コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2015年01月15日

ちょっと面白い戦術の話~げームを支配する~

年が明けて二週間が経ちましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?

最近はオフシーズンということでなかなか話のネタがなく
あまり更新する機会がないのですが、
これからシーズンに向けて少しずつ更新の頻度を上げていきたいと思います。
どうぞお付き合いください。


今年の一発目は「ゲームを支配する」ということで。
これについては僕、い~つも感じていることなのですが、

よく指導者が

「ボールを繋いで、げームを支配する」
「パスを多く繋いでゴールへ向かう」

といったことを口にしていますよね。
もちろんその通りです。
この言葉は否定しません。
けれどやっているサッカーが矛盾しているのはなぜなのでしょうか。

つまりどういうことか

そもそもパスを多く繋いで、
ゲームを支配して
ゴールへ向かう

というサッカーのメリットはなんなのか。

パスを多く繋ぐということはつまり手数をかけるということ。
ボールを大事にするということですよね。(僕はボールを大事にという言葉が嫌いですが)
つまりボールを持つ時間を長くしようということですね。

パスを繋いで、ポゼッションを高めて、げームを支配する。
「ポゼッションを高めて」「ゴールを狙う」
これがパスを多く繋いで攻めるチームの戦い方と言えるでしょう。

よく
「攻守の切り替えが激しいサッカーは子供のサッカー、
攻の時間と守の時間が長いのが大人のサッカー」
といったことを耳にしますが、
こういう言葉をよく聞くことからも
この国では
ボールがぽんぽん繋いでるのが美しい、大人といったイメージがあるようです。

少し否定的な書き方をしていますが、先ほども言ったとおり間違ったことではありません。
しかしこれも何度も言いますがやっているサッカーが矛盾しているのです。


最初に僕の言いたいことを言っちゃうと

支配率を高めるサッカーをしているのに、
相手の支配率を減らすサッカーをしないのはおかしい

ということですね。
攻撃の時間を長くしようとしているのに、守備の時間を短くしようとしないのはなぜなのでしょうか?
攻撃でやっていることと守備でやっていることが一致していないチームが多すぎるのです。

それの典型的なのがまさにコンサドーレ。
様々なデータが載っている「フットボールラボ」によれば

コンサの去年の平均支配率は50.9%でJ2で8位
にも関わらず攻撃回数が141.2で12位
攻撃回数が平均以下なのに、支配率は平均を上回っているということですね。

このことからも
コンサがいかに「ボールを繋ぐ努力はするけど、奪う努力はしない」
ということがはっきりわかるのではないでしょうか。

ちなみに平均シュート数は13.6本で15位
被シュート数は13.9
パス本数が461.8で4位

つまり前にいける場面で横パスを繋いだ結果、
支配率とパス本数は上がるけど、シュート数が減るという現象がまんま現れているということですね。

これが去年のコンサの現状です

ではどうしたらいいのか。
正直今のJリーグで「相手の支配率を減らす」ことをしているのは長崎と湘南以外知りません
それだけ難しいことなんですよね。

何が難しいのかというと
僕たちサッカー選手は
「守備の目的はゴールを守るということ」
が体に刻み込まれているのです。
だから今でも指導者の中では
「最後の4分の3だけやられなければいい」
という考えをもっている方が多くいらっしゃいます。

しかし守備の目的はゴールを守ることと、もう一つボールを奪うことという目的があるのです。
そしてボールを奪いにいくということはリスクを背負うのです。

例えばバイエルンはボールを取られても相手にハーフェイラインを超えられないように、
CBが猛烈にアタックに行きます。
その結果、実は一試合に1度か2度は相手に裏を取られているのです。
そういったリスクを背負いながらも前に前にと守備をするからこそあの驚異的な支配率となるのです。
そういったリスクを犯すチームが残念ながらなかなか出てこないのです。

ちなみに湘南、長崎ともにゲーゲンプレス(とられたあとに取り返す守備)を得意としていますが、
後ろを三枚残しているのでバイエルンほどリスキーな守備とはなっていませんね。
しかしながら結果は見事に出ており、
湘南が被シュート数の少なさで2位
長崎が1位となっており、
失点の少なさも湘南が1位、長崎が3位となっております。

このことから、
リスクを犯して全員でボールを奪いに行くことより、
前線は取りにくけど後ろの選手はゴールを守ることの方が、実は失点が多いということがわかるのではないでようか。

これは僕の憶測ですが
これから先この前に運ばせない守備はこれからのサッカーの主流となっていくものと思います。


長くなりましたが、ここで要約すると
支配率高めようとするなら守備でもその努力をしろ
その見本はバイエルンと湘南と長崎だ

ということですね。
ちなみに南野がいくザルツブルグもお手本となりますね。
あとはレバークーゼンでしょうか。


最後に
リスクをかけた方が実は失点が減るということについてですが
これがすごい面白いことで、かつ大事なことだと思います。
最終ラインが果敢に取りに行くということはリスクがある
という「パラダイム」に支配されているからこそ、
指導者はそこを出させることが出来ないのです。
そして実は取りにいかない方がリスクだったということです

しかしながら、ペップ、ロジャーシュミット、クロップなど常識にとらわれない指導者が現れ、
それをチョウ監督などが真似、
少しずつ非常識が常識へと変わり、サッカーは進化していくのでしょう。
本当に面白いと思いませんか?

もしかしたらみなさんの身の回りでも
「普通はこうする」と決め付けてしまっているがために不利益をこうむっている場合もあるかもしれませんよ?

では最後にちょっとくさい決め台詞で終わりにしたいと思います。

「常識を疑え」

posted by gahara18 |06:04 | コメント(0) | トラックバック(0)