に目が行って思わず固まる事が無いんで、却っていいのかもしれないような。

ひたすら歌って、ひたすら跳ぶ。
喉が痛かった筈なんだけど、忘れた。
花粉予防のマスクもしてたんだけど、それ程気にならなかった。
ドームよりも跳び易いかもしれない。
座席の前が広いからかな。
時計が目に入らないから、時間を忘れられる。

それでも後半ロスタイムに入って。
皆でまた小旗を掲げて。
それからが凄く長く感じた。
気が付けば、ボールでも選手でもなく、主審を目で追ってる。
早く!早く!と思いながら必死で歌う。
主審が時計を見て。
そして、試合終了のホイッスル。
一斉に上がる歓声。
見上げた空を1羽の鳥がゆっくりと舞っていった。





試合が終わって。
暫くのんびりとして。
ふと気が付けば、あれ程強かった風が収まっている。
見事に、試合の間だけ、強風。
流石は厚別名物。
解ってるなぁ、厚別。


帰りの道も凄く気分が良いままで。
妙にハイになって「厚別」を何回も歌ったりして。
ふと気が付けば、後ろの車のルームミラーにドーレくんのマスコットが下がってた。
新千歳空港の傍では、いきなり頭上で響く轟音。
慌てて窓を見れば、ジェットが真上を横切ってランディングして行く。
行きも帰りもいいモン見たなぁ。

家に帰り着いて、一息ついて。
風呂に入って初めて、両腕が赤い事に気が付く。
肘から先が。特に、右腕が。見事に赤い。
そう言えば、顔や首にはしっかりと日焼け止めを塗ったけど、腕は忘れてた。
5月にして早くも、今年初の厚別焼け。
でも、その赤みさえも、何だか嬉しい。
勝利の証・みたいな気がして誇らしい。


厚別開幕を。
そして第2クール開幕を。
勝利で終えれた事が嬉しい。
たくさんのお客さんの前で勝てた事が嬉しい。

何より、あの空の下で勝てた事が嬉しい。


この歓びを忘れないで。
また一つずつ積み上げて行きたい。

何よりも大切な場所で。
誰よりも大切な人達と。





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posted by 半月 |23:30 | 試合に行った日 | コメント(0) |

2007年04月01日

足下からの春

朝、起きた瞬間から、凄く天気が良くて暖かくて。
準備をしながら、2003年の入江の試合を思い出したりした。あの日も暖かかった・・・・気がする。
家の外に出れば、いつの間にか庭先に小さなクロッカス。
白い蕾が開きかけていた。


「北海道じゃ3月に桜は咲かないんだよ!」

USさんの、試合前の言葉。
確かに頭上の桜はまだ固い蕾のままだけど。
でも、足下には小さな春。

足下から、確かな、春。


今は、守備の立て直しをしている時期だから。
要は実践で守備練習をしているんだと、そう思ったら。
何だか凄く、気が楽になった。

攻撃をしている時は、去年までの様に盛り上がって。
守備に回ってからは、如何に護れるか・を楽しんで。

そうやって自分の中でも攻守を切り替える様にしていたら、特に不満に思う事も無く90分が過ぎていた。
J1に定着出来るサッカーを作り上げる為には、やっぱり守備力も最低限必要な訳で。
J2では1失点で済む所も、J1なら2~3失点ぐらいになってしまうかもしれないから。
これも、必要な過程。
目指すものが変わったわけでもなく、ブレたわけでもない。
随分遅れて、ようやくそう納得出来た。

「このチーム」で強くなる。

その思いは変わってないんだ。やっぱり。
少しでも力になりたいし、なれれば嬉しい。
一緒に闘わなくちゃ、得られないものもある。



とは言え、入江のゴール裏は実は初めてで。
入江自体も、地元のくせに初参戦は2002年・と厚別より後だったし。
その上、今までは殆どバックスタンドだったので。
「芝生」で「斜面」のゴール裏は全くの初体験。
思ったよりは跳べたけど、やっぱり平らな地面よりは足が辛かった。
気を抜いたら前につんのめって行きそうになるし。
爪先は痛くなるし、芝の微妙な凹凸が結構辛かったりもしたし。
試合前は羽虫が群れをなしててちょっと鬱陶しかったけど。

でも楽しかったから、まぁいいや。

夜にテレビを見ながらアイシングしたけど、まだ太腿とか痛い。
きっと明日は筋肉痛だ。
だけど、それさえも嬉しいんだろうな。


これで5試合連続無失点。
守備構築中と思えば、見事な結果だ。
もう暫くしたら、攻撃力との融合を始める時期が来るんだろう。

螺旋階段をゆっくりと。

回りながらここまで来たんだから。
もう暫く・ぐらいの時間は大した事じゃない。



このチームと強くなろう。
歓喜を一緒に手に入れたいから。


posted by 半月 |01:21 | 試合に行った日 | コメント(0) |

2007年03月11日

開幕戦を終えて

今日は、試合に行けるんだ・という、只それだけの事が凄く嬉しかった。
前の日の夜から落ち着かなくて、取りあえず鞄に忘れちゃいけない物だけは詰め込んで。
出発してからもドームに早く着きたくて、実は少し暴走気味になったりもしたし。
試合なんだ・と考えただけで、胸が躍る気持ちも味わった。
36号線の道程。入場待ちの人の列。ドームの中の風景。ブースの混雑。DJさんの喋りにドールズのダンス。
懐かしくて嬉しくて、本当はどれだけ楽しみだったかを思い出す。
たった3ヶ月。されど3ヶ月。
『サッカーの無い日常』に無意識で積み上げ続けたストレスを思い知った。


この風景が日常にあって。
毎日の生活の中に、当たり前の様にチームの事を気にかける瞬間がある。

それってやっぱり倖せな事なんだ。


試合内容は、恐れていた程のドン引きでも、静止画像でもなかったから、取りあえずは一安心。
でも改めて実感したけど。
やっぱり個人的には、攻撃的なサッカーの方が好きだなぁ・と。
同じ1点でも、「シュート3本で1得点」と「シュート10本で1得点」では試合後の気分が全然違う。
とにかく、勝点3を奪いに行くサッカーを。
1点差を護り切るよりは、追加点を上げに行く方が好みだな。
後半、こっちへと攻め上がってくる選手達の姿が嬉しかった。
柳下監督に嫌と言う程走らされた事は忘れてないよね?
あれは札幌の武器の1つだと思うから、無くさないで欲しい。


征也くんが見事に走り込んで先制点を上げてくれて。
でも相手は難敵の鳥栖。1点差ぐらいじゃ全然安心出来ない。
USの兄さんの煽りに、思わず本気で答える。
「1点ぐらいで満足してないよな?!」「勿論!」
喉やられてて声は上手く出せないし、マスクしてるから息苦しくて酸欠になりそうで、それでも必死で跳んだりしたから。
後半の途中からはもう、朦朧としてきちゃって。
最後の10分ぐらいなんかは、太腿の裏側と左のふくらはぎがつりそうになるし。
それでも、ここで気合い抜いてやられてたまるか・と、必死で跳んでた。
あんまりにも必死すぎて、試合終了の瞬間、何が起きたのか解らなかったぐらい。
少し間が開いて、状況が掴めて、思わず呟く。

「勝・・・・った・・・・・・?」

理解するには、本当に時間がかかった。



もう1点、なんとか取らせてやりたかったけど、ちょっと力及ばなかったか。
も少し頑張らんとだめだなぁ。
取りあえずは、風邪を治すか。21日はマスク無しで、思い切り歌いたい。
それと、今日、気が付いたけれど、頭上で手拍子してると腹筋に力が入れにくくて結構、歌い辛いもんだな・て。
と言う事は、ここも鍛えないとダメって事か。
選手達が頑張ってるんだから、こっちも頑張らないと。
出来る事でいいから努力していこう。
そして、その「出来る事」を少しずつ増やしたい。

今年の目標『最後まできちんとサルト出来る様になる』


ちょっと不安でもあるけど、でも頑張る。
取りあえずは、筋肉痛にそなえなくちゃ。

posted by 半月 |01:48 | 試合に行った日 | コメント(0) |

2006年09月14日

「そのひとつは希望」

朝の新聞で、出番がある事を知った。
駐車場で車を置いたスペースが、219だった。
マッチデイプログラムの表紙にもその姿があった。

「こりゃあ今日は、ひょっとして関くんデイかもな。」

そんな事をちょっと思ったりもしたけれど。


まさか、お立ち台に上る程、活躍してくれるとは思わなかったよ。


ありがとう関くん。お疲れさま関くん。今日は本当によく頑張ってたよ。
関くんをお立ち台に乗せてくれたスタッフも、渋くていいなぁ。
試合が終わって前に駆け寄って、立った場所はちょうど関くんのダンマクが貼ってある所だった。
何だかそんな事さえも、嬉しくて堪らない。


ゴール裏のダンマクも見事!
更には、あの「攻めろ」コール!凄すぎる!

あれ程、直接的に言葉が伝わるコールは初めてだと思った。
想いがはっきりと伝わる。間違えようも無い。
最初は笑いも起きたけれど、後半になるに連れてどんどん勢いが増して行った。

気合いが乗移った様に走る選手達を見て。
ああ、こういう事なんだな・と思った。
勝点3よりも。ゴールシーンよりも。
欲しかったのは、きっと、こういうもの。

繋がり合う想いも無く勝利だけが転がり込んで来ても。
それは何処か虚しいから。
それは心には残らないから。

そういう勝利も見て来たし。
そういう勝利は記憶の中でも朧だし。



本当は、試合前は怖くて堪らなかった。
あんなに緊張したのは、久し振りだった。
勝って欲しい という願いと。
勝てるだろうか という不安と。
2つの想いが入り乱れて。
寒さだけじゃなく、震えが止まらなかった。


黄金色から茜色に変わって行く空。
ライトに照らし出される翠のピッチ。


厚別は想いを裏切らない事を知ってはいても。


本当に待ち遠しかったホイッスルを聴いた。
冷えた手すりが直ぐに熱を孕む。
言葉をかけるよりも、ただ拍手を送った。

手に入れたのは、勝点3と確かな希望。

すぐに来るアウェイの試合に、この想いを繋いで欲しい。
崖っぷちのギリギリで、それでもここから底力を見せよう。
走り抜けば必ず勝機は訪れるから。











駅を出ると、空には半分の月が浮かんでいた。
何処かで見たな・と思えば、開幕戦と同じような位置。
あの日と同じ様に、笑みの形を造って浮かんでいる。

今日が私にとっては、厚別最終戦。
残りの2試合は、恐らく行けないから。
その今日に、最初の日と同じ様な月を見る。

開幕戦の日には青空に上弦の月。
最終戦の今日は夜空に下弦の月。

どちらも同じ様に笑って見守っていてくれて。


なんだかそんな事さえも、嬉しかった。


posted by 半月 |01:28 | 試合に行った日 | コメント(0) |

2006年07月09日

その向こうに広がる青空

ひと際、大きな歓声。
ひと際、沢山の拍手。
期待と喜びがどれ程のものだったかを雄弁に物語る。
もう一度ピッチに戻って来る日を、どれだけ待っていたか。

「MF。背番号20。上里一将」

ピッチに立つその姿の向こうに、青空が広がっている気がした。



曇天の下、家を出た。
36号線に入ってすぐに、霧に包まれた。
苫小牧までは霧雨の中を走った。
雲が切れ始めたのは、千歳に入ってから。
札幌に着く頃には、見事な青空が広がっていた。

こんな良い天気の日に厚別じゃないなんて、勿体ない。
やっぱりサッカーは青空の下が似合うだろう。
ドームも良い会場だけど。
芝も設備も申し分無いけれども。
それでもやっぱり、風が欲しい瞬間がある。
今日の前半もそうだった。

明らかに試合は愛媛ペース。
良く動いているしボールも回る。
このままじゃあ、また監督に「年寄り」とか「前半は寝ていた」とか言われそうだなぁ、とか思いもしたけれど。
それでも、妙に停滞した空気の中、懸念してしまうのは別な事。
「果たして愛媛の選手達のスタミナは、後半まで持つんだろうか」
いや、相手チームの危惧をしている場合じゃないんだけれども。
それでも何となく、最後までは持たない様な気がしていた。

そんな懸念を他所に展開する試合は、やはりどこか停滞ムード。
ドームの中に奇妙な熱が籠り始める。
なかなか試合の主導権を握れない事への苛立ち。
溜まり続ける主審へのフラストレーション。
千葉くんの退場。そして10分と経たない内に西嶋くんが負傷交代。
積もり積もった嫌な空気は、次の瞬間、一変した。

上里くんが11ヶ月振りに、公式戦の舞台に立った瞬間に。


絶妙のタイミングだ  と思った。


ドームに籠っていた負の感情が、一瞬にして正反対の物に変換される。
圧倒的な期待と歓喜。
ベクトルを変えた感情が新しい力となって発散される。
風が吹いて来た事を感じるのに、時間はかからなくて。
上里くんの交代から10分と経たないうちに、砂川くんが3点目を決めた。

完全復調という訳ではなさそうだったけれど。
FKは壁を直撃してしまったし。
でももし、あれが壁をすり抜けていたら・と想像すると、充分に期待出来るもので。


ピッチに立つその姿の向こうに、青空が広がっている気がした。


選手交代でピッチに入る時に、ついでに青空と太陽さえも引き連れて来たかのようで。
ドームの屋根が開いて行く様な錯覚さえ覚えた。




点差程の圧勝じゃなかった事は、データを見れば直に解る。
シュート・CK・FK、全て愛媛が上だ。
ゲームを支配していた時間も、愛媛の方が上だろう。
勝って尚、反省すべき所は多い。
勝点よりも課題を手に入れた試合だっただろう。

それでも、そんな試合でも勝利を手に入れれた事は大きいと思う。

直ぐに柏との対戦が来る。
今度は内容にもこだわって欲しい。
激戦だった・と。柏相手に一歩も譲らない試合だった・と、拍手と共にそう言える様な試合を見せて欲しい。
勿論、そこに結果が付いてくれば、尚、嬉しいのだけれど。
そうそう簡単に勝ちをくれるような、甘い相手じゃない。
だから、全力でぶち当ろう。


そうすれば、夜空の向こうにも青空を見る事が出来る。きっと。

posted by 半月 |08:07 | 試合に行った日 | コメント(0) |

2006年06月11日

祈りと声と

フッキが2度目のPKのボールをセットしている所を見て。
自然と。
極、当たり前の様に。
その言葉が頭に響いた。
神様、と。

サッカーの神様  と。

ここ数年、PKでもFKでも、神に祈ると言う事をしていなかった。
祈るよりも、選手本人に想いを託していた。
決めてくれ、頼むから入れてくれ、と。
でも今日は、当たり前の様に祈っていた。

サッカーの神様、お願いだから力を貸してやって。

ボールをセットするフッキを見ながら、そう祈る。
2度目の弾道は、真直ぐにゴールネットに突き刺さった。
僅か一瞬だった筈のその映像は、何故かとても緩やかに見えた。


試合が進むにつれ、祈りは思いに、想いは声になって、ドームを満たしてゆく。
1点入る毎に勢いを増してゆく沢山の声。
それでも、試合終了まであと少しの時間に、ゴール裏が叫ぶ。
その声は、SBまで確かに届いた。

「最後まで集中して応援しよう!」

周りから好意的なざわめきが起きた。
確かに届いた想い。
少しでも力になれば、と今まで以上に声を出した。

喉は痛いし。
叩きっぱなしだった手も痛いし。
何だか左肩まで痛いけれど。
でも、まぁいいか。
自分なりに精一杯頑張った証だから。

選手達に、届いたかな。
沢山の沢山の想い。

前半のまだ調子が出なかった頃。
余り勢いの無い声援の中で、小さな女の子の声が響いた。
「こんさどーれ、がんばれーー!」
「こんさどーれ、しっかりーー!」
幼いからこそ純粋な声は、大人の胸には却って突き刺さるもんで。
こんなちっちゃい子にばっかり応援させてちゃいかんよな、と改めて気合いを入れ直した。

試合が終わってから、ゴミを回収に来たCVSの方が笑顔で言う。
「フッキも大人になりましたよね」
そうですよね、と相槌を打ちながら、くすぐったいぐらいに嬉しい。
こんな日はCVSも仕事がはかどるんだろうな。何時も何時も、ご苦労様です。

家に帰ってから金曜日の夕方に撮ったYOSAKOIソーラン祭りのビデオを確認していると、アナウンサーの男性が新琴似天舞龍神の衣装を見て言った。
「黒の着物と赤い帯に白で、まさにコンサドーレカラーですね」
こんな所でまで、気にしていてくれる人がいる。
コンサフリーク~北海道武蔵女子短期大学~の女の子が、挨拶の終わりに言ってくれる。
「私達はコンサドーレ札幌を応援しています」
ありがとう。例えカンペを読んでるだけでも嬉しいよ。


沢山の人達の、沢山の想い。
小さくとも少しずつ集まって。
そして大きなうねりになって。
選手達の背を押す力になっただろうか。
少しは迷いを晴らす事が出来ただろうか。

この1勝が、1歩を踏み出す力になればいいのだけれど。
例え1歩であっても、踏み出さない事には前へは進めないのだから。

posted by 半月 |01:32 | 試合に行った日 | コメント(0) |

2006年05月14日

INVINCIBLE ONE

 たった1ヶ月、勝星がないぐらいがどうした
 今までにはもっと辛い事もあった
 2年間、積み上げて来た物は無駄じゃない筈だ
 前を向け 自分を信じろ
 J2で一番面白いサッカーをしているのは札幌だ
 だったらそれを、一番強いサッカーにしよう

 男だろう、根性見せろ!




そう言ってくれば良かったなと、今頃思いついた。
……ダメか。長すぎる。言ってる間に選手が行っちゃうか。

言えたのは「2年間やって来た事を信じてくれ」だけだった。


ネガってる人や怒ってる人に申し訳ないけれど、私は別に失望してないので。
選手達が自信を失っているんじゃないかと、その事の方がずっと心配だ。
この自信は、勝てば簡単につく様なものじゃない。
勝つ為の安直な道を選ぶ事も出来るけれど。
その道はきっと行き止まりになっている。
そんな道を行かせて、無駄な時間を使わせたくない。

選手達は頑張っている。
頑張っている人を非難するなんて、そんな理不尽な真似をしたくない。

もう、付け焼き刃の強さも寄せ集めの強さも欲しくない。
本当に強いチームになって欲しい。J1に定着出来るチームに。
それには時間がかかるし忍耐も要る。
とことんまで付き合う覚悟ならとうに決めた。


今年は「勝負」にこだわる年。
決して「勝利」にこだわる年ではない。

この道で、間違ってはいない。
どうか違えないで欲しい。


 You've got be strong.
 It's never too late.
 I never say die.

posted by 半月 |23:54 | 試合に行った日 | コメント(0) |

2006年04月16日

ひたすらに嬉しかった1日

一夜明けて。
未だ興奮修まらず。

去年も10月、12月と勝った試合は見てるけど、
『快勝』となると、7月の甲府戦以来かなぁ。
ロスタイムのGo Westの気持ちよかった事!
買うかどうか悩んでいた「似顔絵フェイスタオル」を勢いで買ってしまったよ。

監督もおっしゃった通り、楽しい試合だった。
最後の最後まで攻め切ったからだね。
後半の一時期、動きが鈍くなった時間帯があったけれど、
そこを持ちこたえてくれて、1失点だけで終わってくれた。
本当に、強くなったんだなぁ、と、実感して。
嬉しいやら誇らしいやらクスグッタイやら。
思い出すだけで何だか口元が緩んで来る。

今日になっても、95分間歌ってた割には、喉がそんなに痛くない。
歌う意外の事を叫ばないで済んだからかな、と思う。
3月の試合までは良く叫んでいた事
「プレス!」「チェイス!」「勝負!」「集中!」
そう言う事を殆ど言わないで済んだ。
「集中!」だけは、1回叫んだけどね。
でも、他は何も言わなくても当たり前の様に動けていた。
当然と言われれば当然なんだろうけど。
けれどやっぱり、その当然の事が凄く嬉しい。
子供の成長を喜ぶように。
「ウチの子達」の成長は、やっぱり嬉しい。

 
昨日は何だかずっと浮かれる事が多くて。
ドームの連絡通路にあるチームのブースでまず浮かれて。
曽田くんのシューズと林くんのグローブは思った通り大きいんだけども、
池さんのシューズがちょっと華奢に見えてビックリ。
小さい訳じゃないんだけどね。細い。
比較対象が曽田くんだからかな?

プログラムの表紙の相川を見てカワイイと浮かれて。
2ページ目の監督に抱きついているフッキがまた可愛くて。
メインスタンド側にあった関くんのダンマクがシンプルなのにカッコ良くて、
見惚れて写真も撮る。制作者さんのセンスがいいんだろうなぁ。
ドールズのパフォーマンスにもカッコいいと大喜び。
ゴール裏に上がる大量のゲートフラッグに圧倒されて。
響く歌声が、また凄い。気合いに満ちた圧倒的な声量!カッコいい!
選手紹介の時の監督の映像にまたカッコいいと大はしゃぎして。
キックオフ直前の映像に、また盛り上がる。
前半は攻め上がって行く選手達の背中が頼もしくて。
僅か10分の間に、得点・失点・再得点した時は笑っちゃったけど。

前半終了した時に「勝った」と思った。

ハーフタイムのドールズのパフォーマンスに本気で見惚れる。
たまたまSBの一番上から見ていたから、フォーメーションの格好良さを再認識できて。
ドールズは本当に凄い。改めてそう思う。
後半に入ってからも、駆け上がって来る選手達を嬉しく思い。
相川の追加点に喜び。
動きが鈍くなった時は少し心配だったけど。
それでも若手2人の投入からまた勢いを取り戻してくれて。
圧巻はやっぱり加賀くんのシュート!
後半ロスタイムで!あのスピード!!あの運動量!!
シュートを決める前から、もぅ、カッコいい!を連発してしまったよ。
背が高くてスピードがあるから、突破と言うよりは「突撃」という感じで。
サイド突破大好きな私には絶叫物のカッコ良さ。
取られても自力で取り返してシュートに持ち込むあの根性!
こういうのが見たかったんだよなぁ、とホレボレしてしまうよ。
 

何よりも嬉しいのは、95分走れた事。
水戸戦・横浜戦と思ってはいたけれど、改めてそう実感する。
監督は本当に95分間戦えるチームを作ってくれたんだなぁ。
その事実を噛み締めて、嬉しく思い、感謝をしたい。
応える為には、やっぱりこのチームで3位以内に入ってJ1に上がらないと。
是非とも監督を胴上げして、J1に行きたい!

 
まだ9節で、先はまだまだ長いんだけど。
それでもやれると信じているし。
希望を持ってそう言えるのがまた嬉しい。
大丈夫。君たちなら出来る!
次も気合いを抜かないで、確実に勝ちに行こう!

posted by 半月 |17:21 | 試合に行った日 | コメント(0) |

2006年03月12日

負けはしたけれど

負けた試合だったけれど。
不思議と、それ程悔しくはない。
試合内容自体は悪くなかったから、と言う事もあるだろうし。
久々に感じたホームゲームの雰囲気が心地よかったからでもあるだろう。

丸3ヶ月以上『ここ』に居なかった事が信じられない。
居なかった期間がたった3ヶ月程度だったとは思えない。
ゴール裏を埋め尽くした皆の気合いの籠った声。
ドームの天井に響き渡る声はもの凄く格好良くて。
隙間なく上がったゲートフラッグも迫力があった。

選手達もドールズもドーレくんも、新しいユニフォームがとても格好良くて。
期待を高めるには十分だった。

肝心の試合内容も、全てにおいてダメだった訳ではなく。
勿論、全てにおいて良かった分けでもなかったけれど。
良い部分と悪い部分。両方を見る事が出来たと思う。
総体としては悪くなかった感じだ。
むしろ、これを修正して挑む次の試合が楽しみになってくる。

だから、それ程悔しくはないのかもしれない。
でもきっと、それだけでもなく。
 

きっと、ただ単に嬉しいんだろう。
ホーム開幕を迎える事が出来た事が。
また、試合に行ける事が。
試合を励みに毎日を送れる事が。

日常の中にサッカーがある。
そんな日々が始まった事が。
 

ただそれだけの事が嬉しくてたまらないんだと思う。

 

ようやく湧いた開幕の実感。
やっぱり、あの『場所』に行かないと感じられない物がある。
さぁ、またサッカー漬けの日々の始まりだ。

 

 
それと、もう一つ嬉しかったのは。
北3ゲートで社長自らがお出迎えをして下さったと言う事かもしれない。
あんまりにもビックリし過ぎて、ロクな挨拶も出来なかったよ。
「ブログ、読んでます」ぐらい何で言えなかったかな、自分。


posted by 半月 |01:31 | 試合に行った日 | コメント(0) |

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