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2007年07月13日

【第27節】信じる道、迷わずに

 
厚別

  今にも雨の降りそうな
  重苦しい天気でした。





 オオカミに追われたシカがとる行動は2つ。コースを変えるか、もっと速く走るか。
 研究され、勝てなくなるとともに、2位以下に詰められた札幌が、とった行動は、コースを変えるのではなく、もっと速く走ることでした。厚別での福岡戦。2-1の勝利は、これまで続けてきたサッカーを変えることなく、入念に繰り返した結果でした。
 
 1点目のゴールは、札幌の武器として磨いてきたセットプレイからの曽田(西嶋のゴールのようにも見えるんですけど)のヘッド(と押し込み)でしたし、2点目も、2ラインディフェンスがボールを絡め取り、すばやく前線のダヴィに送って得られたもの。札幌の生命線である高いラインとコンパクトなゾーンが保たれ、最後まで選手はさぼらず走り回りました。
 
 一方、失点も、これまでと同じ相手の2列目からの飛び出しによるもの。1点目を奪った後に、無理をしないサッカーに切り替えたことが、相手に主導権を渡すことにつながり、徐々にラインが下げられ、福岡の誇るスピードスター田中佑昌が飛び出しに決められました。前半32分ことでしたが、この10分ほど前にもまったく同じかたちで、わずかにボールがそれたシーンがあったことを思うと、同じことを同じ選手に2度もやられたわけで、決して誉められたことではありません。
 
 同じ選手に何度も、といえば、この試合、ダヴィが3回もキーパーとの一対一を演じました。3回目がようやくPKになったものの(リティはシュミレーションだと言って怒っていました)。まぁ、あんなにGKとの一対一を外す選手にPKは任せられませんね。ダヴィがPKも蹴らせてもらえれば、得点ランキングももう少し上でしょうに。それでも1対1を何度も作り出すことができるのは、FWとしての実力ということもできます。
 
 しかし、この試合に限っては「福岡の方にひとつ、ふたつ問題点があるようなディフェンスの形で」という監督の言葉に、真実があるように思います。「福岡とやるときにはダヴィが相手にとっては嫌な選手だという感じはしました」とも言っています。おそらく、三浦監督は福岡の試合を研究して、ダヴィを中心とする何らかの策を授けたのでしょう。それが見事にはまったと。研究するのは相手だけではない、ということですね。
 もっとも、これについて監督は「非常にいい質問ですが、あと1回対戦が残っているのでちょっとお話できません」と口を閉ざしています。
 
 いずれにしろ、第2クールの終盤にあったモヤモヤ感を見事に払いのけたこの勝利の最大の立役者は、サポーターだったのかも知れません。選手入場とともにゴール裏はもとより、SB、SA、SSのすべても観客が立って「厚別の歌」を合唱。これがちょうど良い発声練習になったのか、試合が始まってからも、歌に合わせる者がいつも以上に多く、入場者数6000人とは思えない、厚別ならではのホームの雰囲気を作ることに成功しました。

観客

   天気は寒くても
  サポーターは熱かった



posted by hibari |00:35 | 試合の感想 | コメント(7) | トラックバック(0)