スポンサーリンク

2009年05月18日

順位表を見る楽しみ

 次節、水戸に勝って、甲府が負けると、一つ順位が上がる。

 次節、札幌が勝って、甲府が負けると、勝ち点は28で並ぶ。

 勝つと言うことは、少なくとも相手よりも1点得点が多く、負けると言うことは相手よりも得点が1点以上少ないと言うことだ。
 
 となると最低でも札幌の得失点差は、+5になり、甲府のは+4になる。なので、得失点差で、甲府を上回るのだ。

 こんな細かい計算をするのはいつ以来だろう。

 ちょうど1年前の今頃、千葉との得失点差を計算していたかもしれない。しかし、その後、まったく順位表に関心を失ってしまった。

 今期も、前節に岐阜に勝つまで、順位表を気にかけていなかった。札幌の文字が、順位表の真ん中あたりに漂っているのを、あんまり見たくなかったのだ。

 でも、前節の結果で5位に上がると、昇格圏3位以内と言うことが、現実味を帯びてくる。順位表を見る目にも力が入ろうというものだ。

 さて、あらためて順位表みると、横浜さん、とんでもないことになっているじゃないですか。

 J1在籍暦のあるチームが降格2年で、J2最下位というのは札幌の裏勲章だけど、横浜は当時の札幌を上回る勢い。ビックリしました。

 その横浜が、唯一勝ったのが次節の対戦相手、水戸。

 見れば総得点が、札幌を上回っている。水戸と言えばミトナチオのイメージが強かったけど、1年間の留守の間に、別なチームになったようだ。

 この水戸に負けると、徳島と富山に抜かされ、8位まで落ちる可能性がある。
 
 4位になる可能性もあれば、8位になる可能性もあるのが、次節だった。

 やっぱり、順位表は面白い。

posted by hibari |23:36 | コンサドーレあれこれ | コメント(2) | トラックバック(0)

2009年04月28日

4のゴールが見たい

 J2は試合が多い。もう明日だが、次の対戦がある。
 2つ前のエントリーで述べたように、回復を測る注目ポイントは、流れの中の得点だ。

 あらためて先のエントリーを読み返すと、「セットプレイや個人技は1もしくは2で生まれる得点だ。」と書いてある。。。。うーん、これでは、何のことだか、さっぱり、わかりませんね。

 これは起点となるパスの出し手を(1)として、何人にボールが渡ってフィニッシュにいたのるか、ということを示そうとしたものだ。

 昨日のクライトンのゴールは、起点の砂川のフリースロー(1)が、クライトン(2)に渡って個人技でゴール。だから1-2のゴール。

 前々節のセレッソ戦は、1点目の岡本は、起点上里(1)から岡本(2)に渡り、岡本の個人技でゴールしたやはり1-2のゴール。

 続くキリノのゴールは、相手のトラップミスをかっさらい(1)そのままゴールに持ちこんだ1のゴール。

 続く西嶋のヘッドは上里のコーナー(1)を西嶋(2)がけり込んだもので、最後のクライトンのゴールは、キーパー(1)から直送されたボールをクライトン(2)がそのまま持ちこんだもの。

 こうやってみると、これまでのゴールは、手数(足数か)が1もしくは2のゴールがほとんどだ。

 これに対して相手を崩してのゴールでは、パスの経由先が3,4と増えてゆく。

 でも経由先があまり多すぎると時間がかかり相手に準備されてしまいゴールに至らない。これを防ごうとパススピードを速めるとブレが大きくなって、これまたゴールに至らない。
 
 経由先が増えながらも、ぶれなくゴールに至るというのは、やはりチームの戦術的意志の統一、連動性の表れだ。1もしくは2のゴールしかない現状では、まだまだチームとしてのインテグレーションが不足していると言わざるをえない。

 個人的な意見だが、経由先3のゴールがもっともダイナミックで、経由先4のゴールがもっとも美しいように思う。

 ダイレクトで起点からボールが、ぽーん、ぽーん、ぽーん、シュート、ゴール! というシーンを是非みたい。

posted by hibari |00:47 | コンサドーレあれこれ | コメント(0) | トラックバック(0)

2009年04月22日

流れの中の得点を見たい

 前節の大勝は、不振の極にあった札幌の復調を印象づけるものだったが、実は今ひとつ物足りなさがあった。

 それは流れの中の得点。相手を崩しきっての得点だ。

 前節、1点目は岡本の個人技。2点目は相手のミス。3点目はセットプレイで、4点目はカウンター一発。けっして、パスを繋いで相手守備陣形を崩しきっての得点ではない。

 実は、今期、8試合を戦って、流れの中の得点というのは、草津戦の2点目、キリノの得点しかない。あの時は、「西のクロスのこぼれ球を宮澤が拾いクライトンへ、クライトンのシュートはGK常澤(草津)にセーブされるがそのボールをダイレクトでキリノがゴールにたたき込む」(オフィシャル)という得点だが、相手のペナルティエリアを確かに蹂躙した。

 それ以外の得点は、セットプレイだったり、偶然の産物のような個人技だったりした。

 セットプレイや個人技は1もしくは2で生まれる得点だ。

 ところが、流れの中の得点は、ボールがぶれることなく3以上つながっていかないと生まれない。

 今期の不調を見ると、個々の能力は十分にあるのに、連携が悪いのか、消極的なのか、ボール回しが1,2,3とすすんで行くにしたがってブレが大きくなり、フィニッシュまで至らないことが、ゲームを支配しながらも得点にならない状況を生んでしまった。

 札幌が復調したというのならば、すくなくとも3,4までぶれなくボールがつながりフィニッシュで終わりたい。それができるだけの力量のあるチームなのだ。

 ところが前節を見ると、ボールのつながり、相手の崩しという点ではまだ及第点は上げられない。その意味では、むしろ草津戦の2点目の方が、意味は大きかったかもしれない。

 いずれにしろ、次節、ボールのつながり、ブレがどこまで修正されたのか、注意してみてみたい。3,4とボールがつながって得点が生まれるシーンが増えたとき、はじめて札幌は復調したと言えると思う。

posted by hibari |01:28 | コンサドーレあれこれ | コメント(0) | トラックバック(0)

2009年04月16日

結果は最良の薬

 今、録画を見終わった。

 スカパー!の解説の人が言うところでは、前節のふがいない同点の次の日、監督が選手全員を集めて、異例の1時間以上にわたるミーティングを開き、なぜこんな状態になっているのか、話し合ったそうだ。

 昨日のエントリーで、私は札幌の問題はメンタルで、「集団鬱の状態」という書き込みをしたが、監督も同じように考えていたと知って、ちょっとうれしかった。

 さて、勝ち負けを度外視して、メンタルゲームとしてみると、完全には回復はしていないものの、随所に回復の兆しが見られたという試合だった。

 一番の変化は、クライトンだった。明らかに球離れが良くなった。たぶん、J2というリーグを一番なめていたのがクライトンだろう。イライラが高じて退場。前節、ドームのどこかでじっと戦況を見つめていたに違いない。そして、その中で自分の奢りを噛みしめていたのだろう。明らかに試合に臨む姿が変わった。逆転弾もクライトンのシュートのこぼれ球だ。

 さて他の選手はというと、意識の上の方では変わろうと努力するものの、意識の下の方が足を引っ張っているような状態だった。相変わらずプレイには迷いがあり、積極性にも欠けていた。だから、サッカーというのは得点や勝利という「結果」が選手を大きく変える。上里へのチャージがPKでなければ、この試合は本当にどうなったかわからない。

 それでも、同点という「結果」によって、チームが活性化し、今期はじめて“相手を崩して”の2点目が生まれた。その後も、再び前節のようなぶざまなまねを避けたいという一心が、無様でもいいから「守りきる」という意識の統一をもたらし、なんとか勝利を挙げることができた。

 どうやら底は打ったらしい。しかし、完全に回復したとも言い切れない。そんな試合だった。

posted by hibari |01:54 | コンサドーレあれこれ | コメント(2) | トラックバック(1)

2009年04月15日

今日から札幌を見る目線を変えます

 調子のいいときならば、何でもないことにくよくよしたり、いつもならいの一番に手を挙げることに、怖じ気づいたり、つまらないことに気を使って、大事なことを見逃したり・・・だれにもそんなときはあるだろう。

 どうやら今、札幌はチーム全体が、そんな後ろ向きの気持ちに支配されてしまっているようだ。つまりは“集団鬱”
 
 現在のチームの不振。それは監督の指導力でもなく、選手のポテンシャルでもなく、選手の組み合わせや起用でもなく、ひとえに選手のメンタルが問題なのだと思う。

 すくなくとも選手のポテンシャルはJ2という限定ながら、平均よりも高い。すくなくとも現在の順位に甘んじているチームではない。監督の力は実績が証明している。しかも、札幌に対する愛がある。それなのに・・・

 メンタルスポーツであるサッカーではよくあることで、いちどこの集団鬱にかかってしまうと、強豪と入れるチームでも勝利に見放され、100年に一度の逸材でもボールを怖がってしまう。

 サッカーにおいて、集団鬱からの脱出法は、二つしかない。
一つは、監督交代というショック療法。もう一つは選手自身がこの壁に向き合い、乗り越えてゆく道。

 0-4で負けた熊本戦後の監督の次の言葉。

精神的なショックもあるんじゃないかと思いますが?
「あったら嬉しいんですけど。逆に、あった方が嬉しいと思います。やっぱり悔しさがないと改善できません」

 つまり、監督はまだまだ選手の気持ちは追い詰められていないと言っている。

 一昨年。札幌と同時に昇格した東京Vはフッキを要しながら序盤戦に7連敗した。まさに今の札幌と同じような集団鬱にかかっていたのだろう。そして水戸に大敗して吹っ切れた。石崎監督の言う「精神的なショック」があったのだろう。その後の躍進はご承知の通り。

 さて、今日から、私はコンサドーレ札幌のゲームを見る目線を変えます。それは、ひとつの集団が集団的鬱の状態からどのようにはい上がっていくのか、というメンタルゲームとして、札幌を見ていきます。

 さて次節。札幌はメンタルの脱出口を見出すのか。見出すとしたら、何がきっかけとなるのか。それとも、底と思われる。さらに底があるのか。

 興味は尽きない。
 

posted by hibari |01:36 | コンサドーレあれこれ | コメント(1) | トラックバック(0)

2009年03月20日

 石崎監督の選手起用が固定しない。

 一昨日はキリノをサイドに回す布陣を練習していたかと思うと、今日の報道では、宮沢と、ダニルソンをサイドで起用。思えば、開幕ではFWもやったことのある西がDFで先発した。

 コンサドーレ札幌の試合を何試合も見ているけれど、こんなにポジションが定まらないのは初めて。もっとも、ポジションに合う選手が見つからない、または調子が出ないので布陣をいじるというよりも、さまざまなポジションを経験させて、長丁場に耐える、多彩な才能を引き出したいのがねらいという。

 J2で昇格をねらおうとすると、スタートダッシュをかけて、早々と昇格圏に達して、あとは樹陰をまもる戦いをするというのがある。三浦さんの時代はまさにこれだった。

 これを成功させるためには、もちろん早い段階での先発メンバーの固定が不可欠だ。ところが、ここに来て大胆なポジションチェンジを行う石崎さんには、どうもスタードダッシュという意識は希薄なようだ。

 一応客商売なのだから、J1昇格と言っておくけれど、フロントも含めて、今期は何が何でも昇格という腹づもりではないのかもしれない。目先の勝利よりも内容とプロセス。これは柳下さんの時代に試みて、さんざん批判されたことだが。

 さて、どうなのか。日曜日の甲府戦を結果重視で戦うのか、内容重視で戦うかで、石崎さん(とフロント)の本音がうかがえるはずだ。

posted by hibari |23:14 | コンサドーレあれこれ | コメント(1) | トラックバック(0)

2008年12月15日

真説「5段階計画」

 1カ月も休んだので、すっかり忘れられたかと思ったんですが、思いのほか、多くの人が見ていただいております。ありがとうございます。

 さて、ここ何回かしつこく展開しているテーマの続きです。
 今のJは下のようにおおよそ6ランク・3グループに分けられるように思うんです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※J1定着グループ
●Aランク(ACLクラス)Jのトップ階層で目標はリーグ優勝、ACL制覇
	→鹿島、浦和、ガンバなど
●Bランク(ナビスコクラス)J1定着組でまず落ちることはない。目標はナビスコや天皇杯などのリーグ以外のナショナルタイトル制覇	
	→川崎、大分、横浜など

※エレベーターグループ
◆Cランク(1年で復帰クラス)J1の中位~下位にあり、まれにJ2に落ちたとしても必ず1年で復帰できる実力がある
	→京都、神戸、広島など
◆Dランク(1年で降格クラス)J2ではトップクラスの力だが、J1に上がっても1年で落ちてしまう
	→ウチ、緑、仙台など

※J2定着グループ
▼Eランク(J2中位クラス) J2の中位で、時には昇格争いにからむことがあっても最終的には中位に落ちつく
	→鳥栖、湘南など
▼Fランク(J2ボトムズ) まだまだプロリーグの水に馴染んでいない、JFL昇格組
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 こうした位置付けの中であらためて、かの札幌の5段階計画(5年計画ではありません)を計画がはじまった04年から見ると、実は次のようになって、計画は今も着実に進んでいるのではないでしょうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(第1段階)
	04年 J2・12位	柳下		→	ランクF
(第2段階)
	05年 J2・6位	柳下		→	ランクE
	06年 J2・6位	柳下		→	ランクE
(第3段階)
	07年 J2・1位	三浦		→	ランクD
	08年 J1・18位	三浦		→	ランクD
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 そしてこうして連続性をもって見てみると、今回の降格によって5段階計画が終わったのではなく、現在も進行中であることがわかると思います。

 そしていわゆる5段階計画はJ1定着を目指すものですから、私のランク分けてきにはランクBが最終ゴール。実際に大スポンサーがいない市民クラブとしては、大分のポジションになるのが現実的な目標でしょう。
 
 そうなると、来年以降は次のように進む

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(第4段階)
 09年	J2・1~3位	石崎		→ Cランク(1年で昇格できればCランク)
 10年	J1・下位		石崎		→ Cランク(15位以上で終わればCランク)
(第5段階)
 11年	J1・中位		XX		→	Bランク
 12年	J1・中~上位	XX		→	Bランク(ナビスコ優勝)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 最近、悲観論がはびこっていますので、あえてお花畑を広げました。

 しかし、福岡や今の横浜など、せっかく昇格したのにすぐに降格して、1年で返り咲くどころかJ2の中位に終わってしまうチームは、あまりにも降格のショックを引きずりすぎて、自信を失ってしまうことも大きいと思うんです。

 私は言いたいのは、J1の降格とJ2の昇格との間には、大きな断層があるわけではなく、一つのグループとしての連続性があるということ。落ちたからと言ってあまりにも悲観的になる必要はない、と言うことなんです。

 何度も繰り返しますが、落ちてしまったこと、J1でほとんど勝てなかったことによって自信を喪失してしまわない限り、来年、返り咲くチャンスは大いにあります。

 そして1年で返り咲ければ、五段階計画の第4ステップ入りなんです。

 

posted by hibari |00:08 | コンサドーレあれこれ | コメント(2) | トラックバック(0)

2008年12月09日

J2に複数年連続して在籍したクラブは昇格後1年で降格する

	 (J1) (J2)
04年 ○柏 ー ●福岡
05年 ●柏 ー ○甲府
06年 ●福岡ー ○神戸
07年 ●広島ー ○京都
08年 ?磐田ー ?仙台

 上は、入れ替え戦の戦績です。
 初年度を除いて、ずっとJ2側が勝利していることから、これがJ2の実力向上の決定的な証拠とされてきました。

 しかし、前のエントリーで、現在のJ33チームは3グループに分類できるのではと言いましたが、ああした視点でこれを眺めると必ずしもJ2の実力向上とは言えないのです。上で見ると、確かに4戦中、J2の3勝、J1の1勝となり、大差でJ2優位ですが、

 上の対戦を下のように分類してみると、違う見方ができます。

A・ずっとJ1にいて落ちても1年で昇格圏で終えられるチーム
B・J2のほうが長く、上がっても1年で降格圏で終えるチーム

 つまりこれに従うと、札幌は今J1ですが、基本的にBのチームで、J2の広島はAのチームと言うことになります。

 このA-Bで入れ替え戦を見ると


	 (J1)    (J2)
04年 ○柏(A) ー ●福岡(B)
05年 ●柏(A) ー ○甲府(B)
06年 ●福岡(B)ー ○神戸(A)
07年 ●広島(A)ー ○京都(A)
08年 ?磐田(A)ー ?仙台(B)

 このようになって、BがAに勝ったのは05年の甲府だけ。

 A.Bの分け方にこだわるのは、ひょっとすると次のような法則ができつつあるのではないかと思うからです。

 ◎J2に複数年連続して在籍したクラブは昇格後1年で降格する

 札幌や仙台が2年間在籍した昔は置いておいて、典型的なのは近年の京都です。

 ずっとJ1だった京都が2000年に降格したときには、1年での返り咲きを果たしました。しかし、03年に落ちたときは復帰までに2年かかり、結果、06年の一年で落ちました。ところが07年の1年で返り咲くと、今年は1年での降格を防ぐことに成功しました。

 京都と同時に上がった東京Vは、06年に1年での復帰がかなわず、2年がかりの昇格となって、今年、1年での降格となってしまいました。

 アビスパが06年に1年で降格してしまったのは、その前、4年もJ2にいたからでしょう。わが札幌も同様です。

 反対に今年1年で返り咲いた広島は、かつてJ2にいたことがあったとしても、04年から07年までJ1に在籍していました。

 こうしてみると、降格チームがJ1に定着するためには、1年で返り咲くことが絶対の条件になっていることがわかります。

 体験してわかったのですが、思った以上にJ1とJ2のサッカーは違い、J2になじむほどJ1に慣れるのに時間がかかることが、こうした結果を生んでいるのではないでしょうか。

 札幌がJ1への定着を目指すならば、来シーズン1年での復帰が絶対目標となります。

 

posted by hibari |22:22 | コンサドーレあれこれ | コメント(3) | トラックバック(0)

2008年12月07日

J2に落ちて今想うこと。

20081207-00.jpg
 J2にいた頃は、甲府が柏をコテンパンにしたり、神戸、京都とJ2組が入れ替え戦を制したりして、J2のレベルが上がった、J1との差が縮まったと、なんとなく思っていました。ところが実際にはその逆で、J1とJ2の差は年々、日増しに大きく開いている、ということに実際にJ1に行って気がつかされました。  降格のあるJ1では、各クラブの降格への恐れ、降格を避けるための努力は、J2にいた頃は想像もできないレベルでした(なので降格したのかもしれませんが)。一方試合数が多く世界一過酷といわれるJ2ですが、降格のないリーグであることも事実。激しい争いは、昇格を巡る上位陣だけで、下の方にはJ1のような緊迫感はありません。  この降格のあるなしがリーグのレベルに、年々、大きな影響を与えていると思います。今年のJ1では、降格した東京Vですら勝点獲得率は36%。この勝点率をJ2で見るとほぼ11位の水戸と同じです。いかにJ1での降格を避ける争いが激しかったかがわかります。  さて、こうしたリーグの降格のあるなしによって、Jの33チームはくっきりと次の3つのグループに分かれてきたように思うんですね。その3つとは  Aグループ J1定着グループ(間違って落ちても必ず1年で復帰)  Bグループ エレベーターズ(J2では中上位だが、あがると1,2年ですぐに降格)  Cグループ J2ボトムズ(J2で序盤に躍進を見せることがあっても終われば中下位)  今年の広島のように、Aグループのチームが間違って落ちてきても1年で返り咲くことができます。しかし、Bグループに属するチームはたとえJ2で圧倒的な成績を残そうとも、すぐにJ2に戻ってきてしまう。実際に、今年のJ1の順位表とJ2の順位表を続けてみると、ほぼ規則正しくA,B,Cの順に33クラブが並んでいることに気がつきます。  そしてBグループとCグループの差はそれほど無いのに、J2に入れ替え戦がないことによって、かつてよりもAグループとBグループの差が開いてきた、と言えると思います。それが今年の広島の圧倒的な独走であり、山形の昇格。そして東京Vの降格と、札幌の(これまた圧倒的な)低迷を産んだように思います。  こうなってくると、J2での入れ替え戦が始まらない限り、降昇格を繰り返すのはBグループに限られていくのではないでしょうか。そういう意味で、今年の入れ替え戦は注目です。J2とJ1との間に実力差が開いているのならば、J2でも3位にしかなれなかった仙台が磐田に勝つのは難しいと思えますが、どうでしょうか。


posted by hibari |23:49 | コンサドーレあれこれ | コメント(4) | トラックバック(0)

2008年10月28日

応援の甘さと厳しさ

 今更だから川崎戦のことは置いていて、あの試合でUSが応援拒否をしたそうです。

 こうしたときに、厳しいサポ、甘いサポという議論が必ず出る。

 いわく、コンサドーレの甘い応援が選手を甘やかせている。仲良しクラブでは戦う集団にはならない。選手にとってサポは恐ろしいものでありたい。

 確かに、柳下さんの時に、時には厳しく接してほしいという要望を上げていたことを思い出すと、応援にも厳しさは必要なのだと思う。

 しかし、と思う。

 ふがいない負け試合の後で行われる拍手が、実際にはどれくらいの悪影響を与えているのだろうか。拍手でなくてブーイングであれば、選手は目の色を変えて、試合に望むのだろうか。プロの選手というのは、拍手とブーイングで、試合に望む態度が変わってしまうような人種なのだろうか。

 ちんたらしても拍手してくれるので、ちんたらしても良いんだ、と思う心理があるというけれど、どんなに逆境に追い込まれようと、あたたかく受け止めてくれる人たちのために自分は頑張るという心理だって、まったくありえない心理ではない無いと思う。

 怒号渦巻く殺伐としたスタジアムを嫌って、札幌から離れてしまう人もいるのではないか。それは巡り巡って、強化費に反映するのではないか。

 全部足して比べると、果たして、どっちが強化に役立つのだろうか。

 もう一つ、選手にサポは厳しく、という見解の裏には「自分は金を払って観戦しているお客様だ」という消費者意識があるように思う。プロとして、客の支出に見合う満足を提供できなければ、クレームされても当然というような心理。

 とこで、サポとは名乗るもののほとんどは(自分も含めてですが)、実際上コンサドーレ札幌がどうなろうが、実生活に影響が及ぶものではありません。降格したからと言って、サポであるあなたや私の職が奪われるわけでも、進学や進級が止められるわけではない。

 生涯サポと名乗りながらも私にしてから、一日の内でコンサドーレに思いを巡らす時間はせいぜい総計数十分。一方、選手というのは、生活のすべて、将来設計のすべてをサッカーに捧げている。

 たかだか数千円、年間で数万円の金を出費したと言うだけで「甘えるじゃない、お前たち」と上から目線で言葉を吐き付けたならば、その言葉が人生のすべてをサッカーに賭けている者たちに聞こえたならば、チームに緊張感を与えて戦う集団にするという所期の目的とは外れた、あまり芳しくない結果が生まれるようにも思う。サッカーとか、プロとかアマとかは別にして、人ってそういうことには敏感だから。

 これは私の個人の意見だけど、「厳しいサポ」というのが容認されるのは、常勝を義務づけられた一握りのビッククラブで、クラブの目標が「存続」に近づけば近づくほど、「厳しいサポ」というのはマイナスな存在になっていくと思う。

 スタジアムの中には甘さがプラスになる境界線、厳しさがプラスになる境界線があると思う。それを見間違えると、甘さをも、厳しさもマイナスになると思う。

posted by hm1644 |01:25 | コンサドーレあれこれ | コメント(10) | トラックバック(1)

2008年10月25日

サポを続ける方法

20081025-00.jpg 

19日から続けてきた降格を受けた一連のエントリーの締めくくりです。

 日韓ワールドカップのあった2002年には、いろんなサッカー本が出ました。中には、フーリガンの恐ろしさを煽り立てるようなものもあったんですが、ある本を興味本位に買ってしまったんです。その中にあったイングランドのフーリガンの言葉が忘れられません。

「俺にとってクラブは血を分けた子どもなんだ。お前は、お前の子どもが出来の悪い劣等生だからと言って、見捨てることができるか。できないだろう。それと同じさ」

 とどのつまり、そういうことなんだろうと思います。強いチームを応援したければ、浦和のサポになればいいのです。実際に、道内には浦和サポはいっぱいいます。

 でも、残念ながら浦和と私の間には血の繋がりがない。

 ただサポとクラブの関係が親子と違うのは、親子が一対一の、ひょっとすれば話せば変わる関係なのに対して、サポとクラブの関係は多数対多数。しかも、サポはあくまでもサポという象徴的な存在でしか無く、実際の親のように子どもに手を愛の鞭を振るったり、小遣いを減らしたりと、具体的なアクションはできません。

 実のところ、私個人がいくらHFCはかくあるべきだと熱弁をふるっても、現実的に、私の提言なり意見が、取り上げられることはありません。コンサドーレのことを真剣に考え、たとえば「5段階計画などをいまも盲信する村野こそ降格の責任を取って辞職すべきである」と結論づけても、私の意見が通ることはありません。選手起用にしても、戦術の選択にしても、私個人の意見が採り上げれることはないんです。

 では、そのなかでサポとして何ができるのかというと、とどのつまり、どんなことがあろうと、ポジティブに解釈し続けることだろうと思うんですよね。

 例えば20年スパンの五段階計画。「プロクラブがこんな悠長なことを言い始めたらもう終わりだ」と思えば最後はサポを辞めるしかなくなりますが、「おお、他のどんなクラブもやっていない画期的な方針だ」と思えば、しばらくサポを続けられます。

 モノは考えよう、とか、モノは言いようとかありますけど、降格しても、J2で最下位になろうとも、地域リーグまで落ちても、存続さえしていれば「この苦難も将来に飛躍するための貴重な勉強だ」とか、いくらでも前向きな解釈をし続けることはできるんです。

 イタリヤに行ったことも、イタリヤのサポと話したことも無いけれど、理不尽が日本以上にまかり通るセリエで、多くのイタリア人がサポを辞めないのは、彼らが日本人以上にポジティブシンキングが得意だからではないでしょうか。

 ということで、一生をコンサドーレ札幌のサポであると誓った私は、コンサドーレがどんな状況になろうと、全力を挙げてポジティブに捉えます。前向きに解釈し続けます。



posted by hibari |00:05 | コンサドーレあれこれ | コメント(4) | トラックバック(1)

2008年10月23日

村野「J2におっこったくらいどうって事ないんです」発言を読み解く

 後で訂正はしましたが、今回の対話集会で村野さんが発した「J2におっこったくらいどうって事ない」発言は、心から出た本音だと思いました。これを「5段階計画はぶれていない」という発言を合わせると、私的には(良い悪いは別にして)村野さんの言いたいことがよくわかったんです。どういうことかというと。。。

 5段階計画が発表されて、4年目でJ2に優勝し、5年目でJ1になったのですから、この計画は5年計画というように思ってしまうんですけど、村野さんが(ということはHFCが)考えている本当の5段階計画というのは、10年、20年スパンの超長期計画なんだと思いました。

 実際にあの場で村野さんは「10年、20年」という言い方を2回もしていまし、「J2におっこったくらいどうって事ないんです」の前に「ずーっと先の事を考えて行きますと」と発言しています(R-梟さん 感謝!)

 そして、5段階計画のゴールは「北海道の子ども達をベースにしたチーム作り」と村野さんははっきりと言っています。すなわち、単にJ1に返り咲くことではなく、レギュラーの大半がユース上がりの、一時のガンバや千葉のようなチームになること。そしてそのようなチームでJ1に定着することが、長期計画としての5段階計画のゴールなんではないでしょうか、と村野発言を聞いて思い至りました。

 そう考えると、5段階計画が発表されてから確かに石井、西、藤田とユース上がりが育ってきましたが、それでも今期確実にレギュラーとして確実に定着しているユース出身者は残念ながらいません。なので、本来の5段階計画からすると、J1にたどり着いたとしても、今回は片手落ち、決して目指す本来の姿ではなかったんですね。

 本来の5段階計画からすると、昨年の優勝昇格、今年のJ1の方がイレギュラーな事態だったのかもしれません。今は、実はまだ2段階ぐらいで、まだまだユースと若手を育成し、財務基盤を強化することが優先される段階なのかもしれません。そう考えると、今年の降格、来年のJ2は本来の既定路線に戻っただけで、たしかに「どうって事ないんです」。

 それで、三浦監督続投報道が波紋を呼びましたが、村野さん的には、どのリーグに属しているかは今の段階ではさほど重要ではなく、原則として、監督はできるだけ長く、柳下3年、三浦3年というようなイメージだったんじゃないでしょうか。


 ここで誤解無きように言いますが、決してJ2にいたい、昇格したくない、ということを意味しているではなく、5段階計画のゴール=『北海道の子ども達をベースにしたチーム作り』を曲げてまで、残留にこだわる必要はない、という判断があったんじゃないでしょうか。

 何でそうなのかというと、親会社の無い金のなさに加えて(秒刊からの引用で恐縮ですが)『佐々木は歯を食いしばって語る。 (佐々木利幸社長/サッカー批評 21号 )「選手強化サイドは,『本州の選手には大金積まなきゃ北海道には来てくれません』 と言う。 でももうそれじゃ会社はもたないし,選手の気持ちは『来てやったんだ』というおごりのまま。ウチには大枚はたいてビフテキ食わしてという選手はもういらない。 ホッケやジャガイモ食ってでもチームのためにがんばるという選手と一緒に汗を流したいんだ』ということですからね。

 北海道に住み続けている我々は意識し辛い点がありますが、雪国北海道にチームがあるというのは、目に見えないところにもっと大きなハンディがあるのでしょう。村野さんは強化サイドにいてそうした厳しい現実を知り尽くしているんだと思います。

 そうした現実を踏まえて出した結論が「「北海道の子ども達をベースにしたチーム作り」だったと。そうであれば、村野さんは、ものすごく遠くを見ているんですね。そして遠くを見ることでしか、親会社を持たない市民クラブで、かつ積雪寒冷地にあるコンサドーレ札幌が、本当の意味でJ1に定着し、AFCを目指せるチームにならないと。

 まぁ、私の想像でしかありませんが。

posted by hibari |01:12 | コンサドーレあれこれ | コメント(4) | トラックバック(1)

2008年10月21日

緊急サポ集会完全議事録(赤黒梟のR通信!)

一昨日より話題にしている降格後の緊急サポ集会ですが、

R-梟さんのブログ「赤黒梟のR通信!」に、録音をテープおこしされた
完全議事録が掲載されています。

一昨日からの私の記憶違いや主観に基づく憶測に惑わされないためにも、
下記で事実をご確認いただくようにお願いします。

http://www.consadole.net/r-huku/article/167#extended

なお、このエントリーは、赤黒梟のR通信!にトラックパッドしています。

R-梟さん(インフォではよく拝見しております)
ありがとうございました & ご苦労さまでした。
こうした事態では、やはり正確な事実の伝達が一番だと思います。

今後ともよろしくお願いします。

posted by hibari |21:59 | コンサドーレあれこれ | コメント(2) | トラックバック(1)

2008年10月19日

緊急サポ集会報告

あつべつ2



 試合終了から、2時間後、およそ300人ほどが、厚別競技場の外で村野GMと社長のコメントを聞きました。

 対話を仕切ったウルトラスの人によると、初め社長は顔を出すことを拒否していたものの、村野GMは積極的に対話に臨みたいと言っていたそうです。しかし、HFC内部の意見調整が手間取って、こんな時間になりました。

 村野GMの発言で、印象に残っているのは、

・どんなことでも答えたい。
・昨年は楽しそうだった来場者が、今年はガックリしているのを見ると、
 申し訳ないと思う。
・降格の事実についてこの場で原因を究明しようとすれば、何日もかかる。
・監督、選手、フロント等々、それぞれに責任があり、
 特定の誰かだけに責任があるわけではない。
・社長はなったばかりで説明できるものを持っていない。
 最初からずっと見ていた自分が一番責任者として相応しい。
・横にいて良いだけならば社長を呼んできても良い(その後社長登場)
・J2降格はたいした問題ではない(後で訂正)
・コンサドーレ札幌は、みんなで作るクラブだ。
・金のない中で戦えるチームを作ろうと思えば、育成をしっかりやるしかない。
・5段階計画は粛々とやってきた。一度もぶれていない。
・現在は3.5段階程度。この降格で少し後退は止むえない。
・5段階計画にのとっり相応しい監督を選んだ。
・監督に責任があるとしたら、監督を選んだ私に最大の責任がある。
・責任を取って辞めろと言われれば、辞める。
・当初からこの戦力では、入れ替え戦に出場しての残留が現実的な目標と思っていた。
・それでもプロクラブである以上、J1優勝、AFC制覇は目標
・10年後、20年後のために、みんなでこのクラブを育てていってほしい。

やはり降格直後の会見だけに、怒号が飛び交う場面もありましたが、仕切ったウルトラスの方(と思われる)が、たくみに場面を取りなし、「このままでは収拾が付かない恐れがある。村野さんへの感謝しよう」と結んで、お開きに。
また後で登場した社長も、「申し訳ない」の言葉と、「自分も創設からのサポーターだった。サポーターの気持ちは理解できる」の言葉を残しました。

それ受けて、ウィアーサッポロを叫ぶサポーターはあったものの、
全体には広まらず、もやもやっとしたまま散会となりました。

同じ降格でも、ジョンカビラがコンサドーレと煽った98年の降格とは様変わりでした。

それでも私的には、今までもやもやっとしていたものが、くっきりとした、会見でした。それはどういうことかというのを、また改めて報告します。



posted by hibari |22:02 | コンサドーレあれこれ | コメント(7) | トラックバック(1)

2008年10月08日

ちょっとびっくり

 HFCが三浦監督に続投要請をするそうだ。
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/consadole/121935.html?_nva=1

 サッカーの一般常識でいうと「あり得ないこと」。
 だけど、私は不謹慎ながら「面白い」と思ってしまった。不謹慎ながら、と言ってしまうところが不謹慎なんだけど。

 これをとんでもないと言う人は、その前提に「プロは結果だ」というのがあると思う。結果を出せなかった以上、辞めるのは当然という考え方だ。

 私が、これを聞いて面白いと思ったのは、J1で断トツの最下位をひた走りにする札幌の監督に続投を要請することが、「プロは結果だ」という言葉への強烈なアンチテーゼであるからだ。

 「プロは結果だ」とい言葉を聞くたびに、「裏返せばしょせんプロは結果論」と思ってしまう。結果論を積み重ねていけば、素晴らしい結果にゴールすることができるのだろうか。とてもそんな気はしない。それよりも、目先の「結果」ばかりにとらわれて、堂々めぐりを続けてしまいそうな気がする。

 「決まったら」書こうと思っていたけれど、こうした有様で降格して、来期を再びJ2で迎えるとしたならば札幌の場合、チーム作りは、とても難しいと思っていた。

 こんな有様になってからでは、とても通常の、ありふれた、どこでもいそうな、ありきたりの展開では、とても満足できない。

 かといって、通常ではない、ありふれてもいない、どこにもなさそうな展開とはどんな展開なのか、想像ができなかった。

 そう考えると、ここまでの成績を残した監督に続投を要請するというのは、私が思ってもいなかった、通常ではない、ありふれてもいない、どこにもなさそうな展開だ。そうか、そんな手があったのか、と正直思った。

 虎穴に入らずんば虎児を得ず というか、死中に活を求める、というか、ものすごく面白い手だと思うけど、ほとんどみんなは大反対だろうな。

 「決まったら」、もう少し考え方を述べてみます。


posted by hibari |00:14 | コンサドーレあれこれ | コメント(5) | トラックバック(0)

前へ