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2007年01月20日

「勝利至上」の陥穽を憂う

今からネガってるんじゃねえよ、と叱られそうだし、実際に
そう仰っているブログも多い。チームの個々、全体両面の向上も
ある程度実感でき、サポーターの多くも期待している声の方が
多いだろうとは思う。オイラもチームに力がついてきているとは
思っているので、期待はある。

ただ、逆にネガるなら今のウチだな、という気もしている。
負けが込んでネガるのはみっともないし、勝ち進んでいる
時にネガっても聞く耳はなかろうし、そもそも自分が冷静になれない。
冷静な自分を維持できているオフの間に、後々自戒を込めて
ネガっておいたほうが良いかもしれない。前回にも書いたとおり
精神的には不健全だとは思うが。

何をそんなにマイナス思考なのか、と非難されても仕方ないが、
とにかく「勝つことだけが全て」という思考にチームもサポも
一色に塗りつぶされることがとにかく恐いのである。
もちろん勝つこと、そして昇格を目指すことは言うまでもなく
重要で、これを二の次にすることはもうできない。資金的なタイム
リミットが何よりも厳然として存在している以上、また、昨季の
実力と順位とのアンバランスに泣かされたサポーターの気持ち
としては、さすがに結果を、と思わずにはいられない。

だが、それでもなお、勝利至上が安易に「つまらない試合でも勝てばいい」
につながる落とし穴を、オイラは恐れる。

オイラは野球に全く関心のない人間なのだが、どこかで
「スミ1」という言葉を聞いたことがある。
まだ試合開始で観客も入りきっていない1回表(裏)で、
選手もまだエンジンのかかっていない頃にポコンと1点。
その後はなんとなく両チーム0行進。
観客はだんだんと入ってくるが、目の前で繰り広げられていく
のは貧打ばかり。目の醒めるような打球もなく、快刀乱麻を断つ
がごとき投手戦でもなく、好打がないため攻守も見られず、
結局1-0で終了。勝ったチームには勝ち点が与えられて順位が上が
って、言うことはないはずだが。

考えてみたらウチらもこういう得点をよくしたよな(汗)
相手がまだ目覚めてないうちにポコン、で先制、って。

こういうスミ1の試合でも勝ちは勝ち。
でもなあ、どうだろう、こういう試合を見せられる観客の心理って。
オイラだったら少なくとも、次も見に行こうという気持ちは大きく
削られるな。プロとして金を取ってみせる試合である以上は、
プロとしてのパフォーマンスを見たいもの。
試合終了後の電光掲示板の勝利のスコアだけが重要なら、
テレビで見るか、もっと言えばネットの速報でかまわないわけだ。
そんな砂を噛むような試合でも是とするような空気になるのが、
とにかく恐い。


少し目の先にボールが出てきて、相手選手が猛然とそのボールを
狙ってきている。プロのサッカーを堪能したい、という観客と
しては、そのボールを奪おうと相手と競い合う選手のアビリティを
発揮するのを見たい。
自分の持ち場を守ろうと後ろに下がって待ち受けるのも、
場合によってはアリではあろうが、それが金科玉条になって
しまったら、果たしてそれはプロのゲームなのだろうか。

極論すれば、勝利は良いパフォーマンスの結果としてついてくる
べきものだと思う。そのことをチームがちゃんとわかっているのか
どうか、開幕するまでややネガりながら待つ。そして開幕して
からもできるだけ冷静に見守りたいのだが、最初に書いたとおり
開幕しちゃえば冷静ではいられないだろうな、とも思う。

だから、今のウチに。

posted by FT |08:56 | コンサドーレ札幌 | コメント(3) | トラックバック(0)