コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2015年08月28日

北海道にサカスタを造るための基礎知識。完成後の経済効果960億円?(ス儲会11

2015/8/15に札幌ドームで「野々村芳和とコンサドーレ札幌を考える会」が行われました。
コンサドーレ札幌の野々村社長と、サポーター600人が参加し、
コンサドーレの過去、現在、未来について、社長が90分も語り尽くしました。

その席上、野々村社長は、以下のように述べました。
「いろいろな状況を考えると自分たちで運営できる、サッカー専用スタジアムがないと
 クラブも大きくなれない。見ている人たちにとってもいい環境ではない。
 2万人規模でサッカー専用で臨場感があってサポーターと選手がひとつになりやすい、
 またライトな人たちが見ても、近くで見れてスポーツすげーなと思ってもらえる
 スタジアムをつくりたいという僕の中でのビジョンはあります。
 実際にどういう風にしたらできるかというのをスタッフといろいろな機関を巻き込みながら検討している。

 あくまでもビジョン、僕の中でのイメージでは5年後くらいには出来上がって
 欲しいくらいに準備をしている。でもそんな簡単にできるものではないし、
 100とか200億単位のお金がかかることなので、
 簡単ではないけれどコンサドーレのこの先どうなっていこうかということを考えると、
 専用スタジアムがあるのとないのとでは全然変わってくると思います。」


さて、議論の出発点というか、知識の底上げを行うために有効な資料を6点提示します。
これらの資料で述べられていることや情報について知らずに議論を始めるのは、
終わった議論を蒸し返して、議論を後退させているようなものです。

というわけで、サッカースタジアムor複合型スタジアムを作り、
どのように運用していくべきなのか?について知っておくべきことを
先行するスタジアム研究の資料を用いながら、解説していきます。
今回は後編。


前編はこちら
北海道にサカスタを造るための基礎知識。黒字のスタジアムがない?(ス儲会10


★4★
スタジアムを建設しようと活動している地域では、いま何が行われているの?
⇒「専用スタジアム」という呼び方をやめ、街づくりの一環としてスタジアムを建設し、
 日常的に地域から利用されることを大前提とした議論になっています。

(参考資料)
 ■広島 夢スタジアム シンポジウム(第3回資料)
 https://www.sanfrecce.co.jp/special/signature/130822.pdf
 Jクラブのスタジアム最新動向が載ってます。

 ■「広島にふさわしいサッカースタジアムに関する調査」の結果(2014年)
 http://www.sanfrecce.co.jp/special/signature/140930.pdf
 サッカーに関心のある人/ない人双方の意見が掲載されています。


★5★
建設費用の資金はどうやって集めるの?税金頼み?
⇒従来は自治体、国(国体のときなど)が出資してました。
 最近はtotoの助成金が一部充てられます。
⇒大阪スタジアム(仮)が一般からの募金と、企業からの募金で建設費用の一部を賄いました。
 このスタジアムもまた、多目的利用が大前提であり、4万人規模の大型スタジアムです。
⇒スタジアム建設は、地域経済にとっても大きな効果が期待されます。
スタジアム完成後10年間で大阪府内へ最大約960億円の経済効果が期待できるとの
 分析結果も掲載されています。

(参考資料)
 ■Osaka Dream
 http://www.field-of-smile.jp/stadium/index4.html
 大阪スタジアムの募金についての経過がまとめられ、多目的利用がうたわれています


★6★
そもそもJリーグの理念って何?
⇒地域に貢献する文化を作り上げる場の1つとして、
 スポーツ施設(サッカースタジアムではない)が必要だと訴えています。

(参考資料)
■Jリーグ百年構想とは
http://www.jleague.jp/aboutj/100year.html
●slogan
誰もが気軽にスポーツを楽しめるような環境が整ってはじめて、
豊かなスポーツ文化ははぐくまれます。
そのためには、生活圏内にスポーツを楽しむ場が必要となります。
そこには、緑の芝生におおわれた広場やアリーナやクラブハウスがあります。
誰もが、年齢、体力、技能、目的に応じて、優れたコーチの下で、好きなスポーツを楽しみます。
「する」「観る」「支える」、スポーツの楽しみ方も人それぞれです。


いかがだったでしょうか。
私がスタジアム研究の過程で読み漁った資料の中から厳選しました。
複合型スタジアムを建設したいと思っている人ならば、一度は目を通すべき資料です。
当然、北海道には北海道特有のリスクがありますから、全てを当てはめろとは言いません。
公開から時間が経っているものもありますが、先人達が通ってきた道を確認し、
議論のスタート地点を底上げするには、十分だと思います。

これらを読んでもなお「専用スタジアムが欲しい」と思う人がいるでしょうか?
日本中で「複合型」の議論が進んでいる中「専スタ」という言葉を使いたいでしょうか?

「専スタ」という言葉が定着したのも、Jリーグ誕生やW杯開催といった大きな転換期を経て、
サッカー文化が醸成されてきたことの証だと思います。
けれども、日本中、いや世界中で「サッカー専用」ではやっていけないのは共通認識です。
(注:世界のサッカー界を植民地化してる一部の欧州ビッグクラブは除く)

作って満足する施設ではなく、5年、10年、30年と続くサッカー文化の中で、
地域の街づくりに貢献していくような施設を運用していくという共通認識をスタート地点として、
夢を実現するための目標を設定し、議論を始めましょう。


「ス儲会」って何?
北海道のサッカータジアムでかる(仮称)。を発足しました。
会といっても、当面は1人でウダウダ語りつくします。
想いのある方は、コメントいただけると刺激になりますし、議論の種になるので大歓迎です。

当会の名称についての重要なポイントを。
★サッカー”専用”スタジアムではなく、複合型スタジアム、サッカースタジアムと呼ぶ
 ⇒「専スタ」「サッカー専用」の言葉を廃止する
★作るでも造るでもなく、「儲かる」
 ⇒儲かることを証明すれば、自治体や企業は投資します。

スタジアム形式を以下の3本柱と定めました。
★全天候型ドームとすることで、通年利用可能にする
★ピッチ可動式とすることで、スポーツ以外のイベント利用を促進する
★1万人~2万人規模とすることで、既存施設の隙間を埋める規模にする
 (札幌ドーム未満、アクセスサッポロ以上、アイスアリーナ&グリーンドームの代替設備)


前回記事
ス儲会1)北海道のサッカースタジアムで儲かるために最低限知っておきたいこと
ス儲会2)「専スタ」って言葉の使用をやめませんか?
ス儲会3)札幌ドームってなぜドーム型で野球場併用で可動式ピッチなんだっけ?
ス儲会4)スタジアム稼働率向上を通年で考える(冬使えないなんて問題外)
ス儲会5)世界の可動式ピッチ サッカースタジアム事例
ス儲会6)札幌に1万人前後のイベントホールってあるの?
ス儲会7)どんな施設との複合型スタジアムにするの?モール?ホテル?
ス儲会8)なぜ今、北海道に新しいサッカー専用スタジアムが必要なのか理解できないです
ス儲会9)北海道に専用スタジアムなんて要らない!専スタ不要論!
ス儲会10)北海道にサカスタを造るための基礎知識。日本に黒字の専スタがない?

posted by sca25 |18:45 | 北海道のサッカースタジアムで儲かる会(仮称) | コメント(0) |

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