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2007年05月04日

局面に応じた柔軟性が必要だ-第1クール総括

 第1クールが終了しました。すぐに仙台戦があるので「一区切り」という感じはしませんが、それでも開幕から二ヶ月が経過したわけですから、ここいらでチームの現状・課題及び今後の展望を自分なりに整理してメモしておこうと思います。
 
【期待以上の勝ち点-成績】
 第13節終了時点での勝ち点は24、成績は7勝3分2敗。開幕戦を目撃してしまった者としては、正直予想外の結果です。
 ここまでで評価できるのはしぶとく勝ち点を拾えた試合が多かったこと。負けて帰ってきた直後でしかもしょっぱいゲームだった鳥栖戦、拮抗した展開だったC大阪戦、内容的には良くなかったらしい水戸戦、3点差を追いつかれるという最悪の展開から勝ちをモノにした東京V戦と、どちらに転んでもおかしくない試合でいずれも勝ち点3を取れている。今後は湘南戦のような日程的に有利な状況での取りこぼしをなくすとともに、上位の勝ち点を削ることが大事になってくるでしょう。
 「これ以降は、○○の話はしないでほしい」そうなので「上位争い」と言い換えることにしますが、上位争いに参加するための、まずは最初の必要条件をクリアしたと言えるでしょう。次の目標は「勝ち点45」ということですが、次の12試合を2勝1分1敗ペースでいくと45に到達。イメージとしては「ホームでは勝ち点3、アウェイで取りこぼすのはやむなし」という感じでしょうか。相手との兼ね合い、日程なども関係してきますが、少なくともこれくらいかかっちゃうと思います。ヘタしたら第2クール中には届かないかも知れません。
 
【ベースとなる闘い方は見えた-戦術】
 「極力ポジションを崩さず、しかしアグレッシブにボールを奪いにいく」。主に、というかほぼ全てを守備の構築に費やしてチーム作りを行ってきた第1クール。ここまでは一定の成果を上げていると言って良いでしょう。ただ、それもあくまで「アグレッシブに」ができているからこそ。これができなかった京都戦・草津戦は無惨に敗れ去っています。
 「組織的な守備」という言葉が先行していますが、実はこのやり方の肝は「一対一で負けない」ことにあると僕は見ています。まぁどんなやり方でも最後はここに帰着するわけですが。
 練習では(といっても一回しか見ていませんが)、中盤の選手がDFラインまで下がって守備をするということをほとんどしません。それは全体のバランスを崩さないことためであるとともに「自分のエリア・マッチアップする選手は責任を持って止める」ことを意識させるためと見ました。つまり、自分の受け持ちを突破させれば即ピンチになるよ、と。
 もちろん実際の試合ではさまざまな局面が生じますのでポジションを崩すこともあるでしょうが、基本は練習でやっているような方針で試合にも臨んでいるはずです。だから三浦はいつも「アグレッシブに」という点を強調するわけです。最後に奪い取るところは一人一人の責任だよ、と。
 システム(=戦術)ありきではない、まず一つ一つの局面での個人の頑張りがあってこそのシステムであることを、やる側も見る側も肝に銘じておく必要があると思います。覇気のないプレーには容赦のない批判の声を。

【そろそろ構成をいじりたい-攻撃】
 さて、最大の関心事は「今後得点力はアップするか?」というところだと思います。今のところ上位の勝ち点は拮抗しています。このまま競ったまま終盤戦に向かう、というのが近年のJ2の傾向です。得失点差のことを考えてもできるだけ得点は取っておきたいところです。
 順位のことだけでなくこれからの闘い方を考えても、現時点での攻撃には不満です。第1クールに関しては「新監督・新しいシステム・昨年のトラウマ・ダヴィが未知数」と、慎重な闘いを選択せざるを得ない事情が山積みでしたから、ここまでの闘い方には至極納得です。が、そろそろ新しいことに着手して良い頃合いです。何より相手も札幌のやり方を知ってくるわけですから、何かプラスアルファの要素を入れてこないと厳しいと思います。
 そこで攻撃へのてこ入れとなるわけです。方法はいくつか考えられますが、これが一長一短。
 まず「後ろからの攻撃参加を積極的に行わせる」という方法。これはなかなか難しい。中盤真ん中の二人は今のところ守備のバランスを考えつつ良く攻撃参加していると思います。これにDFラインからの攻撃参加を加えるとなると、まず逆襲が怖い。さらに現状では西澤が入っている右サイドに別な選手を入れるとなると…見あたらないんだなこれが。紅白戦でもあれあれ?な組み方をしていますからね、Bチームの両サイド。
 次に「FWの組み合わせを変える」という方法。今年のやり方だと「ボールを収められるFW」を必ず一人、という組み合わせにせざるを得ない。で、今は守備のことも考えてダヴィと中山という組み合わせになっているわけですが、攻撃のことだけを考えるとこの組み合わせを変えたい。ダヴィと相川、相川と石井というのが上手くいきそうなんですが、相川のコンディションが良くなさそう。加えてどちらかを変えるとなるとこの守備が継続できるか心許ない。
 「中盤の構成をいじる」という方法もあります。問題は砂川の使い方。できれば中でプレーしやすいポジションで使いたいところです。中盤を3-1にして右から芳賀-大塚-カウエの並びの前に砂川、あるいはFW込みで構成を変えて2-3-1(4-1-1)、3の真ん中(あるいは1トップの下)に砂川。1トップの下は湘南戦かなんかでやってるんじゃないでしょうか。ただこれだと中盤の守備を一からやり直さなければならず、このことがどう出るかというネックがありますね。
 結論として、フォーメーションはいじらずに、中盤を中心として選手の組み合わせを変えるという方法をまずは取ってくるのではないでしょうか。コンディションの問題などもあるので、6月頃には中盤から前の方の構成はがらりと変わっているのではないか、というのが私の予想です。さて、どうなっているか…。上手く当たっていればお慰み。
 
【まさにダイナモ-ピカイチ君 of the 1st cours】
 芳賀。どのチームでも中盤の真ん中というのは大事なポジションなのですが、とりわけこのシステムだと、ボール奪取、最終ラインがはね返したボールを拾う、攻撃参加と、全ての局面においてここの選手がカギを握っています。ここまではこの選手にずいぶん助けられています。彼のベストゲームは愛媛戦。去年同様、一年を通して働いてもらわないと困る選手です。
 
【勝てない時期は必ず来る-展望】
 さて、今後の展望です。まず、5・6月は日程が結構キツイ。5月はホーム・アウェイの数が2:4。5月末には23日(湘南)-27日(福岡)、6月半ばには10日(鳥栖)-13日(愛媛)という、タイトなスケジュールに長距離移動・タフな相手という三重苦が待っています。ここでチーム全体がコンディションを落とすようなことがあればそのあとも苦しくなってくるでしょう。体調管理は万全に。
 このようにピッチ上以外の問題も出てくるわけですから、今後は中長期的な視点からの闘い方を選択することになるのではないでしょうか。つまりコンディションに問題を抱えている選手はしばらく外す、(ハナからというわけではないが)展開次第では勝ち点1を拾えば御の字という戦術を取る、などなど。攻撃面も含めて柔軟性を持たせた闘い方をしていかなければ苦しいかな、というのが第2クールの展望です。おそらく順位を下げることになるでしょうが、チームが次の段階に行くための通過儀礼だと思って、この二ヶ月は辛抱の時期だと腹をくくりましょう。もちろんこの予想が外れてくれるのが一番良いわけですが。

posted by tottomi |22:07 | コンサドーレ | コメント(2) | トラックバック(1)