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2017年02月18日

『蜜蜂と遠雷』  恩田 陸

恩田 陸は 結構好きで、『常野物語』 を中心に 一時期ずいぶんとハマって読んだのですが、ある時期から 途中までは面白いのに ラストでモヤモヤという作品が続き、しばらく離れていました。
という事で、これは今回の直木賞を受賞した作品なのですが、読むか どうしようか迷った末、あまり期待せずに読みました。


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ピアノコンクールに臨む若者たちの青春群像なのですが、とても良かったです。
勢いがあり、面白くて、一気に読み終えました。
ストーリー展開は予想を超えるものではないけれど、ピアノコンクールの厳しさ、天才の才能が開花していく瞬間が、短めの文章でテンポよく、上手く表現されていて、ワクワクしながら読み進められました。
久々に素晴らしい恩田陸に出会えました。 


ただ、主人公の一人、風間塵がスーパー過ぎます(笑)
音楽を習っていなくても絶対音感を持っていたり、音楽に対する理解が深かったり、耳が異常に良かったりするというのは まぁ あり得なくもないですが、ピアノを弾くテクニックは別、センスや才能により上達のスピードに差はあっても、それなりに練習を積まないと身に付かないものだと思います。

もう一つ、
「心の奥の柔らかい部分」と聞いたら 「夜空ノムコウ」を思い出しませんか?
「世界はこんなにも音楽に満ちている―――」という類のフレーズも何度となく登場するし、今回の恩田陸は比喩が安易な気がします。

本筋とは関係ありませんが、
You Tube は便利ですね。
鑑賞には物足りないですが、知らない曲を探すのが楽で助かります。


posted by aozora |21:04 | 本の話 | コメント(1) | トラックバック(0)