コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2013年12月24日

Jリーグが地上波で放送されない理由とは?(その9/時間帯)

前回までの記事
Jリーグが地上波で放送されない理由とは?(その1)
Jリーグが地上波で放送されない理由とは?(その2/神奈川・千葉は放送ゼロ)
Jリーグが地上波放送されない理由(その3/札幌vs北九州どっちが放送多い?)
ホームゲームの地上波放送回数は規制されているの?(地上波分析その4)
Jリーグが地上波で放送されない理由とは?(その5/地上波と放映数規制)
地上波のホームゲーム市場(Jリーグが地上波放送されない理由その6)|
Jリーグが地上波で放送されない理由とは?(その7/制作費)
Jリーグが地上波で放送されない理由とは?(その8/CM単価)
Jリーグが地上波で放送されない理由とは?(その9/時間帯)

J1の地上波放送回数
J2の地上波放送回数


■時間帯
全国ネット系列局は、キー局が押さえている時間帯(朝の情報番組帯、昼のワイド帯、ゴールデン)は
Jリーグの放映は絶対にしません。
キー局の広告が日本中で見られるコンテンツに載ることが大前提なのに対し、
Jリーグ(地域密着)はそのビジネスモデルに相反するからです。

5月に開催された20周年記念試合(浦和-鹿島)で手の込んだ演出を行いましたが、
地上波放送全国放送は適わなかったのが好例(放送したのはNHK-BS1/テレ玉)。

さらに、土日の17時頃~25時頃までは、Jリーグの試合を全国ネット地上波で放映する可能性はない。
夏場の試合時間は夜間帯(18時頃~21時頃)ですから、この期間は系列局での放送の可能性はほぼゼロ。
(札幌の夜間試合は年に数回ですが)
放送許諾料をいくら安くしようとも、テレビ局としては広告料収入が入ることが求められ、
広告代理店としては広告価値を全国規模で確保しつつ広告料収入が入ることが求められますが、
そもそもビジネスモデルがあってない以上、リーグ戦の放映をキー局に求める意味はありません。

念のため調べたところ、今年系列局で夜間に放映したのは、1試合のみ!(それでもすごい!)
第23節8月28日(水)19:02 清水4-3鹿島アイスタ 静岡放送(TBS系列)

つまり生中継するには「土日の12時頃~17時頃」で「キー局の放映がない時間帯」しかありません。
「深夜帯に録画中継を~」とも考えましたが、結果が速報で伝播した状況で放送しても、
放送する側としてはあまり旨味はありません。

この問題に関係なく土日の夜に放映できるのがキー局の影響が無い「独立U局」の強みです。
なので私の結論は、キー局は全力で無視して、
独立U局やケーブル局向けの放送使用料を下げつつ回数とエリアを増やすことと考えています。
下げなくたって、放送している局はありますし。

あとは、試合を90分流しても、広告を放送する枠が少ないのがネックなので、
特にサッカー専門番組以外で3分ハイライトを10分くらいまで流せる料金体系や制限にした方が、
「サッカーに興味ないけどスポーツニュース見ちゃう層」への波及効果は高いと思います。
サッカー専門番組は、地元クラブを応援する人しか見ない番組になっているのが、実にもったいない。
(クラブ応援番組のツボは、試合映像ではないとも思います)

全国ネット系列局に対しては、3分無料マスタテープを選手が抱えて、
地方局の情報番組に営業行けばいいのにと思います。
実際に試合に出た選手が解説するのって、意外なほど刺激的で盛り上がります(かつてそんなイベントを経験しました)
選手のトークがうまいことが必須ではありますが、棒読みしかしない選手を鍛える期待も込めて述べてます。

・一定回数以上放映したら割引く(5回放映したら6回目以降半額など)
・録画は割引く(昼の試合を深夜に放映する場合など。二次利用だと3分の1。)
・もっと狭いエリアに限定して格安の放送を展開する(NHK札幌で放送せず、NHK函館で放送するなど)
・10分くらいの長いハイライトを野々村社長が解説する(5分+5分で間にCMを入れられるように)

でも、スカパーやNHK-BSでじっくりハイライト番組をやっている以上、
コアな視聴者層=これらを見た視聴者が、その後の時間帯で放送される
民放地上波のハイライトを見るかと言うと、あまり見られない。
それ以外の視聴者層で、視聴率を底上げできるかというとかなり厳しい。
結論は、サッカー専門のハイライト番組ではNGで、
民放地上波のスポーツ番組にねじ込むしかないんじゃないかなあ。
でも速報Jリーグゴールハイライトは、20分くらいでコンパクトにまとまっていて、
全国ネットに安売りできそうなのは、アレくらいですね。
全国ネットに安売りじゃあダメか。やはりクラブがある地方局と独立U局に安売りの方が、
単純に放送回数が増えて、広告価値高しと位置づけられるかもしれません。
む、難しい。


以上を踏まえて、motoさんのコメントに対するリプライ。

>ここからは個人的考えですが、一ついえるのは「放映権料を増やす」、「放映権料で稼いで分配金を」というよりも、
>そこで儲けなくてもいいから「地上波はあくまでプロモーション用に使わせてもらう」くらいな発想でもいいんじゃないでしょうか。

ご指摘の通り「地上波はあくまでプロモーション用」とどこまで割り切れるかがカギのような気がします。
しかし、90分の試合放送は、やはり放送枠と経費と広告料のバランスが悪すぎて、かなり厳しい。
プロモーション用の編集済み映像をパッケージ売りするならいけそうな気がします。

10分くらいで、決勝ゴールのみにまとめた映像なら、売れそう・・・いやキツイか。
1社だけでなく、朝放映する局、深夜に放映する局、昼に放映する局など、
同じ映像を時間帯別、局別に安売りで広告斡旋or無料でJリーグが自社提供する。
そうすれば、1社提供でもいけそうですし、時期によってはJリーグの自社提供でもよいかも。
それでも年間通せば、数億円のプロモーション費用がかかりそうですが。。。
ここを割り切れるかなあ。

>クラブの地元だけでなく全国展開するような大手だって、40クラブで毎週末20試合全国各地で試合があって、
>全てローカル放送ありとは行かなくても、10数試合規模で全国各地で放送されてるとなれば広告露出機会としては結構なボリュームです。
>現状Jトップパートナーは1億らしいですが、「それだけ写るなら2億出してもいい」
>「4億出すからウチだけLED看板の表示時間を10分余計にくれ」と言う
>野心的なところも出てくるかもしれません。

この考え方は、正しいと思います。
ただし、それを「90分の試合」となると、かなり厳しい。

独立U局の放送回数が多いのは、彼らのビジネスモデルと合致していることと、
低価格なこと、キー局の影響がないことが要因だと思いますが、
それでは、神奈川やちばで放送されないのはなぜか?

独立U局以外の全国ネット系列局には、キー局が押さえる「時間帯」という壁があります。
これらの放送回数が多いのは、清水9回、磐田4回、名古屋4回、松本5回、岡山4回です。
これら以外の「その他地方局価格」の地域で放送されないのはなぜか?

この辺の課題を解決するカギは、ご指摘のとおり、
>「地上波はあくまでプロモーション用に使わせてもらう」くらいな発想
などだと改めて強く思います。

posted by sca25 |00:01 | Jリーグ地上波放送分析 | コメント(2) |

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この記事に対するコメント一覧
Re:Jリーグが地上波で放送されない理由とは?(その9/時間帯)

確かに東京キー局の弊害(影響?)は大きいように思います。

東京キー局が地元東京のクラブの試合を放送して、各地域の放送局で地元クラブの試合に差し替えるというのがいいような…。

とはいえ肝心の東京キー局がやらないのでは差し替えようがないですが。逆に戦略的に言えば、東京キー局さえなんとかすれば、他でも中継される裏返しにもなりますが。本丸を抑えないことにはどうにもならないですね。

posted by momo| 2014-10-08 10:29

Re:Jリーグが地上波で放送されない理由とは?(その9/時間帯)

コメントありがとうございます。
全国的に人気のあるチームならともかく、「地域密着」を掲げる限り、
Jクラブが
>東京キー局さえなんとかすれば、
私の捉え方としては、一定の視聴率を全国で求めてくる広告代理店の首を
縦に振らせるくらいの魅力あるコンテンツになる必要があります。
放映権料に見合った視聴率にはならないし、地域密着のせいで
他地域からは見られない(視聴率低い)しで、露出増で苦しんでるようです。

posted by sca| 2014-10-11 03:56

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