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2008年02月10日
グァムキャンプでカウンターの精度を高める練習や、アーリークロスからのシュート練習に取り組み始めたようです。 コンサドーレが、攻撃の中核として期待していたアルセウ選手が退団し、新チームが取り組んできた中盤での素早いパス回しから崩す攻撃スタイルが難しくなったため、戦術を切り替えたのかもしれません。 中盤での素早いパス回しから崩す攻撃スタイル、といえば思い出すことがあります。 全国高校サッカー選手権大会決勝戦で、滋賀の野洲高校が鹿児島実業高校を敗って優勝した試合です。激しく厳しい鹿児島実業のプレスに対し、個人技と細かいパスサッカーの展開が持ち味の野洲サッカーは、名門鹿児島実業を相手にしても、まったく引くことがなく、結局、華麗なパス回しのサッカーが初めて高校日本一になった試合でした。 この野洲高校が優勝した年の最初の札幌ドームにおけるホーム戦で、コンサドーレも中盤での素早いパス回しをやってませんでしたっけ?(まったく記憶で書いています。間違っていたら、すみません)札幌ドームで、あれっ? と思った記憶があります。 ボールを奪って素早いパス回しで押し上げていく試合運びは、観ている方は面白いのですが、個人技に秀でた選手がいるわけではないチームでこれをやると、単に攻め上がりがもたもたしているだけで、その結果、パスを回している間に相手チームにディフェンスの体制を整える時間を与えるだけになると思います。 指導者がチームを任せられたとき、どんなスポーツでもそうだと思いますが、まず中核となる選手を決め、その選手を中心にした特徴のあるチームつくりを目指すことは、チームを任せられた責任者として特に間違ったやり方ではないと思います。 しかし、このやり方でチームをつくると、上手くいったときは良いのですが、その中核に据えた選手に問題があるとチームが根底からガタガタになってしまいがちです。 柳下監督体制3年目のとき、川崎フロンターレからレンタルで獲得したフッキ選手をチームの中核に据えるチームづくりをおこないました。ボールを奪ったらフッキ選手に向かって放り込むという戦術です。 コンサドーレに在籍していたときのフッキ選手を悪く言う人は少ないようですが、おじさんは、最初のドームの試合でボールを持ったら離さない彼のわがままな動きを見た瞬間、こいつがチームをダメにする、と直感しました。この年のコンサドーレの成績が、我が儘なフッキ選手のせいだけとは言いませんが、特定の選手に頼るチームというのは、基盤のない危ういチームになるおそれがある、というのを感じたのは確かです。 三浦監督は、J2で優勝とJ1昇格を決めた直後、守備を重視するのは世界の趨勢である、面白い試合をやったから負けてもいい、という考え方は、プロサッカーではあり得ない、と言い切っています。 J2で戦ってきた戦術に対する三浦監督の自信の現れです。しかし、それでも、思うような補強が出来なかった今季のチームで、強豪がひしめくJ1を戦わなければならない現実に直面したとき、このままでは残留することが難しい、という漠とした不安を持ったのかもしれません。だからこそ、J2を勝ち抜いてきた戦術であるFWを含めた全員が守備の意識を持つ堅守からのカウンター、両サイドからの展開に加えて、もう一つの攻撃のバリエーションとして、中央から素早いパスを回してシュートにつなげる攻撃スタイルを構想したのだと思います。その中核となる選手がアルセウ選手でした。 その構想がアルセウ選手の退団で崩れました。しかし、おじさんは、良かったと思います。 昨季のようにFWを含めた全員が守備の意識を持っていれば、たとえJ1であっても、そうそう点は取られないと思います。昨季のような1試合当たりの平均失点0.94点は無理かもしれませんが、しっかりした補強があった高さのあるDF陣なら1点そこそこには抑えられるような気がします。 点を取られなければ負けはない、という理屈はJ2だろうがJ1だろうが同じですから、堅守の機能を向上させることは非常に大事なことだと思います。その結果、他のチームに、コンサドーレの守備は固い、という意識を植え付けることが出来れば、それは立派なチームカラーになり、一目置かれたJ1のチームになれます。 堅守を構築できれば、次は攻撃ということになりますが、ところで、攻撃のパターンがカウンターと両サイドからの展開だけのパターンじゃダメなんですか? と問いたいと思います。おじさん的には、そんな攻撃スタイルって、シンプルで選手も理解しやすくて良いじゃないのかな、と思います。 失礼な言い方になりますが、個人技に秀でた選手が一人もいないコンサドーレの試合中の選手の頭の片隅に、中盤での素早いパス回をしなきゃダメなんだ、なんていう考えがあったら、逆に動きがモタモタしてしまって、せっかくのカウンターのチャンスをつぶしてしまうような攻撃になってしまうような気がします。 5対0で負けても1対0で負けても負けは負けですが、タレントが揃ったトップチームの真似事をして5対0で負けたら、精神的に打ちひしがれ次の試合まで尾を引くでしょうが、堅守が機能して1対0で負けた場合は、コンサらしい試合だった、惜しかった、次の試合はいけるぞ、という精神状態で次の試合を迎えることが出来るような気がします。 天皇杯におけるJFLチームとJチームとの試合を観ていると、J1とJ2とJFLのチームって、それほど厳然たる力の差があるとは思われません。特にJ1下位チームとJ2上位チームは、それほど遜色のない力関係と言っても良いのじゃないですか? J1から落ちてきたチームが、すぐにJ1に戻れるほどJ2は軟なリーグではありません。お忘れかも知れませんが、コンサドーレは、そんな厳しいJ2リーグの優勝チームなんですよ。普通に考えたら、それだけでJ1下位の実力があるということです。 もしも、もしもコンサドーレが、今季の目標をJ1残留に置いているのなら、チームの身の丈以上の高度な戦術を取り入れるよりも、昨季のチームのシンプルな戦術の精度を、もう一段向上させれば、それで結果が出るのではないのでしょうか。 正式契約後1週間で、中核として期待していたアルセウ選手が退団したことは、それは確かにショックな出来事かもしれませんが、考えようによっては、チームにとって「災い転じて福となす」状況だったのかもしれません。 と、おじさんは、思うわけです。
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