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2008年04月23日

逃げ切ろうとするには早すぎた(2008-J1-#07 vsヴィッセル神戸@ホムスタ/現地観戦)

まいどネット的にはタイムラグのありすぎる話題でございますがお許しを。

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前半終了間際にPKを止め、後半に入ってからは何度となく攻め込まれながらも相手のシュートがゴールラインを割るのを(キーパーではなく)フィールドプレーヤーやクロスバーが阻止する、といった展開を考えれば、失点が神戸DF25石櫃のスーパーシュートの1点のみで済んだこと、そして引き分けで試合を終えることができたことは「よかった」と評するべきなのだろうが、守備を強みとするチームである以上、あのままゼロで抑えきって勝ちたかった。

あれほどの攻勢にさらされながら、運を味方につけてでも勝っていれば、選手たちの自信=自分たちのスタイルに対する自信=はさらに確固たるものとなっただろう。そうなれば、今後、何が起きようとも、ちょっとやそっとのことでは、チームはぶれない。それを思うと、この引き分けは、とても残念だ。

試合序盤、神戸は、リーグ戦初先発のFW22馬場が13大久保とともにコンサの4バックの裏をねらい続けた。しかし、8分に馬場がヘディングで落としたボールを10ボッティがフリーでシュートしたあたりから、馬場のポジションが低くなり、さらには大久保が左右上下に激しく動くのに対して馬場は同じタテの線を行き来するだけになってきて、コンサの4バックには馬場の存在がさほど怖くなくなってきた(<もちろん選手に聞いたわけじゃないから、あくまで推測です)。

そして神戸は最終ラインからとにかく徹底して両サイドへロングボールを入れてくるようになる。一昨年のバクスター-松田体制時は、この斜めのロングボールの先にパク・カンジョと三浦淳弘がいて、もう思い出すのも嫌になるぐらいやられたのだが、現在の神戸はあのときとはフォーメーションが異なり、ドリブル突破をはかろうとするウィンガーもいない。そのうえ馬場の動きが単調で、最前線で注意しなければならない相手は大久保だけだったから、ボールを支配されている割には、危険な感じはしなかった。両サイドから放り込まれるだけならば、吉弘と柴田のセンター2枚で十分に対応できる。

だから、なのか、それとも古巣相手で気合が入りすぎたのか、マーカス(僕は試合見ているときは「純」または「デビ純」って呼んでますけど)は、自分のゾーンを離れて、相手の最終ラインにまでプレッシャーをかけることが多くみられた(途中でベンチ側の平岡が監督に呼ばれて、その平岡がマーカスに何かを言いに行ったのは、それと関係あったのかなかったのか?)。

しかし、結果的には無失点だったのではあるが、前半は、もっと引いて(相手の出方を見て)守ってもよかったのではないか。39分に大久保が出したスルーパスの先に飛び出していったのは、なんとDF4北本だった。それから7分ほど経過したロスタイム(アディショナルタイム)に、柴田がボッティに当たってPKをとられた場面は、神戸に振り回されて、吉弘が前に出て行った(出て行かざるを得なくなった)直後だった。

それでも高木がPKを止めてくれて、後半開始直後にダヴィのゴールで先制して(あのPKがなければ神戸守備陣はもっと激しくダヴィに寄せることができたのではないか?)、52分の神戸の波状攻撃も食い止めた。神戸は、60分に11松橋を入れてからは、再び裏を狙うことに専心した(この辺の徹底ぶりはすごいと思う)。73分に馬場との交代で17吉田が入ると、神戸の攻撃はさらに激しさを増した。

だからといって、残り10分以上もある時点で池内は早かったんじゃないでしょうか三浦監督、というのが、スタンドから見ていた者として最大の疑問でありまして、いつも言うようにスタンドから見ている者がそういうことを考えてはいけないのではあるが、やはりまだ修行の足りない僕は「えー、あと10分もあるのにぃ…」などと、ぼそっと口に出してしまうのである。

案の定、その直後に、失点してしまった。

そしたら今度は平岡に代えて岡本、って、そりゃ、同点に追いつかれたのだから、点を取りに行こうとするのはわからないではないが、いったんは守備固めに入ってからまた攻撃とは、オーストラリア戦のジーコを思い起こさせる混乱ぶりに、この試合がどうこうではない不安を感じたことであった。

ところでクライトン。いなければ困るのだが、3日前のナビスコ(千葉戦)といい、この試合といい、コーナーキックの精度の悪さはどうにかならないものか。ほとんどのキックは、相手GKの前に速いボールを入れているのだが、得点につながりそうな感じがしない。それと、もうちょっと、砂川やダイゴを信用してやってください。神戸の選手も、やっているうちに、クライトンから西や砂川にはパスが出てこないことがわかったらしく、途中からは、西なんて、文字通りの無駄走りの繰り返しになってしまった(でも走り続けたのはとってもエライ)。

でも、千葉戦で怒られていた(?)岡本は、試合終盤、クライトンとのきれいなワンツーでパスをもらっていた。あの場面、チャンスになったことよりも、ああ、ヤスはクライトンの要求をクリアしたのかと、そっちのほうが感慨深くて(笑)…なんかへんなところばかり目につくようになり始めた今日この頃であります。

個人的観戦通算成績(トップチーム公式戦)291試合111勝61分119敗

ブレブレだけど雰囲気だけでも(高木がPK止める直前)↓
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posted by issey11 |09:28 | 2008遠征 |

2008年04月17日

クライトンはヤスの何が気に入らないのか(2008-ナビスコ-#03 vs千葉@フクアリ/現地観戦)

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0-0は妥当な結果だったと思う。

チャンスがなかったわけではない。前半12分、クライトンのフリーキックに池内が右足で合わせたシュートは、クロスバーを叩いた。後半13分に岡本に代わって砂川が入ってからは、16分に、中盤でのヨンデのインターセプトを起点に、クライトンと砂川のパス交換から、中央に出てきた西谷がループシュートを放ち、27分には、西谷の左から中へのドリブルを倒されて得たフリーキックを、クライトンではなく砂川が蹴り、ゴールマウスをわずかにはずれた。

その直後には西谷が裏のスペースへ送った浮き球を、ダヴィが千葉DF斉藤に競り勝ってシュートしたが、揺れたのはサイドネットだった。さらにその後には、中盤に引いたクライトンから右前方の砂川へとパスが出て、砂川がドリブルで時間を使う間にヨンデと西谷がゴール前中央に入ってきたが、砂川の低いクロスにヨンデはスルーを選択し、慌てた西谷のシュートは大きく浮いた。38分には、西谷との交代で入ってきたばかりの西が相手ボールをカットし、クライトンに預けた後にゴール前のスペースに飛び出したが、シュートはヒットしなかった。

逆に、ピンチだって、もちろんあった。後半6分、千葉DFボスナーがゴールまで30メートルほどの距離から長い助走をつけて放ったフリーキックは、クロスバーをかすめた。8分には、馬場のスルーパスに反応した巻につられて優也が飛び出し、ゴールを空けてしまったが、巻の送ったボール(シュート?)は、カバーにまわった坪内がかろうじてクリアした。39分に谷澤がゴール正面から放ったシュートは、この試合両チームを通じて最大の決定機だったが、優也が素晴らしい反応を見せて外にはじき出した。

全体を通じてみれば、千葉が押し気味に進めていたようにみえるかもしれないが、終盤は札幌が無理をしない選択をしたようでもあり、けっして札幌がやられていたという印象はない。むしろ、とくに砂川が入ってからは、ダヴィ、クライトン、西谷、砂川の絡んだ、わくわくするような攻撃が何度か見られ、0-0という結果の割には退屈しないゲームだった。

ただ、サッカーの試合なので、札幌の出来を評価する際には、相手の力量も考慮しなければならない。その点で、この試合の千葉は、今季対戦した相手の中で、もっとも楽な相手だった。チーム全体でどこでボールを奪うかがはっきりしていないから、札幌の選手がダヴィやクライトンに送るパスが途中でカットされることはほとんどなく、ダヴィやクライトンに預けられたボールは奪われない。一方で、千葉の攻撃は、前線に張っている巻が孤立してしまうことが多く、ポスト役も突破役もすべて巻だったから、曽田(巻とのバトルは見ごたえがあった)を中心とした守備陣の負担は重くなかった。

でも、4バックのラインディフェンスの裏をねらってこられたらどうなるんだろう、新居が出てきたらイヤだな…と思っていたが、後半24分に新居が交代で入ってきても、曽田がリードするラインコントロールと、吉弘のスピードへの対応により、新居には仕事をさせなかった。もっとも、その代わりというのか、西谷が前に出て戻らなくなった(疲れか?)分、西谷のサイドにいた谷澤が攻撃に絡んでくることが増えてきたのではあるが(だから西谷を下げて西を入れたのではないかと思う)。

そんな中で、最後までリズムをつかめないまま交代させられてしまったのが、岡本だった。トイメンが外国人選手だったから当たり負けてしまうのは仕方ないにせよ、自分がスペースへ飛び出していくことはできるのだが、自分がボールを持ったときには判断に迷ってしまって選択肢を失ってしまうことが多く、結局、無難な横パスか、後ろに戻してしまう。それゆえに池内に負担がかかり、無理して攻めに出ようとした池内は前半に警告を受けてしまった。

前半の途中からは、右に流れてくるクライトンが「なんでオレのところに出さないんだ!!」とばかりに岡本を怒鳴りつける場面が増え、ハーフタイムに入った直後には、他の選手がロッカールームに引き上げていく中、クライトンと岡本がベンチ前に残り、ウリセスを挟んだまま話し合う(というか、クライトンが岡本に一方的に何か言っていたのではないかと思うが)光景すら見られた。そして、後半に入ると、前半はダヴィが左(西谷に近い側)、クライトンが右(岡本に近い側)だったポジションが、左右逆になってしまった。

岡本君には、クライトン先生がわざわざウリセスを呼んでまで伝えたことを、しっかりと自分のものにしてほしい(先生、石井君も、びしっと指導してやってください)。

それにしてもフクアリ。何度も行っているはずなのに、行くたびに遠く感じられるようになってくる。最初の頃は「五井よりもずっと近くなった、これなら便利だ」と思っていたはずなのに。

キムチスープ500円。具が多くてグー。
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グーといえば、試合前、なんとかキッズがピッチの脇でインタビュー受けた後に「ヘディングー」とかやってたんですけど、「好きな食べ物は?」と聞かれた小1男子が「しゃぶしゃぶ」と答えたのにはびっくりしましたです。わたしは小1のときに「しゃぶしゃぶ」なんて知らなかったぞ。


posted by issey11 |01:15 | 2008遠征 |

2008年04月05日

悪くはない でもこれじゃ勝てない(2008-J1-#05 vsFC東京@味スタ/現地観戦)

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第4節の感想を書かないうちに5節の試合が来てしまった。日曜日(大雨)@関東-(中2日)-水曜日@札幌-(中2日)-土曜日@関東と試合が続くのは、やっぱり、厳しい。そんなことは相手だって同じだと言うなかれ、東京は、水曜日のアウェーゲームも横浜だったから、移動はしていない。この差は、大きい。

誰もそんな言い訳はしないだろうと思うが、やっぱり、コンサの選手の動きは、重かった。砂川が入るまでは、マイボールになっても、ボールのないところで動いていたのがヨンデだけだったから、パスを出す先が見つからない。東京が4バックの前に梶山+浅利+今野を並べてきっちりと守備ブロックを作っていたから、受け手が動いてやらないと、パスコースは作れない。それでやむなくロングボールを蹴るものの、中山がターゲットマンとしてボールを落としたとしても、裏へ走りこむスピードのある選手はいないから、まったく効果がない。

ダヴィ不在の影響は(想定内といえばそうなのだが)非常に大きく、カウンターのチームだというのに、相手の攻撃を止めてボールを奪っても、前に向かって走り出す選手がいない。大きく前へ出して、クライトンがキープしたとしても、追い越していく選手がいない。クライトンは確かに強くてうまいが、ドリブルで局面を打開できる選手ではないから、ボールが相手ゴールまでなかなか行かない。

34分過ぎ、相手陣内でボールを失ったクライトンが、後ろを向いて「もっと前に出てきてくれ!」とでも言うように、大きく手を振り上げたのが、この試合の前半を象徴していた。中盤から後ろの選手は、こわがっていた。ショートパスを通そうとはせず、ドリブルも、ロングボールも、みんな中途半端だった。まるで勝っているチームが時間を使っているかのようだった。

そのうちにクライトンは最終ラインにまで下がってきたり、ポジションに関係なく動くようになってきたから、前線には中山しかいないことも多くなり、カウンター攻撃の迫力は、ほとんどゼロになってしまった。マイボールが無意味に前方に蹴られるたび、ああ、砂川がいれば…と思っていた。

後半に入ってからも雰囲気は変わらず、優也がすばやくゴールキックを送ろうとしたのに味方の選手がみなたらたらと歩いている、なんて場面もあった。岡本も西も、トイメンの守備対応に追われてしまい、ほとんど何もできなかった。砂川の投入を後半の9分まで引っ張ったのは、理解に苦しむ(というのは言いすぎか-まあ、いろいろ、事情はあるのでしょうからね)。

砂川が入ったことで、ようやく、中山やクライトンを追い越す動きが出てきて、チャンスも作れるようになったが、上から見ていると、こわごわ、びくびくやっている感はやっぱり変わらず、相手陣内深くまで運んだボールを、あっさりと後ろに戻してしまう。

これだよこれ!と思ったのは、後半22分、右サイドにドリブルで突っ込んでいった砂川が、前をふさがれると、今度は後ろにドリブルしながら、半身の姿勢でゴール前へ放り込んだ場面。そうそう、とにかくゴールに向かっていかなきゃ!…なのに、ケンゴなんてその典型なんだけれど、右往左往するばかりで、ゴールに向かう怖さがまったく感じられない。

ケンゴが入ってから、コンサの攻撃機会が増えたのは、相手の足が止まり始めたのと、クライトンを中盤に下げたことで西やヨンデが前に出られるようになったから、だと思う(曽田が退いたため、西嶋がセンターに、ヨンデが左サイドバックに入った)。やっぱり、クライトンは、前ではなく、中盤にいるべき選手だ。

こういう試合をしていれば、そこそこはやれるだろう。しかし、びびって誰も前に出てこないようでは、点は取れない。今の戦い方で中山にストライカー(というよりペネトレーター)の役割を担わせるのは無理だ。ダヴィがいなければ、その役目は、ケンゴかノナトがやるしかないのに、前節の川崎戦といい、今日といい…

チームとしては、悪くはない。体が重そうだと感じながらも、コンサの選手たちは、最後まで試合をあきらめることもなかった。だからダヴィの復帰さえあれば…では、このままずるずる行ってしまう(何度も書いているが、2002年のバーヤック、ジャディウソン加入直後は「内容は悪くない」と思っているうちに、上のチームとの勝ち点差がどんどん離れていってしまったのだ!)。もっともっと練習して、J1の選手が相手でも臆することなく立ち向かえる自信(≒勇気)を身につけてほしい。

ところで東京。攻撃のアクセントになっていた大竹が長友と交代して、コンサが押し気味になってきて、あれ?どうしちゃったんだろ?と思い始めた(実際に隣の友人とそんな話をしていた)後半35分、ゴール裏から「た~たかえ~ おれのトーキョー」の歌声が聞こえてきたのには、あまりのタイミングのよさに、感心してしまった(そんなことに感心してる場合じゃないんだが)。前半、ブルーノクアドロスがドリブルで攻めあがった直後の「ぶ~るのっ!」といい、本当に、ここぞというときに、ゴール裏からの声が出てくる。

ちょっと微妙な表現になっちゃうけれど(コンサがどうこうってことじゃなくって<誤解なきよう)「応援してます」というより「選手と同じ目線で戦ってます」という感じ。人数とか、声の大きさとかではないところで、素晴らしい!と思ったのは、おもにJ2を見ていたここ数年には(自分的には)なかったことだった。いや、東京の試合は去年も見てるんだけど(ワンチョペのゴールを生で見たのだ)、「お客さん」として見ているのと、思い入れがあって見ているのとでは、見えるもの聞こえてくるものが違うんだろうな。


posted by issey11 |21:30 | 2008遠征 |

2008年03月30日

雨の日立台 濡れて初勝利(2008-J1-#03 vs柏レイソル@日立柏/現地観戦)

14時開始だったら雨に打たれることもなかったのに。
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今日は雨でメモを取ることができないどころか、日立台を堪能できるピッチすぐそばの席だったから反対側のタッチラインすら見えないし、ましてや反対側のゴールなんて何が起きてるのかさっぱりわからんし(とはいえ、最初の失点は「またファーサイドか!」とすぐにわかったが)、おまけに途中からはメガネについた水滴で前がよく見えなくなってきて、さらには気温が下がってきて体が冷えてきて(靴の中に水が入ってきていたのは試合が終わるまで気づかなかった)、試合展開を目で追うのが精一杯だった。

柏は、10日前のナビスコでは縦に攻め急ぐことが多かったのに、今日は両サイドを目いっぱい使って、片方のサイドに両チームの選手が集まってくると逆サイドのスペースに散らすといった攻め方をしてきた。ナビスコのときとはメンバーも、選手の並びも異なるので、単純比較はできないものの、前半の半ばからコンサがほとんどボールを取れなくなったときには、これはいくらなんでも最後まで持たないだろう、これだけ揺さぶられたら最後には足が止まるだろうと思っていた。

しかし、実際には、先に足が止まったのは、柏だった。前半、得点するまでの間、あれほど攻め続けられながら無失点でしのげたのが大きかったにしても、柏が選手交代後にむしろバランスを崩してしまったようにみえたのは不思議だった。今日は、俯瞰ではなく、ボールの音が聞こえてくるほどのピッチサイドで見ていたから、どうしてそういうことになったのかは、よくわからないのだが。

クライトンからダイゴの決勝ゴールは、反対側のゴールだったのでよく見えなかったのではあるが(千葉テレビの録画放送で復習して理解)、今日のMVPは、あの得点のみならず、攻守に奮闘した西だ。西は、試合を重ねるごとにうまくなっていて、見ていてとても楽しい。フィジカルの弱さは仕方ないにしても、飛び出しのタイミングの、あるいは自分がボールを持ったときの判断は、間違いなく、早く、確実になってきている。

クライトンは、もはや別格だ。前半、ほとんど攻められっぱなしになっていたときに、たった一度のフリーキックのチャンスで同点に追いつけたのは、あの精度の高いキックあってこそ。相手が2人、3人と来ても、ひょひょっとかわしてしまう。おもしろいし、頼もしい。

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試合が終わってすぐ、センターサークルに整列する前に坪内がゴール裏に駆けてきて、続いて曽田がやってきて、ゴール裏のみなさんとハイタッチ、まではよかったが、さらに遅れてやってきたクライトンは、もうあまりに遅すぎて、試合終了の両チーム挨拶に間に合わなくなりそうになって、最後は全速力でピッチ中央へ走って行った。そういうところも含めて、ホントにいいヤツだ。前半、札幌サポーター側のコーナーキックのときに、ゴール裏に向かって両手を振り上げたのもよかった(室蘭の川崎戦でもやってましたね)。

それと、クライトン、よくしゃべってるんですわ。何語で何を言っているのかわからないけれど、ダヴィのみならず、日本人選手にも、しょっちゅう声かけてる。

よく濡れたけど、ナビスコ@柏の葉に比べると、風がなかった分、楽だった…ような気がするのは、勝ったから、なんでしょうね。

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posted by issey11 |22:49 | 2008遠征 |

2008年03月21日

あまりに寒くて試合の記憶がおぼろげ…かも?(2008-ナビスコ-#01 vs柏@柏の葉/現地観戦)

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↑ゴール裏からピッチまでが遠すぎるけど、今日は屋根のおかげで助かったから許す(^^;)

厚別で試合だったら出かけるのをためらってしまうような雨と風、といっても、柏の葉のメインスタンドには大きな屋根があるので雨は気にしなくてもよいのだが、足元に置いた荷物が飛んでしまいそうになるほどの北風には参った。お彼岸の関東だからと、手袋を持っていかなかったことを後悔した。メモを取る手はかじかみ、13と書いているつもりなのに15にしか見えなくて書き直したり。

この悪天候がピッチ上に影響しないはずがなく、序盤はやたらとボールがタッチラインを割り、試合進行のリズムはまるでラグビーのようだった。その後も、両チームともボールがつながらず、どちらも攻撃はピッチの横幅をほとんど使わない、縦へのドリブルないしロングボールが中心となった。ショートパスをつなごうにも、ボールが走りすぎて出し手も受け手もうまくコントロールできない。柏は最終ラインの選手が次々に負傷していく。

そんな状況で、しかも先制されたにも関わらず1-1の引き分けで試合を終えられたことは、妥当な結果だろう。また、負傷者が出なかったことは、なによりの幸いであった。

あまりに寒くて、試合を見ている間は「まだ前半の30分だよー」「ロスタイムいらねーよ」「これ何の罰ゲームなのよ」などと悪態をついていたのだが(実際、1-1となってからのラスト20分は、試合全体がかなりダレた感じになっていたのだが)、試合記録を起こすべく、自分のメモを見直してみると、どうしてどうして、けっこうおもしろい試合だったような気がしてきた。

試合をおもしろくしたのは、クライトンだ。なるほど、やっぱり、この人は、中盤にいるべき選手だ。ゾーンの守備はまじめにやるし、それでいてチャンスとなると前線に近いところにいつの間にか登場している。ダヴィの突破という単発の攻撃だけではなく、両サイドの選手がオーバーラップしてゴールに近い位置で攻撃に参加できたのは、クライトンが中盤で落ち着きを作ったからだ。強くてうまいから相手にボールを奪われないうえ、アイデアも豊富だ。え、そこにそんなボール送るの?ってところへ、スピードや高さに変化をつけながら、パスを出してくる。自分で行けると思えば突破も図るし、シュートもねらう。

それなのに1点しか奪えなかったのは、両サイドの西と岡本に「消えていた」時間が多かったからだ。若さゆえといっていいのかどうか、彼らは、ボールを持っていないときには、まったくといっていいほど仕事ができない。岡本は必死にスライディングタックルを仕掛けて相手ボールを奪いに行っていたが、まったく効果がない。西は、相手に体をぶつけられると簡単にボールを失ってしまい、自分がボールを得てもほんの一瞬の迷いで次の選択肢を消してしまう(この辺の、考えることも含めたスピードへの戸惑いは、1998年にJ昇格したばかりの頃の吉原宏太を思い出す)。

砂川が、出てきた途端に見事なゴールを決めたのを見て「やっぱり役者が違うね~」と思ったぐらいに、西は、まだまだ感いっぱい、だった。

そんでテーマは変わって守備の話。

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上の写真は前半15分過ぎ、柏がボールを保持しているときなのだが、この直前まで、コンサは、吉弘が大きく手を動かして、ラインを上げ続けていた。写真でわかるように、最終ラインの裏には広大なスペースがある(そしてそこを突かれたのが菅沼の先制点だったわけだが)。これほど高い最終ラインをさらに上げて相手ボールにプレッシャーをかけようとするのだから、このチームの戦術は、けっして守備的とはいえない。最前線にいたかと思えば最終ラインの中でハイボールをクリアしている中山あってこその戦術ではあるが(「中山何人いるんだよ?」と思った)、これを極めていったら、おもしろいチームになりそうな気がする。

ただ、問題は、これを90分続けられるかどうか?であって、今回も、同点に追いついた直後、柏が攻勢をかけてきたら、最終ラインがペナルティエリアの少し前あたりに張り付いてしまって、芳賀が前に出て来いと身振り手振りで指示を出しても、まるで地面に足を固定されてしまったかのごとく、動くことはなかった。スタンドから見ていても、ああ、怖くてラインを上げられないんだなとわかるぐらい。

とはいえ、これでもまだ曽田は出てないんだと思えば、かなり安心できるレベルにはなってきた(平岡のセンターはちょっと怖いんだけど)。曽田復帰後もあの高いラインを維持するのであれば、ゴールキーパーの守備範囲はかなり広くなる。だから、曽田の復帰は、高木と一緒のタイミングのほうがいいのかな。

でも、やっぱり、このチームの肝は、中山(の前からの守備)だなあ。ノナトが使える状態になったとしても、中山ははずせないんじゃなかろうか。

それにしても寒かった。深夜に札幌に帰ってきたが、これなら札幌のほうがまだマシってぐらいに、柏の葉は寒かった。。。


posted by issey11 |00:37 | 2008遠征 |

2008年03月20日

ナビスコカップ柏戦 試合経過

テレビ中継がなかったので、まとめておきます。
時間は手元の計測なので、公式記録とは異なる場合があります。

■試合開始前

10分前 柏選手紹介のBGM(場内放送)はGメン'75のテーマ曲

 2分前 強風で札幌ベンチ裏に掲げられたメンバー表のうち「岡本」が飛ぶ

天候は強い雨に強い北風、スタンドはかなり寒い。

■前半(札幌のキックオフで試合開始)

58秒(柏)11ボボが遠めから低く抑えたシュート、大きくはずれる

 4分(札幌)柏側のペナルティエリア手前右でパスを受けた10ダヴィがターンしたところを柏DFが阻止しファウル、15クライトンのフリーキックは両チーム選手と柏GKの間に入るが、飛び込んだ6西嶋はさわれず

 8分(柏)選手交代:3近藤→5古賀(近藤は4分~5分の札幌FK時にゴール前で負傷した模様)

 8分(柏)27大津が左からドリブルで持ち込み、札幌18芳賀が張りつくもかわされて、大津がゴール前正面からシュートは札幌GK1佐藤の正面

13分(札幌)相手陣内ペナルティエリア右側でクリアボールを拾った15クライトンが前方の10ダヴィに短いパス、ダヴィがキープする間にクライトンがエリア内に侵入してダヴィからのパスを受け、クライトンがドリブルで進むも柏DFがコーナーキックに逃れる

13分(札幌)右コーナーキック、15クライトンが蹴ったボールはファーサイドの6西嶋に渡るが西嶋の右足シュートは大きく上へはずれる

14分(札幌)13中山が後方からのロングボールを落とし、これを拾った15クライトンがタメを作ってからゴール前中央へスルーパス、10ダヴィはわずかに追いつかず

17分(柏)左サイドからの攻撃、札幌右SB19坪内がかわされ柏4石川がフリーでクロスを上げるが大きくはずれる

19分(柏)ハーフウェイから少しだけ札幌陣内に入ったところの右サイドからフリーキック、11ボボがゴールを直接ねらうが、札幌GK1佐藤がパンチングで逃れる

22分(柏)15菅沼が札幌22西のクリアボール(パス?)を拾い、ゴール前正面からペナルティエリアに入ってシュート、右にはずれる

28分(札幌)18芳賀に警告(柏17永井に対するジャンピングニーパッド)

31分(札幌)15クライトンが相手陣内ペナルティエリア手前でルーズボールを拾い、ゴール正面に持ち込んで右足でシュートするも大きく上にはずれる

33分(柏)左タッチライン際ゴールラインから25メートルの距離でのフリーキック、11ボボが低く蹴ったボールは札幌ゴール前の人壁の間を抜けるも、枠をはずれる

34分(札幌)右サイドを攻め上がり、ゴールラインまであと15メートルの距離から左コーナーへ大きなサイドチェンジ、これを受けた6西嶋が後方の22西に戻し、西から中央に入ってきた17岡本へとボールが渡って岡本がゴール前正面ペナルティエリア外から左足でシュートするもはずれる

34分(柏)33菅野のゴールキックを14太田が札幌陣内深くで裏に抜けて受け、右からペナルティエリアに入ったところでシュートするが札幌GK1佐藤がキャッチ

36分(柏)15菅沼のドリブルに札幌21平岡がファウル、ペナルティエリアの左(札幌にとっては右)から15菅沼のフリーキックはゴール前の混戦からこぼれ、拾った11ボボがエリアの右隅から低いシュートを打つが大きく左へはずれる

37分(柏)27大津のドリブル突破からゴール前で混戦となり、こぼれ球を拾った11ボボがシュート、札幌選手に当たって柏のコーナーキックになる

38分(柏)(すぐ上の続き)左コーナーキックは札幌選手がクリア、こぼれ球を拾った11ボボが右から鋭いクロスを入れるも札幌2吉弘が頭でクリア、さらにこぼれたところを柏選手がシュートするが札幌GK1佐藤がぎりぎりのところで手を伸ばしてセーブ

43分(柏)5古賀の体に札幌10ダヴィの脚が入り(ダヴィが蹴りを入れた状態)、倒れた古賀は四つんばいになって自らピッチ外へ

45分 前半のロスタイムは2分

46分(札幌)中央の18芳賀から右前方のスペースへパス、タッチライン際を上がってきた19坪内がこれを受けドリブル、17岡本がその内側から相手の裏に出たところで坪内から短いパス、岡本の低い折り返しに10ダヴィが飛び込むがわずかに届かず(体のどこかに当たっていればゴールだった!?)

■後半

開始(柏)選手交代:5古賀→18山根(2鎌田がセンターバックに下がる)

25秒(札幌)10ダヴィが中央でドリブルから、右サイドを上がってきた17岡本の足元へパス、岡本は柏選手に前方をブロックされるが中央へ向かって少しドリブルの後、ペナルティエリア内ファーサイドで待つ22西へ浮き球、西の折り返しを13中山が右足でシュートするも枠をはずれる

 5分(札幌)15クライトンが裏のスペースへ浮き球のパス、10ダヴィが柏13小林と競り合いながらコーナーキックを得る

 5分(札幌)右コーナーキックは柏選手がクリア、こぼれ球を2吉弘がペナルティエリア外からシュートするが柏GKの正面

 8分(札幌)相手陣内深くの左スローインを10ダヴィが受け、ダヴィは相手選手を背負ったまま体を反転させてペナルティエリア内に侵入、ゴール前に低いクロスを通すがファーサイドに飛び込んだ15クライトンは間に合わず、ボールは逆サイドのタッチラインを割る(これもさわってさえいればゴールだったかも)

 9分(札幌)相手陣内深くの右スローインから、10ダヴィがゴールに背を向けた状態で中央寄りの13中山に短いパス、中山も相手選手を背負ってゴールに背を向けたままダヴィからのパスを止めずに右足のアウトサイドでさらに中央へと流し、ゴール正面からフリーの22西がダイレクトで右足シュートするが大きく上へはずれる

11分(柏)【GOAL!】前線に送られたロングボールを15菅沼と札幌21平岡が追いかけ、札幌GK1佐藤はペナルティエリアぎりぎりまで飛び出してくるが、佐藤と平岡の間に体をねじこんだ菅沼がいち早くボールにさわり、佐藤の頭を越すシュート、平岡がカバーにまわるが間に合わず、ゴールへ

13分(柏)中央の11ボボから左前方の菅沼へパス、菅沼は札幌ゴール前の人壁を避けるように中央へとドリブルしてから、フリーになっていた27大津へとパスするが、大津のシュートは当たりそこねとなってタッチラインに向かって飛ぶ

14分(柏)14太田が右サイドを突破、札幌6西嶋をかわして攻め上がり、最後は27大津の右からのクロスを11ボボがヘッドで合わせるがシュートは札幌GK1佐藤の正面

17分(柏)札幌22西が自陣深くで持っていたボールを奪ってカウンター、14太田が右タッチライン際の長い距離をドリブルした後クロスを入れるが、ゴール正面の15菅沼のヘディングシュートは上にはずれる

21分(札幌)13中山がマルセイユルーレット気味の華麗な足技で柏選手をかわしてドリブル突破(失いかけたボールがたまたま足元に戻ってきただけのような気もするが)、中山から右前方に開いた15クライトンにパス、クライトンはゴール前で待つ10ダヴィのさらに奥で待つ22西にパスを出すが、西はシュートを打てず

23分(札幌)右タッチライン際で17岡本が縦にグラウンダーのパス、13中山が右に流れてオフサイドぎりぎりでこれを受け、ゴール正面で待つ22西と10ダヴィに向けてマイナスの折り返しを入れると、西の前に岡本が飛び込んできてボールをかっさらうようにシュートするも枠をはずれる

23分(札幌)選手交代:22西→8砂川(柏観客席からの反応はとくになし)

27分(札幌)【GOAL!】中央の15クライトンから(だと思うがここは自信なし)左前方のスペースへスルーパス、8砂川がこれを受けてドリブル、マークについていた23蔵川をまたぎフェイントで振り切ると対角線上にグラウンダーのシュート、柏GK33菅野はまったく届かず

30分(柏)選手交代:14太田→20李

31分(札幌)選手交代:17岡本→9石井(石井はそのまま右サイドハーフの位置-坪内が上がったときにはサイドバックの位置に下がることもちゃんとやっていた)

33分 本日の入場者数は4,838人(雨だし、とにかく寒いですから)

39分(柏)右サイドからのマイナスの折り返しを、ファーサイドでフリーになっていた15菅沼が強烈なボレーシュート、札幌GK佐藤がはじいて逃れる

44分(札幌)中央の15クライトンから、右前方に抜け出した9石井へとパスが渡るが、石井は中央へ向かってドリブル、シュートコースを探しているうちに打てず

45分 後半のロスタイムは3分

46分(札幌)2吉弘にイエローカード

46分(札幌)19坪内から右タッチラインと平行にグラウンダーのパス、10ダヴィがこれを追いかけ、柏選手と競り合ってコーナーキックを得るが、15クライトンのショートコーナーを受けたダヴィのリターンパスが強すぎてタッチラインを割ってしまう

※試合評は、またあらためて(しっかし、いま飛行機の機内でこれ書いてるんですが-もちろんアップはここではできないのですが-、同じ便の中に華麗な足技を見せた中山とか、ダメダメだった西とか、みんな乗ってるんだよなあ…隣でなくてよかった…って、隣がチーム関係者だったら、さすがにこんなものは書いてないか)

この「岡本」が強風で飛んだ↓
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posted by issey11 |22:17 | 2008遠征 |

2008年03月13日

ハム焼と指定管理者

Jリーグ会場で販売されている最強の食べ物は、博多の森バックスタンド下の牛ステーキ串400円であると信じて疑わなかったのだが、カシマスタジアムのバックスタンド裏のハム焼400円は、なるほど大行列も納得のウマさだった。

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僕は並ぶのがダメなので、大行列を見た瞬間に関心外になったのだが、友人が並んでくれた(買うまでに要した時間は少なくとも20分、もしかすると30分ぐらいだったかも)。

ハム焼だけではない。もつ煮(大)500円も、具がたくさん入っていて(これだけあればご飯いらないぐらいのボリューム)、とっても美味。その他にも、博多の森のバックスタンド屋台村のごとく、地元業者による売店が並んでいる(売店の数は博多の森より多いんじゃないか?)。そのうえ、テントの裏で肉を焼いている常陸牛すき焼き弁当(800円)がものすごく高いものに見えてしまうほど、どこも安い。

その傍らではキックターゲットのようなイベントも行われていて、大勢の観客がコンコースにひしめく様子は、まるでお祭りなのである。

僕は前回のカシマ訪問時(2002年10月27日)の記憶が、試合以外はほとんどない。どうやって帰ったのかすら覚えていない(電車で帰ったんだとは思うんだけど)。ゆえにこんな楽しげなものを見落としていたのかと思ったのだが、前回も一緒だった友人の記憶でも、これほどにぎやかではなかった由。

ふと思い出したのは、試合翌日になってから。

カシマスタジアムは、06年から、鹿島アントラーズが指定管理者になっている。

それがこの賑わいにつながっていると言えるほどには材料を持ち合わせていないのだが(というかそもそも02年の経験と今回の比較以上の材料はないのだが)、クラブの立場で考えてみるに、これほど観客が楽しんでくれて、しかも売店の売り上げの一部がクラブに入るのであれば、クラブもやりがいがあるだろうし、売店を出店するほうにもより強い動機が生まれるだろう。

前のエントリーのコメントでお勧めいただいたハム汁は、発見したときにすでにもつ煮(大)を食べてしまっていたので、食べられなかった。来年の課題だな。


posted by issey11 |21:44 | 2008遠征 |

2008年03月08日

なぜ中山を交代させたのか(2008-J1-#01 vs鹿島@現地観戦)

疲れた。

前半の札幌は、鹿島がリスクを回避して単調な攻めに終始したことに助けられた面はあるにせよ、ほぼ完璧だった。最終ラインをかなり高い位置に設定することで、裏をねらうマルキーニョスをことごとくオフサイドに追いやった。全体がコンパクトになっているから、バイタルエリアでは人数をかけて守ることができ、鹿島の選手に前を向かせなかった。

それが可能になったのは、最前線での中山のあり得ないほど激しすぎるチェイシングがあったからだ。ときに自陣深くにまで戻ってきて凡ミスをすることもあったが、あの前からの追い込みは、上から俯瞰で眺めているともうたまらなくなるほどスゴイ。

後半に入ってから、鹿島は、マルキーニョスが(中央に張るのではなく)サイドに流れたり、中盤に引いてきたりするようになって、札幌の2列目と3列目の間のスペースに中盤から後ろの選手が入ってくるような攻撃を仕掛けはじめた。それで混乱した札幌の最終ラインが開始早々にPKを与えてしまい、小笠原のキックこそ優也が見事に読みきったものの、そのすぐ後にコーナーキックから失点してしまった。

失点の直後に中山がとの交代でクライトンが入ってきたとき、札幌は、4-4-2の3ラインから4-1-4-1に切り替えたのかと思った。

写真↓
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上の写真は鹿島のゴールキックに備えて西嶋が本来のポジションから離れ、そこに芳賀が下がっているから最終ラインが5人になっているようにみえるが、いちばん左側にいるのがダヴィ、その後ろ(2列目の中央)にいるのがクライトンで、最終ラインの前に一人で立っているのがマーカスだ。

なるほど、3ラインの間を使われ始めたから、最終ラインの前にアンカー(大宮でいえば斉藤)を置いたのだな…と思ったのだが、そのうちクライトンはダヴィと横並びの関係になってきて、必然的にマーカスは芳賀の横のスペースを埋める仕事に戻らざるを得なくなった。

一方で、クライトンは、入ってきた直後こそ前線からよくボールを追ったものの、時間が経つにつれて、中盤から前線までを動きまわる体の強い選手、という役割になってしまった(しかしあのフィジカルコンタクトの強さは期待大だな)。前からボールを追うのがダヴィ一人ではあまり効果もなく、前半は昨年の札幌ではあり得なかったほど高いラインを保っていた4バックが、ずるずると下がり始めた。

中山の交代は、結果的には、自分たちをさらに窮地に追い込んでしまったように思える。

まあ、この辺は、どちらが原因でどちらが結果かは定かではなく、スコアをリードしたことで余裕のできた鹿島が、前半(攻撃の組み立てはひたすら縦パスだった)とは違って、札幌の2列目と3列目の間にいわゆるダイアゴナルな動きを入れてきて、彼らの早い判断を札幌の2列目がつかまえきれないから、札幌の最終ラインが怖がって下がってしまった、という面もある。

もっとも、前半は、札幌の4バックが勇気を持って高いラインを維持していたから、鹿島がそうした動きをするスペースもなかったわけで、だから、こういうことは、原因と結果を明確に分解することはできないわけで。

それもこれも、鹿島には二度にわたるPK失敗の直後に二度とも得点するしたたかさがあったから、だろう。双方スコアレスだった前半は慎重に攻め、2点のリードを奪ってから(前半にはなかった)横のゆざぶりを見せてくるのは、さすが王者の試合運び。あれを最初からやられていたらもっと早い時間帯に失点していたかもしれないが、逆に、鹿島のちょっとしたミスから、札幌がカウンターで得点できる機会も多かったかもしれない。

本来のセンターバック2人を欠く鹿島は、本当は終盤のようなショートパスとポジションチェンジを最初からやりたかったのかもしれないが、確実にリードを奪うまでは我慢して、とても現実的な戦い方を選択したのではないか。

選手のコンディションが万全ではなく、チームに合流したばかりの新加入選手をほとんどぶっつけ本番のような形で使っているチームが勝てるほど、現実は甘くない。まだ始まったばかりだから、などといっていると、あっという間にシーズンは深まってしまう。FW陣はシュート練習を、中盤から後ろはあらためてポジショニングと各人の役割の確認をしてほしい。そして曽田は早く腰痛を治してほしい。

厳しいぞ。

本日はあまりに緊張感のなかった自分を反省。ハム焼とか食って喜んでちゃいかんよ>自分(でも、とっても美味かったぞ>ハム焼)。

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posted by issey11 |23:51 | 2008遠征 |

2008年03月02日

PSM熊本戦-現地観戦記

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ロスタイム表示2分に対し、手元のストップウォッチは47分10秒を過ぎていた。札幌は、左コーナー付近で、岡本と西嶋に石井も絡んで、狭い範囲内で短いパスをつないでボールをキープし、相手の網に穴が空いたところを一気にドリブルで突破しようとしていたのだが、とにかく時間がない。

もうそんなことしてないで、早くゴール前にボール入れろよ!と思っていたら、どこからともなく現れた芳賀が「おまえらもういいからオレによこせ」みたいな感じで少し引いたところでボールを受けると、唐突に(それまでに流れていた時間をぶった切るかのように)ゴール前へ放り込み、その先にフリーで立っていた中山がジャンプ、きれいにヘディングシュートを決めた。中山があまりにどフリーだったから、一瞬、オフサイドなんじゃないかと思ったのだが、あれは、それぐらいに熊本の選手たちの足が止まっていたということなのだろう。

白いユニホームの札幌の選手たちが喜ぶ中、主審のホイッスルが吹かれ、試合終了。

そのすぐ後↓
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まったく、相変わらずのセレモニークラッシャーぶりである(笑)。

試合全体を通じてみると、札幌が主導権を握れたのは、前半28分の芳賀のスライディングタックルからの15分間ほどだけだった。後半17分にダヴィがベンチに下がってからは、攻撃にまったく迫力がなくなってしまった。昨日の練習と見比べると、ああなるほどねと思えて納得する部分もあるのだが(ここはあえて詳しくは書きませんのであしからず)、開幕直前の試合としては、ちょっと寂しい。

もっとも、攻撃がどうこう以前に、このチームは守備にベースがあるのだから、守備が安定しなければ、効果的な攻撃は難しい。前半の札幌は、自陣ゴール前に放り込まれる相手のクロスをことごとく競り負けていた(曽田いないとつらいなあ)。ナニワのゴン(旧称?)に勝てなければ、田代との勝負なんて、話にならない。

前半の4バックは、左から西嶋、坪内、吉弘、平岡と、西嶋を除く3人が新加入選手。先発11人の中でみても、今年からの新加入選手は、この3人だけだ。そして、彼らは、まだ迷っているようにみえる。

前半、中山が落としたボールが右のスペースでルーズになり、平岡が前へ出て拾おうとしたのだが(上から見ている限りでは両チームの選手の中でもっとも近い位置にいたのは平岡だった)、平岡は、2、3歩前に出てから歩みを止めてしまい、ボールはそのままタッチラインを割ってしまった。

熊本の両サイド(とくに札幌から見て右=車と有村のサイド)からのアーリークロスは、何度も札幌の最終ラインの裏に入ってきた。ラインを高く上げようとしているのはわかるのだが、中途半端なので、キーパーとの間にクロスを通されてしまう。後半の途中、負傷者が出たか何かで試合が中断したとき、優也が芳賀と坪内を呼んで話し合っていたが、あれは、早いうちに解決しておかないとまずい。

2列目と3列目の間のスペースを相手にうまく使われると厳しいのは、去年から変わっていない。横から入ってくるボールに対し、熊本のFWが下がってボールを受ける、あるいは、2列目からこのスペースに飛び出してくると、まったくつかまえられない。昨年の第3クールの水戸戦@笠松の失点シーンや、第4クールの東京V戦@味スタでのセットプレーでの失点シーンを思い浮かべてもらえれば、想像がつくのではないかと思う。

セットプレーといえば、熊本のコーナーキックやフリーキックを、ゴール前できれいに合わされるのは、勘弁してほしい。これまた去年からの課題と同様で、ゾーンで守っているゆえの弱点とはいえ、後ろから飛び出してくる選手の頭に合わせられると、誰も競れない。

前半の途中で相手と接触した吉弘がハーフタイムでベンチに下がり、池内が出てきたら守備が安定した、って、そりゃないだろって思うわけですよ。でも、現実は、そうだったんだなあ。

曽田、早く戻ってきてくれ。

ただ、最後まで気持ちを切らさずに戦えたことは、素直に称えたい。熊本の選手たちが(かなり交代していたのに)足が止まっていた中、おそらく試合を通じて最長距離を走ったであろう中山が最後にゴールを決めたのは、エライ。やっぱり先発2トップは中山とダヴィかなあ。でも、中山は、ゴール前で足元に受けたボールを、何度も失ってるんだけどね(苦笑)。

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posted by issey11 |20:55 | 2008遠征 |

2008年03月02日

PSM熊本戦 試合経過

本日はテレビ中継がなかったので、以下、速報ふうにまとめてみました。そろそろ飛行機に乗らねばならないので、試合評は、のちほどあらためて。

※時間は手元の計測であるため、公式記録とは異なります。
※この試合は1チーム6人まで交代可能

■前半

 1分(熊本)15市村が右サイドからゴール前に浮き球、後ろから走りこんだ6福王がヘッドで落としたボールをシュートして決まったかに見えたがオフサイド

 7分(熊本)左からのアーリークロスを6福王が落としたボールを、右サイドから中央に入ってきた25西森がシュートするも力なく、札幌GK佐藤がキャッチ

 9分(熊本)【GOAL!】左コーナー付近で23有村が札幌21平岡をかわしてマイナス方向に速いクロス、後ろから走りこんできた11高橋が高い打点から完璧なヘディングシュート、札幌GK佐藤の手をはじいてゴールネットを揺らす

11分(札幌)相手ゴール前で10ダヴィが3人のDFを背負いながらも半身になってオーバーヘッド気味にシュート、当たりそこねのボールがループ気味にゴールへ向かうが熊本GK吉田がはじき出す

12分(札幌)10ダヴィが右サイドハーフウェイ付近でボールを受け、タッチライン際をドリブルで上がり、ペナルティエリアに入りかけたところで熊本DFにブロックされる

17分(熊本)左サイドから19上村がアーリークロス、ボールはゴール前で待ち構える札幌DF陣の裏へ入るが、飛び出してきた熊本18中山の手前で札幌2吉弘がクリア

18分(熊本)左CKからゴール前で18中山フリーでヘディングするもシュートは枠をはずれる

20分(熊本)左サイドから24車がドリブルで中へ、札幌は22西と21平岡が対応するが、車は平岡の両足の間にボールを通して突破、ゴール前で札幌2吉弘が車のドリブルをどうにか止める

24分(札幌)中盤のこぼれ球を拾った8砂川が中央をドリブル、左サイドをフリーランニングする6西嶋には目もくれずに25メートルの距離から強引にシュートを放つが熊本GK吉田がキャッチ

24分(札幌)熊本19上村が前線にフィードしようとしたボールに10ダヴィがアタックし、こぼれたボールを拾ったダヴィが右サイドからゴールへ向かってドリブルするが、カバーに戻った熊本DFがコーナー付近でダヴィの突破を阻止

28分(札幌)センターサークル付近で18芳賀のスライディングタックルからボールを奪い、ペナルティエリア手前で13中山から左の8砂川へ、砂川のクロスにファーサイドの中山がヘディングで合わせるがシュートは熊本GK吉田がキャッチ

28分(札幌)10ダヴィのシュートが右ポストを直撃、リバウンドを拾った33ヨンデがGKとの1対1からシュートするが熊本GK吉田がセーブ

30分(札幌)【GOAL!】中央でボールをキープした22西が右タッチライン際の21平岡の上がりを待ってから右コーナー付近へパス、オーバーラップした平岡が速いクロスをゴール前に通し、ファーサイドで待ち構えていた8砂川が見事なボレーシュートをゴールネットに突き刺す

32分(札幌)背後から浮き球のパスを受けた10ダヴィがペナルティエリアに侵入、右からシュートするがサイドネット

35分(札幌)中央の13中山から右に開いた10ダヴィへパス、ダヴィは右サイドから中央へとドリブル突破の後、ゴール前で中山へグラウンダーのパスを通すが、中山のシュートは大きく上へはずれる

44分(熊本)札幌13中山が相手陣内深く持っていたボールを奪いカウンター、最後は左サイドから11高橋が札幌DF陣の裏を通すクロスを入れるが、ファーサイドから飛び込んだ18中山はわずかに届かず

45分(熊本)左CKをゴール前に飛び込んできた33小森田がフリーでヘディングするも、シュートはわずかにはずれる

■後半

選手交代:(札幌)2吉弘→5池内
※池内が右SB、右SBだった21平岡がCBに入る
※吉弘は前半に接触プレーあり

47分(熊本)24車が左から持ち込みシュートするもサイドネット

53分(熊本)選手交代:23有村→8喜名(6福王が有村のいた左SBに下がり、喜名が福王のポジションへ)

54分(札幌)選手交代:22西→17岡本 ※スタンドから拍手

58分(熊本)ハーフウェイから少し札幌側に入ったあたりの右タッチライン際でFK、25西森がゴール前へ入れたハイボールを18中山がきれいにヘディングで合わせたが札幌GK佐藤の正面

62分(熊本)選手交代:11高橋→30山内、(札幌)選手交代:10ダヴィ→9石井

67分(札幌)相手陣内中央で18芳賀が相手の縦パスをカット、左の17岡本へパス、岡本がドリブルで中央へ持ち込み、相手DFに囲まれながらもペナルティエリア外から強引にシュートするが上にはずれる

69分(札幌)相手陣内深く右サイドから5池内のロングスロー、熊本GK吉田はパンチングで逃れる

69分(熊本)選手交代:19上村→17熊谷(熊谷が左SB、6福王が上村の代わりにCBへ)

71分(札幌)21平岡から前線へのロングフィード、13中山が抜け出してボールを受け、中央に入ってきた8砂川へ戻すが砂川のドリブルが大きくなりゴールラインを割ってしまう

75分(熊本)選手交代:33小森田→26山本

79分(札幌)選手交代:8砂川→20上里

80分(熊本)選手交代:6福王→3河端

81分(札幌)20上里から相手DF裏へ浮き球のパス、9石井が走りこみ右足でシュートするも上にはずれる

81分 本日の観客数は2,935人

83分(札幌)右サイドで20上里がポストとなりワンツーで5池内がオーバーラップ、きれいなクロスを入れるがゴール前に味方はいない

84分(熊本)選手交代:18中山→29小林

84分(札幌)後方からのロングフィードを受けた17岡本が左サイドを抜け出し、ペナルティエリアぎりぎりに飛び出してきた熊本GK吉田をかわしてからゴールライン手前までドリブルで持ち込んでゴール前に折り返すも熊本DFがクリア

86分(札幌)20上里が中央でドリブルから、左サイドに開いた9石井にパス、しかし石井が左足で上げたクロスはヒットせず

90分(札幌)20上里がペナルティエリア外から強引にシュートするが、熊本DF陣の壁に当たる

92分30秒ぐらい(札幌)【GOAL!】左サイドで6西嶋、17岡本が細かくボールを動かした後、中央から走りこんでボールを受けた17芳賀が相手ゴール前へアーリークロスを送り、ファーサイドでフリーになっていた13中山がきれいにヘディングシュートを決める
この直後、キックオフでの試合再開はないまま、試合終了

posted by issey11 |18:39 | 2008遠征 |

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