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オオカミを野に放つ

2008年01月25日

 サッカー関係のネタが続かないので、ちょっと脇道にそれた話しを。

 ちょっと前の北海道新聞に「道路沿いの雪崩はシカの群れも引き金になっている」という記事が載っていました。それもトップで。
 一週間ほど前の道新夕刊に「オオカミに熱視線 生態系修復へ期待」という記事が載っていました。増えすぎたエジシカに関する記事です。

 今冬は知床岬でエジシカを試行的に駆除しました。エジシカが、あまりにも増えすぎたので一部を試験的に駆除(銃殺)したようです。自然を守るため、これも自然の存在であるはずの野生生物を人為的に駆除するという矛盾です。しかし、それほどエゾシカが増え続けているということなのでしょう。

 知床は世界自然遺産に登録されましたが、世界自然遺産というのは、簡単に言うと、現在の自然が世界的に貴重だから、原則としてそのまま保存しましょう、ということです。
 しかし、知床における生態系が崩れた現状では、エゾシカの増殖が他の植生などの生態系を破壊することは目に見えているし、現にそうなりつつあります。

 かっての蝦夷地には、エゾオオカミが生息していて生態系が確立されていたのですが、和人が入植して家畜を襲うオオカミを駆除してから、このバランスが崩れました。
 そこで一部の人たちが、北方圏に棲息する野生のオオカミを北海道に放ち、かっての生態系を復活させるべきだ、と主張しています。

 この話を聞いたとき、北海道最後の一匹と言われているエゾオオカミの剥製を見たときの衝撃を思い出しました。見たのは剥製ですけど、そのとき、あまりの迫力に後ずさりしてしまいました。イヤだよ、あんな恐ろしい動物と山の中で遭遇するのは。これが素直な感想でした。

 しかし、よく話を聞いてみると、かっての蝦夷地で人間がオオカミに襲われた事故は一件も起きていないそうです。それどころか、世界的にみてもオオカミが人間を積極的に襲った事例はないそうです。(真偽のほどは不明)

 最近、考え方が変わってきました。
 斜里町宇登呂や羅臼町における、人間を恐れなくなって傍若に振る舞うエジシカを見るにつけ、地球温暖化の進行で、これから冬の自然の厳しさで自然淘汰される頭数が少なくなる状況を思うにつけ、オオカミが棲息していた時代のバランスのとれた生態系に戻した方が、世界自然遺産である知床の本来の姿になるのかもしれないな、と。

 数日すると心が揺れます。
 人為的にオオカミを放った場合、エジシカというエサに恵まれたオオカミが増えすぎて、オオカミの群が北海道全域に拡散したらどうなるのだろう?
 大雪山で夜、オオカミの遠吠えを聞く? 考えただけでゾッとします。そのときは、100年前のようにオオカミを人為的に駆逐するのだろうか?

 今のところ、賛成、反対の心が行ったり来たりしています。

 と、おじさんは、思うわけです。


post by masa2007

19:23

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