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2008年07月15日

今なら納得 FWクライトン

シーズンが深まるごとに「4-4-2のまっすぐな3ラインが保たれたまま相手ゴール方向へ移動していく」傾向が弱くなり、いい形でボールを奪って次の攻撃につなげることができなくなってきた、ように感じるのは、クライトンがチームに慣れてきたから、だと思っています。

チーム戦術に慣れてきた、ではなく、チームに慣れてきた、というのは、もっとくだいた言い方をすれば、チームメイトに慣れてきた、という意味で、よくも悪くも周囲に遠慮がなくなって、勝手に動くことが多くなってきた、ので、芳賀の負担が増えて中盤ではボールが拾えなくなり、ゆえに最終ラインも怖くなって前に出られなくなり(もっとも、これは、ミスをすると懲罰的に交代させられることも影響しているかもしれない)、チーム戦術なんてあってなきがごとしになっているじゃないか…

ま、人ありきのシステムではなく、システムに人が合わせなければならないチームですから、システムに関係なくやれてしまうスーパーな存在が入ってくれば、こういうことは、あり得るわけです。

クライトンを生かそうとするなら、トップ下のポジションを作ってあげて、ダヴィとアンデルソンとの3人だけで攻撃させてあげればいいんじゃないかと思うのですが、現監督はそんなことは絶対にしないでしょうから、それならクライトンは前に置くしかない。

クライトンの攻撃力を生かすために、というよりは、このチームの戦い方のベースを壊さないために。

前節の千葉戦で、クライトンがいなかったことで、この思いは確信に近いものとなりました。この前書いたことの繰り返しになりますが、あれほど均等にピッチ上に選手が並んだ姿は、しばらく見たことがなかった。西が芳賀の隣の位置をつねにキープすることで中盤の4人がまっすぐに並び、その後ろの4人もまっすぐに並んだまま前との距離を詰めようとしてくる。そして、たとえば中山が相手ボールにプレッシャーをかけに出れば、全体が同じような調子で押し上げられて、中盤の4人と後ろの4人がフラットに並んだ形は崩れない。

千葉戦の試合後の監督インタビュー(byスカパー)を見ると、3-0となってからのダヴィの働きに対する不満を引き出そうとした質問者(野々村)に対し、監督は、ダヴィが仕掛けてコーナーキックを取りに行くプレーを「相手が嫌がることをやっていた」と評価していました。3-0だったからということは割り引いて考えねばならないにせよ、監督は、いわゆる「流れの中での得点」にはこだわっておらず、セットプレーがストロングポイントならセットプレーを取りに行けばいいと考えていることが、あらためて、よくわかりました(ベンチ裏での試合直後のインタビューが生放送で流れると、監督会見とは違った本音が垣間見えておもしろい)。

以上をまとめると、
・守備で大事なのは中盤をフラットにした4-4-2の維持
 (→クライトンを中盤に置くのはリスク)
・攻撃で大事なのはセットプレーで点を取ること
 (→正確なキッカー=クライトン=の存在は必須)
ということになり、クライトンは、FWの仕事をするFWというよりも、プレースキッカーとしてどこかにいないと困るからとりあえずFWのポジションにいる、ということで、FWなのかなあと思うわけです(砂川ではボールは収まらないけれど、クライトンなら収まるし)。

試合に勝ってくれれば、なんでもいいんですけど。

posted by issey11 |21:30 | 2008思い |

2008年04月30日

当事者として参戦するJ1

やっぱり浦和はすごかった。

コンサがJ2にいる間も、道外でのJ1の試合は数多く見ていたけれど、そして見るときはあえてどちらかのチームに肩入れしてみたりもしたのだが、しょせんどの試合も第三者。今年になって、一方の当事者として参戦してみると、僕たちはJ2の中のガリバーでしかなかったのだなと気づかされることが多い。

たとえば昨日の浦和は(以前からそうだったのかもしれないが)「本日の入場者数」が場内放送で流れなかった。オーロラビジョンに表示されるのみだ(味スタもそうでしたっけ?)。札幌ドームでの試合中「本日の入場者数は…」とのアナウンスが流れると、ピッチ上に集中してチームに力を与えていたはずの観客のエネルギーが、入場者数とオーロラビジョンに向かってしまい、集中が途切れる(札幌ドームの場合、ビジョンが両方のゴール裏にある=どこの席にいても見える=埼スタや味スタとは構造が異なるので、単純比較は難しいのではあるが)。浦和には、それがない。

昨日の浦和の4点目が決まった直後も、やっぱり浦和は違うわと、感心してしまった。浦和サポーターは、ゴールを決めたエジミウソンの名前を叫ぶ前に、「タカハラ」コールを繰り返した。確かに、あの得点は、決めたのはエジミウソンでも、その前の高原の粘りがなければ生まれなかったものだった。

さらに浦和の話をすると、スタジアム周辺の賑わいが、J2とは全然違う。グッズ売店の大きさとそこに群がる人の数を見ていると、うわあ、これは一大産業だよなあと思わされる。浦和美園の駅前に新しく建ったマンションは、あちこちの家のベランダに、レッズの旗が掲げられている。下位チーム相手だったからへんな緊張感が漂っていないのはわかるにしても、だからといってゆるゆる感もない。相手チームのサポーターがこんなことを言うのもヘンなのだが、サッカーを楽しむ心地よさ、みたいな空気があった。

正直、こっちがJ2にいた5年間に、他のJ1クラブとの距離がずいぶん開いてしまったと思う。認めたくないけれど、悔しいけれど、簡単には詰められない差が生まれてしまっていることが、当事者としてアウェーに行くと、よくわかる。

人が創り出す空気、いわば観戦文化とでもいうべきものは、お金があれば得られるというものではない。チームがJ1であり続けることによって、時間をかけて醸成されていくものだと思う。だから、サポーターズ持ち株会の募集チラシのキャッチコピーは「J1であり続けるために」なのだ(と、ようやく、わかりました~はっきり言っちゃうと「J1でもJ2でもとにかくチームがあることが大事なんじゃないのか?」と思ってたんですが、そうじゃなくって、J1であることが大事なんです!)。

posted by issey11 |12:43 | 2008思い |

2008年04月28日

あの日以来の埼スタ

個人的にはその後も何度か行っているけれど、コンサの試合で行くとなると、2005年10月10日の高円宮杯(U-18)決勝以来だ。

明日はこっち側じゃないです↓
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キッカーは藤田征也、中央で背中向けているのが西大伍。
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あのときは準決勝まで来たところでフライトの手配にかかったものの、連休の最終日だったので帰りの便がなかなか取れず、さりとてあまりに急なことだったから他の予定を変えて翌日帰ってくるというわけにもいかず、そうだよなあ、いくらなんでも日帰りで行くのはムチャだよなあ…と、半ば諦めかけた頃にキャンセル待ちで夕方の羽田→千歳が取れてしまい(なにしろ想定外の大出費になってしまうので、取れてほしいような、ほしくないような気分だった)、こりゃ行くしかない!ってことで、強引に出かけたのだった。

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相手もシチュエーションも全然違うけど、あの日の埼スタで悔しい思いをした西のリべンジに期待。


posted by issey11 |00:53 | 2008思い |

2008年03月07日

「かならずもどる」から1959日

JFLにいた頃は、試合前にエールの交換が行われることが多かった。今では信じられないことだが、アウェーチームのサポーターがホーム側のゴール裏に来てホームチームの名前を叫び、逆にホームチームのサポーターはみんなで声を合わせてアウェーチームの名前を呼ぶといったことが、わりと普通に行われていた。

Jリーグに昇格することは、もちろん嬉しいことではあるのだが、ああいう美しい光景は古きよき時代になっていくのだろうなと思うと、寂しさもあった。実際には、J昇格後に、エールの交換が皆無になったわけではないが、JFL時代のような儀式的な(まるで学生のスポーツのような)交換は、なくなった。

牧歌的なJFLで戦っていた身からすると、Jリーグは怖いところだ、とのイメージがあったが、1998年の駒場は、終了間際にペトロヴィッチの見事なロングパスからベギリスタインのゴールで相手チームが勝利したこともあってか、そうでもなかった。在京サポーターの方が、いわゆる「出島」で「帰りは気をつけてください!ここは厚別じゃないんだから、コンサのユニホームはかならず脱いでから出てください!」と叫んでも「おおげさだよねえ」と苦笑いが起きるぐらいに、緊張感がなかった(だから、落ちちゃったんだろうなと、10年経った今では思うが、それはまた別の話だ)。

まあ、あまりに弱くて、相手にされてなかった、ってことかもしれないけどね。

2002年は、かすかな希望を持てたのは雨の厚別での古川伝説あたりまでで、秋になってからは、降格決定の日を待つだけだった。あるアウェーゲームでは、「ウィ、アー、サッポロ、ウィアーサッポロ!」に対する相手チームのゴール裏からの返答が「ジェイ、ツー、サッポロ、ジェイツーサッポロ!」だったこともあった。

勝っても負けてもお互いを称えあうなんてことは、J1では、ないんだろうな。ましてや、よくも悪くも熱いサポーターの多いカシマでは、降格が決まったら、さらに痛めつけられるんだろう…

勝手にそう思い込んでいたから、2002年10月27日、カシマスタジアムでJ2降格が決まった直後、ホーム側のゴール裏から「こーんさどーれっ!」コールが起きたときは、びっくりして、感激して、びっくりした。アウェー側からは、これに呼応して「かならずもどる」コール。そしてホーム側から拍手。

アントラーズのサポーター、ちゃんと、わかってるじゃん。いや、そのときは、そこまで考える余裕はなかったんだけど、チームが成績を残せるのはこのサポーターがあってこそだと、カシマスタジアムの空気(誤解を恐れずにいえば、観客のレベルの高さ)に、感心した。

あれから6シーズンもかかってしまったが、カシマスタジアムのホーム側から送られたエールに応えて、コンサドーレは戻ってきた。一般的には「J1王者とJ2王者のマッチアップ」と評されるのだろうが、ぼくらにとっては、J1帰還の挨拶だ。

あー、明日の今ごろは、ぼくはスタジアム…現地に行ったら「あそこにころころとボールが転がって、あそこで洋平が転んでたんだよねえ」なんて話をするんだろうな。。。

posted by issey11 |14:21 | 2008思い |