2016年04月20日
『何者』 朝井リョウ
『何者』 朝井リョウ 第148回直木賞受賞作で、今年秋に佐藤健や有村架純らの主演で映画化されます。 巷は 就職活動シーズンの真っ盛りです。 この本に出てくるのは 本当にどこにでもいるような就職活動中の若者で、SNSを小道具に 彼らの日常を等身大に描くことによって、誰もが持っている 心の闇と醜さ、本音と建前、二面性、アイデンティティの確立に悩む姿 を上手く表現できていると思います。 「何者」 というタイトルも、なかなか含むものがあって 良いですね。 ただ、そこら中に溢れているストーリーで、エンターテインメント性はありません。 最終的には そこそこ面白かったけれど、文章の読みにくさもあって なかなか面白さが伝わって来ず、読み終えるのに いつもの倍以上の時間がかかりました。 SNS の代表のように Twitterが登場しますが、既に古びてきた印象は否めません。この辺は難しいところです。 さて、そうやって苦労して苦労して、やっと就職した会社がブラック企業だったとしたら・・・。
posted by aozora |21:37 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)