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2008年07月17日

希望の引き分け(2008-J1-#17 vs大分トリニータ@厚別/現地観戦)

両チームとも持ち味を発揮した、いい試合だったと思います(第三者的感想)。お互いに持ち味を発揮しつつ、終盤は札幌の足が止まって大分のショートパスをつなぐ攻撃が力を見せつけるも、最後の最後にはアウェーの大分がドローで十分と無理に攻めてこなくなる、ホームの札幌は動けないながらも必死に攻め立てる-と、サッカーのおもしろさが凝縮されたスコアレスドローの試合でした。

当事者的にいえば、何度か点が取れそうなチャンスがあっただけに、決めるところを決めて勝ちたかったけれど、勝ち点2を落としたとまでは思いません。その意味では、結果に納得はしていないけれど不満でもない。ナビスコも含めて自信を失いかけているかのように見えていたコンサの選手たちが伸び伸びとプレーし、その結果のスコアレスドローであれば、これまでの状況を考えれば、けっして悪くはない。

中盤に芳賀と西が並んでルーズボールを拾ったり、相手のパスをカットしたり(これは大分が短いパスをつないで相手を崩していくスタイルだったことの影響も大きいと思いますが)といったことは、最近にはなかったことです(ただ、西は最後はへろへろで、相手にねらわれていたようにも見えましたが-ヨンデか上里に替える選択肢もあったと思うんですが、失点しなかったんだからまあいいか)。

怪我明けからすっかりおとなしくなってしまっていた藤田に迷いがなくなり、何度も積極的に仕掛けていったのも、嬉しいことでした。前にスペースがあろうがなかろうが、たとえ自分の前に相手が二人いようとも、スピードだけでなく間合いも使ってとにかく抜こうとするのは、見ていて気持ちがいいです。

2週間前は「???」だらけだった中山の左サイドでの起用も、前節からはすっかりはまってきたようで、これまた相手のスタイルやシステムとの関係があるから今後もこの大分戦のように裏のスペースでフリーで受けられるような場面が多くなるとは限りませんが、高さがあることで、守備時のみならず、攻撃時においてもサイドに起点を作れるのは頼もしいです。

もともとこのチームの攻撃の形は、かならずしも2トップが得点を取るのではなく、むしろ2トップはシュートの一つ前のプレーに絡んで、あけたスペースに両サイドのどちらかの選手が入ってきてシュート、だと思っていたので(これは3月ごろに書きました)、中山がセットプレー以外でも中央に入ってくるのは、とても納得です。

ただ、ときどき、中山だと思ったら箕輪だったり、箕輪だと思ったら中山だったりするので、私が中山だと思っていた場面のいくつかは、もしかすると箕輪だったのかもしれません(笑)。

勝てなかったとはいえ、今季初めて、自分たちがリードしていない状況で90分間相手を無得点に抑えられたのは、大きな自信になります。もしかしたら…このままいけるとは思えないよね…ああやっぱり、な展開にならなかったのは、厚別だったから。いや、もちろん、選手の頑張りがいちばんなのですが、選手たちにさらなる力を与えたのは、厚別という舞台だったように思います(<どうもここはうまく表現できていないので、またいずれ)。

次の試合がまたすぐに来てしまうのは大変ですが、ホームが続くんだから言い訳無用、今度はすっきり勝ちましょう。

posted by issey11 |21:23 | 2008ホーム |

2008年06月08日

テンションの下がる失点(2008-ナビスコ-#06 vs柏@札幌ドーム/現地観戦)

サポーターであり続けることの覚悟を問われているような試合だった(笑)。いや、こんなところで笑ってるとまた怒られるかもしれないけど、笑い飛ばさなかったら、とてもじゃないけど、やってられない。

開始早々に宮澤が負傷退場するアクシデントを除けば、立ち上がりはいい感じ→最終ラインの淡白な対応であっさり失点→終盤にPK取られてダメ押しされる、という展開は、先週の川崎戦と同じ。こちらのシュートが2本も枠にはじかれたり、いいシュートが飛んでも相手のフィールドプレーヤーに当たったり、あわやオウンゴールかと思う相手のドタバタでも入らなかったり、といったことはあったが、点が入らないのは、結局、先週の川崎戦と同じ。

砂川と西谷とクライトンが絡む攻撃は、ダヴィの不在を感じさせないほどおもしろく、可能性を感じさせてくれたが、あれだけチャンスがあって決めきれないのを、運が悪かったで済ませてはいけない。蹴ったボールの行方を目で追ったまま足を止めるような選手が何人もいたのでは、運を呼び込むことすらできない。相手ゴール前に迫っても、自分の前にボールが来ると「急にボールが来たので」とでも言わんばかりに反応が遅れる選手ばかりなのだから、相手だって、怖くないだろう。

しかし、最大の問題は、(失礼ながら)傑出したアタッカーがいるとは思えない柏を相手に、いわゆる「ちんちんにされた」状態になってしまった4バックだ。とくに最初の失点は、攻撃でいいリズムが作れていただけに、あまりにもったいなかった。自陣に向かってくる低いボールに対し、柴田と吉弘がまったくさわらずに後ろへ流したボールを相手の選手が追いかけてシュート、って…ただでさえ、今日は消化試合の色合いが濃く、観客数が少ないうえにアウェー側の柏サポーターがドームを支配しているかのような空気すらあったところに、あの、まるで「おれのボールじゃないから、優也頼んだよ」みたいなプレーでは、たかが1点で意気消沈するな、まだまだ時間はあるじゃないかという気分にすらなれない。

前半の終わり近く、4バックがずたずたにされてみんなで柏の選手の背中を追いかけていた場面では、もう、声も出なかった。

センターバック二人がまるで固まっているかのごとく反応が鈍いからなのか、坪内のポジションは試合が進むにつれてどんどん中央に寄っていき、それ以上に意識が中央にしか向かなくなり、タッチライン際に相手選手が入ってきてもまったくケアできない。横幅を4人がそれぞれのゾーンを決めて守っているはずなのだが、そんなふうにはとても見えない。

毒吐きついでにメンバー交代も相変わらず不可解で、負けている終盤にFW西を下げてマーカスを入れたのには、ただただ、びっくりしてしまった。ベンチに置いたエジソンには何をさせるつもりだったのか?リードしたら経験を積ませるために起用しようとでも考えていたのか?おまけにそのマーカスが入った途端にあまりにつまらない警告を受けたのでは、ナビスコカップ敗退でこの後には影響しない警告だとはわかっていても、見ているほうとしてはやりきれない。

試合終了と同時にゴール裏から出たブーイングは、札幌では珍しいことだが、当然だろう。僕はシーズンチケットで見ているから痛みを感じないが(苦笑)、この試合だけのためにお金を払って見ていたら、「ふざけんな」だったと思う。次のステージへの進出がどうこうではなく、ホームゲームなのだから、こんな臆病な試合をしてはいけない。

すっかり自信喪失でプレーが小さくなっている後ろのほうの選手は総入れ替えだ!といってみたところで、今のやり方を続けている以上、代わりになる選手はいないのだから、やはり(先週と同じ結論になるが)何かを根本的に変えないといけないのではないか。現日本代表監督が札幌1年目の秋に言った「監督を替えるか、選手を替えるか」。代役がいないだろうなどといった後ろ向きの要因にもしっかりと向き合うことを、真剣に考えねばならない時期に来ているように思える。

posted by issey11 |20:03 | 2008ホーム |

2008年05月06日

昔話とか(2008-J1-#11 vs東京ヴェルディ@札幌ドーム/現地観戦)

自分の頭を冷やすために、多少の時間が必要だった、ので、帰宅してからしばらく寝た。それからメシ食ったら、ちょっと、気持ち悪いかも。

今日の試合について、なんではじめからクライトンを中盤に置かないのか、とか、デビ純と芳賀を並べても始まらんだろう、とか、また負けてるのに交代枠をディフェンダーで使うのかよ、というよりなんでセンター平岡なのよ、とか、そんな話はネット時間的にはもう消費され尽しているだろうから、別のお話をしてみましょうか。

2002年Jリーグディビジョン1ファーストステージ第11節、FC東京-コンサドーレ札幌@国立(観客20,326人)。キックオフは7月28日(日)19時04分、得点は11分ケリー(東京)、21分石川直宏(東京)、33分戸田光洋(東京)、54分バーヤック(札幌)、で、結果は3-1で東京の勝利。

この年は、ご承知の通り、本日の相手チームの監督が新人監督として札幌を率いたものの、まったくうまくいかず、リーグ戦7節を消化したワールドカップ中断期間中に新人監督は解任。イバンチェビッチ監督+バーヤック+ジャディウソンの新体制で迎えた中断明け後の初戦(第8節ヴィッセル神戸戦@神戸ユニバ)は、押し気味で試合を進めたが、チャンスを決めきれず、75分に失点して0-1で惜敗。その次の第9節浦和レッズ戦@国立は、延長Vゴール負け。さらに第10節横浜F・マリノス戦(札幌ドーム)は、前節まで無敗だったマリノス相手に2点を先制、相手チームが退場者を出すという状況だったにもかかわらず、残り時間わずかで同点に追いつかれ、最後は延長Vゴール負け。

そして第11節の東京戦。ようやくこのシーズンのチームの形が見えてきたというのに、イバンチェビッチは、自ら形を崩してしまった。登録上はそれまでと同じ3-5-2だったが、この試合に限っては、東京対策として、守備時には4バックとする戦い方を選択した。その結果が、前半のあっという間の3失点(当日は神宮外苑で花火大会が開催されていて、東京のゴールとともに花火が上がっていた)。ハーフタイムを挟んで、いつもの3-5-2に戻したら、後半は別のチームかと思うぐらいに札幌が一方的に攻める展開になったが、さすがに3点のビハインドは重すぎて、1点を返したにとどまった。

確かに、イバンチェビッチ就任後、この試合の前までの3試合は、いずれも「負け」ではあった。でも、それ以前のことを考えれば、チームは、明らかにいい方向に進みつつあった。何をしていいのかわからないようにすら見えた前監督の頃とは違い、選手も何をすればよいのかがはっきりして、生き生きとしてきていた。だから、もう少し我慢していれば、長いシーズンの中での流れが変わってくるのではないか、と、一介のサポーターである僕は思っていた。

しかし、前監督のチームを知らないイバンチェビッチには、自分が就任してからの3試合の負けだけがすべてだったのだろう。せっかくたぐり寄せつつあったいい流れを、自分から動くことで手放してしまった…イバンチェビッチが悪いのでもなければ、もちろん選手が悪いのでもなく、ただただ、残念だと思った。土曜-水曜-日曜と8日間で3試合が行われた過密日程の中で、イバンチェビッチの勝負師としての勘(そんなものを持っていたならば、ではあるが)が、どこかずれてしまったのだろうな、と。

で、結局、監督どうなのよ?という現状になるのではあるが、このところの三浦監督の選手起用がわからなくなっているのは、過密日程+故障者続出+勝てなくなっていることで、監督のみならず、選手も、サポーターも、どこかにちょっとしたズレが生まれてしまっているからではないかと、サッカーの戦術や戦略から離れた部分に答えを求めたくなっている-というのが、ちょっと寝て少し頭を冷やした今の時点での感想。

そうした中で結果を出せないのは監督の能力の問題だ、といえば、それまでのことなんだけど、そんなことを言ったところで代わりの人なんか見つからないんだし(<というわけで、現監督にはものすごく後ろ向きな理由しか見つけられないのだが)、現監督の意固地なところはそう簡単には変わらないどころか、周囲が騒ぐほどに意固地になっていくだろうから、まあ、結局、サポーターとしては、応援するしかないっすよね、と思うわけです。

ここからは、チームではなく、ファン・サポーターの話。

試合が終わった直後に、ああでもないこうでもないと言うのは、かまわんのだ。ただ、試合が始まったら、終わるまでの間は、試合を投げちゃいかんですよ。そりゃ、途中で「もうダメだ」と投げ出して評論家になったほうが、試合終了後の落ち込みや怒りは、少なくて済む。前半だけで3点取られて、しかもこちらは攻め手がまったく見えない状況で「まだ行ける、頑張れ」と言ってるのは、傍から見れば、バカでしょう。それでやっぱりそのまま負けたら、まだ勝てると思っていた自分に対し、自己嫌悪になるかもしれない。それでもいいじゃない、いまさらカッコつけてどうすんの!と思っちゃって、今日みたいな試合展開になっちゃうと、周囲の観客と(心の中で)戦っちゃってるのですよ、わたしは。

ボールがタッチラインを割ってもいない(割ったと判定されていない)うちから「あー」とため息ついたり、ちょっとしたパスミスに「えー」とか言ったりしてるから、ピッチ上の選手が、タッチラインの手前で止まるかもしれないボールを追いかけるのを途中でやめちゃったりする、というのは、かなりの暴論ではあるが、勝っているときはサポーター目線なのに、今日のような展開になると、観戦している自分が傷つかないように評論家目線になってしまうのは、やめましょうよ。

グッチーさんが言ってるじゃないっすか。「選手と一緒に戦う」って。「一緒に戦う」っていうのは、「選手を観察する、批評する」ではないのですよ。そんなの思い上がりだといわれようがなんだろうが、少なくとも試合が行なわれている間は、ぼくらが試合の展開を読む必要はないでしょう、と、なんだか一人称も文体もぐだぐだになってきましたけど、そう思うのです。

「カズさん、なんで負けても遊びにいけるんですか」
「次の試合がある。だから切り替えるんだよ。次が始まるんだから。後ろを振り返ってもしょうがねえだろ」
(望月重良『もう一回蹴りたかった』ぴあ刊、70ページより引用)

posted by issey11 |21:35 | 2008ホーム |

2008年04月26日

リスクマネジメント?(2008-J1-#08 vsアルビレックス新潟@札幌ドーム/現地観戦)

5月10日までの15日間に5試合が行われるなか、年間の目標がJ1残留であるならば、5試合の中で勝てる可能性がもっともなさそうな浦和戦にはダヴィを休ませてもいいんじゃないか…僕はそんなふうに考えていたぐらいなので、次の試合にダヴィが出られない(であろう)ことに関しては、まったく気にしていない。

しかし、年間の目標をJ1残留としている以上、今日の試合は、絶対に勝たねばならなかった。そんな大事な試合で頭突きを食らわしたダヴィの行為は、絶対に許されることではない。

そうなんだけど、僕は、ここでまた、ナイーブなサポーターとしての自分に向き合わねばならない。

確かにあれは一発退場だし、あれを誰かが止めろというのもかなり無理な話(スタンドから見ていた僕ですら、直前のプレーがシュミレーションにならなかったことでほっとしていたときだったから、ダヴィの姿が目の前にあっても、ダヴィが沸騰していることはまったく頭がまわらなかった)。だから、ダヴィが全面的に悪い。そうなんだけど、いまだに、ダヴィに向かって「何やってんだこのやろう」的な思いが、まったく湧いてこない。

それよりも、あんなふうに中心選手を退場させてゲームを壊しておもしろいのかあなたたち、とか、あんな消極的なゲームやってたチームに負けたことが悔しい、とか、相手チームに対する理不尽な思いのほうが強くて、だから、試合が終わってコンサの選手たちが挨拶に来たら、負けゲームだというのに、珍しく拍手してしまった(それでその後は地下鉄に乗ってもまだ腹立たしさが消えないんだわ<いいオトナなんだからもっと冷静になれよ^^;)。

しかし、許されるルールの範囲内でやっている以上、負けは負けだ。こういう結果を「いや、でもよくやったじゃないか、運が悪かっただけだ」で済ませてしまうと、(いつも書いててしつこくてすみませんが)2002年の(とくにイバンチェビッチ体制時の)二の舞になってしまう。相手がどうこうという感情的な部分(=相手チームのサポーターにとってはただの言いがかり)は封印して、次に向けて、反省すべきところを反省し、修正すべき点には手を施していかねばならない。

僕は、ダヴィが退場する前から、今日はコンサが割と楽にボールを支配できているのに、仕掛けの部分、あるいはフィニッシュに至る部分がずいぶん雑だなというのが気になっていた。相手のプレッシャーが厳しいわけでもないのに、なんだかやたらと慌ててしまっているようで、相手が下位だということを意識するなというのをかえって意識してこんなふうになっているのかなと思っていた。

序盤に相手のシュートがポストを叩いた場面を除けば、これといったピンチもなく、逆に、コンサには、ダヴィが退場になってからでも、チャンスは何度もあった。どこか一つを決めていれば、ダヴィは反省してください、で、そこそこ気持ちよく札幌ドームを後にできたはず(それなのにあの事故のような失点で負けたから、余計におもしろくないのだが)。

ダヴィが退場してから前半終了までの間を、セーフティにやろうとしたのは、わかる。でも、ホームなのだから、ではなく、今日の前半の内容を見て、相手との力関係を考えれば、後半は、最初から、点を取りに行ってもよかったのではないか。いや、後半開始早々に芳賀の飛び出しがあったりして、けっして点を取りに行っていないとは思わないのだが、クライトンの1トップ(事実上の0トップ)は、いくらなんでも、厳しすぎる。ハーフタイムに選手交代がなかったので、僕は、中盤を1枚減らして(今日ならばそれでも十分に守れたと思う)、砂川か西を前に出すのかと思っていたのだが…

途中交代にしても、勝ちに行く手を打ってほしかった。石井の投入はともかくとしても(それにしてもケンゴはターゲットになるつもりだったのか裏へ抜けるつもりだったのか、さっぱりわからなかった-もっと思いきってやろうぜ!)、ボールの預けどころやパスの出所を増やすという意味で、西谷を使ってほしかった。

いろいろな意味で、なんともモヤモヤが残る。でも、3日後には、もう、次の試合がやってくる。

posted by issey11 |20:25 | 2008ホーム |

2008年04月14日

これがホームゲームだ(2008-J1-#06 vsジュビロ磐田@札幌ドーム/現地観戦)

ホームゲームらしき雰囲気を作るきっかけとなったのがピッチ上の選手だった、というのが、サポーター的には、なんとも忸怩たるものがあるのだが、コーナーキックを蹴りに来たクライトンがスタンドを煽り、バックスタンドがゴール裏のチャントを凌駕するリズムで手拍子を打った、あのときの空間は、まさしくホームゲームだった。あの雰囲気が作れれば、今後も、いくつかの勝ち点を拾っていける。

こういう話をすると、試合をするのは選手だ、サポーターや観客がどうだろうと関係ないとの反論をいただくことがあるのだが、観客の声援が選手の背中を押す、あるいは、試合そのものを司る神(?)を動かしてしまうことは、確実にある。

ふだんバックスタンドで見ている僕は、ここぞというときにはゴール裏に合わせて手を叩き、周囲に手拍子を伝染させられないかと目論んでいるのだが、なかなかうまくいかない。ああ、またやられるかも…な空気を作らないよう、明らかにヤバイと思う場面でも「ああー」「きゃー」系の声は上げずにじっと我慢する(笑)のが、サポーターとしての務めだと思っている。

だから、後半開始早々に失点した後、「立ち上がり弱いなあ」「これだからダメなんだよ」等々の会話を5分以上も続けていた、僕の後ろの席の人たちにはかなりイラっとしていたのだが、そんなことを気にしているようでは、まだまだ修行が足りない。そんなの関係ねえと、バックスタンドの人たちが嫌がらない程度に叫び、手拍子を打たねばいかんと、試合が終わってから反省したことであった。

試合の内容については、いまさらの感もあるが(まだ試合が終わってから2日しか経ってないのに、ネット時間の進み方はとっても速い)、ポイントは2つ。まずはダヴィの存在感。前で体を張ってくれるからジュビロのディフェンスがずるずる下がり、バイタルエリアが大きくあいて、西や砂川のアイデアが生きる。こういう戦い方ができるなら、中盤の両サイドに置くのは、やっぱり、サイドアタッカーというよりは、トップ下タイプの選手なのだろう(それなら上里が生きる道もありそうなんだけど…)。

もうひとつは、吉弘の強気のラインコントロール。これは、前線でダヴィが頑張ってくれてこそ、ではあるのだが、吉弘は、ジウシーニョの飛び出しを気にしながらも、全盛期の柱谷哲二(×0.6ぐらい)ばりに、高いディフェンスラインを保とうとした。これまでは、吉弘が出場した試合では、相手にやられると怖がって下がってしまうことが多かったのだが、今回は、後半、萬代に裏に抜けられた後も、後ろに張り付いてしまうことにはならなかった。

そこが今節の吉弘と、前節(FC東京戦@味スタ)の曽田との最大の違いだったように思う。前節の曽田は、早い時間帯に相手のセンターフォワードにやられた影響もあったのか、相手を待ち受けて「読み」で勝負するディフェンダーに変身したかのようだった(いわば、柱谷に対する井原、みたいなものか)。僕は、曽田はこんなスタイルも身につけたのかと感心していたのだが、3ラインをコンパクトにして守備から攻撃へとすばやく切り替えようと思うなら、あの曽田よりも、今節の吉弘なのだろうなとは思う。でも、サポーター的心情としては、坪内-吉弘-柴田-平岡の4バックってのは、ちょっと、感情移入しにくくって…まあ、でも、試合には勝ったから、いいんですけどね。なんとなく複雑。

posted by issey11 |21:03 | 2008ホーム |

2008年03月23日

最大の収穫は柴田の攻撃的守備!(2008-ナビスコ-#02 vs川崎@室蘭/現地観戦)

もちろんこの試合に限っていえば勝利によって手にした勝ち点3が最大の収穫なのだが、シーズンを通して考えたときには、柴田のセンターバックが最大の収穫であり、僕にとっては今日の最大の発見だった。

柴田のプレーで感心したのは、相手の選手と駆け引きができること。ボールのないところでのジュニーニョとの攻防なんて、もう、ホント、おもしろくって、ボールを持ってる選手を見ないでこの二人ばっかり見てた時間もあったぐらい。

前の試合までは、平岡にしても(今日はサイドバックだった)坪内にしても、今季に入ってからセンターバックを務める選手がやたらと自分の位置取りを気にするのが見ていて怖くて仕方がなかったのだが、柴田は、あくまで相手との関係で自分のポジションを取っていて、しかもそれがかなり細かい。そのうえ、というか、だから、なのか、味方が近くにいるとき(=仮にミスしてもカバーしてくれる選手がいるとき)には、相手を抑えるだけでなく、ボールを奪いに行く。ただ体の強さで奪おうとするのではなく、頭を使って(パスコースを読んだり、相手のパスの送り先を限定させたりして)奪おうとするから、見ていてとてもおもしろい。

こういうタイプのセンターバックは、コンサには、しばらくいなかったように思う。おどおどすることなく、自信を持ってやっていたのが、気持ちよかった。ジュニーニョとの対決は、いい勉強になっただろう。

ノナト(マタドールの歌は覚えるまで時間かかりそうだ^^;)は、なんだかさっぱりわからなかった。一度だけ、ペナルティエリアに向かって突っ込んだときに「おお、ゴール前では俊敏なんだ!」と驚いたのと、中盤に下がってきて今野ばりのショルダータックルから相手ボールを奪ったときの印象がある、ぐらいで。

今日は僕はメインホーム側のベンチ裏で見ていたのだが、前半残り10分ぐらいで三浦監督はもう西の投入を決めていたようだった(監督が西を呼んでピッチを指差しながら何かを説明し、その後、西のアップが激しくなった)。ああ、これは中に入りすぎちゃう砂川が替えられるんだなと思ったのだが、あの時点で、もう、今日のノナトは見限られていたってことなんだろうな。

ノナトは前からのディフェンスをまじめにやっていたとは思うのだが、前半は、クライトンが自由に動くことと、砂川がオリジナルポジションを離れることが多いことにより、芳賀の守備の負担が重すぎて4-4-2の2列目が上げられず、結果的に2トップとその後ろとの間の距離が開きすぎてしまったように感じた。そこを修正するために、後半から、クライトンをFWに入れて、自分のゾーンを忠実に守る西を芳賀の隣に置いたのかなと思ったのだが、それによって西嶋のポジションがおそろしく高くなったのには驚いた。

相手が3-5-2でコンサにとってはサイドで数的優位を作りやすい状況だったこともあろうが、西嶋が高いポジションを取ったことは、相手のトイメンの森を自陣に押し込めることにつながり、その結果、川崎は片翼飛行を強いられることになった。その点では西嶋の貢献は大だが(もちろん、最後のゴールもね)、攻撃参加時に簡単にボールを失いすぎるのは、(元)和製リトマネンらしくないぞ(^^;)。クライトンのフリーキックから相手GKと1対1になった(のにまともに打てなかった)ときには、「ヒデにパスした岡野」並みの怒りを覚えてしまった(^^;)。

開始早々にまたしても「コーナーキックからファーサイドに飛び込まれてズドン」で失点したのはいただけないが(メンバーが多少違っているにしても、だ)、こればかりは、ちゃんと練習してくださいとしか言いようがない。確かに寺田はでかいから、新井場に合わせられるのとはちょっと違うんだけど、ゾーンの外から入ってきた選手がノーケアになっちゃってるところは、同じでしょ。

元気のない川崎フロンターレが相手だったとはいえ、勝ててよかった。「いい試合してるんだけど勝てない」のが、いちばん、対応が難しいですから。これで、自信を持って、いまの戦い方を進化させていくことができるであろうと期待したい。

でもやっぱり曽田は早く戻ってきてくれ。

posted by issey11 |20:21 | 2008ホーム |

2008年03月15日

勝たなければいけない試合だった(2008-J1-#02 vs横浜FM@札幌ドーム/現地観戦)

それまでほぼパーフェクトといってよかった佐藤優也が前に飛び出して、いわゆる「かぶった」とき、あっ!と思ったら、もうやられていた。その直後の2失点目は、それまでペナルティエリア付近ではつねに体を寄せて相手にまともに前を向かせなかった守備陣が、山瀬との間に少しだけ距離をあけてしまい、それまではがっちりキャッチしていた優也が山瀬のシュートをはじいてしまった。

それですべてが帳消しになってしまうのだから、守備の仕事は厳しい。ただ、救いは、試合終了後、バックスタンド前に挨拶に来た優也が、誰も寄せ付けないようなオーラを発しながらグローブを自分の体に叩きつけ、その前を歩く平岡と坪内と芳賀が、激しく何かを言い合っていたことだった。バックスタンドから拍手を受けようとも、選手たちは、もう次の試合に向けて戦い始めている。

そう、バックスタンドは、選手たちを大きな拍手で迎えたのだが、僕はこれが気に入らなかった。以前なら「こんな試合で拍手なんかするなよ!」と言葉を発して周囲を凍りつかせたりしたものだが、そんなことをして初めて見に来た人たちをコンサから遠ざけてしまうようなことになってはいけない、ぐらいの分別はつく年齢になったので(笑)、何も言わずに、人の波が引くまでずっと席に座ったままでいた。

いや、まあ、拍手しようが罵声を浴びせようが、見た人によって思いが異なるのは当然なのだから、かまわないんですけどね。でも、これで「負けたけどよくやったよ」「しょうがないよね」などと思ってしまってはいけないのだ。「負けたけど内容は…」とか言ってるうちに、気が付けば上位との差がどうしようもないほどに開いていて、それまでチームがとってきた戦い方を変えてでも勝ち点を取りに行かねば…となって、泥沼にはまることは、よくある。近いところでいえば、2002年の監督交代後や、2003年の序盤がそうだった(<全然近くないか)。

だから、今日の試合は、きっちり勝たねばならなかった。でも、そういう僕自身も、試合が始まる前から「今日はマリノスだし、負けてもしょうがないかなあ」と思っていたし、同点に追いつかれたときには「やっぱりな」と、頭の片隅で考えていた。見ている側がそういう気持ちでいると、何かふわふわしたものがスタジアムに漂ってしまい、ピッチ上の選手にも伝染してしまう。そんなことを考えていた自分は、勝つつもりでやっている選手たちに失礼だったと思うし、サポーター的姿勢としてはまったくダメだ。もう、何年サポーターやってるんだよ>自分。

サポーターは、いい子になっちゃいけないし、評論家になっちゃいけません(<自戒)。試合が始まる前から負けたとき用の理屈を準備しておく、なんてことは、やっちゃあいけないのだ。

反省してください(>自分)。

直接の敗因は、終盤に起きたGK含む守備陣のミスではあったが、試合全体を通じてみれば、2点目が取れなかったことが痛かった(もちろん、クライトンのPK失敗も)。

あの最後の数分間以外は、守備陣は、信じられないような集中力を保ち、「これぞ札幌!」と言いたくなるような、打たれても打たれても取られない、粘り強いディフェンスを続けていた(やっぱり、コンサには、こういうカラーのほうが似合うような気がするなあ)。マリノスが高い最終ラインの裏をねらってきたのに対し、GK含む後ろの5人がしっかりとケアできたことには、正直、驚いた。後ろの5人の関係は、PSM以来の3試合を続けて見てきている中では、今日は格段によかった。

ただ、前節の鹿島に比べると、今日のマリノスは中盤の運動量が少なく、くさびのボールをもらう選手は立ち止まったままだった場合が多かったので、コンサとしては守りやすかっただろうから、前節の0-4が1-2になったことは、かならずしも進歩とは言いきれない(むしろ、相手の力量の差のほうが大きかったように思う-そのぐらい鹿島は強かった、と思う一方で、鹿島とマリノスの中盤の人の並び方の違いゆえかな、と思わないでもない)。そもそも、いまやっているのは本番であって、もうテストではないのだから「改善された」「前よりはよくなっている」などと言っている場合ではないのだ。

まあまあまあ、落ち着きましょうよ(>自分)。

1点リードのまま勝っていれば、今日のMVPは、西嶋か芳賀だったと思う。

最終ラインの4人のうち3人が、自分のゾーンがどこなのか、その間に入ってくる坂田を誰がみればよいのか迷いながらどうにかやっていた中で、西嶋の手堅い守備と機を見て仕掛ける攻撃とは、大きなポイントになっていた(前節はお話にならなかった西が生き生きとやれたのも、後ろの西嶋が安定していたからだろう-ということを考えると、左サイドは西谷の早い復帰が待たれる)。

芳賀は、前節では守備の仕事に追われていた印象しかなかったが、今日は(マリノスが鹿島ほどには厳しいプレスをかけてこなかったこともあってか)周囲に指示を出してボールと人を動かし、全盛期(?)の野々村ばりの司令塔的役割を果たしていた。最終ラインでの大きなサイドチェンジが何度かあったのも、芳賀の指示あってこそだ(もちろん、すべてのサイドチェンジが芳賀の指示によるものではないが)。ああいうふうにピッチ上でしゃべれる選手は、近年のコンサにはいなかっただけに、今日の芳賀はいつにも増して頼もしく見えた。

そんでここからは柏と川崎との4試合ですか。へんな日程だなあ。

posted by issey11 |23:07 | 2008ホーム |