スポンサーリンク

2009年12月06日

来年に繋がる試合

 もはや腐れ縁となってしまったヴェルディとの最終戦。どちらが勝手も順位変動がない試合だが、去っていく選手のため、今期の締めくくりとして、両チームに「いい試合」をしようという意志が見られて、好ゲームとなった。

 相手のと実力差を計算にいれて、相手を受けて、じらす、隙を突くような戦い方があるけれど、昨日の試合は、両チームがまったくイーブンに相手ゴールを目指した。

 そうなると、ちょっとしたパスの精度だとか、トラップの技術だとか、走り込みの質だとか、ほんのわずかだけど、ホームのヴェルディの力が上回る。それが前半の2失点として現れる。

 ところが、後半、ヴェルディは2得点を背景にして「勝ち逃げしよう」という気持ちが働く。そうなると、開始早々にあった。両チームのイーブンな状態が失われ、札幌は攻勢に回り、ヴェルディは守備に追われる。その結果としての後半2得点。

 結果としては、ドローだったけれど、リーグ6位と7位というお互いのチームの力を如実に示した好ゲームだったのではないか。

 いずれにしろ、長かった2009年シーズンもこの試合で最後となった。昇格を目指していたことを考えれば物足りない順位ではある。が、前回の降格時のように、昇格という目標が失われると、チームが方向を見失い、ずるずると順位を下げていったのに比べると、6位から一時は二桁まで下げた順位を、ここまで持ち直せたところは十分に評価できるのではないか。

 チーム編成が順調にすすめば、昨日の試合は、来年に繋がる試合だったといいたい。

posted by hibari |12:23 | コンサドーレあれこれ | コメント(2) | トラックバック(0)

2009年12月03日

今期の補強テーマ

 日刊スポーツの報道だから眉唾だけど(去年のオシム報道は忘れない)、ゴンがくるかもしれない。ゴンがくるかどうかは置いておいて、今期の補強テーマは、どうやら「メンタルの強化」にあるように思う。

11月13日の「報知新聞」だが、こんな記事があった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『コンサドーレ札幌が来季J1昇格へ“勝負魂”を磨く』

札幌・矢萩竹美社長(59)が「今年は試合数も多く、具体的なメンタル強化のプログラムが組めなかった。 現場スタッフに(必要性を)聞いてみたい」と今後、メンタルトレーニング専門家の招へい、講義を検討する方針を明かした。 

若手主体の経験不足からか、今季の逆転負けと追いつかれての引き分けは10試合(第48節終了現在)。 勝負どころでの精神的もろさも露呈し、勝ち点を取りこぼした。 

また、18チーム3回戦制51試合の過密日程ということもあり、開幕後の練習は必然的にコンディショニング重視に。 来季はJ2新規加入クラブがあれば、2回戦制に移行することが濃厚で、きめ細かな強化をにらんだ日程も組める。 

残り3戦も「消化」ではなく「強化」試合にする。 石崎信弘監督(51)は「ここはいい子、優等生が多い。もっとガムシャラにやってほしい。 好きでサッカーをしているのだから、出たい勝ちたいは当たり前」と精神面の物足りなさを指摘。 

リーグ戦が空く14日には、練習試合を急きょ設定した。今季の苦い経験をふまえ、心身ともに鍛え上げる。 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 常々サッカーはメンタルスポーツだと思ってきた私だが、今期は、若い札幌のメンタルの弱さを痛感させられた。優勢に戦っていても、ちょっとしたことで気持ちを落とし、勝ち点を落とした試合を何度も見た。こう思っていたのは私だけではなく、実は強化部も同じ考えなのでないか。

 いくら札幌が育成型と要っても限度を超えると、甘えが生じてしまう。ユース出身の鈴木を何年もサテライトに温存し、戦力外通告をしてもフロントスタッフとして救った。ところが、今年、石井が戦力外通告を受けたが、これは「ユース出身でも切るときは、切る」というサインのように思う。

 30歳を大きく超え、リハビリを続けている箕輪に戦力外通告をしないのも、若手に対する教育効果を優先していることのように思う。36歳の藤山竜仁が入るのも、これと同じ文脈なのだろう。

 こうしてみると、ゴン中山の加入は、集客増や露出強化よりも、若手のメンタルを向上させることが第一の目標のように思える。
 

posted by hm1644 |23:52 | hibari | コメント(2) | トラックバック(0)

2009年12月01日

曽田のセカンドキャリアを期待する

 北海道に住む者ならば、札幌南高校という名前を知らない者はいないだろう。いうまでもなく、北海道一の進学校とされる公立高校だ。入学の門戸が開かれているのは学年の1位と2位まで。3位にはいれてもらえないという名門だ。

 2009年のJ2で引退を表明した曽田選手の出身校はこの札幌南校。厚別競技場のある厚別区から札幌南高に通った曽田は、卒業後の進路を筑波大学を選んだ。筑波大学のサッカー部からコンサドーレ札幌に入団している。

 曽田のいた筑波大学サッカー部は、大学サッカー界の名門で、レギュラークラスには、年代別代表がゴロゴロといる。そんなサッカーエリートばかりが集まっている部の中で、推薦でもない一般入試の選手が、レギュラーを取るためには、どれほどの苦労があったのか。

 おそらく曽田という人は、どんな分野でも、目指したからにはトップを極めなければならないと誓っているのだろう。高校は道内ではナンバーワンの南高であり、サッカーでは、大学ナンバーワンの筑波。そしてやるからにはプロ。そして、そのいずれの目標をも達成している。

 そんな曽田だから、2部リーグにいる自分というのが許せなかったに違いない。2002年の降格以来、曽田は、「J1に行きたいというよりも、J2にいたくない」と、2部リーグにいる不満をことある毎に口にしてきた。曽田の美学として、2部に甘んじていることが許せないのだろう。

 少し前のエントリーで、“昇格の原動力はため込んできた悔しさの総量"というようなエントリーを書いた。思えば、2007年の昇格、曽田がその原動力の一人だったことは間違いない。とするらば、曽田だためた「悔しさの総量」が、前年までリーグ中位の実力しなかった札幌を、昇格に押し上げたに違いない。

 サッカー選手としてのキャリアを2009年で終止符を打った曽田だが、むしろこれからのキャリアを期待したい。トップに上がるという目標を、どんな困難な状況に陥っても、最後には達成してきた曽田。

 その彼が、次にはどんなトップを目指し、そして実現していくのか、とっても楽しみだ。昨日のドーム最終戦、10分に満たない出場時間で、2万人の観客が中止する中、引退のメモリアルゴールを決めてしまう曽田の「人生力」の強さに、セカンドキャリアの飛躍を期待せざるを得ない。

posted by hibari |01:08 | hibari | コメント(0) | トラックバック(1)

2009年11月29日

記録より、記憶に残る選手

20091129-00.jpg
 すみません。何気開いてしまいました。  辞めたという訳じゃなかったんですが、多忙で・・・  でも、今日の曽田様に復活の力を与えていただきました。  まずは写真です。  


posted by hibari |23:28 | 写真館 | コメント(1) | トラックバック(1)

2009年10月25日

来年に繋がる戦い

 残念ながら、らち外になってしまったのだが、この時期になると昇格を巡る争いが必死さを増してくる。

 前節、岐阜との戦いの陰で、湘南と甲府の熾烈な三位争いが気になっていた。湘南は札幌に負けて始めて昇格圏から脱落。甲府と入れ替わった。ここで気を落としてガタガタと崩れるかと思いきや、それまでの得点不足が嘘のように、快調に勝点を積み上げる。一方、逃げる甲府も負けない。

 そんな中、前節、甲府は最下位の横浜と、そして湘南は直ぐ下にいる鳥栖との一騎打ちだ。これをひょっとすると「甲府が負けるんじゃないか」と実は見ていた。

 と言うのも、甲府の立場に立てば、ライバルの湘南の相手は難敵の鳥栖。負けたり、引き分けたりする可能性が高い。一方、自分の相手は最下位のチーム。ここで勝てば相手との勝ち点差を広げることができる。またきわめて勝つ可能性が高い相手だ。

 ところが、こうなると「勝たなければならない」というプレッシャーが選手を縛る。そして案の定、甲府は最下位のチームに負けた。同じようなことがJ1でも起きた。首位まであと一歩という位置まで上った清水は、最下位の大分との一戦を迎えた。ところが負けたのは清水だった。

 さて、まぁJ1はいいとして、前節、湘南が勝ち、甲府が敗れたことで、この土壇場に来て3位と4位が入れ替わった。こうなると今度は湘南が追われるものの立場になってしまう。今節、湘南は甲府に先んじて土曜日に試合があり、相手は14位の熊本だ。ここは確実に叩いておけば、次の日の甲府の相手は鳥栖。突き放すチャンスだ。ところが、甲府が横浜に負けたように、湘南が熊本に負けてしまうのだ。

 前のエントリーでは、札幌の選手の気持ちの弱さを嘆いたが、選手のメンタルはこうしたギリギリの戦いをくぐり抜ける中で養われるのだろう。そういう意味では、たとえ昇格ができなかったとしても、もっと長くこのギリギリの戦いの中にいたかった。

 さて、明日(というか、今日)は仙台戦だ。こちらは大阪との首位争いを演じている。仙台のメンタルが、湘南や甲府のような追い詰められたものならば、札幌にも一泡吹かせられるチャンスはある。3年前、2006年のJ2・51節、昇格を目前にした柏を札幌は敵地で3-2で葬った。この戦いが翌年の昇格に繋がったと思いたい。

 昇格を逃したことで、前々節、そして前節の前半15分までにあった「負け犬」のメンタリティに陥ってしまえば、明日の勝ちも、そして来年の躍進もないだろう。しかし、そうでないならば、明日、敵地で勝つ可能性は高いし、その戦いは来年に必ず繋がるはずだ。
 

posted by hibari |00:34 | コメント(0) | トラックバック(0)

2009年10月23日

若さの裏側

20091023-00.jpg

 実は前々節の徳島戦を見ていない。ビデオ(というかDVD)の録画をセットしたのだが、何かの手違いで失敗。これを見るために、すべての情報をシャットアウトしてテレビの前に座ったのだが、エラーメッセージを見て、がっかり。ネットで結果を見ると 0対3で負けている。しかもシュートがたった1本。スカパーだから再放送があるのだが、見る気が失せてしまった。ということで、徳島戦は今期唯一“見ない”試合になってしまった。

 さて、前節の栃木戦。平日の厚別、肌寒いナイター。昇格がダメになったというのに、5000人「も」集まったと言いたい。しかし、選手の入場が始まってもゴール裏は沈黙のまま。前節のあまりに不甲斐ない試合を受けて、ゴール裏も無条件の応援を考え直したという。「見ていない」が、つまり、それほど醜い試合だったと言うことだろう。

 さて、試合だ。札幌はあたかも前節を引きずったまま下を向いて試合に入ってしまった。そこを何とか札幌から勝点を奪いたいと燃える栃木が襲いかかる。15分ぐらいまで防戦一方だ。

 相手はJ2の16位だ。今期わずか8勝しかしていない。そんな相手にタジタジとなる札幌に、「岐阜相手に何やっているんだ」という声がスタンドから起こり始めたとき、おそらく選手自身が“俺たちは何やってるんだ”と思ったのだろう。突然、反撃し始めたのだ。

 そうして17分、キリノの強引なゴール。「コンチクショー」という声が聞こえてきそうだった。その後も、相変わらず稚拙ではあるが、最後まで札幌が攻め立てた。

 こういう試合を見ると、札幌は本当に若いチームなんだと思う。徳島戦のような試合では「選手に戦う気持ちが見られない」という声が飛ぶ。実際、彼らもプロである以上、戦う気持ちに無くして試合に臨むことはないはずだ。

 でもそう見えてしまうのは、ふてぶてしさが足りないというか、心が細い、気持ちが弱いということのだろう。そして、こういう心の弱さが、「若さ」の弱みだ。もっとも年を取れば心が強くなるというのではなく、弱い心の選手が、淘汰されていくだけの話なのだが。


posted by hm1644 |23:16 | コメント(2) | トラックバック(1)

2009年10月22日

厚別の静かな夜

20091022-02.jpg


今日の厚別は、静かでしたね。(理由は下の写真)
まぁ、こんなこともあってもいいんじゃないですか。

感想は後日ということで・・・


20091022-01.jpg



posted by hibari |00:05 | 写真館 | コメント(0) | トラックバック(0)

2009年10月15日

今日は代表戦があったらしい。

 今日は代表戦があったらしい。日本はトーゴに5-0で勝ったという。

 職場で、おまえはサッカー好きなのに代表戦を見ないのはいかなる所存か、と詰問された。私のモットーは「テレビの代表より、生のJ2なんです」と口に出すと、また遠い目で見られそうなので、へらへらしていた。

もちろんサッカー好きとして代表は気になる。そもそもサッカーにのめり込むきっかけがワールドカップだ。それでも、というか、それだからこそ、日本国内で開催される親善試合には、なんの期待も持たない。

 宮城スタジアムの親善試合で、日本がトーゴに5-0で完勝したとしても、これが来年の南アフリカの試合とは、まったく結びつかないことを嫌と言うほど教えられてきたからだ。だから代表戦は外国で行われるアウェイ戦しか真剣に見る気がしない。

 それでも日本のレベルが着実に上がっているのは事実だと思う。ドーハの悲劇の時、日本のプロリーグの参加チームはわずか10。それが現在では36にもなっている。プロサッカー選手の数も三倍以上になっているだろう。そこから選りすぐられて選ばれる選手の質は上がって当然だ。

 しかしながら、代表の強化と言いながら(その実、サッカー協会の懐を暖めるために)、国内のぬるま湯のような中で代表戦を行う今の姿を何とかしないと、本当の意味で代表は強くなれないと思う。

posted by ひばり |00:10 | 日々雑感 | コメント(0) | トラックバック(0)

2009年10月11日

収穫の乏しい試合

20091011-00.jpg

 天皇杯の2回戦。厚別公園で行われたガイナーレ鳥取戦を、アウェイゴール裏で見ていた。
 
 特にどうといことはない。負けなくて良かったという感想もない。
 
 台風の影響か、前半は非常に風が強く、時より降る秋の冷たい雨が身にしみた。
そんなか、前節、セレッソ戦での悔しい負けを受けて、すかっと胸の晴れるような大勝を期待した。

 ところが、開始早々、相手に攻め込まれて後手後手に。風が強く、風上に立った相手が有利だったというのもあるのだろうが、札幌の選手から気持ちが感じられなかった。「さて、今日はどうしたものか」と腕組みをしている間に責め立てられ、タジタジに。

 一方、鳥取はシンプルなパス回しが印象的だった。ラグビーの展開のように横へ横へとパスをつないでいく。そのパス回しにまったくついて行けない札幌。相手の先制点は、ラッキーな偶然ではなく、はっきりと崩され、かき回されての失点だった。それでも、前半の終了間際に、コーナーからのこぼれを西島がズドン。ゲームを振り出しにした。

 後半、風上に立った札幌が優位に攻める。しかし、思い切り引いた相手の前で無用にパスを回すばかりで、シュートにいたらない。それどころか、パスをかっさわられてあわやといカウンターを何度も受ける。(後半の、鳥取の選手としてジョホールバルの岡野が入ってきた!)

 こうして一見、札幌が攻めているように見えても、その実、相手のゲームという展開のまま残り10分を過ぎると、相手は引き分けを狙ってきた。このまま追加点を奪えないまでも、引き分けてPKにまで持ち込めば、どう転ぶかわからない、そんなゲームプランだったのだろう。まして相手のキーパーはシュナイダー潤之介(おまえ、こんなところにいたのか)だ。

 そうしてよりいっそう自陣に引きこもってしまった結果、札幌の波状攻撃を受ける。札幌の攻撃は得点の臭いのしないものだったが、それでもこれだけ責め立てると何かが起こる。ペナの中に侵入した札幌の選手を引き倒してPKを献上。かろうじて、延長にならなくて済んだ。延長だったら雨でずぶ濡れだったろう。

 いつものことだが、今回は特にミスパスが多かった。パス回しにかけては、確実に相手の方が上だった。横パスは弱くて相手にさらわれ、前に出す強いパスは、きれいに相手に渡ってしまう。そのくせ、パスサッカーにこだわるのだから、始末に負えない。

 勝った、ということ以外に、収穫の乏しい試合だった。


posted by hibari |20:00 | コメント(0) | トラックバック(0)

2009年10月07日

すべて負け惜しみです

 このブログを見る人は、もう結果は知っているだろう。
 ご承知の通り0-1での敗戦だった。それもロスタイムギリギリでの失点というもの。しかし、それでも、この試合を見た人は幸せだったのではないだろうか。

 この夜、聖地厚別から10キロと離れていない札幌ドームでは、日本ハムが満員の観客を集めて試合を行っていた。10月の厚別は肌寒く、この試合のために厚別に足を運んだ人は、よっぽどのサッカー好きだったろう。それでも、この日の試合は、サッカーが好きな人ほど、面白くみれたのではないだろうか。

 これで、札幌が勝てば最高であったが、負けたと言うことも含めて、サッカーというスポーツの深淵に触れたように思う。(まぁ、半分は負け惜しみなのだが)

 さて試合は最後の最後で決まった。セレッソの攻撃をゴール前で受け止めた札幌の誰か(ビデオを見直していないので申し訳ない)が、足下に入ったボールを、どうしようかと迷ったところに、相手が突っ込みボールを奪われ、決勝点をいれられてしまった。

 こう見ると、最終ラインの凡ミスだが、単に格上のセレッソの猛攻を防ぐだけならば、足下に来たボールを単純に跳ね返して終わりだったろう。そうであれば、負けることもなかった。

 しかし、この選手は、単純に跳ね返すと、どこか見方に有利な場所にフィードしてカウンターのチャンスを作りだそう、という二者択一で迷ってしまったのに違いない。つまり、勝利をあきらめていないことの故に、喫してしまった敗北なのだ。

 これは非常にサッカーというスポーツを象徴する失点である。キーパーのすぐ前というバイタルな場所にあっても、サッカーという競技は、フィード一つでカウンターのチャンスを演出できるのだ。そして札幌の選手は最後にこれに賭けた。

 こうした賭けに出たこと。そしてそれが失敗したこと。この失敗を見逃さずにゴールを陥れた相手。相手と我々との実力差。そうしたすべてが象徴されていた一瞬だった。
 
 この決勝点の場面に限らず、90分間にわたって、両チームの心理戦を含む、高度な応酬が楽しめた。点が入った、勝った、負けた、というだけでない、サッカーの面白み、深み、それを堪能するにはいい試合だった。

 ・・・・もちろんすべて負け惜しみです。

posted by hibari |23:44 | 試合の感想 | コメント(3) | トラックバック(1)

2009年10月05日

得失点の波

 今期の勝敗表を見ると、札幌は得点と失点が共に増える時期と、両方とも減る時期を繰り返していると言うことだ。

 おおよそだが第1節から第7節までは、得失点とも少なかった。そして、第8節から岐阜に勝った第15節までは、3-2というような試合が多い。16節で水戸に0-0で引き分けると、再び得点欠乏症に陥り、岡山に4-2で勝った第30節まで続く。

 この後、セレッソに0-3という試合はあったものの、第36節では草津に5点を挙げている。ところが甲府に1-2で負けた第39節から再び得点が少なくなってきている。あげくに前節は0-0だ。

 熊本に対しては苦手意識があったのだろう。高原のセーブが無ければ、(今回は前節と違って高原よりも相手のミスキックだったような)確実に負け試合になっていた。甲府に負けたあたりから、実は再び得点欠乏症のターンに入ったのではないか。

 前のエントリーでは、「三浦サッカー」の復活などと、脳天気なことを書いていたが、こういう波を見るにつけ、このチームには構造的な問題があるように思う。

 いくら得点が多くても失点が多ければ結果は僅差。また失点を少なくしても得点が少なければ、やはり僅差。10の力しかないチームが、攻撃に7を割くと守備は3、反対に守備に7を割くと攻撃は7。つまりこういうことなのだろう。

 いずれにしろ、水曜日の試合は、コンサドーレ札幌というチームの本当の実力が試される試合であることは間違いない。

posted by hibari |20:47 | コンサドーレあれこれ | コメント(0) | トラックバック(0)

2009年09月29日

三浦サッカーの復活

 そういえば、前回、湘南戦のレビューをすると言いながら、その実、高原物語に終始して、試合のことにはまったく触れていなかった、ということに今気がついた。

 前節というか、無失点で終わったこの3連戦。次のように言えると思う。すなわち、

 三浦サッカーの復活

 守備的と言われる三浦さんのサッカーは、印象ほど守備的でもなく、結構攻撃的だった。中盤をコンパクトにし、前からプレスをかけてボールを奪い、素早くゴールに運ぶというコンセプトは、石崎さんと変わらない。

 ではどこが違うかというと、ボールの奪い方のように思う。石崎さんは、相手のボール保持者に対して直線的にプレッシャーをかけ、相手が慌ててボールを失うことを期待する。そのために、ボールを持った相手に一目さんで駆け寄る激しい運動量が必要だ。

 これがために、前半でガソリンを使い切り、後半にガス欠することが見られた。そして、疲労が積み重なってくると前半から体が重い状態になった。それが、第1クールの勝ち切れなさの原因であり、第2クールの低迷を招いた原因。ちなみみハードプレスを信条とする水戸や湘南の今の不振も基本的には同じことだと思う。

 それで札幌の選手は考えた。第2クールの終わり頃から、前半は抑え気味に、プレスをゆるめるようになってきたように見える。体力温存を意識するあまり、前半から飛ばしてきた相手に後手後手になり、ペースをつかめないまま破れたのが、前のセレッソ戦、甲府戦だったのではないか。

 一方、三浦さんのサッカーは、全体をコンパクトにし、カオスの状態を作り出し、混戦の中で相手のボールをかっさらって、まずダビにぶつける、それが無理ならサイドに出す、というサッカーだった。そんな三浦サッカーの申し子は昨年までのキャプテン芳賀だ。

 ダニルソンが前々節に負傷退場をすると、穴を埋めたのが芳賀。当初、ダニルソンがつとめていたワンボランチを一人でこなせるのかという不安の声があったが、期待以上に役割をはたした。ワンボランチと言うけれど、三浦さんの時代、クライトンとダブルボランチを組んでいた芳賀は守備専門。攻撃をクライトンに任せた事実上のワンボランチだった。

 この3試合、身体能力に優れたダニルソンがいなくなったので、心配になったチームは、より全体をよりコンパクトにし、芳賀の守備範囲を狭めた。そして、このDFラインを統率したのが、これまた三浦さんを良く知る吉弘だった。さらにチーム全体も体力の消耗を嫌って、石崎サッカー流の鬼プレスを控えめにした。

 ほら、こうすると、あの三浦さん時代と一緒でしょ。

 4-4-2の三浦サッカーに対して、4-1-4-1の石崎サッカーと言うけど、三浦サッカーのツートップはダビと中山。これはキリノと宮澤の関係と変わらない。まして先発・控えを含め三浦サッカーを全く知らない選手は、石川と二人のブラジル人だけ。すなわちこの3試合。三浦サッカーのキャプテンだった芳賀を中心にして、システム的にもコンセプト的にも、三浦サッカーをやっていたのだ。

 そして、その結果は、1-0,1-0,2-0という実に三浦サッカーらしいスコア、というわけだ・・・違うかな?
 

posted by hibari |23:11 | コメント(2) | トラックバック(0)

2009年09月27日

高原寿康というミラクル

20090927-02.jpg
 高原寿康というキーパーは、愛知学院大学の時代に大学ナンバーワンキーパーとうたわれ、全盛期のジュビロ磐田に正ゴールキーパー候補として入団した。しかしルーキーイヤーの2003年8月左足首を複雑骨折し、シーズンを棒に振ってしまう。これが高原の最初の挫折だった。  怪我から復帰した翌シーズンにはまったく出番はなく、2005年に解散的な出直しを図ったJ2札幌にレンタル移籍。開幕から10試合にゴールキーパーとして試合に出たものの、11試合目、山形に0-3で敗れたのを契機に正ゴールキーパーを林卓人に奪われてしまった。これが高原二度目の挫折だ。  翌年も4試合しか出番がなく、レンタル期間が終わると札幌は「要りません」と答え、親元の磐田は高原の契約を解除してしまった。いく場を失った高原に、声をかけるクラブはなかった。所属クラブを失った高原は、練習生として札幌に留まる。クラブから放り出され、プロの資格を失うという屈辱を受けながらも選んだ練習生という立場。どんなに屈辱的だったことだろう。これが高原三度目の挫折だ。  しかし、人間どこで運が向いてくるかわからない。練習生として始まった2007年。ヴェガルタ仙台の正ゴールキーパー・シュナイダー潤之介の負傷により、林卓人が仙台に貸し出されると、札幌はゴールキーパー不足になり、高原は札幌と再び契約。晴れてプロのキーパーに戻った。  それでも高原は第3キーパーの位置づけだった。久しぶりにJ1の舞台に戻った高原に、試合出場の機会はなかった。それでも高原は腐ることなく、コツコツと練習を積み重ねていたのだろう。今年、開幕は第3キーパー。その後、佐藤が不調に陥ると第2キーパーに昇格。そして正ゴールキーパーへ。  そして今日。この試合のMVPは高原であることに、誰も異論はないだろう。  厚別での湘南戦ーーー。高原には特別の思いがあっただろう。2006年7月29日。J2第31節湘南戦。林の腰痛再発で1年ぶりに先発した高原は、この試合で5点も失ってしまう。湘南のシュートに対して一歩も動けず立ち尽くしてしまった高原。これで監督の信頼を失い、再びキーパーの座が巡ってくることはなかった。そして屈辱的な契約解除=練習生。  昨日、昇格は悔しさの総量、というコラムを書いた。本来であれば、昇格争いの最前線にいる湘南と、まだ可能性を残すとはいえ、アウトサイダーの札幌とは自ずからモチベーションが違ったはず。それでも、今日は札幌が気持ちでも運動量でも湘南を上回った。  J1を目指す湘南の悔しさの総量よりも、3度の挫折を乗り越えてきた、そして湘南戦に特別な思いがあるであろう高原の“悔しさの総量”が上回ったのだ。  札幌の昇格はミラクルだろう。ミラクルというのは現実には存在しないことを意味する。しかし、今日の高原は、一度はプロサッカー選手としての命を絶たれた者がこの試合に正ゴールキーパーとして立っていることを含めて、まさに“ミラクル”だった。ミラクルも、強い気持ちを持ち続けると現実になる。我らの正ゴールキーパーは、そう教えてくれる。


posted by hibari |22:02 | コンサドーレあれこれ | コメント(4) | トラックバック(1)

2009年09月27日

ミラクル・サッポロ

20090927-01.jpg
完勝でした~! レビューは後ほど


posted by hm1644 |16:31 | 写真館 | コメント(0) | トラックバック(0)

2009年09月26日

昇格は“悔しさの総量”

今日は思いっきり感情論だ。

とどのつまり昇格は、クラブの“悔しさの総量”によって決まるのだと思う。J2に落ちて悔しい。何年も昇格できずに悔しい。こんなところにいることが悔しい。こうした悔しさの総量が、もっとも多いクラブが昇格する。

長年J1に定着し、現在も実力のあるクラブは、J1の舞台にいない自分たちが悔しい。昇格を期待されながら、涙を呑み続けたクラブは、悔しさがたまりにたまっている。

これは今期の上位チームにそれぞれ当てはまる。そして札幌は、セレッソ戦の初戦を除き、それぞれに“悔しさ”をため込んだ上位チームに勝てていない。

こうしたチームと戦うとき、若い札幌は、この前の甲府戦が顕著だったが、一対一で、相手のボールやポジションを譲るような場面が見られた。たった一つのボールを巡って、相手に睨まれると、思わず視線を落としてしまう。こうなる決して勝てない。

クラブとしての歴史に加え、選手一人一人の“悔しさ”の量にも違いがあるだろう。J1から解雇され、見返してやりたい思い。再びあの檜舞台に立ちたい想い。それらは、やはり長くプレイしていた年長者の方にこそ高いだろう。

札幌は一昨年に「悔しさ」をはき出し、今年は若手が中心となったことで、“悔しさ”の総量が落ちてしまったのではないか。しかも、昨年までJ1にいた。ほとんど勝つことができず最下位だった。そのことが、J2にいたくないというモチベーションを下げているのでは、ないかと想うこともある。

明日の対戦相手。湘南は94年には天皇杯を獲得した日本サッカー界の名門。その名門が、99年に降格し現在まで10年にわたってJ2にとどまっている。この間にためこんだ“悔しさの総量”は膨大なものだろう。

前節、湘南のスタメンの平均年齢は24.5才。対して札幌は21,7才。ちょうど大学生と社会人ぐらいの差がある。個人がため込んだ悔しさの量でも相手が上回るのだろう。

しかし、それでも札幌は明日、勝たなければならない。負けることは許されない。
理由は、もう述べるまでもないだろう。

posted by hibari |21:36 | コンサドーレあれこれ | コメント(0) | トラックバック(0)