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2008年04月30日

当事者として参戦するJ1

やっぱり浦和はすごかった。

コンサがJ2にいる間も、道外でのJ1の試合は数多く見ていたけれど、そして見るときはあえてどちらかのチームに肩入れしてみたりもしたのだが、しょせんどの試合も第三者。今年になって、一方の当事者として参戦してみると、僕たちはJ2の中のガリバーでしかなかったのだなと気づかされることが多い。

たとえば昨日の浦和は(以前からそうだったのかもしれないが)「本日の入場者数」が場内放送で流れなかった。オーロラビジョンに表示されるのみだ(味スタもそうでしたっけ?)。札幌ドームでの試合中「本日の入場者数は…」とのアナウンスが流れると、ピッチ上に集中してチームに力を与えていたはずの観客のエネルギーが、入場者数とオーロラビジョンに向かってしまい、集中が途切れる(札幌ドームの場合、ビジョンが両方のゴール裏にある=どこの席にいても見える=埼スタや味スタとは構造が異なるので、単純比較は難しいのではあるが)。浦和には、それがない。

昨日の浦和の4点目が決まった直後も、やっぱり浦和は違うわと、感心してしまった。浦和サポーターは、ゴールを決めたエジミウソンの名前を叫ぶ前に、「タカハラ」コールを繰り返した。確かに、あの得点は、決めたのはエジミウソンでも、その前の高原の粘りがなければ生まれなかったものだった。

さらに浦和の話をすると、スタジアム周辺の賑わいが、J2とは全然違う。グッズ売店の大きさとそこに群がる人の数を見ていると、うわあ、これは一大産業だよなあと思わされる。浦和美園の駅前に新しく建ったマンションは、あちこちの家のベランダに、レッズの旗が掲げられている。下位チーム相手だったからへんな緊張感が漂っていないのはわかるにしても、だからといってゆるゆる感もない。相手チームのサポーターがこんなことを言うのもヘンなのだが、サッカーを楽しむ心地よさ、みたいな空気があった。

正直、こっちがJ2にいた5年間に、他のJ1クラブとの距離がずいぶん開いてしまったと思う。認めたくないけれど、悔しいけれど、簡単には詰められない差が生まれてしまっていることが、当事者としてアウェーに行くと、よくわかる。

人が創り出す空気、いわば観戦文化とでもいうべきものは、お金があれば得られるというものではない。チームがJ1であり続けることによって、時間をかけて醸成されていくものだと思う。だから、サポーターズ持ち株会の募集チラシのキャッチコピーは「J1であり続けるために」なのだ(と、ようやく、わかりました~はっきり言っちゃうと「J1でもJ2でもとにかくチームがあることが大事なんじゃないのか?」と思ってたんですが、そうじゃなくって、J1であることが大事なんです!)。

posted by issey11 |12:43 | 2008思い |

2008年04月29日

長かった前半、じりじりした後半(2008-J1-#09 vs浦和レッズ@埼玉スタジアム2002/現地観戦)

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5万人近くの観客がいて、その大半が相手チームを熱心に応援している(レプユニ着用率の高いこと!)というのは、頭ではわかっていたつもりでも、すさまじい空気だった。スタジアムへ向かう電車の中で、徐々に赤いユニホームを着た人の姿が増えてきて、最後には赤い人だらけになった光景に、思わず笑みが漏れてしまったほどだった。

なぜかニヤニヤしちゃったのは、これでコンサが勝ったら気持ちいいだろうなと思ったから。逆にいうと、そのぐらい、アウェー度が高くて…考えてみれば、自分の経験上、これほどの人数が相手チームのサポーター、ってのは、ワールドカップ予選の韓国-日本戦をソウルに見に行ったときぐらいしか思い出せない。

だけれども、バックスタンドのアッパーアウェー寄りコーナー付近に行ったら、浦和ユニの人たちに混じって「白い恋人」や「ニトリ」を身につけた人がちらほらいて、一触即発、なんて雰囲気でもなく、まあ、同じ赤だからさほど目立たないということはあるにせよ、思っていたよりかなり平和的な空気が漂っている。

でもでも、試合開始30分前、高木と優也がピッチに登場したら、ホーム側ゴール裏を中心に、スタジアム全体から大ブーイング。あ、ちゃんと相手として認めてもらえているんだと思ったら、なんだか嬉しかった(笑)。メンバー紹介でもいちいちブーイングがあって、とりわけ西谷の名前が呼ばれたときは、すさまじい音量の「BOOOOOOOOO!!!!!!!!」。そっか、西谷、直前は浦和の人だったんですね。西京極での札幌デビュー戦~0-4で惨敗~を思い出して、あの翌日が札幌ドームのサブグラウンドでの大宮一人サポーターのサテライトじゃなかったっけ?…

試合の話。

前半は、非常に高い集中力を保ち、浦和にボールを持たせることができた。たとえば2-2に追いつかれた直後の30分、梅崎がハンドをとられて時間が止まったかと思いきや、コンサはいち早くボールを動かし、ボールを持っていない選手もすでに走り出していた。ボールポゼッションで劣ることを前提に、マイボールになったときには後ろに戻すことなく、手数をかけずにとにかく相手のゴールラインだけを目指した。

それでも、あまりに早い時間にリードしてしまったから、一緒に見ていた友人たちとの間で「なっげーなぁ」「長いですねえ」等々、何度も、誰ともなく口にした。試合終了間際ならまだしも、前半のうちからあれほど時間の経つのが遅く感じられたことは、初めての経験だった。

ところが、後半は、何やってんだよ、シュート打てよとぶつぶつ言っているうちに、どんどん時間が進んでしまった。開始早々にエジミウソンが梅崎とのワンツーから見事なゴールを決めた後も、浦和の守備の戻りは遅かった。だから、自陣深くでコンサがボールを奪えれば、カウンターは仕掛けやすかった。それなのに、丁寧にやりすぎているのか、怖がっているのか、シュートを打たない!

64分に西谷がベンチに下がってからは、いよいよもって前へ向かう選手がいなくなってしまった。あそこで西谷を下げたのは、スタミナの問題だったのか。上から見ていると、あのときに交代させたかったのは、西谷よりも砂川だった。砂川は、ボールを奪われた後の戻りが極端に遅くなっていた(リードされていたからあえて戻らなくなっていた可能性もあるが)。

終盤は、ボールを奪っても、サイドに開くだけで中に入ってこない、遠めからのシュートすらない、そしてそれぞれの選手に自分でやってやろうとの気持ちが見られず、ボールを持ったらまずクライトンを探してクライトンに預ける、といった感じになってしまっていた。そのうえクライトンはまったくシュートを打とうとはしないし。

そして惜しまれるのは浦和の4点目。西が粘ってファウルをもらい(今日の西の頑張りは素晴らしかった…一度の決定機を逃したことを除けば…)、フリーキックから相手ゴール前にボールが入るも浦和がクリア、それを追いかけたのが高原一人に対し芳賀と坪内が二人で対応していたのだから、坪内(だと思うが)は、なぜあのボールを高木に戻さなかったのか。確かに、今日の高木は不安定ではあったが…。

あの4点目で、試合が決まってしまった。残りわずかでダメ押しを決められるのが浦和の強さ、といえばそれまでだが、もったいなかった。

ただ、試合を通じていえば、やっぱり、後半の途中からシュートを打たなくなってしまったことが、なんとも、消化不良だ。やるだけやってやりきって負けたのなら「よくやった」と言えるが、どうにも中途半端に悔しい。

最後に、浦和レッズ・オフィシャル・マッチデー・プログラム324号から引用:
かつてのライバルが、5年間の苦闘を乗り越えて、J1の舞台に戻ってきた。心から歓迎しよう。全力を尽くして倒すことで。

歓迎してもらったのは嬉しいのだが、やっぱり、悔しい。

個人的観戦通算成績(トップチーム公式戦)293試合111勝61分121敗


posted by issey11 |22:24 | 2008遠征 |

2008年04月28日

あの日以来の埼スタ

個人的にはその後も何度か行っているけれど、コンサの試合で行くとなると、2005年10月10日の高円宮杯(U-18)決勝以来だ。

明日はこっち側じゃないです↓
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キッカーは藤田征也、中央で背中向けているのが西大伍。
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あのときは準決勝まで来たところでフライトの手配にかかったものの、連休の最終日だったので帰りの便がなかなか取れず、さりとてあまりに急なことだったから他の予定を変えて翌日帰ってくるというわけにもいかず、そうだよなあ、いくらなんでも日帰りで行くのはムチャだよなあ…と、半ば諦めかけた頃にキャンセル待ちで夕方の羽田→千歳が取れてしまい(なにしろ想定外の大出費になってしまうので、取れてほしいような、ほしくないような気分だった)、こりゃ行くしかない!ってことで、強引に出かけたのだった。

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相手もシチュエーションも全然違うけど、あの日の埼スタで悔しい思いをした西のリべンジに期待。


posted by issey11 |00:53 | 2008思い |

2008年04月26日

リスクマネジメント?(2008-J1-#08 vsアルビレックス新潟@札幌ドーム/現地観戦)

5月10日までの15日間に5試合が行われるなか、年間の目標がJ1残留であるならば、5試合の中で勝てる可能性がもっともなさそうな浦和戦にはダヴィを休ませてもいいんじゃないか…僕はそんなふうに考えていたぐらいなので、次の試合にダヴィが出られない(であろう)ことに関しては、まったく気にしていない。

しかし、年間の目標をJ1残留としている以上、今日の試合は、絶対に勝たねばならなかった。そんな大事な試合で頭突きを食らわしたダヴィの行為は、絶対に許されることではない。

そうなんだけど、僕は、ここでまた、ナイーブなサポーターとしての自分に向き合わねばならない。

確かにあれは一発退場だし、あれを誰かが止めろというのもかなり無理な話(スタンドから見ていた僕ですら、直前のプレーがシュミレーションにならなかったことでほっとしていたときだったから、ダヴィの姿が目の前にあっても、ダヴィが沸騰していることはまったく頭がまわらなかった)。だから、ダヴィが全面的に悪い。そうなんだけど、いまだに、ダヴィに向かって「何やってんだこのやろう」的な思いが、まったく湧いてこない。

それよりも、あんなふうに中心選手を退場させてゲームを壊しておもしろいのかあなたたち、とか、あんな消極的なゲームやってたチームに負けたことが悔しい、とか、相手チームに対する理不尽な思いのほうが強くて、だから、試合が終わってコンサの選手たちが挨拶に来たら、負けゲームだというのに、珍しく拍手してしまった(それでその後は地下鉄に乗ってもまだ腹立たしさが消えないんだわ<いいオトナなんだからもっと冷静になれよ^^;)。

しかし、許されるルールの範囲内でやっている以上、負けは負けだ。こういう結果を「いや、でもよくやったじゃないか、運が悪かっただけだ」で済ませてしまうと、(いつも書いててしつこくてすみませんが)2002年の(とくにイバンチェビッチ体制時の)二の舞になってしまう。相手がどうこうという感情的な部分(=相手チームのサポーターにとってはただの言いがかり)は封印して、次に向けて、反省すべきところを反省し、修正すべき点には手を施していかねばならない。

僕は、ダヴィが退場する前から、今日はコンサが割と楽にボールを支配できているのに、仕掛けの部分、あるいはフィニッシュに至る部分がずいぶん雑だなというのが気になっていた。相手のプレッシャーが厳しいわけでもないのに、なんだかやたらと慌ててしまっているようで、相手が下位だということを意識するなというのをかえって意識してこんなふうになっているのかなと思っていた。

序盤に相手のシュートがポストを叩いた場面を除けば、これといったピンチもなく、逆に、コンサには、ダヴィが退場になってからでも、チャンスは何度もあった。どこか一つを決めていれば、ダヴィは反省してください、で、そこそこ気持ちよく札幌ドームを後にできたはず(それなのにあの事故のような失点で負けたから、余計におもしろくないのだが)。

ダヴィが退場してから前半終了までの間を、セーフティにやろうとしたのは、わかる。でも、ホームなのだから、ではなく、今日の前半の内容を見て、相手との力関係を考えれば、後半は、最初から、点を取りに行ってもよかったのではないか。いや、後半開始早々に芳賀の飛び出しがあったりして、けっして点を取りに行っていないとは思わないのだが、クライトンの1トップ(事実上の0トップ)は、いくらなんでも、厳しすぎる。ハーフタイムに選手交代がなかったので、僕は、中盤を1枚減らして(今日ならばそれでも十分に守れたと思う)、砂川か西を前に出すのかと思っていたのだが…

途中交代にしても、勝ちに行く手を打ってほしかった。石井の投入はともかくとしても(それにしてもケンゴはターゲットになるつもりだったのか裏へ抜けるつもりだったのか、さっぱりわからなかった-もっと思いきってやろうぜ!)、ボールの預けどころやパスの出所を増やすという意味で、西谷を使ってほしかった。

いろいろな意味で、なんともモヤモヤが残る。でも、3日後には、もう、次の試合がやってくる。

posted by issey11 |20:25 | 2008ホーム |

2008年04月23日

逃げ切ろうとするには早すぎた(2008-J1-#07 vsヴィッセル神戸@ホムスタ/現地観戦)

まいどネット的にはタイムラグのありすぎる話題でございますがお許しを。

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前半終了間際にPKを止め、後半に入ってからは何度となく攻め込まれながらも相手のシュートがゴールラインを割るのを(キーパーではなく)フィールドプレーヤーやクロスバーが阻止する、といった展開を考えれば、失点が神戸DF25石櫃のスーパーシュートの1点のみで済んだこと、そして引き分けで試合を終えることができたことは「よかった」と評するべきなのだろうが、守備を強みとするチームである以上、あのままゼロで抑えきって勝ちたかった。

あれほどの攻勢にさらされながら、運を味方につけてでも勝っていれば、選手たちの自信=自分たちのスタイルに対する自信=はさらに確固たるものとなっただろう。そうなれば、今後、何が起きようとも、ちょっとやそっとのことでは、チームはぶれない。それを思うと、この引き分けは、とても残念だ。

試合序盤、神戸は、リーグ戦初先発のFW22馬場が13大久保とともにコンサの4バックの裏をねらい続けた。しかし、8分に馬場がヘディングで落としたボールを10ボッティがフリーでシュートしたあたりから、馬場のポジションが低くなり、さらには大久保が左右上下に激しく動くのに対して馬場は同じタテの線を行き来するだけになってきて、コンサの4バックには馬場の存在がさほど怖くなくなってきた(<もちろん選手に聞いたわけじゃないから、あくまで推測です)。

そして神戸は最終ラインからとにかく徹底して両サイドへロングボールを入れてくるようになる。一昨年のバクスター-松田体制時は、この斜めのロングボールの先にパク・カンジョと三浦淳弘がいて、もう思い出すのも嫌になるぐらいやられたのだが、現在の神戸はあのときとはフォーメーションが異なり、ドリブル突破をはかろうとするウィンガーもいない。そのうえ馬場の動きが単調で、最前線で注意しなければならない相手は大久保だけだったから、ボールを支配されている割には、危険な感じはしなかった。両サイドから放り込まれるだけならば、吉弘と柴田のセンター2枚で十分に対応できる。

だから、なのか、それとも古巣相手で気合が入りすぎたのか、マーカス(僕は試合見ているときは「純」または「デビ純」って呼んでますけど)は、自分のゾーンを離れて、相手の最終ラインにまでプレッシャーをかけることが多くみられた(途中でベンチ側の平岡が監督に呼ばれて、その平岡がマーカスに何かを言いに行ったのは、それと関係あったのかなかったのか?)。

しかし、結果的には無失点だったのではあるが、前半は、もっと引いて(相手の出方を見て)守ってもよかったのではないか。39分に大久保が出したスルーパスの先に飛び出していったのは、なんとDF4北本だった。それから7分ほど経過したロスタイム(アディショナルタイム)に、柴田がボッティに当たってPKをとられた場面は、神戸に振り回されて、吉弘が前に出て行った(出て行かざるを得なくなった)直後だった。

それでも高木がPKを止めてくれて、後半開始直後にダヴィのゴールで先制して(あのPKがなければ神戸守備陣はもっと激しくダヴィに寄せることができたのではないか?)、52分の神戸の波状攻撃も食い止めた。神戸は、60分に11松橋を入れてからは、再び裏を狙うことに専心した(この辺の徹底ぶりはすごいと思う)。73分に馬場との交代で17吉田が入ると、神戸の攻撃はさらに激しさを増した。

だからといって、残り10分以上もある時点で池内は早かったんじゃないでしょうか三浦監督、というのが、スタンドから見ていた者として最大の疑問でありまして、いつも言うようにスタンドから見ている者がそういうことを考えてはいけないのではあるが、やはりまだ修行の足りない僕は「えー、あと10分もあるのにぃ…」などと、ぼそっと口に出してしまうのである。

案の定、その直後に、失点してしまった。

そしたら今度は平岡に代えて岡本、って、そりゃ、同点に追いつかれたのだから、点を取りに行こうとするのはわからないではないが、いったんは守備固めに入ってからまた攻撃とは、オーストラリア戦のジーコを思い起こさせる混乱ぶりに、この試合がどうこうではない不安を感じたことであった。

ところでクライトン。いなければ困るのだが、3日前のナビスコ(千葉戦)といい、この試合といい、コーナーキックの精度の悪さはどうにかならないものか。ほとんどのキックは、相手GKの前に速いボールを入れているのだが、得点につながりそうな感じがしない。それと、もうちょっと、砂川やダイゴを信用してやってください。神戸の選手も、やっているうちに、クライトンから西や砂川にはパスが出てこないことがわかったらしく、途中からは、西なんて、文字通りの無駄走りの繰り返しになってしまった(でも走り続けたのはとってもエライ)。

でも、千葉戦で怒られていた(?)岡本は、試合終盤、クライトンとのきれいなワンツーでパスをもらっていた。あの場面、チャンスになったことよりも、ああ、ヤスはクライトンの要求をクリアしたのかと、そっちのほうが感慨深くて(笑)…なんかへんなところばかり目につくようになり始めた今日この頃であります。

個人的観戦通算成績(トップチーム公式戦)291試合111勝61分119敗

ブレブレだけど雰囲気だけでも(高木がPK止める直前)↓
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posted by issey11 |09:28 | 2008遠征 |

2008年04月17日

クライトンはヤスの何が気に入らないのか(2008-ナビスコ-#03 vs千葉@フクアリ/現地観戦)

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0-0は妥当な結果だったと思う。

チャンスがなかったわけではない。前半12分、クライトンのフリーキックに池内が右足で合わせたシュートは、クロスバーを叩いた。後半13分に岡本に代わって砂川が入ってからは、16分に、中盤でのヨンデのインターセプトを起点に、クライトンと砂川のパス交換から、中央に出てきた西谷がループシュートを放ち、27分には、西谷の左から中へのドリブルを倒されて得たフリーキックを、クライトンではなく砂川が蹴り、ゴールマウスをわずかにはずれた。

その直後には西谷が裏のスペースへ送った浮き球を、ダヴィが千葉DF斉藤に競り勝ってシュートしたが、揺れたのはサイドネットだった。さらにその後には、中盤に引いたクライトンから右前方の砂川へとパスが出て、砂川がドリブルで時間を使う間にヨンデと西谷がゴール前中央に入ってきたが、砂川の低いクロスにヨンデはスルーを選択し、慌てた西谷のシュートは大きく浮いた。38分には、西谷との交代で入ってきたばかりの西が相手ボールをカットし、クライトンに預けた後にゴール前のスペースに飛び出したが、シュートはヒットしなかった。

逆に、ピンチだって、もちろんあった。後半6分、千葉DFボスナーがゴールまで30メートルほどの距離から長い助走をつけて放ったフリーキックは、クロスバーをかすめた。8分には、馬場のスルーパスに反応した巻につられて優也が飛び出し、ゴールを空けてしまったが、巻の送ったボール(シュート?)は、カバーにまわった坪内がかろうじてクリアした。39分に谷澤がゴール正面から放ったシュートは、この試合両チームを通じて最大の決定機だったが、優也が素晴らしい反応を見せて外にはじき出した。

全体を通じてみれば、千葉が押し気味に進めていたようにみえるかもしれないが、終盤は札幌が無理をしない選択をしたようでもあり、けっして札幌がやられていたという印象はない。むしろ、とくに砂川が入ってからは、ダヴィ、クライトン、西谷、砂川の絡んだ、わくわくするような攻撃が何度か見られ、0-0という結果の割には退屈しないゲームだった。

ただ、サッカーの試合なので、札幌の出来を評価する際には、相手の力量も考慮しなければならない。その点で、この試合の千葉は、今季対戦した相手の中で、もっとも楽な相手だった。チーム全体でどこでボールを奪うかがはっきりしていないから、札幌の選手がダヴィやクライトンに送るパスが途中でカットされることはほとんどなく、ダヴィやクライトンに預けられたボールは奪われない。一方で、千葉の攻撃は、前線に張っている巻が孤立してしまうことが多く、ポスト役も突破役もすべて巻だったから、曽田(巻とのバトルは見ごたえがあった)を中心とした守備陣の負担は重くなかった。

でも、4バックのラインディフェンスの裏をねらってこられたらどうなるんだろう、新居が出てきたらイヤだな…と思っていたが、後半24分に新居が交代で入ってきても、曽田がリードするラインコントロールと、吉弘のスピードへの対応により、新居には仕事をさせなかった。もっとも、その代わりというのか、西谷が前に出て戻らなくなった(疲れか?)分、西谷のサイドにいた谷澤が攻撃に絡んでくることが増えてきたのではあるが(だから西谷を下げて西を入れたのではないかと思う)。

そんな中で、最後までリズムをつかめないまま交代させられてしまったのが、岡本だった。トイメンが外国人選手だったから当たり負けてしまうのは仕方ないにせよ、自分がスペースへ飛び出していくことはできるのだが、自分がボールを持ったときには判断に迷ってしまって選択肢を失ってしまうことが多く、結局、無難な横パスか、後ろに戻してしまう。それゆえに池内に負担がかかり、無理して攻めに出ようとした池内は前半に警告を受けてしまった。

前半の途中からは、右に流れてくるクライトンが「なんでオレのところに出さないんだ!!」とばかりに岡本を怒鳴りつける場面が増え、ハーフタイムに入った直後には、他の選手がロッカールームに引き上げていく中、クライトンと岡本がベンチ前に残り、ウリセスを挟んだまま話し合う(というか、クライトンが岡本に一方的に何か言っていたのではないかと思うが)光景すら見られた。そして、後半に入ると、前半はダヴィが左(西谷に近い側)、クライトンが右(岡本に近い側)だったポジションが、左右逆になってしまった。

岡本君には、クライトン先生がわざわざウリセスを呼んでまで伝えたことを、しっかりと自分のものにしてほしい(先生、石井君も、びしっと指導してやってください)。

それにしてもフクアリ。何度も行っているはずなのに、行くたびに遠く感じられるようになってくる。最初の頃は「五井よりもずっと近くなった、これなら便利だ」と思っていたはずなのに。

キムチスープ500円。具が多くてグー。
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グーといえば、試合前、なんとかキッズがピッチの脇でインタビュー受けた後に「ヘディングー」とかやってたんですけど、「好きな食べ物は?」と聞かれた小1男子が「しゃぶしゃぶ」と答えたのにはびっくりしましたです。わたしは小1のときに「しゃぶしゃぶ」なんて知らなかったぞ。


posted by issey11 |01:15 | 2008遠征 |

2008年04月14日

これがホームゲームだ(2008-J1-#06 vsジュビロ磐田@札幌ドーム/現地観戦)

ホームゲームらしき雰囲気を作るきっかけとなったのがピッチ上の選手だった、というのが、サポーター的には、なんとも忸怩たるものがあるのだが、コーナーキックを蹴りに来たクライトンがスタンドを煽り、バックスタンドがゴール裏のチャントを凌駕するリズムで手拍子を打った、あのときの空間は、まさしくホームゲームだった。あの雰囲気が作れれば、今後も、いくつかの勝ち点を拾っていける。

こういう話をすると、試合をするのは選手だ、サポーターや観客がどうだろうと関係ないとの反論をいただくことがあるのだが、観客の声援が選手の背中を押す、あるいは、試合そのものを司る神(?)を動かしてしまうことは、確実にある。

ふだんバックスタンドで見ている僕は、ここぞというときにはゴール裏に合わせて手を叩き、周囲に手拍子を伝染させられないかと目論んでいるのだが、なかなかうまくいかない。ああ、またやられるかも…な空気を作らないよう、明らかにヤバイと思う場面でも「ああー」「きゃー」系の声は上げずにじっと我慢する(笑)のが、サポーターとしての務めだと思っている。

だから、後半開始早々に失点した後、「立ち上がり弱いなあ」「これだからダメなんだよ」等々の会話を5分以上も続けていた、僕の後ろの席の人たちにはかなりイラっとしていたのだが、そんなことを気にしているようでは、まだまだ修行が足りない。そんなの関係ねえと、バックスタンドの人たちが嫌がらない程度に叫び、手拍子を打たねばいかんと、試合が終わってから反省したことであった。

試合の内容については、いまさらの感もあるが(まだ試合が終わってから2日しか経ってないのに、ネット時間の進み方はとっても速い)、ポイントは2つ。まずはダヴィの存在感。前で体を張ってくれるからジュビロのディフェンスがずるずる下がり、バイタルエリアが大きくあいて、西や砂川のアイデアが生きる。こういう戦い方ができるなら、中盤の両サイドに置くのは、やっぱり、サイドアタッカーというよりは、トップ下タイプの選手なのだろう(それなら上里が生きる道もありそうなんだけど…)。

もうひとつは、吉弘の強気のラインコントロール。これは、前線でダヴィが頑張ってくれてこそ、ではあるのだが、吉弘は、ジウシーニョの飛び出しを気にしながらも、全盛期の柱谷哲二(×0.6ぐらい)ばりに、高いディフェンスラインを保とうとした。これまでは、吉弘が出場した試合では、相手にやられると怖がって下がってしまうことが多かったのだが、今回は、後半、萬代に裏に抜けられた後も、後ろに張り付いてしまうことにはならなかった。

そこが今節の吉弘と、前節(FC東京戦@味スタ)の曽田との最大の違いだったように思う。前節の曽田は、早い時間帯に相手のセンターフォワードにやられた影響もあったのか、相手を待ち受けて「読み」で勝負するディフェンダーに変身したかのようだった(いわば、柱谷に対する井原、みたいなものか)。僕は、曽田はこんなスタイルも身につけたのかと感心していたのだが、3ラインをコンパクトにして守備から攻撃へとすばやく切り替えようと思うなら、あの曽田よりも、今節の吉弘なのだろうなとは思う。でも、サポーター的心情としては、坪内-吉弘-柴田-平岡の4バックってのは、ちょっと、感情移入しにくくって…まあ、でも、試合には勝ったから、いいんですけどね。なんとなく複雑。

posted by issey11 |21:03 | 2008ホーム |

2008年04月05日

悪くはない でもこれじゃ勝てない(2008-J1-#05 vsFC東京@味スタ/現地観戦)

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第4節の感想を書かないうちに5節の試合が来てしまった。日曜日(大雨)@関東-(中2日)-水曜日@札幌-(中2日)-土曜日@関東と試合が続くのは、やっぱり、厳しい。そんなことは相手だって同じだと言うなかれ、東京は、水曜日のアウェーゲームも横浜だったから、移動はしていない。この差は、大きい。

誰もそんな言い訳はしないだろうと思うが、やっぱり、コンサの選手の動きは、重かった。砂川が入るまでは、マイボールになっても、ボールのないところで動いていたのがヨンデだけだったから、パスを出す先が見つからない。東京が4バックの前に梶山+浅利+今野を並べてきっちりと守備ブロックを作っていたから、受け手が動いてやらないと、パスコースは作れない。それでやむなくロングボールを蹴るものの、中山がターゲットマンとしてボールを落としたとしても、裏へ走りこむスピードのある選手はいないから、まったく効果がない。

ダヴィ不在の影響は(想定内といえばそうなのだが)非常に大きく、カウンターのチームだというのに、相手の攻撃を止めてボールを奪っても、前に向かって走り出す選手がいない。大きく前へ出して、クライトンがキープしたとしても、追い越していく選手がいない。クライトンは確かに強くてうまいが、ドリブルで局面を打開できる選手ではないから、ボールが相手ゴールまでなかなか行かない。

34分過ぎ、相手陣内でボールを失ったクライトンが、後ろを向いて「もっと前に出てきてくれ!」とでも言うように、大きく手を振り上げたのが、この試合の前半を象徴していた。中盤から後ろの選手は、こわがっていた。ショートパスを通そうとはせず、ドリブルも、ロングボールも、みんな中途半端だった。まるで勝っているチームが時間を使っているかのようだった。

そのうちにクライトンは最終ラインにまで下がってきたり、ポジションに関係なく動くようになってきたから、前線には中山しかいないことも多くなり、カウンター攻撃の迫力は、ほとんどゼロになってしまった。マイボールが無意味に前方に蹴られるたび、ああ、砂川がいれば…と思っていた。

後半に入ってからも雰囲気は変わらず、優也がすばやくゴールキックを送ろうとしたのに味方の選手がみなたらたらと歩いている、なんて場面もあった。岡本も西も、トイメンの守備対応に追われてしまい、ほとんど何もできなかった。砂川の投入を後半の9分まで引っ張ったのは、理解に苦しむ(というのは言いすぎか-まあ、いろいろ、事情はあるのでしょうからね)。

砂川が入ったことで、ようやく、中山やクライトンを追い越す動きが出てきて、チャンスも作れるようになったが、上から見ていると、こわごわ、びくびくやっている感はやっぱり変わらず、相手陣内深くまで運んだボールを、あっさりと後ろに戻してしまう。

これだよこれ!と思ったのは、後半22分、右サイドにドリブルで突っ込んでいった砂川が、前をふさがれると、今度は後ろにドリブルしながら、半身の姿勢でゴール前へ放り込んだ場面。そうそう、とにかくゴールに向かっていかなきゃ!…なのに、ケンゴなんてその典型なんだけれど、右往左往するばかりで、ゴールに向かう怖さがまったく感じられない。

ケンゴが入ってから、コンサの攻撃機会が増えたのは、相手の足が止まり始めたのと、クライトンを中盤に下げたことで西やヨンデが前に出られるようになったから、だと思う(曽田が退いたため、西嶋がセンターに、ヨンデが左サイドバックに入った)。やっぱり、クライトンは、前ではなく、中盤にいるべき選手だ。

こういう試合をしていれば、そこそこはやれるだろう。しかし、びびって誰も前に出てこないようでは、点は取れない。今の戦い方で中山にストライカー(というよりペネトレーター)の役割を担わせるのは無理だ。ダヴィがいなければ、その役目は、ケンゴかノナトがやるしかないのに、前節の川崎戦といい、今日といい…

チームとしては、悪くはない。体が重そうだと感じながらも、コンサの選手たちは、最後まで試合をあきらめることもなかった。だからダヴィの復帰さえあれば…では、このままずるずる行ってしまう(何度も書いているが、2002年のバーヤック、ジャディウソン加入直後は「内容は悪くない」と思っているうちに、上のチームとの勝ち点差がどんどん離れていってしまったのだ!)。もっともっと練習して、J1の選手が相手でも臆することなく立ち向かえる自信(≒勇気)を身につけてほしい。

ところで東京。攻撃のアクセントになっていた大竹が長友と交代して、コンサが押し気味になってきて、あれ?どうしちゃったんだろ?と思い始めた(実際に隣の友人とそんな話をしていた)後半35分、ゴール裏から「た~たかえ~ おれのトーキョー」の歌声が聞こえてきたのには、あまりのタイミングのよさに、感心してしまった(そんなことに感心してる場合じゃないんだが)。前半、ブルーノクアドロスがドリブルで攻めあがった直後の「ぶ~るのっ!」といい、本当に、ここぞというときに、ゴール裏からの声が出てくる。

ちょっと微妙な表現になっちゃうけれど(コンサがどうこうってことじゃなくって<誤解なきよう)「応援してます」というより「選手と同じ目線で戦ってます」という感じ。人数とか、声の大きさとかではないところで、素晴らしい!と思ったのは、おもにJ2を見ていたここ数年には(自分的には)なかったことだった。いや、東京の試合は去年も見てるんだけど(ワンチョペのゴールを生で見たのだ)、「お客さん」として見ているのと、思い入れがあって見ているのとでは、見えるもの聞こえてくるものが違うんだろうな。


posted by issey11 |21:30 | 2008遠征 |