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2006年02月08日

阪神甲子園球場

 拝田さんのところでスタジアムについて書かれていたので便乗。といってもサッカースタジアムの話ではありません。野球場の話です。何だかんだ言って日本においては今でも野球がメジャーなスポーツであることに変わりはありません。そのスタジアムの雰囲気を、少ない体験ながら書いてみようか、と思っていたところに渡りに船、便乗してしまおうと思った次第。
 私の実家は「大甲子園」の近くです。本籍地に「甲子園」って書いてある。このことはちょっとした誇りでもあります。
 ただ、生来の天の邪鬼故、阪神ファンではありません。阪急ファンでした。小学4年生の時、クラスで阪神ファンによる冗談3割・本気7割の「巨人ファン狩り」が行われたときに、「"阪"が付くから許したろ」というわけの分からない助かり方をしたことがあります(w


 甲子園での記憶は高校野球の方が多いですね。今は知りませんが外野は子供はタダ、内野席も小遣いで行ける程度の値段でしたから。小学生の頃は足繁く通ったものです。桑田・清原のPLは強かった。

 大学に入って、夏休みに帰省したときに友達に誘われて阪神の試合を見に行ったのが、思えば「声を上げて立って応援する」というスタイルの初体験でした。まぁ、スゴイです。外野席から内野席にかけていわゆるコールリーダーが等間隔に並び、彼らの合図で一糸乱れぬ声援がほぼ360度で展開される。そしてこれがまたゲームの流れをよく読んでいる。
 去年の日本シリーズ見た方は分かると思いますが、ロード(アウェイのこと)のファン(ロッテの場合は「サポ」か)はそれはそれは肩身の狭い思いをしているでしょう。今は知りませんがライト側(ホーム)からレフト側(ロード)にも大量に詰めかけた同志に向けて「がんばれレフトの阪神ファン!」とコールが飛ぶような世界(w
 この甲子園の雰囲気については、ジャーナリストの藤島大さんが各地のスタジアムについて書いた『Number』の連載で取り上げられていました。これ、確か単行本になっていますよね?

 このようにプロ野球の時には興奮のるつぼと化すわけですが、それでも様々なスタイルで楽しんでいる人々が共存しています。最近ピンクのユニが売り出されて、若い女性も多く着て応援しているようです。ま、あんなモン着るの関西人だけでしょうけど(w

 一方で話は戻りますが、高校野球。こちらは雰囲気ががらりと変わります。一昨年かな?久しぶりに高校野球を、あまり行ったことのないバックネット裏で観戦しました。
 円山球場でも感じたのですが、野球を勉強するには「高校野球の試合を見ながらバックネット裏でオッサン達のしゃべりを盗み聞きする」のが一番です、ホントに。生きた教材(試合)を前に、本当に野球を知っている方々の解説を聞いていると、「あ、オレ間違えたかな?」とか「お、オレと考えてたこと同じだ」などと、自分の眼を磨くことができて、非常に有意義です。当然ながら甲子園にはこうした「素晴らしきオッサン達」が大勢いて、とても濃厚な時間を過ごすことができました。
 もう一つ、素晴らしい雰囲気を醸成している要素は「銀傘に響く拍手」ですね。開始時の拍手。期待されている選手に対する拍手。良いプレーに拍手。ファウルフライにダイビングキャッチを試みたキャッチャーに拍手。アクシデントで降板を余儀なくされたピッチャーに拍手。そしてゲームセット後の、両チームの健闘を讃える拍手…。全てが銀傘に反響し、何とも言えない心地よい音を響かせます。銀「傘」なのに、下にいると降ってくる「拍手の雨」。これ以上に素晴らしい拍手の音色を聞いたことがありません、残念ながら札幌でも。

 その他にも、ツタの絡まる外観、美しい天然芝、かち割り氷、焼きそばや焼きイカのにおい、それら食べ物の汁で汚れているせいかベタつく通路…。最後のは余計か(w


 このように、確かに器として甲子園球場は素晴らしい要素を持っているわけですが、プロ野球・高校野球ともに、目の肥えた観客との相乗効果でスタジアムの雰囲気がより良いものになっているのは間違いありません。

 幸い、札幌ドーム・厚別など、まだまだ短いながらも歴史を刻んだスタジアムを我々は持っているわけですから、今のスタジアムの雰囲気をより良くするために、自分の居場所で色々やっていきたいものです。そして(やっとここまできたぞ(汗)、もし仮に新しいスタジアムができるとすれば、拝田さんの書かれている要素の詰まった、素晴らしい器になることを期待しています。


posted by tottomi |12:21 | その他 | コメント(7) | トラックバック(1)