コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2011年10月20日

京都戦反省と鳥取戦・徳島戦展望

 開始から先制されるまでは波状攻撃もあった、運動量もあった。個人技だけでなく連携プレーも見られてサッカーの内容はなかなか面白かった。しかし面白いだけでは勝てないのがフットボールだ。コンサはいくつかの問題を抱えて京都戦のキックオフを迎えていた。

 さかのぼると2009年コンサガイド。表紙の5人は物語のスタートになる。鹿島へ行った西ダイゴ、FC東京へ行った上里カズ、新潟へ行った藤田セイヤ。今も残るのは「我らの10番」宮澤と「ひざがボロボロ」ヤス岡本の二人だ。この5人の動向と2年半に渡る石崎戦術のつまづき、そして先日の厚別鳥栖戦からAWAY3連戦の第1戦となる京都戦への向かい方がシンクロして仕方が無い。

 2009年のコンサ若手実力派5人衆は揃いも揃って石崎戦術にハマらない。ハマったように見えた試合は確かにあったが、がっちりと組織の歯車にならずパズルのワンピースにも成り得ない試合の方が圧倒的に多かった。そしてそのピースは中盤の起点であり攻守の切り替え部分を担うエンジンである。

 鳥栖戦を終えた感想は、宮澤が酷過ぎるということだった。運動量もなく位置取りも悪く、10番なのにボールに触れないという致命的な欠点だった。鳥栖はプレッシングサッカーを志向しスナマコとジオゴを徹底マークしたため、中央からの突破、すなわちCB~ボランチ~ウッチーあるいはユースケという縦のラインしか打開策は無かった。総合的に考えてコンサが無得点で終わったのは妥当だったのかもしれない。それでも岩沼クロス⇒ウッチーのダイレクトシュートというのがあったし、クッシーもミドルを狙っていたので1-1ドローへの執念は見られた。

 中2日で迎えたAWAY西京極は、元々ゲンの悪い会場で1勝しかしていない上、サンガとの通算成績も4勝4分12敗(今回の敗戦含む)と散々なものだ。だから石さんはギャンブルを仕掛けてくるだろうと考えていた。「宮澤外し」である。2009年、2010年そして今年。河合をボランチに上げるまで執拗にこだわり続けた宮澤のボランチに見切りをつける時が来た(と思った)。ベンチに荒野と前が入っていたためだ。ジオゴが居ないので内村と近藤の2トップ。天皇杯水戸戦で躍動した(観客に感動すら与えた)4-4-2を試すチャンスだったのだ。
 河合が出場停止だったので、「岩沼&荒野」もしくは「岩沼&前」のスタメンを予想していた。若さあふれ運動量もアイディアもある大木サッカーに対抗できるのではないかと期待していた。


         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆


 宮澤が輝いていたHOMEの千葉戦は4-0で圧勝した。胸のすく圧勝劇、コンサ史に残る「倍返し」だった。フェイスガードを付け視野も狭くなっているだろうに八面六臂の活躍を見せた。ところが宮澤に元気が無いと(体力的にもアイディア的にも)あっという間に中盤は制圧されてしまう。せっかく函館で2-1と逆転勝利したのに、0-4のスコアでまさに「倍返し」されたのである。

 話は2009年の5人衆に戻る。クラブが志向した路線は5段階計画を継承した地元高校出身者、アカデミー(コンサユース)出身者で固める強化路線だった。この路線は今後J2だろうがJ1だろうが踏み外せない憲法みたいなものである。ダイゴもセイヤもJ1へ行った。上里と岡本はコンサが以前から開拓してきた九州・沖縄でダイヤの原石を発掘してくる強化策から出てきた器だ。上原もその一人に入る。

 宮澤とヤスは2009-2011年のクラブの強化策と石崎サッカー(育成面)での象徴である。もし、京都戦で宮澤を外す決断(非情な采配かもしれないが)が出来たのなら、新しいクラブのビジョンが提示できたのではないかと思うのである。2012-2014年の新たな3ヵ年計画。もう答えは出ているようなものだ。天皇杯2回戦、3千数百人が厚別で目撃した「札幌-水戸戦」にこそ全ての方向性が凝縮されていたのではないか。

 前置きが長くなったが、次節の鳥取戦に1試合毎の「戦術」を越えた「戦略」の一端を垣間見たい。最近その思いを強くしている。天皇杯でU-18を見てから一層強まった思いだ。今後3ヵ年(長さはこれくらいが限度だろう)に渡る強化育成計画を期待してやまない。残り8試合(HOME3試合、AWAY5試合)、J1昇格できてもJ2残留でも見据えるヴィジョンに変わりはない。自前で育てるしかない、連動する中盤を、得点できる中盤を、決定力のあるFWを。今年2011年は守備力に花咲く年となった。河合、山下、クッシー、ホスン。DF出身の石崎監督はこの辺りの目利き、選手の起用方は優れている。

 柏レイソルはJ2優勝の翌年にもうJ1優勝が狙える位置にいる。サカダイの受け売りになってしまうが、アカデミーからトップの育成方針、パスサッカーの戦術に串が通っているからだ。コンサドーレもU-18から出てきた逸材を二種登録して実戦経験を積ませる方針が加速している。1993年生まれの札幌黄金世代がトップの中心になることが既成事実化している証拠だ。クライトンやダニルソンに頼るサッカーじゃなく自前の選手、自前の中盤で勝負する時が近づいている。2009年の5人衆は間違いなくその路線の始発駅であった。今週のAWAY3連戦、J2かJ1かの分岐点にそのレールは差しかかったのだ。クラブの目指すべき次の駅が示される。J1で残留するためにはサイドバックもサイドハーフも、ボランチもFWも(あるいは監督も)補強したいところだが、クラブの財政事情を考えるとJ1昇格メンバーをそのまま実戦強化(もちろん今から)した方がいい。上がってから補強してキャンプだと今までの二の舞になる。

 得失点差の法則から言えば、FC東京と鳥栖の昇格はかなり堅い。もしかすると東京ヴェルディがまくって3位もあるかもしれない。得失点差から言うと札幌も徳島も千葉も実に際どいところにいる。3位ギリギリと言われる10敗ラインももうすぐ突破してしまう。昇格のボーダーは当初よりも遥かに下がる見込みだ。延期分の第6節が札幌、徳島、千葉「総コケ」で勝ち点ゼロ。それでも1試合消化したので上位にとってはスゴロクは先に進んだ。まだツキはある。
 スナの言葉を借りれば「昇格に値するのか?」というチームが3位に食い込む予定だ。京都サンガに0-4負けを喫したことでコンサの得失点差は14から10へと下がった。得失点差二桁が昇格の最低条件とするならば、3位の有力候補は14の徳島だ。しかしラッキーな事に徳島との対戦が残っている。震災で延びた徳島戦が鳥取戦の次に控えている。これを追い風にするしかない。石さんはギャンブルを打てるだろうか…


posted by odo |15:13 | データファイル2011 | コメント(2) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:京都戦反省と鳥取戦・徳島戦展望

昇格するなら5連戦で4勝だ!と思っていたら・・・

得失点差も10を切ってしまうようでは×ですね

宮澤は中盤でボールをさばくタイプではなく、ジオゴが来るまでどうしようもならなかった1トップで使ってみた方がいいのでは?と思いますけどね
あのフィジカルとテクニックがあればそこそこやれそうなのに

posted by たかゆき| 2011-10-20 18:21

Re:京都戦反省と鳥取戦・徳島戦展望

4-4-2だと前線に二つの三角形ができます。今のコンサはその方が攻めやすいです。4-2-3-1を貫くのなら真ん中の三角形、つまりトップ下とボランチが同時に上がっていかなければスピードが出ません。△がサイドに動きアタッカーにシュートが生まれると素人は考えます(笑)

posted by odo| 2011-10-21 19:16

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