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2009年10月07日

すべて負け惜しみです

 このブログを見る人は、もう結果は知っているだろう。
 ご承知の通り0-1での敗戦だった。それもロスタイムギリギリでの失点というもの。しかし、それでも、この試合を見た人は幸せだったのではないだろうか。

 この夜、聖地厚別から10キロと離れていない札幌ドームでは、日本ハムが満員の観客を集めて試合を行っていた。10月の厚別は肌寒く、この試合のために厚別に足を運んだ人は、よっぽどのサッカー好きだったろう。それでも、この日の試合は、サッカーが好きな人ほど、面白くみれたのではないだろうか。

 これで、札幌が勝てば最高であったが、負けたと言うことも含めて、サッカーというスポーツの深淵に触れたように思う。(まぁ、半分は負け惜しみなのだが)

 さて試合は最後の最後で決まった。セレッソの攻撃をゴール前で受け止めた札幌の誰か(ビデオを見直していないので申し訳ない)が、足下に入ったボールを、どうしようかと迷ったところに、相手が突っ込みボールを奪われ、決勝点をいれられてしまった。

 こう見ると、最終ラインの凡ミスだが、単に格上のセレッソの猛攻を防ぐだけならば、足下に来たボールを単純に跳ね返して終わりだったろう。そうであれば、負けることもなかった。

 しかし、この選手は、単純に跳ね返すと、どこか見方に有利な場所にフィードしてカウンターのチャンスを作りだそう、という二者択一で迷ってしまったのに違いない。つまり、勝利をあきらめていないことの故に、喫してしまった敗北なのだ。

 これは非常にサッカーというスポーツを象徴する失点である。キーパーのすぐ前というバイタルな場所にあっても、サッカーという競技は、フィード一つでカウンターのチャンスを演出できるのだ。そして札幌の選手は最後にこれに賭けた。

 こうした賭けに出たこと。そしてそれが失敗したこと。この失敗を見逃さずにゴールを陥れた相手。相手と我々との実力差。そうしたすべてが象徴されていた一瞬だった。
 
 この決勝点の場面に限らず、90分間にわたって、両チームの心理戦を含む、高度な応酬が楽しめた。点が入った、勝った、負けた、というだけでない、サッカーの面白み、深み、それを堪能するにはいい試合だった。

 ・・・・もちろんすべて負け惜しみです。

posted by hibari |23:44 | 試合の感想 | コメント(3) | トラックバック(1)