2009年03月24日
連載小説6
練習が始まった。 後発のチームが他と同じことをやっても肩を並べるには時間がかかると考えた岩崎は、サッカー以外の競技からも参考になるものはないか、とまず、レラカムイを見に行った。 まず、誰もが目を奪われるチアガール。これは参考にはならない。 岩崎の気を引いたのはタップシュートだった。リバウンドを取りにジャンプして着地する前にシュートを打つ。あれである。 早速チームの練習に取り入れた。シュートはバーを狙う。跳ね返ったボールを着地させないうちにヘッドで押し込むのである。 必死に練習したがなかなかうまくいかない。そのうち選手が「もう、いい加減にしてくれ。オレがはっきり言うや」と言って、監督に「バーを狙うよりも直接ゴールを狙った方がいいと思います」と直訴した。 監督は、一瞬ぎょろっと、その選手、佐藤いうやを睨んでから「わしゃあ、柔軟な頭を持ってるけん、みんなの意見を尊重して、これはやめるばってん、了解しておくれどす」とあっさり引き下がった。続く。
posted by yordel1 |22:21 | コンサドーレ |