2016年04月14日
『恥さらし』 稲葉圭昭
元北海道警察の警察官、稲葉圭昭、 様々な悪事を働いた挙句、覚醒剤の使用がバレて御用。 実刑判決を受けて 9年間服役し、2011年9月に出所。 出所直後の同年10月に出版されたのが この本です。 「日本で一番悪い奴ら」 というタイトル、綾野剛主演で 映画化 (2016年6月公開) される関係で、今は表紙カバーが 二重になっています。 警察官時代に 自らが どのようか経緯で犯罪に手を染めて行ったのか、北海道警察という組織の犯罪を 赤裸々に語っています。 ロシア人船員への違法なおとり捜査が明らかとなっている現在、書かれている内容は それなりに信用しても良いのでしょう。 ただ、稲葉という警察官の人物像を含め、個人的に 何人かの関係者から聞いた話とは ずいぶんと違っている部分も多く、自らの犯罪の全てを正直に語っているとは とても思えません。 少なからず自己弁護に終始しているという印象は否めず、物足りないというか、シラケるというか、中途半端な読後感でした。 それでも、警察という組織の一端を窺えるのは間違いない訳で、北海道民として一読の価値はあると思います。 一生懸命に真面目に勤務している大半の警察官の皆さんには やりきれない本でしょうね。
posted by aozora |21:52 | 本の話 | コメント(2) | トラックバック(0)