2008年01月17日

君子豹変

みなさんおひさし
ぶり

ストーブリーグで来季の展望を一喜一憂するのも
文字通りの狸の皮算用、夢を見すぎてもしかたないので
静かにしておりましたが、録画していた昨シーズンの総括
番組を整理して見直しながら、優勝で昇格したという結果に
糊塗されて積み残された問題点を再度確認しておきたい。

第3~4クールの大不調期に、オイラは監督更迭も視野に含めた
打開を求めたことがあった。結局それは10/13以降の
4連勝で立て直せたことで事なきを得たわけだが、それでも
実は問題点は解決し切れたわけではなく、11/11鳥栖戦の
完敗、11/18京都戦の引き分け、そして最終戦で水戸に先制
されるまで延々と続いた。

何が問題だったかと言うと、これも何度も書いたのだが、
「単に負けたからキレた」わけでは決して無くて、
その負ける理由が明らかに「札幌のとっている戦術を分析
され、その弱点を理詰めで攻略されているから」なのに、
「その弱点を埋める戦術の改良をする気配がなかった」
からだ。ゆえに露呈した戦術の穴は放置されたまま何度も
攻め込まれ、結果として失点し続けたわけだ。
岡本や大伍の残した結果が夢に終わり、10月下旬の連勝を
落としていたら、優勝どころか入れ替え戦に行っていた可能性
が高かったはずだ。

三浦監督が極めて綿密な分析をおこなっていたことは、NHK
の特番などでも広く知られるところとなっているわけで、
そこはオイラも深く感じ入ったわけだが、それでもなお、
あの秋の低迷期において何か戦術的に改良を図ることはでき
なかったのだろうか、という疑問は消えない。
結果としてTDKにすらほぼ全く同じ攻略法をとられた末に
敗北したのだから、頑固なのか引き出しがないのか虚仮の一念
なのかわからない。

4回同じ相手と戦うとなると、3、4回目にはもう相手の手の内
はわかっていて、それでもなおその裏をかき、さらに裏の裏を読む
といった、虚々実々の駆け引きになるはずだ。そこに何の裏もない
戦術をとれば、好き放題にやられてもおかしくない。
三浦監督とて裏がなかったわけではなかろうが、相手を上回るほど
の奥行きをあまり感じられなかったのが正直なところだ。
これがオイラの偏見だったらいいのだが、上記の鳥栖戦後に
岸野監督に「強い方が勝ったということ」と言い切られた裏の意味
は、そういう意味だと思うのだが。

もちろん、選手個々の能力としてそこまでのフレキシビリティを
期待できないがゆえに、変えられなかった、徹底するしかなかった
という面もあったのはオイラもわかっているつもりだ。
しかし上位カテゴリーで戦う来季で、去年とは比較にならないほど
の深刻な蹉跌に直面することは想像に難くない。その時に
何をどこまで「変える」奥行きがチームに、監督に、選手にあるか
どうか。

次回は、去年も触れた応援のことにでも触れようか。
浦和サポへの批判が年末に話題にもなったことだし。

posted by FT |22:50 | コンサドーレ札幌 | コメント(5) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:君子豹変

通りすがりです☆
某有名掲示板にもおなじHNで投稿してます。

戦術や、終盤の失速は私も色々考えるところです。

私は3つの理由で納得しています。

一つ目は、札幌倒しに躍起になっているチームに対して、昇格へのプレッシャーも重なり、1,2クールの精度どころではなかったこと

二つ目は長丁場の疲労(選手層が薄いということと不可分ではないです。)

三つ目は、スラムダンクという漫画でも見られたシーンと重なるのですが、このやり方で闘いきれないなら上でもダメだろうという、三浦監督の愚直な挑戦

FTさんの仰る背景があるにも関わらず、監督はあえて戦術を徹底していたのだと思っています。
もちろん、フレキシブルなんてとんでもない、ウチじゃ無理だってのも図星だと思いますが(笑)

論点はズレましたが、J1ではJ1なりのやり方を考えているんだとは思います。(flexibleということも含めて)今の発展+αがなければあっさり舞い戻ることにはなるでしょうから。

昇格したてだったときのフロンターレや去年のFCのように、上がってガラリと変えるより、ベースを持ち、それを発展させる形でカードを増やしていけそうな、俊也サッカーに、私は結構期待しております!
ボコボコにされるのは覚悟の上です☆

長文失礼しました

posted by おかちゃん| 2008-01-18 00:48

Re:君子豹変

 戦力的にはどうしたってJ1を戦うには厳しいコンサ。強化部としても、ある意味で三浦スタイルと心中する路線を選択したと思っています。
 J1に上がったからには点を取らなくちゃ勝てない!というのはあるでしょうが、それに気を取られて自分を見失うのが一番怖いわけですからフレキシビリティよりも継続性を重視したのは現実的な選択かと。
 プラスαが必要なのは確かですし、タテポンサッカー以外できるのかいなというのも感じますが、三浦監督は補強にほぼ満足しているようなので今のうちはまずは監督のお手並み拝見といったくらいに気楽に構えてもいいのでは・・・。

posted by フラッ太| 2008-01-18 11:01

Re:君子豹変

お二方コメントサンクスです。

一つ勘違いしていただきたくないのは、三浦監督の
戦術の是非を論じているわけではないこと。
問題としているのは、戦術が見抜かれてダメージを
受けたなら、もっと何らかの対処が必要だったのではないか、
ということです。

posted by FT| 2008-01-19 00:25

Re:君子豹変

名無しで失礼します。

>負ける理由が明らかに「札幌のとっている戦術を分析
され、その弱点を理詰めで攻略されているから」なのに、
「その弱点を埋める戦術の改良をする気配がなかった」
からだ。ゆえに露呈した戦術の穴は放置されたまま何度も
攻め込まれ、結果として失点し続けたわけだ。

上記の問題は柳下監督時代の札幌も同様でした。
ボールを奪われ、前がかりになって出来たスペースを突かれてカウンター一閃。
同じ相手に同じように負け続けても、ついぞ対処を施しませんでした。
この事についてはどうお考えですか。

柳下さんを支持する方々の、三浦監督に対する不満は何より戦術の是非からくるものだと思ってました。守備的で面白みに欠く戦術を執るからですね。
また、柳下サッカーの弱点を咎めることをしなかったのは、攻撃的戦術を採用したことに惚れ込んだからだと。

そうではない、戦術の是非(または好悪)の問題ではない。と言われるなら何故、三浦戦術のウイークポイントばかり可否を論じ立てるのでしょうか。なぜ、柳下サッカーの欠点は黙認してきたのでしょうか。
クラスの好きな子が鼻クソをほじったのを、たまたま見てしまったくらいでは嫌いにならないけど、何とも思わない子がそれをやると不快で仕方ない、って感じ? (‥‥違うな。すいません、いい例えが出てきませんでした)

posted by 名無し| 2008-01-19 14:05

Re:君子豹変

<名無しさん

違うんだってばっ
どうしてちゃんと読んでくれないんですか。
私は柳下監督を今でも支持している者ではありますが、
私が今問題にしているのは三浦監督の戦術の是非では
ないと、明言しているでしょ。
ましてや両監督の優劣を論じているのではありませんよ。

戦術が行き詰まった時点でどういう「対応」をしたのか、
できなかったのか、という問題を論じているのです。

その意味で、昨秋の低迷期を切り抜ける方策を監督は
もっていたのかどうか、その点に不満がある、という
意見を提示しているのですよ。

反論するなら、「イヤあの時監督はちゃんとこれこれ
こういう戦術の打開策をとった」と明示してください。
「いままでやってきたことをやる」という、全く展望も
見えないようなコメントだったが、実はこうだった」と
いう証拠を提示してください。
オイラは、正直それが見えなかった、岡本や大伍のゴールで
勝てて結果オーライだったんじゃないのか、という不安を
表明したのです。

ちなみに、柳下監督の「虚仮の一念」による戦術変更
の無さは、当然のことです。彼は、ハッキリ言って
どこにスローインしていいのかすらもわからないほど
のレベルしかなかったチームに、小手先の勝敗以前の
サッカーの本質を植えなくてはならなかったのです
から。チームのプライオリティが全く違うことを
考慮する必要があります。

私の問題提示を鼻くそ呼ばわりする前に、もうちょっと
的を射た反論をしてください。

posted by FT| 2008-01-19 22:40

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