コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2013年12月21日

トレーニング・コンペンセーション(育成費)早見表(Jリーグ編)

トレーニング・コンペンセーション=TRAINING COMPENSATION
俗に育成費、TC、TCとも呼ばれる費用について、
いちいち計算が面倒なので早見表を作成しました。
いまJリーグに所属しているユース卒選手が
完全移籍する場合の最低市場価格が一目でわかります。

押さえるべきポイント
1)完全移籍のときのみ発生する(⇔契約満了の場合は発生しない)
2)移籍先のリーグによって1年当たりの単価が変動する
3)13~15歳までの単価と、16~21歳の単価は異なる
4)年数に数えられるのは12~21歳(21歳が上限で、23歳まで維持される)
5)請求の権利は23歳まで(23歳のシーズンが終了すると権利が消える)。
6)J→J移籍は国内ルールで、J→海外移籍はFIFAルールが適用

以下、2014/12/28追記
7)ユースから昇格した選手は、ユース所属期間をトレーニング期間に含む

↓の条項に対する考慮が漏れていたので、7)を追記。
(3) 移籍元クラブの第3種チーム、第2種チームおよび第1種チームに(その他のチームに移籍することなしに)連続して登録された選手に関しては、当該第3種チームおよび第2種チームにアマチュアとして登録された期間を「トレーニング期間」に加えて「トレーニングコンペンセーション」を算出し、移籍先クラブに対して請求することができる。
8-4「トレーニングコンペンセーション」に関する特記事項


下記早見表の前提
16歳のシーズン(高1)から所属していること
TCnew
2014/12/28差替

※13~15歳期間の計算について
国内ルール、FIFAルールともに13~15歳期間もカウントされるのですが、
国内ルールは1年当たり100万円で最大300万円
FIFAルールは移籍先に関わらずカテゴリ4で1年当たり2,000USD(約20万円)
と、最大300万円以下なので、早見表から外しています。
ジュニアユースから所属する選手がいたり、いなかったりするので省略しました。


FIFA
カテゴリ別リーグ詳細
欧州cat1:
イングランド・プレミア、ドイツ1部、スペイン1部、イタリア1部、オランダ1部、フランス1部

欧州cat2:
欧州cat1の2部リーグ、オーストリア、ベルギー、デンマーク、ギリシャ、
ハンガリー、アイルランド、ノルウェー、ポルトガル、ロシア、スコットランド、
セルビア・モンテネグロ、スウェーデン、スイス、トルコ、ウクライナ

欧州cat3:
欧州cat1の3部リーグ、欧州cat2の2部リーグ、その他たくさん

欧州cat4:
欧州cat1の4部リーグ、欧州cat2の3部リーグ、その他たくさん


計算式の詳細は、過去エントリを参照
TRAINING COMPENSATION(国内移籍と海外移籍の違い)


参考資料
8-3「トレーニングコンペンセーション」の請求権

Jリーグ規約全文
8.「トレーニングコンペンセーション」
にもありますが、ファイルサイズが大きいので気をつけてください。
こちら(5.8MBのpdf)

FIFAのルール
Regulations on the Status and Transfer of Players(FIFA)(pdf)
こちら(pdf)

FIFAのカテゴリ別リーグ一覧
Regulations on the Status and Transfer of Players 
- Categorisation of clubs and registration periods
こちら(pdf)


posted by sca25 |09:26 | トレーニングコンペンセーション | コメント(0) |

2013年02月07日

TRAINING COMPENSATION(国内移籍と海外移籍の違い)

まとめとして、JFAルールとFIFAルールの比較をします。

■FIFAのTRAINING COMPENSATION(海外移籍)
例1)
1つのクラブでジュニアユース→ユース→トップに昇格し、
18歳にプロ契約し20歳のシーズン終了後に海外(UEFA2)へ完全移籍した場合。

計算対象期間は
・12歳のシーズンから21歳のシーズンまでのトレーニング年数。

ジュニアユース~ユースでの1年(12歳から始まり15歳のシーズンまで):4年
これに移籍先クラブのカテゴリ4の金額(1万EUR)を掛け合わせる。
ユース2年+プロになって3年(16歳のシーズンから20歳のシーズンまで):5年
スイス、ベルギーなどは、UEFA II カテゴリ=6万EUR。

[4年×1万EUR]+[5年×6万EUR]=34万EUR
仮に1EUR=120YEN とした場合、34万×120= 4080万円。


■JFAのトレーニングコンペンセーション(国内移籍)(2/8訂正)
例2)
1つのクラブでジュニアユース→ユース→トップに昇格し、
18歳にプロ契約し20歳のシーズン終了後にJ1クラブへ国内完全移籍した場合。

計算対象期間は、2つ。
・満12歳3月31日翌日の4月1日から満15歳3月31日までの期間
・プロ契約の有効開始日を含む年度の2月1日から満21歳の1月31日までの期間。

満12歳3月31日翌日の4月1日から満15歳3月31日までの期間:3年
移籍先に関わらず100万円/年
プロになって3年(18歳にプロ契約し20歳のシーズンまで):3年
移籍先がJ1:800万円

[3年×100万円]+[3年×800万円]=2700万円

ポイントは、計算対象の期間。
FIFAルールの場合、12歳のシーズンから計算できる。
JFAルールの場合、[12~15歳]+[プロ契約開始のシーズン(18歳が多い)]から計算される。
つまり、ユース期間にプロ契約してないと含まれない。

これらを比較すると、海外市場に目を向ければ、
ジュニアユース世代から自前で育てた選手が海外移籍する方がリターンが大きい。
ユース世代からであってもその傾向は変わらない(むしろ広がる)。
J1クラブへの移籍でも、数千万円が見込める。
海外移籍でも国内移籍でも、23歳のシーズンが終わるまでの長期契約を結ぶ方が
クラブとしては望ましい。
しかし、移籍金設定が高い、期間が長い、年俸が高い、大卒の有望選手獲得といった
契約を行おうにも、原資がないクラブにとって、そのような契約ができる可能性は低い。
このような状況から考えると、この仕組みの意義は非常に大きい。

移動費かけてアカデミー費用をかなりかけてまで
プレミアEASTに参加する意義があるのか?と思った時期もありますが、
トレーニングコンペンセーションを理解すると、
ユース世代育成が選手層の強化だけでなく、ビジネスの選択肢の1つになる。
そういった側面も含めて、ユース世代やジュニアユース世代への投資は、
十分に投資価値があると私は考えます。

ユースカップの会見で四方田監督の「基準が全国のトップチームになった。」
という発言がありましたが、改めてユース世代への投資の1つとして
プレミアEASTへの参加を継続しなければならないと思った次第。

posted by sca25 |23:52 | トレーニングコンペンセーション | コメント(3) |

2013年02月06日

国内移籍に伴うトレーニング費用

日本国内の移籍の場合、以下の2つがあります。
・アマ⇒プロ移籍時に適用される「トレーニング費用」
・プロ⇒プロ移籍時に適用される「トレーニングコンペンセーション」
これらは、JFAの規約に書いてあるので、簡単にまとめます。

■「トレーニング費用」
■発生する条件
アマチュア選手がプロ選手として移籍する場合

■計算方法
・「トレーニング費用」の上限は、選手が在籍したチームにおける満15歳の3月31日翌日の4月1日から
 満22歳の3月31日までの在籍期間1年につき、次に定める金額とする。
__________|4年まで|5年以降
――――――――――┼――――┼――――
直前の在籍団体___| 30万円 |15万円
――――――――――┼――――┼――――
2つ前以前の在籍団体|15万円 |15万円


■「トレーニングコンペンセーション」
■発生する条件
・プロ選手がプロ選手として移籍した場合に直前のクラブに対してのみ支払われるものとする。
・当該選手の満23歳の1月31日の直前の1月1日までに移籍が行われる場合に限り、
 移籍元クラブは、移籍先クラブに対し、請求することができる。

■計算方法
・当該選手の初めてのプロ契約の有効期間開始日を含む年度の2月1日から当該選手の満21歳の1月31日までの期間
・当該クラブにおける選手の所属年数を乗じた額として算出される

移籍先がJ1:800万円
移籍先がJ2:400万円
移籍先がJFL:100万円


制度の狙いは似ていますが、FIFAルールとJFAルールでは、
適用される範囲と金額の規模が違いますね。
FIFAルールを読み込んだ後で、JFAルールを読むと、
国内移籍による若手育成市場が小さく見えます。
ただ、金額を抑えることで、流動性を持たせているとも捉えられますね。

次回は、それぞれの比較に踏み込んでみます。

posted by sca25 |23:24 | トレーニングコンペンセーション | コメント(0) |

2013年02月05日

移籍に伴うトレーニング補償と連帯貢献その2

・Training Compensation(直訳すると、トレーニング補償)
について、整理しました。

■補償が発生する条件(いずれか1つ)
・選手がはプロとして初めて登録される場合(アマ→プロ初登録)
・プロ選手が23才の誕生日のシーズン終了前に、2つの異なる協会のクラブ間で移籍される場合
(プロ→プロ移籍)
(two different Associations という一文が引っかかるが、クラブを跨る移籍と解釈)

■計算方法(2/6訂正)
A)12歳のシーズンから21歳のシーズンまでのトレーニング年数
B)このうち12歳~15歳までの4シーズンはカテゴリ4扱いの金額
C)16~21歳までのシーズンは、新しいクラブのカテゴリの金額


例1)
1つのクラブでジュニアユース→ユース→トップに昇格し、海外へ完全移籍した場合。

ジュニアユース~ユースでの1年(12歳から始まり15歳のシーズンまで):4年
これに移籍先クラブのカテゴリ4の金額を掛け合わせる。
UEFAの場合、カテゴリ 4 =1万EUR。
ユース2年+プロになって3年(16歳から始まり21歳のシーズンまで):5年
これに移籍先クラブのカテゴリの金額を掛け合わせる。
ドイツ、イングランドなどは、UEFA I カテゴリ=9万EUR。
スイス、ベルギーなどは、UEFA II カテゴリ=6万EUR。

よって21歳までの9年所属して、UEFA II カテゴリのクラブへ移籍した場合、
計算式は、以下のようになる。

[4年×1万EUR]+[5年×6万EUR]=34万EUR
仮に1EUR=120YEN とした場合、34万×120= 4080万円。
(2/6訂正完了)

ここで私が抱いた疑問。
・これは完全移籍のときのみ?
  →レンタル移籍(loan)は、雇用契約は元のクラブにあるので、発生しないはず。
・23歳を過ぎたら、同様の費用は発生しない?
  →とすると、売り時は、1年待てば補償の発生しない22歳ではなく21歳?
・2度、3度とステップアップ移籍を繰り返せば、後になるほど払わずに済む?
  →これに対する答えが、"Solidarity Contribution(直訳すると、連帯貢献)"。
・この仕組みに乗っかれば、12歳~21歳の選手育成が投資⇒回収⇒ビジネスとなる。
  →サッカーの市場規模が小さい中堅国は、育成に投資する余地がある。

上っ面の計算は理解できても、まだ本質が理解できてない。。。次回に続く。

posted by sca25 |01:17 | トレーニングコンペンセーション | コメント(3) |

2013年02月04日

移籍に伴うトレーニング補償と連帯貢献その1

雇用契約中に他チームへ移籍する場合、現契約解除の違約金が発生します。
これがいわゆる"移籍金"。
その形式は個々の契約に依存し、国内移籍でも海外移籍でも基本的には変わりません。

それとは別に、育成費や連帯貢献金と呼ばれるものが発生します。
プロチームが他チームからの若手選手獲得した場合、
育成したチームに対して、育成のコストを支払う。
それを得たチームは、更なる投資を行い育成を・・・という循環が目的。

JFAの規定では、要約すると以下の2つ。

・アマ→プロ移籍:トレーニング育成費
 (16歳の4/1から-満22歳の3/31まで。
  直前の在籍団体は30万/年(4年まで)。5年以降or2つ前以前の在籍団体は15万/年)

・プロ→プロ移籍:トレーニングコンペンセーション
 (最初のプロ契約の有効期間開始日を含む年度の2/1から満21歳の1/31まで。
  J1所属時は800万/年、J2所属時は400万/年)

これらは、国内移籍時に発生するローカルルール。

海外移籍の場合は、FIFAルールが適用される。
・Training Compensation(直訳すると、トレーニング補償)
・Solidarity Contribution(直訳すると、連帯貢献)
基本的な考え方は同じ。
しかし、金額の算出方法は、JFAルールと異なる。

FIFAの"on the Regulations for the Status and Transfer of Players"
をgoogle先生に翻訳を助けていただきつつ整理してみた。
が、関連する内容は20ページほどあり・・・正確に理解できてない部分があるので、次回持ち越し。

posted by sca25 |01:50 | トレーニングコンペンセーション | コメント(0) |