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2007年09月06日

黔驢之技(けんろのぎ)

黔に驢無し。事を好む者有り。船載して以て入り至れば則ち用ふ可き無し。
之を山下に放つ。

虎之を見るに尨然として大物なり。以て神と為す。
林間に蔽れて之を窺う。稍出でて之に近づくに、憖憖然として相知る莫し。
他日驢一たび鳴く。
虎大いに駭きて遠く遁れて、以為へらく且に已を噬まんとす。甚だ恐る。

然れども往来して之を視るに異能無き者に覚ゆ。益其の声に習れ、
又近づきて前後に出づれども、終に敢えて搏たず。稍近づきて益狎れて
蕩倚衝冒す。
驢、怒りに勝えずして之を蹄る。
虎因りて喜びて之を計りて曰く、「技此に止まるのみ」と。
因りて跳踉大敢して其の喉を断ち、其の肉を尽くして乃ち去る。

噫、形の尨なるや、有徳に類し、声の宏なるや、有能に類す。
向し其の技を出ださざれば、虎猛しと雖も疑ひ畏れて卒に敢へて取らざらん。
今、是くの若し。悲しきかな。


   唐・柳宗元

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2007年08月23日

手際の良さ

夕方のイチオシだったか、今日の道の行政指導、石水社長退任
の報道の後で、問題が発覚して今日で10日、対応としてずいぶん
手際が良い、というような言葉を(多少遠回りにだが)言っていた。
オイラもそれが気になる。

まあ、このへんの疑念をふくらませていくと某道内経済誌の記事
みたいになっていくから自分でもまともにとるのが愚かしいと
思いながらも、どうも疑心暗鬼を生じずにはいられない。

そもそも、確かに今回の事件は不正ではあるけど、雪印のように
食中毒を出したわけでもなく、ミートホープのように明らかな
食材偽造による不正利益を出したわけでもない。まあ、賞味期限偽造
というのも立派な犯罪的行為だというのが正義の立場だろうが、
前二者と比べれば遥かに軽微な過失であって、せいぜい内部告発
で保健所の監査が入って指導警告で是正する程度で済むようなレベルでないかな。
(それでも問題を過小評価する開き直りだと非難する人もいるだろうけど、
比較の対象として「カネミ油症事件」とか「森永ヒ素ミルク事件」とか
参照してみてね)

白い恋人のスキャンダルと撤去による道産品全体のイメージへの
ダメージを危惧するのが道の姿勢だろうが、だったら一刻でも早く
製品の品質を確保向上させる方が建設的だろうに、道は石屋製菓を
非難するばかりで、風評被害には我関せずの姿勢。
(これ、オイラ不思議なのよね、いまだに)
そして待ってましたとばかりにメインバンクによる経営権掌握。
(いくらなんでも早すぎね?ま、危機管理だと言われればそれまでだが)

道の補助金が今年で打ち切られる話はすでにはるか前から
わかっていたこと。とはいえ当然HFCは延長の交渉を考えていた
だろう。まして今季は首位を走り、昇格も具体性を帯びてきている。
J1昇格を果たしたチームへの補助金を機械的に打ち切ることに
忸怩たる面も出てくるかもしれない。
…でも、今回の不祥事で道は、何のためらいもなく補助金を打ち切る
大義名分が出来たわけだな。

石屋製菓を支配下に置いた北洋銀行は、業績の悪化を錦の御旗に
スポンサー料の減額もしくは撤退を具体化できる。
財政難の脱却を看板にする道は、札幌への補助金カットを業績として
アピールできる。
風雲児だった石水氏を放逐した道の経済界は、目障りなはみ出し者を
掃除できてメデタシメデタシ。娯楽は野球があればいい方々ばかり。

ネガティブな報道に動じる必要はないが、札幌を窮地に追い込んで
喜ぶ連中がいる?、という疑心暗鬼は、果たして杞憂なのかどうか。

異論反論はたぶんあるだろうけど、正直それに対してどうこう言う
根拠はありません。だったら書くなよ、というツッコミも自分の
中にあるんだけど、今日のニュース見てるとどうしても気になって
しまったのは確かだし、ポジティブな捉え方もあってしかるべき
であっても、その天秤棒の反対側にネガティブな問題の推測が
あるのも無意味ではないと思っている。

posted by FT |20:57 | コンサドーレ札幌 | コメント(1) | トラックバック(0)

2007年08月18日

殷鑑遠からず

あまり洒落たことを言っている余裕もない。
昨今の事件に関してはここでは触れず、別の場所で呟いてきた。
だが、さすがに危機感はきちんと言っておくべきだとも思う。

それにしてもJリーグは忌まわしい前例を作ってしまったもんだと
つくづく感じる。

数十万筆もの存続を願うサポの署名がありながら、
合併決定後は無敗を続け、天皇杯を獲得すらしながら、
全国的な大企業であるANAをスポンサーとしながら、
綺羅星のごときスター選手を抱えながら、
それら何もかもをも一顧だにされずに消滅させられた横浜フリューゲルスを。

J1に上がればスポンサーが付く?
営業努力を重ねて新規に意欲的な道内企業に期待する?

希望は捨てることはない、
しかし楽観は戒めるべきだ。
オイラは正直、石屋製菓が手を引いた後を引き受けるような企業に
全く心当たりがない。道内企業はもちろん、全国的な大企業でも。

チームを維持するためには、チームの奮起、サポの支援はもちろんだろう。
だが、それすら紙くずのように捨てられた前例があったことも知っておく
必要はある。チームを生き残らせるための覚悟を醸成するためにも。

posted by FT |08:34 | コンサドーレ札幌 | コメント(1) | トラックバック(0)

2007年08月09日

明後日の前に壊れそな

ホントにもう、暑さに弱くて(汗)
しかも、夜になっても室温が29度を下回らない。
断熱材の保温効果と、家電製品の発熱のせいでありましょう。
本気でエアコンを買いたいが、うちのアパートは古すぎて、
構造的に室外機を置けない。窓はめ式は色々と問題が多そう。

北海道の夏は26度以上になるの反則(汗)
地球温暖化を阻止し、涼しい北海道を取り戻そう(汗)

そんなわけで、ここ数日完全に夏バテ状態。
睡眠不足、不規則でしかもいいかげんな食事、当然のごとくの
体調不良。
今夜のナイターリーグの応援に行かなくてすまない(汗)
時間感覚も何もかも狂っています。その罰のようにテレビで
バカバカしい茶番と化したドームでの野球なんかを見るハメに。
最後まで楽天がこの茶番を木端微塵にしてくれないか、と
加虐的に見ていたが(汗)
正直、8回表は手を叩いてはしゃいじゃったよ、スマヌ。

ところで、練習生でヴィトーリアから新たな選手が来たそうですな。
イタカレくん…本名じゃないよな。
イタカレって確か地名だったよね。検索したらサーフィンで有名な
ところだそうで。出身地なのかな?それとも他に地名以外の意味があるの
かな?活きのいい選手だったらいいね。

posted by FT |23:06 | コンサドーレ札幌 | コメント(0) | トラックバック(0)

2007年07月31日

いいかげんに「進化」せよ

前回のエントリで、共感にせよ反駁にせよ何のリアクションもなかった
ことに、個人的には意外の勘をぬぐえず、週の半ばになってしまった。

ああいうノーリアクションなゴール裏っていうのが、とまどいなのか、
それともシラケなのか、オイラはすごく不安になってしまったんで、
あの空気をもう少し掘り下げたかったんだけど、他のブログ見ても
「切り替えてガンバレ」ぐらいしか書いてないのが多くて、少し
物足りないのであった。

「四万人作戦」の提唱がサポから提示されていて、オイラ自身は
一も二も無く賛同したいところなのだが、現実にはどうなのか、
という気持ちがどす黒く渦巻いているわけ。

先日ね、スポーツ好きで、だけど札幌には関心のない同僚に訊かれた
んですわ。
「札幌、強いの?おれ、強いんだったら見に行くけど。弱いところ
なんか応援したくないもん」

この割り切り方が札幌人、道民なのかなあ…と慄然とするが、
プロスポーツの観客というのはそうなんだろうな、と思うしかなかった。
そして、問題なのは、オイラは「札幌強いよ」とは答えられなかった
んですな。

たぶん、一般に「強いチーム」ってのは、圧倒的に試合を支配して
相手を捻り潰す、っていうイメージなんだと思うのですよ。
野球でいえば、バッタバッタと相手打者を三振に打ち取り、
クリンナップが連打連打、そしてホームランでとどめ、という
わかりやすい圧勝パターンがあって、それにプロスポーツ全てが
準じてしまう。

そういう意味で札幌の「強さ」を期待して見に来る人は、
たぶんスコア的に勝ったとしても、満足は出来ないと思われる。
実際、今年の札幌は大多数の時間を攻め込まれ、ボールを支配され、
それを跳ね返すことに汲汲となっている。
ハッキリ言ってサンドバック状態だ。

観客はJ2首位のチームの、首位に立つにふさわしい試合を
勝手に期待してきて、その落差に唖然とすることになる。
矢吹ジョーはノーガードで打たれまくりながらも最後に必殺の
クロスカウンターで勝利するからカッコイイのであって(笑)
ただ打たれまくりで亀のようにガードし、たまに運良く当たった
有効打で判定勝ち、みたいな試合では「あしたのジョー」には
なれない(汗)

「へたくそ」「つまらない」という(オイラたちサポからすれば
的外れではあるのだが)感想だけを残し、たとえ勝ったとしても
勝利の余韻もへったくれもなく、試合会場からそそくさと立ち去る。
(ましてホームでの引き分け試合の、終了と同時にゾロゾロ出て行く
観客の足の早さには、いつも愕然としてしまうオイラだ)
で、彼らは二度と会場には来てくれず、観客動員数は増えない。

前回の鳥栖戦、やや天候はイマイチだったものの、土曜昼下がりの
デーゲームで行楽によし、日ハムも内地でかぶってないのに、
なんで8千弱しか厚別に来ないか。あれだけのパブリシティを
新聞や地下鉄広告でうっているというのに。

すっかり愚痴になっているが、本題はこれから。
ポゼッションばかり出来ていても点が取れなきゃダメ、というのは
先日のアジアカップでさんざん日本選抜が言われたことではあるが、
さりとて相手がどこだろうと守り一辺倒で、大半の試合を支配されて
いるのでは、いくら勝っている、首位にいると言われても、観客としての
満足度はどうよ、となるだろうね。

オイラの理想のサッカーは、前がかりに攻め込んでゴール前で戦い合い、
丁々発止の技術の応酬の果てに点が入っていく試合であることは
変わりがないのだが、そういうサッカーが全体の潮流からはむしろ
外れてしまっていること、そしてJ2全体の傾向、昇格しないと存続が
やばい札幌の現状を鑑みて、納得はしないけれども妥協して理解し、
その上で試合に勝つことの意味なりをオイラは考えてきた。
ただ、順位と観客動員数が連動していない現状を思えば、やはり
一般の観客の目は、浅薄かもしれないが、同時に天の目だな、と思う。

長々と自虐的な事を書いたが、本題はここからで、
「もう少し何とかならないか、戦い方を進化させられないか」
ということなんだな。
相手から攻められ放題で、ゴールに放り込まれるボールをひたすら
跳ね返すのは良いが、そのボールはやはり相手の足元に収まり、
相手の攻撃がえんえんと続いてしまう。さすがにこれだけ攻められる
と失点の危険が増えるばかりでなく、見ている側も気が気じゃない。

あのクリアボールを何とかちゃんと確保し、カウンターに結びつけること
ができるようになれば、札幌は圧倒的に試合を支配できるはずなのだが、
FWまでも全員がゴール前のエリアに全員集合では、跳ね返したボールは
どうしたって相手ボールになるしかない。
跳ね返したボールをちゃんと受け取って確保するには、ゴール前に
帰らずに中央で待ち受ける選手が、せめて二人は必要だ。
西谷と、あと一人。(オイラは藤田か砂川だろうと思うんだが)
しかしそうなると当然ゴール前を守る頭数が減り、手薄になる。
しかし、そうは言ってもDF4人に守備的MFが二人、決して
枚数が少ないとも思えない。

「ゴール前の効果的な守備方法、技術の改革、向上」
「クリアボールを高確率で確保するMFのフォーメーション」

この二つを連動して「進化」させ、ゲームのポゼッションを高める。

観客に「見応えのある試合」として札幌のプレイを認識させる
には、このようにして「ゲームを支配する」姿を印象づけないと
ダメではないかと思うのだ。ま、もちろんその上で勝たないと
アジアカップのように非難されてしまうが。

補強の話が漏れ伝わってくるが、オイラ的にはあまり実感がない。
他所でも書いたが、FWを補強することに意味を感じない。
上記のようにクリアボールを中盤で確保することができなければ、
何枚FWがいたところでどうにもならないからだ。

補強するなら「ボールを確実に保持したまま相手を翻弄してゴールに
迫れるボランチ」か、「完全にゴール前を掌握し、MFとFWが守備に
いっさい気を回さなくても良いほどの絶対的なセンターバック」か、
「ボールを保持した途端に一気に相手ゴールまで駆け上がり、
正確無比なクロスを上げられるサイドバック」か、だと思うが、
そんなのいるわけねえ(笑)し、いても金がねえ(笑)

だからこそ、批判の大きいサテライトの奮起が期待されるのだが、
さりとてサテ組も試合に出られなきゃねえ(汗)
監督の手腕は大いに評価できる結果を今まで出しているとオイラも
納得だが、この点「サテ組のモチベーション維持」に関しては、
前にも触れたがオイラ少々不安だ。

posted by FT |21:38 | コンサドーレ札幌 | コメント(2) | トラックバック(1)

2007年07月21日

ぜんぜん実感のない補強話

高楊枝でも何でもなく、まったく気にもしてなかったんですよ、
補強の話。いや、そりゃ実力のある選手が来ればいいのは確か
だけど、そもそも先立つモノがないんだから、あれかこれか
言ったところで詮無きこと。そこそこの選手しかとれないなら
現有戦力で行った方がまし。

そもそも、オイラは札幌の弱点は得点力不足のFWじゃなくて、
中盤をポゼッションできないMFだと思っている。
その次にサイドを駆け上がれるDF。FWの必要性順位は最下位。
中盤のボールを支配して前線に確実に供給できるMFがいれば
今のダヴィや石井なら得点は黙っていても入る。中山のポストも
今以上に活かせる。

今の札幌のMFは個々の力量は劣らないと思うが、守備に精力を
割かれすぎていて、ポゼッションまで手が回らない。芳賀や大塚は
守備に特化できても、西谷・砂川・藤田・カウエは攻撃にこそ活きるが、
西谷以外は守備に気を裂かれすぎて、最大限のアビリティを出せない。

補強するならボールキープ力が抜群な能力を持ったボランチだと
オイラは思うが、そんな人材捜しに躍起になるよりは、サテ組にハッパを
かけたいところだ。
上里、智樹、なにをやっている、と。
金子も川崎も、時間稼ぎ要員で満足するな、と。
砂川や大塚、西谷らベテランに、開幕の頃のように、先発はオレたち、
締めをお願いする、となるぐらいにならないと。

トップチーム経験のある選手の頭数はちゃんとある。
補強より先に、最近停滞著しいと噂のサテ組のチューンナップこそ
必要だとオイラは思うが。


金持ちスポンサーがついて、超有名選手を獲得できるなら
それはそれでけっこう毛だらけだが。

posted by FT |08:26 | コンサドーレ札幌 | コメント(2) | トラックバック(0)

2007年07月08日

あえてカウエを擁護する

あえて、と例によって枕詞があるが、それほど奇をてらった
つもりはない。極めてまっとうな判断をしているつもりだ。

ここのブログでもカウエ不要論が散見され、契約更改に当たって
切って新しい選手を入れるべきだ、という意見が多い。
だが、どう考えても納得いかない。

まず、忘れて欲しくないのは、カウエはベンチウォーマーでも
サテで調整中でも何でもない、ほぼ確実に先発メンバーの一員に
なっているということだ。無能な選手を先発に入れているはずは
なかろう。交代を念頭に置いているとは言え、カウエはその意味では
トップチームの一角をしっかり占めているのだ。
トップに定着できない選手なら馘首の声が出てもおかしくないが
毎試合先発の選手を簡単に不要呼ばわりするのはどうしても
贅沢にしか聞こえない。

その上で、カウエが最近精彩を欠く、というのは確かだろう。
しばしばミスもある。だが、カウエがポジション的に極めて不安定
な使われ方をされている(別の言い方をすれば便利屋的に使われている)
ことを忘れてはならない。

開幕後のカウエは芳賀と共にMFの中央をまかされ、それなりに
そつなくこなし、だんだんと戦術にも慣れ、それが室蘭での初得点
にもつながっていった。ところがやがて守備的戦術のチームの宿痾で
各選手の警告枚数が増え、カウエはDFやサイドに臨時に回されていく。
ポジションがコロコロ変われば、どうしたって周囲との連携に微妙な差を
生じていくのはやむを得ないだろう。定位置に固定されていれば見なくても
察することのできる位置取りも、なかなか安定できないことは予想がつく。

しかも最近は他チームに研究され、札幌のフォーメーションは
ひどく間延びすることが多くなった。カウエの立場からすれば、
ここは守備的に安全策をとるのか、それとも打開を図って前がかり
になるのか、周囲を使うのか自分で行けばいいのか、非常に判断に
困るシーンに置かれることがあるような気がする。
芳賀や大塚のように縁の下の力持ち的に汗をかくことに割り切れれば
いいのかもしれないが、外人助っ人として求められるのはむしろ果敢な
打開であるという義務感もあるかもしれない。結果を出したい功名心も
あるだろう。

カウエがいい仕事をできなくさせているのは、チーム全体が
相手の札幌シフトをまだ克服しきれていない状況も一因だと考える。
それを無視してカウエ一人に責を負わせるのは酷すぎよう。


そも、うちには金がないのだ。
中断期間のないJ2において、今カウエを切って新外国人を入れる
といっても、それがフィットするかどうかは全くわからない。
J経験のある外人は高くて手が出まい。(正直、ブルーノに来てもらえた
だけで奇跡的で、しかも同じ程度に当てになる選手を呼ぶ余裕はあるまい)
しかし、ヴィトーリアから代わりを呼んでも、即戦力にならなければ
カウエを切る意味がないだろう。
海のものとも山のものともつかぬ外人が札幌に慣れるのを待つよりは、
カウエをさらに指導してスキルを向上させた方がどう考えても早道で
しかもリスクは少ない。

以上、ごくごく当たり前の新味のない話だが、
よっぽどダイヤの原石を見つけることができて、大活躍確実
と言えるような選手を、今のダヴィやカウエと同じレベルのマネーで
呼べるんだ、という選手をゲットできる、という確約がない限り、
現状維持がベターであろう。

posted by FT |23:01 | コンサドーレ札幌 | コメント(3) | トラックバック(0)

2007年07月08日

コンサドーレ札幌を負かす方法・その2

負けてねーじゃん、と言うことも可能ですが、
草津戦山形戦と、どうみても「札幌の試合」になっていなかった
事は明白なことは、相手アウェイサポの試合後の歓声でも如実。

さて、前回はゴール前に迫るためのDFの穴を突く方策を
指摘しましたが、今日は前線の対応ね。

草津戦を見た人ならよくわかったでしょうが、草津のMFは全部
パスをグラウンダーで回していたのね。浮かす球はほとんど無し。
ピッチに密着したような、ビリヤードのようなパスを回して、
前線に送るタイミングを計っていました。
ところが札幌のMF陣はそんなパスをカットすることもできず
指をくわえて草津の球回しを見守るばかりでした。
草津はわかっているのですよ、札幌の選手がリスクを冒して
自分の守備範囲を空けてまでパスをカットにも来ないし、
密着して奪いに来ることもない、そして何より肝心なのは、
1対1に弱い札幌の選手はパスカットも奪取も出来ない、という
ことを。出来ないからやらない、ということ。

草津は徹底的に危険な選択肢は選びません。選手間のギリギリを通すような
パスはせず、徹底的に安全策をとるので、札幌も反撃のきっかけを潰され、
なかなか攻撃に転じられません。
そして、それを打開する「個の強さ」が今の札幌MFにはありません。
カウエが槍玉に挙げられていますが、自分が持ったボールをいとも簡単に
蹴り出されて奪われるのは西谷も砂川も変わりありません。
攻撃のパターンが決まっているので、せっかくの攻撃スキルの高い攻撃MF
もあっさり芽をつぶされます。
献身的な芳賀や大塚すら、残念ながら中盤のスペースを消すのが
精一杯で、奪ったボールを一気にパスやドリブルで運んで攻撃に転じる
余裕がなく、クリアボールをあっさり相手に渡してしまいます。

前線のくさびになるFWは、最近ダヴィが個人技を発揮してゴールに迫る
シーンが増えましたが、それは逆に、ダヴィをサポートして後方から押し
上げてくるMFがいないため、「周りを使う選択肢」が無いから。
最近のダヴィ、去年のフッキみたいです。
中山は守備にも献身ですが、あいにく草津の氏原のように
「ゴールに背を向けてボールを受けた直後にそのまま反転していく」
スキルが無く、これも後ろから来るMFがいなければ攻撃に転化できま
せん。ダヴィのフッキ化とともに、中山が攻撃でますます機能して
こなくなったのは、MFの力不足が原因でしょう。

中盤を安全なパス回してキープし、札幌MFを後ろに下がらせておけば
ほぼ安心。DFはダヴィの突破に気をつけていればいいし、
中山は背後について振り向かせないだけでOK。札幌の得点力は
ガタンと落ちます。


さて、札幌の立場で得点力を上げるには
1・超強力な、一人で中盤からドリブルで駆け上がってシュートを
決められるFWを新しく雇う。

2・MFのボールポゼッション力を強化し、相手にボールを渡さない
個の力を上げ、FWと攻撃MFが連携して攻めかかる。

1はお金がないからムリ。
となると、2しかありません。
とにかく、足元のボールを草津戦といい山形戦といいあまりにも
あっさりとかっさらわれすぎです。このスキルを上げることは
前監督もずいぶんと指導してきたはずなんですが、あいかわらず
札幌の宿痾的な弱点のままです。


予定よりもアッサリめの指摘になった。
福岡戦はすぐ目の前。新たなスキルアップの時間はなく、
現実にはハードワークするしかない。
気持ちの切り替えだけで、劇的な展開は生まれそうもない弱点の露呈で、
正直、あまり展望が開けない水曜日を迎えそうであります。

posted by FT |17:59 | コンサドーレ札幌 | コメント(0) | トラックバック(0)

2007年07月04日

コンサドーレ札幌を負かす方法・その1

前回の草津戦で明確になった札幌の問題点は、道新の平川氏や
先週のTVHの「アシスト」でも簡潔明瞭に触れられていたし、
ブログでもいくつか取りあげられていたと思うので、オイラごとき
素人が云々しなくてもいいか、とも思った。

だが、疲労や出停があったからしかたない、休養し、しっかり
やりなおせ、と主に精神的な声援になってしまっては、あまり
発展性を感じないので、自分なりにまとめてみる。

挑発的なタイトルは、あくまで相手の立場になって弱点を探して
みるという意味合いなので念のため。

札幌攻略法
その1・最大の武器「高さ」を無効化せよ

前半の札幌最大の武器であり特徴がDF最終ラインの4バック。
全員がセンターバックをやれる高さで固めるフラットなラインは
どんなボールを放り込んでも跳ね返し、どんなFWがヘッドを
合わせようとしてもその上をカバーし、ゴールからボールを
遠ざけてきた。札幌の「堅守」はこれが生命線だ。

ならば、その高さを無効にする。
方法は二つ。

一つは、クロスをゴール前に上げて得点を狙うのではなく、
FWがラインの真ん中から縦に突破してパス&ドリブルで
突入していけばいい。いくら背の高いDFでも地面を這うボール
にはアドバンテージはない。しかもゾーン守備の札幌は
DFラインとMFラインに空間があり、じゅうぶん突入体勢を
整える余裕がある。前線のくさびでボールを受けたFWは即座に
反転して、中央の曽田とブルーノとの間を突破すれば、難なく
ゴール前に迫れる。サイドから押し上げた他の選手がフォローすれば
横にクリアしたボールを奪ってさらに押し込める。

しかも、札幌のDF陣はあまり足捌きが上手くなく、足元で
混戦に持ち込めばけっこうゴールは奪えるし、クリアするにしても
そこからカウンターに持ち込めるような巧妙なクリアができない。
クリアボールも落ち着いてキープすれば、さらに波状攻撃に繋ぐ
ことができる。

二つめは、DFの高さでもどうしようもない高さにクロスを上げる。
中央を狙うFWにはどうしても曽田とブルーノがつく。
セットプレーになれば、確実にそのFWと空中戦を競り合うことになる。
ならばこうすればいい。曽田とブルーノがFWと競り合う、その上を
通過し、ペナルティエリアの端に落ちるようなクロスを上げるのだ。
その場所に駆け込んだ選手が、ボールを足元におさめ、ゴールに迫る。
西澤と西嶋のサイドバックは俊敏さに欠けているので、このボール
を納めるのは難しくない。空中戦を競って着地した曽田とブルーノの
対応が遅れる隙を突けば、ゴールはあっさり決められる。
中央にFWがいる以上、曽田とブルーノはFWがおとりだとわかって
いてもジャンプしなければならない。俊敏で俊足のサイドバックがいない
今年の札幌にはここに大きな穴が存在するのだ。

以上のまとめ

・最前線ではDFとMFの間でボールを回し、まっすぐの縦突破で
ゴールに迫れ。くさびのFWがボールを受けてそのまま反転できる
スキルがあるなら、なお良し。

・ゴール前混戦では低いボールを回してゴールを狙え。クリアボール
もけっこう奪えるので、何度も押し上げることができる。

・セットプレーではDFの頭が届かないクロスを上げて、
落ちたボールを奪い、同じように、とにかく低いボールで襲いかかれ。


草津戦で奪われた2ゴールは、まさにこういうやられ方。
草津の氏原はくさびで受けて即反転、が非常に上手かった。

あ、もう一つ。
札幌のDFラインはフラットなくせにオフサイドのとられ方が
非常にヘタだ。中央突破に合わせてサイドから裏を突く動きを
併せて実行すれば、さらに効果が上がる。


さて、FWとMFへの対処は次回で。この項続く。

posted by FT |21:02 | コンサドーレ札幌 | コメント(0) | トラックバック(0)

2007年06月03日

征也フル出場も(汗)

ツーロン国際大会でのU-20代表第2戦。
ホームのフランスを相手にマイクの先制点も、
大量失点1-5とのこと。

藤田はフルで出たようだが、どんなパフォーマンス
だったのだろうか。失点がヒドイことからも、あまり
良くはないのだろうが…。交代にならなかったという
ことは、良い材料なのだろうか。詳細を今は待つ。

posted by FT |10:16 | コンサドーレ札幌 | コメント(0) | トラックバック(0)

2007年05月14日

この世に杞憂はない

昔、杞の国の人が天が落ちてくることを心配し、夜も眠れなくなった。
ゆえに、あり得ないことをムダに心配することを揶揄して杞憂と称する。

だが、いまの時代、あり得ないことなど無くなってしまった感がある。
古い物理的常識すら転覆するテクノロジーと、その裏腹の落とし穴の
ような事故。
天が落ちてくる、という杞の国の人の心配は、いまや現実になっている。
いつ空から整備不良の飛行機の部品が自分の脳天を直撃するかもしれない
のだから。

100%安全だ、何の事故も起こらない、だから手を抜いても発覚しな
ければ、かまわない。その方が手間も経費もかからない。
問題に目をつぶるのではなく、無いことにする。

今の時代の人は、経費節減だリストラだといい、金がかからないようにする
のが何よりも正しい、と思いすぎているような気がする。組織の無駄遣い
を指弾することが勝りすぎ、非常事態に対応する柔軟なのりしろを削って
いるような気がする。閑話休題。


話を戻すと、順調で問題がない、このままでいい、と思った瞬間に、
危機は秘かに深く進行しているかもしれない、ということだ。
それをネガティブ指向と呼ぶのはけっこうで、オイラ個人も
これが文字通り杞憂としてあざ笑われた方が安心なのだが。

オイラが「杞憂」するのは、チーム管理である。
先発メンバーがほぼ固定している現状、はたして大丈夫なのか。
ベンチ入りできない選手にもっと精進しろと叱咤するのは簡単だが
人間どこまで耐えきれるかは個人差があるし、それをもって
個人の不満やモチベーションの低さを単に未熟やワガママと
切り捨てても良いのだろうか、という気がする。

和波の離脱と療養。
DOナイター交流リーグ出場選手の冴えなさ。
そして選手ブログの閉鎖。

出場できないメンバーへのケアは、果たして万全なのか。
折しも、小野選手の監督批判による浦和レッズの不協和音は
非ベンチ入り選手に対するオジェック監督のケアの悪さが
遠因であるという報道も仄聞した。
他チームのことだが、そんなニュースを聞いたサテ組の心理を
慮れば、対岸の火事と言えるのだろうか。

相川と智樹のブログ閉鎖、と聞いた途端、
オイラの脳裏には「移籍、契約解除」という単語がかすめた。
杞憂であって欲しいと思っているのは、誰よりもオイラである。

posted by FT |21:44 | コンサドーレ札幌 | コメント(2) | トラックバック(0)

2007年05月04日

小人閑居の愚案~攻撃のバリエーション

連休だというのにどこにも出かけられずにじっとしてると、
チーム状況にいても立ってもいられず、妄想が湧くばかり。
ド素人なんだからチーム造りはプロに任せてサポは応援していれば
いいというのは理性ではよくわかってるのだが、試合のビデオを
見返しているといろいろと脳裏に浮かんでしまうので、精神安定の
ためにここに書いておくことにする。

前にも書いたが、札幌の攻撃パターンは二つ。
前線に長く放り込んだボールを中山&ダヴィが受けて足元に落とし、
上がってきた攻撃的MFにパスしてシュート(パターン1)。
左サイド西嶋と西谷のボール回しから上がり、西谷のクロスに
ダヴィや征也が合わせる(パターン2)
あとはセットプレーね。

ところがパターン1がほとんど機能しない。これで得点できていない。
ロングボールの精度が低くてGK直接キャッチになったり、ヘッドで
競り勝っても落としたボールをFWに詰めていた守備陣が奪い取ってしまう
ばかりで、シュートに持ち込めない。
(唯一見事に決まったのが高木のゴールキックをそのまま中山が
縦に繋いでダヴィが決めたゴールか)

よって、得点のニオイのする攻撃パターンが2だけになるのだが、
湘南戦や草津戦でわかるとおり西谷が故障するとこのパターンは
全くダメになる。それでなくても攻撃ルートがたった一本では
心許ないにもほどがある、と素人でも感じるところだ。

攻撃のパターンをもっとバラエティ増やすべきだ、と思うがどうか。

そしてオイラは、最終ラインからの攻撃の組立にあまりに策がなさ過ぎ
に思えて仕方ないのだ。
せっかく4人もDFがいながら、ここから組み立てるとなると結局
パターン2にするために西嶋に渡さざるを得ない。ここを抑えられて
しまうと結局前線に無闇に放り込むだけになって、相手に奪われる
ばかりである。西嶋や代わりの池内が何度もチェイシングされて
ボールを奪われたり奪われそうになって苦し紛れのパスが相手に渡る
シーンを我々何度も見たはずだ。

正直ほかのDF3人がもう少し中央や右サイドからの組立を
効果的にやってほしいのだが、どうもうまくいかない。
中央にいる芳賀やカウエにはびっしり相手MFが迫っていて、
二人ともキープ力は強くないから二人がかり程度で簡単にボールを
奪えてしまう。右の藤田はムラがあって、芳賀のサポートがあって
ようやく、という感じなので、結果として左サイドに偏ってしまう。

そこで妄想的暴論的私案。
大塚をDFもしくはMFの底にするというのはどうか。
図式的には3-1-4-2になるのかな。

とにかく草津戦で破綻したように、そして今までにも何度もあった
ように、中盤をかき回されてしまうと最終ラインと前線とが
全くつながらなくなってしまう。クリアボールをしっかり確保し、
攻撃に転じる基点となれ、しかも少々のことではボールを手放さない
MFの中央の要が欲しい。その任にかなうのは大塚ではないかと思うのだ。
しかも守備的MFとしてDF陣のフォローも出来る、一石二鳥だ。

最終ラインは中央に曽田、左右に西嶋とブルーノ。
守備の時には大塚もラインに入ればいい。
ゴール前に放り込まれて跳ね返したボールを主に大塚とカウエで
確保する。(芳賀の大立ち回りが絶賛されているが、それは裏を返せば
攻めも守りも両方負担しているということ。これはあまりに過酷だ。
大塚がいれば芳賀の負担は激減するはずで、もっと征也とからんで
攻撃にウエートを置ける)

左からは従来通り西嶋ー西谷ライン、左はブルーノから、中央は
大塚から、という、底から3つの攻撃ラインが引ける。
もちろんこれをサイドチェンジを絡ませていけば、さらにパターンは
増えるはず。MFも攻撃に行きやすくなるし、守備も破綻しにくい。
何より攻撃ラインが増えることで相手のマークは分散し、MFが
動きやすくなり、中盤の支配率も増える。クリアボールをみすみす
相手への絶好のパスにすることも減り、カウンターもかけやすい
のではないか。

ソダン大作戦をかけてFWを増やしても、中盤を支配できなくては
得点機は増えない。効果的に走れるスペースを作るためにも
相手の密着した押し上げをほぐさなくてはならない。
そのためにも攻撃パターンの増強を考えるべきと思うのだが、どうか。

posted by FT |22:21 | コンサドーレ札幌 | コメント(0) | トラックバック(0)

2007年04月21日

過酷なスポーツ選手の宿痾

和波選手についてはどこか奥歯にものが挟まったような情報
しかないのだが、とりあえず最も詳しい記事は今のところ
スポニチの以下の記事のようだ。
(推測による部分が大なのは同様ではあり、信憑性は冷静に把握
 せねばなるまいが)
http://www.sponichi.co.jp/hokkaido/news/2007/04/21/01.html

素人のスポーツは肉体の健康のためであるが、
プロのスポーツはまさに肉体を摩滅させ、破壊に突き進ませる
という矛盾は今さら言うまでもないが、どうにも痛々しく思わ
ずにはいられない。
無事これ名馬、と言うが、無事である名馬はこの世には限りなく
ゼロに近い。いればそれこそ奇跡的だ。

和波選手は実家に戻り、静養中とのこと。本人が一番焦燥し、
苦悩しているだろう。昨今のサッカーがボールを扱うテクニック
以上に、相手選手を「削る」ことに重きを置くようになって、
和波のスタイルは通用しなくなりつつあったのは確かだが、
それが時代の流れと言うにはあまりにも酷薄すぎる気がして
しょうがない。

早く、ではなく、じっくりと回復してもらえれば、と思う。
あまりせかすのはかえって良くないと思う。
HFCには余裕がないこと承知ではあるが、可能な限り
支える配慮をぜひとも願いたい。

posted by FT |18:28 | コンサドーレ札幌 | コメント(3) | トラックバック(0)

2007年01月21日

いてててて

風邪というよりも、内蔵が弱っている血行障害のような感じ。
昨夜から全身の筋肉がギシギシと硬くなり、とりわけ背筋が
パンパン。まな板が入っているように(汗)
手足が冷え、頭痛がきつい。全身の血液が回っていない感じ。
今日は朝から3回も入浴。とにかく体温を上げようと。

一番効いたのが、背中に塗りまくったタイガーバーム、と
いうのが情けない。
台所仕事もする気がおきず、テンフォーのピザとグラタンで
温かい夕食にしたのも情けない。
明日が日曜ならホットワインでも用意するのに。
せっかくサッポロビールさんのイエローテール(メルロー)を
買ってあるのに。
(あ、このイエローテールのシリーズはけっこう美味いんだよなあ)

というわけで、イベントには前回書いたとおり行かず。
特にサプライズはなかったようですな。
あっと驚く新メンバーとか、新チームスポンサーとか。
とりあえずキャンプでがんばってもらいましょう。

聞くところでは、九州でのキャンプ中に練習試合申し込んだら
横浜FCに鼻で笑われて相手にされなかったそうじゃないか。
怒れ怒れ。

posted by FT |21:59 | コンサドーレ札幌 | コメント(2) | トラックバック(0)

2007年01月20日

「勝利至上」の陥穽を憂う

今からネガってるんじゃねえよ、と叱られそうだし、実際に
そう仰っているブログも多い。チームの個々、全体両面の向上も
ある程度実感でき、サポーターの多くも期待している声の方が
多いだろうとは思う。オイラもチームに力がついてきているとは
思っているので、期待はある。

ただ、逆にネガるなら今のウチだな、という気もしている。
負けが込んでネガるのはみっともないし、勝ち進んでいる
時にネガっても聞く耳はなかろうし、そもそも自分が冷静になれない。
冷静な自分を維持できているオフの間に、後々自戒を込めて
ネガっておいたほうが良いかもしれない。前回にも書いたとおり
精神的には不健全だとは思うが。

何をそんなにマイナス思考なのか、と非難されても仕方ないが、
とにかく「勝つことだけが全て」という思考にチームもサポも
一色に塗りつぶされることがとにかく恐いのである。
もちろん勝つこと、そして昇格を目指すことは言うまでもなく
重要で、これを二の次にすることはもうできない。資金的なタイム
リミットが何よりも厳然として存在している以上、また、昨季の
実力と順位とのアンバランスに泣かされたサポーターの気持ち
としては、さすがに結果を、と思わずにはいられない。

だが、それでもなお、勝利至上が安易に「つまらない試合でも勝てばいい」
につながる落とし穴を、オイラは恐れる。

オイラは野球に全く関心のない人間なのだが、どこかで
「スミ1」という言葉を聞いたことがある。
まだ試合開始で観客も入りきっていない1回表(裏)で、
選手もまだエンジンのかかっていない頃にポコンと1点。
その後はなんとなく両チーム0行進。
観客はだんだんと入ってくるが、目の前で繰り広げられていく
のは貧打ばかり。目の醒めるような打球もなく、快刀乱麻を断つ
がごとき投手戦でもなく、好打がないため攻守も見られず、
結局1-0で終了。勝ったチームには勝ち点が与えられて順位が上が
って、言うことはないはずだが。

考えてみたらウチらもこういう得点をよくしたよな(汗)
相手がまだ目覚めてないうちにポコン、で先制、って。

こういうスミ1の試合でも勝ちは勝ち。
でもなあ、どうだろう、こういう試合を見せられる観客の心理って。
オイラだったら少なくとも、次も見に行こうという気持ちは大きく
削られるな。プロとして金を取ってみせる試合である以上は、
プロとしてのパフォーマンスを見たいもの。
試合終了後の電光掲示板の勝利のスコアだけが重要なら、
テレビで見るか、もっと言えばネットの速報でかまわないわけだ。
そんな砂を噛むような試合でも是とするような空気になるのが、
とにかく恐い。


少し目の先にボールが出てきて、相手選手が猛然とそのボールを
狙ってきている。プロのサッカーを堪能したい、という観客と
しては、そのボールを奪おうと相手と競い合う選手のアビリティを
発揮するのを見たい。
自分の持ち場を守ろうと後ろに下がって待ち受けるのも、
場合によってはアリではあろうが、それが金科玉条になって
しまったら、果たしてそれはプロのゲームなのだろうか。

極論すれば、勝利は良いパフォーマンスの結果としてついてくる
べきものだと思う。そのことをチームがちゃんとわかっているのか
どうか、開幕するまでややネガりながら待つ。そして開幕して
からもできるだけ冷静に見守りたいのだが、最初に書いたとおり
開幕しちゃえば冷静ではいられないだろうな、とも思う。

だから、今のウチに。

posted by FT |08:56 | コンサドーレ札幌 | コメント(3) | トラックバック(0)

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