コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2008年01月29日

母ちゃんの賞味期限

タイトルは若干刺激的ですが、いたってまともな話をするつもりです。


近頃色々な所で問題となっている「賞味期限」

昨日はミートホープの元社長の初公判があって、今朝あたりはみの某の番組等で、被告人が以前マイクに向かって「消費者も悪い」という趣旨の事を言ったシーンを繰り返し放映して、「被害者=消費者」を騙し続けてきた被告人の悪者ぶりを際立たせようとしていた。

さて。

以前、たまたま実家にいた時にこのニュースが報道されたことがあって、母ちゃんと話したことがあった。

そのときも、確かこの発言が流されたのだ。

母ちゃんは言いましたね。

「こいつの言う通りさ!」

つまり、あの元社長の言っていることが正しいというわけです。

うーむ、どう反応したものかと思い、聞いてみる。「言う通りだってかい?」

「そうさ、当たり前だべさ!」



母ちゃんの言い分をまとめると

○ 確かにこの社長は悪い。しかし最近の消費者が安い物に何でもすぐ飛びつきたがるのは紛れも無い事実。

○ 安かろうが高かろうが、悪いものは必ず存在する。

○ 安いものには何か裏があると考えるのが当然。そうでないと儲かるはずが無い。

○ そういうものを容認してきた消費者に責任が無いなんてことになる訳がない。

○ 賞味期限の事ばかりうるさく言っているけども、そもそも食べて良いものか危ないものかを判断するのは他でもない消費者の目と鼻と舌だ。

○ そういう根本的な事を忘れて、いくらでも改ざんできる数字(=賞味期限)を信頼しようとする人間の気が知れない。

○ 数字にばかりこだわるのは、食に対する自分の感覚に自信が無い(或いはそういう感覚を持っていない)からではないか?


そしてとどめに、「ホント、アホだもの」ときました。


肩身の狭い思いをしながら母の持論を拝聴したわけですが(笑)、
(あのミートホープの偽装肉を見抜けって言われても実際難しいだろうしなぁ)

その辺の新聞や本に書いてあることよりも、よっぽど勉強になる話でした。

そういや昔、牛乳を飲もうと思ったら賞味期限が切れてて、母ちゃんに言ったら、おもむろに匂いを嗅いで「大丈夫。死にゃあしない」と言ったので、若干不満ながらもそのまま飲みましたが、勿論全く問題ありませんでした。現在は一人暮らしですが、こういう事は日常茶飯事になりました(爆)。

ではウチの母ちゃんは偉そうなことを言えるのかというのが問題なのですが、母はいわゆる「冷凍食品」は原則買ってきません。餃子であれば豚肉と皮を買ってくるし、コロッケであればじゃがいもを買ってくる。もちろん貧乏な家だから素材はスーパーの安売。しかし母ちゃんはスーパーに山になって売られている中から眼鏡に合うものを選んでいる。これは何もウチに限ったことではなく、一般的なご家庭であればどこもそうであろうと思います。

私はそば等の麺類が好きなのですが、母が作る時に、麺つゆは必ずだしからとっています。つまりスーパーで売っている濃縮されたつゆは使いません。曰く「保存のために添加物が入っているから、どうしても味が落ちる」とのこと。普段私が一人で作るときは、一人暮らしなので取り置きしておくことができず、止む無く濃縮つゆを使うのですが、味の違いは歴然です。

話は横道にそれましたが、このような感覚を持った親の元に生まれて私は本当に幸せであると思います。手作りと既製品の違いというのは、手作りを知らない人には判別しようがありませんからね。今の私がとりあえず健康でいられるのは、母親が食に対してそういう感覚を持っていたということも大きいのでしょう。

石屋製菓の事もそうですし他の事件もそうですが、賞味期限というのは企業と消費者との「約束」という側面もあると思います。ですから「食えれば大丈夫」だからといって企業側が無断で約束を破ることは許される筈がありません。この点において私は今でも石屋製菓に対して厳しい認識を持っています。

しかし、賞味期限なんてのは結局あっても無くても同じなのでしょう。
一連の偽装事件で明らかとなったように、賞味期限前だからといって絶対に安全だとは限らないのです。食えるか食えないかを最終的に判断するのは消費者の視覚・嗅覚・味覚です。

思いがけずそんな事を、この年になって母ちゃんから学んだという事であります。

posted by Gekitei |23:20 | 社会の痛い話(含 バカ話) | コメント(3) |