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2008年02月05日

『ほんとうの魔法』  立原えりか

仕事帰りに 恩田陸 『Q&A』 を探しに ブックオフに寄り 首尾よくゲット 
一緒に 宮部みゆきと 楡周平を 数冊購入しました 

そこで見つけたのが 立原えりか著 『ほんとうの魔法』 売価 105円 


いやぁ 久しぶりです 立原えりか 

今の若い人は 知らないだろうな この作家  
20~30年前には 結構人気のあった童話作家で
当時は 講談社文庫や 角川文庫にも 多数収録されていたけど 
今は全部絶版になっているようだし 
古本屋で見かける事も殆ど無いから 接する機会がないもの

彼女の作品は 童話とか メルヘンという言葉ではくくれません 
もちろん 子供向けの作品もたくさんあるのだけど 
人気があった作品は 少なくとも子供向けの本ではない
「子供の心を忘れたくない 大人のためのメルヘン」 という言い方もあるけど 
結構ブラックな毒があったりするので 単純に「メルヘン」と呼ぶのもしっくりしない 

有り得ない事を書いた小説で 有り得ない事が起きる理由に 
科学的な色付けをしたものを SF小説 
オカルト的な色付けをしたのが ホラー小説 
魔法的な色付けをしたのが ファンタジー小説
というような分け方をすると ファンタジー小説という事になるのだろう 

しかし 彼女の場合は それだけでもくくりきれないものがあり 
立原えりかワールドとしか呼べない 独特の世界を構築している 

中長編よりも 短編に彼女の良さが出ていると思います 


『ほんとうの魔法』
この本は ユリイカに連載した短編を集めたもので 
連載分7篇と 書き下ろし1篇が 収録されています
全篇に 妖精 魔法 愛 があふれていますが 
ハッピーエンドだけでなく
このあと どうなるんだ? と ドキッとするラストも続きます 


好きな人は「大好き」 好きになれない人は「付いていけない」 と
評価は 真っ二つに分かれる作家かもしれません

僕は 前者です 
本棚には 角川文庫5冊 講談社文庫11冊 単行本5冊があります 
今となっては入手困難な本ばかりなので これからも大切にします



 

posted by aozora |23:19 | 本の話 | コメント(0) | トラックバック(0)