2008年11月16日
最後まで読み終えられなかった本もあるさ
前に書いたとおり 『どすこい(仮)』 も途中で飽きたのだけど、京極夏彦だって 時には息抜きをしたいよね、と思いながら 最後まで読んだ。 だけど、途中で読むのが面倒になって最後までたどり着けなかった本というのも 結構あるわけで、今回は そんな本の話を簡単に。
『失格社員』 江上 剛 セクハラ、パワハラ、公私混同、不祥事、ワーカホリック等々、サラリーマンが抱える問題は シチュエーションが変わっても 基本的なことは昔も今も変わらないんだな、というのが正直な感想。会社員になりたての頃に こんな小説を一生懸命読んだよな と思いつつ、あの頃なら この本も面白く読んだのかもしれないけれど、50歳になった今 読むと どれもこれも中途半端で甘い展開で、現実はもっともっと厳しいぞ と思いつつ、半分くらい読んだところで、GIVE UP。
『アイズ』 鈴木光司 『リング』 『らせん』 は面白かったけど、『ループ』 は三部作にしたいがために タイトルから入って失敗したと思うし、それ以降は どうも駄目だな。『楽園』 『仄暗い水の底から』 はそれなりに面白かったけど、あとはどうも、、、、、、、 この 『アイズ』 も期待して読み始めたのだけど、「ホラー小説の旗手が「本当にあった怖い話」を取材して描いた 超恐怖小説!」 という うたい文句の割に 全然 怖くない。本当にあった とうたっているにしてはリアリティが無いし、中途半端なまま 終わっている。この本も 半分くらいで GIVE UP。
『こんな話を聞いた』 阿刀田 高 阿刀田 高は昔から好きな作家で、どの作品を読んでも裏切られなかったと思うのだけど、この作品集はどうも駄目だった。 こんな話を聞いた、で始まる短編18話。どの話もそれなりに面白いとは思うのだけど、続かなかった。何故だろう? 多分 最近の体調と合わなかっただけだ、この次に読めばきっと違う印象になるかもしれない と自らに言い聞かせ、この本はまたの機会にとっておこうと思う。
posted by aozora |22:54 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)
2008年11月16日
『イエスの遺伝子』 マイクル・コーディ
京極夏彦の単行本 『どすこい(仮)』 と 文庫本の 『どすこい。』 は同じ本なのだろうか? 『どすこい(安)』 という本もあるようなのだけど、なにが違うの? と思って検索してみたら、単行本が(仮)で、軽装版が(安)、文庫本が 。らしい。 まぁ どうでもいいや。 単行本と文庫本でタイトルが違う という本は少なからずあって ( このブログで最近紹介したものだけでも、佐々木譲著 『うたう警官』→『笑う警官』、夏見正隆著 『僕はイーグル』→『スクランブル』 などがある)、単にタイトルを変更するケースだけではなく、文庫化を機に 内容や文章にも手を入れてタイトルを変更するケースなど、様々だ。 より良いタイトルに変更されるなら まだ良いけれど、間違って同じ本を買ってしまう可能性があるから、気をつけないといけない。そもそも 年齢のせいか 最近は同じタイトルでも 同じ本を二度三度と買ってくることがあるのだから、本当に困ったものだ。
マイクル・コーディ著 『イエスの遺伝子』 は、同じタイトルで 一度文庫化されたが、後に 『メサイア・コード』 とタイトルが変更されて 再発売されている。明らかに 『ダ・ヴィンチ・コード』 の影響で、二匹目のどじょうを狙ったものだろうけど、これは行き過ぎだよね。 この本は 古本屋に安く山積みされていて、普通はこの手の本は買わないのだけれど、「ディズニーで映画化決定!」 と書かれた帯に惹かれて買ってしまった。 (物語) 天才的遺伝子学者トム・カーターは、人間の遺伝子をすべて解読する装置を開発し、ノーベル賞を受賞した。だが 祝賀晩餐会の直後、彼を狙う暗殺者が 妻の命を奪った。やがて 妻が脳腫瘍を患っていたことが判明、彼は自らの装置で八歳の愛娘を調べるが、脳腫瘍で一年以内に死ぬことを知る。彼は娘を救う方法を探るものの、有効なものはなかった。残された道は、奇跡の治癒をもたらす イエス・キリストの遺伝子の謎を解くことだった。 イエスのDNAを求めて世界各地を探し回るプロジェクトチーム、イエスの復活を待つ秘密結社、悪を粛清する謎の暗殺者、コンピュータのエキスパートなどが複雑に絡み合い、クライマックスに向かって ぐいぐいと疾走する。 良くも悪くもアメリカ的な小説で、ハリウッドの臭いがプンプン。でも、単純に面白いです。有り得ないストーリーなのは判りきった事なのだけど、あえて騙される楽しみですね。一気に読み終えました。 このラストは意見の分かれるところでしょう。この小説が映画化されなかったのは 当然だと思います。( これから 実現するのかもしれないけれど ) それにしても、この作品が日本で発表されたのは 1998年、アメリカでの発表は その1~2年前なのでしょうけど、この10年間のDNA研究・DNAビジネスの進展は 驚くものがありますね。この作品の中で出てくる最新の技術が 既に半ば常識となり、荒唐無稽なお話とは思えなくなっているのですから ビックリです。
posted by aozora |19:37 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)