2013年08月29日
J1残留に必要な強化費は10億円(Jリーグ経営情報で見るコンサドーレ9)
コンサドーレ札幌の経営状況と現在地を、Jリーグ経営情報開示資料を基に探ります。 今回は「チーム人件費(強化費)」です。 もくじ 1★2012年J1/J2営業収益順(百万円)こちら 2★2012年J1/J2広告料収入順(百万円)こちら 3★2012年J1/J2営業収益に締める広告料収入の割合順(百万円)こちら 4★2012年J1/J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計順(百万円)こちら 5★2012年J1/J2入場料収入順(百万円)こちら 5-1★年度別興行収入と入場者数こちら 6★2012客単価J1/J2 客単価(円) 興収(百万円)こちら 6-2★2012客単価+バクスタチケット価格J1/J2 客単価(円) 興収(百万円) バクスタチケ代(円)こちら 7★2012年J1/J2アカデミー関連収入順(百万円)こちら 8★2012年度J1/J2その他収入+アカデミー収入(百万円)こちら 9★2012年度J1/J2チーム人件費順(百万円)←今回★ 10★2012年J1定着,残留,昇格/J2PO進出基準(Jリーグ経営情報で見るコンサドーレの現在地2012年度まとめ) 参考資料 2012年度Jクラブ経営情報開示 平成24年12月期有価証券報告書(PDF:2.16MB) 経営状況で見るコンサの現在地(2011年度まとめ)
★2012年度チーム人件費順(百万円) チーム人件費とは何か? 「選手・監督・スタッフ基本報酬、勝利給、支度金、移籍金、レンタル料」 ★9 ★2012年J1チーム人件費順(百万円) 親 チー 人件 営業 人件費 順位 会社 ム 費 収益 割合 日立 木白 2,047 3,551 58% 6位 トヨタ 名古屋 2,009 3,993 50% 7位 三菱 浦和 1,910 5,353 36% 3位 住友 鹿島 1,888 4,160 45% 11位 Docomo 大宮 1,787 3,344 53% 13位 パナ G大阪 1,707 3,285 52% 17位 日産 横浜FM 1,601 3,717 43% 4位 東京ガスF東京 1,574 3,865 41% 10位 ヤマハ 磐田 1,437 3,391 42% 12位 富士通 川崎F 1,428 3,073 46% 8位 マツダ 広島 1,412 3,176 44% 1位 (- J1平均 1,407 3,152 44%=) 鈴与 清水 1,281 3,449 37% 9位 楽天 神戸 1,157 2,250 51% 16位 -- 仙台 1,079 2,303 47% 2位 ヤンマーC大阪 969 2,618 37% 14位 -- 新潟 940 2,405 39% 15位 -- 鳥栖 610 1,454 42% 5位 -- 札幌 495 1,347 37% 18位 ===================== (- J1平均 1,407 3,152 44%=) (- 札幌 513 1,297 39% 3位★J2/2011) (- 札幌 495 1,347 37% 18位★J1/2012) (- 札幌 280 1,055 26% ?位★J2/2013予算) 広島は金がないイメージであったが、上位争いに絡むには最低限必要な資金力があることが分かる。 その中でも、昨年は大当たりの年だったということか。 仙台は、人件費の数字だけでいえば降格圏内の少し上で、それが2位へ躍進したことの方が、 より凄いことのように思える。 鳥栖に至っては、鳥栖の営業収益を超える人件費をかけたクラブの大半より順位が上にくるという 仙台よりも驚異的な成績だったことが伺える。 では逆に、金かけた割に成績が振るわなかったクラブといえば? 筆頭はG大阪。これは今更述べるまでもない。 J2に来てくれたおかげで、J2各クラブの観客増という大きな貢献をしているので、 むしろ感謝すべきことかもしれない。 (8/12現在、G大阪のホーム観客より、アウェー観客数の方が多い) 神戸は落ちるべくして落ちたとも言えるし、札幌は戦う前から勝負にならなかったといえよう。 人件費率が50%を超えるクラブが柏、名古屋、大宮、G大阪、神戸の4クラブ。 ACL組の柏、名古屋、G大阪が人件費をかけたというのは理解できるが、 それにしたって、かけすぎでは? J1定着ラインは、14億円。 J1残留ラインは、10億円。
★2012年J2チーム人件費順(百万円) 親 チー 人件 営業 人件費 順位 会社 ム 費 収益 割合 JEF千葉 1,038 2,408 43% 5位 京セラ京都 591 2,039 29% 3位 -- 横浜FC 490 1,054 46% 4位 大塚 徳島 489 1,050 47% 15位 -- 甲府 476 1,179 40% 1位 -- 山形 459 1,047 44% 10位 -- 福岡 411 854 48% 18位 -- 岡山 389 878 44% 8位 -- 東京V 369 1,470 25% 7位 -- 湘南 366 869 42% 2位 (- J2平均 363 936 39%=) -- 栃木 338 791 43% 11位 -- 大分 298 986 30% 6位 -- 松本 284 893 32% 12位 -- 富山 264 599 44% 19位 -- 北九州 259 682 38% 9位 -- 熊本 254 678 37% 14位 -- 愛媛 238 546 44% 16位 -- 岐阜 212 528 40% 21位 -- 鳥取 212 576 37% 20位 -- 水戸 205 483 42% 13位 -- 草津 184 496 37% 17位 -- 町田 152 493 31% 22位 =================== (- J2平均 363 936 39%=) (- 札幌 513 1,297 39% 3位★J2/2011) (- 札幌 495 1,347 37% 18位★J1/2012) (- 札幌 280 1,055 26% ?位★J2/2013予算) 千葉は京都の倍近く、平均の3倍近い人件費をかけて、この成績。 とはいえ、J1で比較すると降格争い圏なので、突出して高いという印象もない。 甲府、湘南の昇格は、見事というしかない。 自動昇格を目指すなら、とりあえず平均以上(363百万円)の人件費が必要ということか。 そして、大分。 300百万円を下回る人件費で、6位からの昇格。6位になるだけでも大したもの。 2013年のJ1での苦戦は想像の範疇だが、配分金と寄付金集めの大義名分として十分に機能したと言える。 昨年が最大にして最後のチャンスかもしれなかったことを考えると、 今年降格したとしても、挑戦した価値は十分にあったといえる。 昇格に絡まないところでは、水戸が2億円で13位。営業収益に至っては最下位。 これ、すごいことですよ。 上半分には惜しくも届かなかったが、この人件費で、そこまで押し上げたのは見事。 ユースもプリンス関東2部でギリギリの戦いをしているが、 同じ県や隣県に親会社付強豪が多数いる環境でも、 J2中位のクラブとして頑張ってもらいたい。 逆に上手く活かせてないのは、徳島、福岡。 徳島は、3年かけたチャレンジから変化の1年だったので仕方がないだろう。 福岡は迷走しているように見える。 J1昇格ラインは、6億円。 PO進出ラインは、4.6億円。 おさらい。 J1定着に必要なチーム人件費は最低でも14億円。 J1残留に必要なチーム人件費は最低でも10億円。 J1昇格に必要なチーム人件費は最低でも 6億円。 PO進出に必要なチーム人件費は最低でも 4.6億円。 それより安上がりで、定着、残留、昇格、PO進出できればよいですか? 安いに越したことありませんが、 6億かけて昇格し、翌年10億かけて残留できればよいですか? 6億円の人件費を維持するには、15億円以上の売上が必要です(人件費率J2平均39%)。 10億円の人件費を維持するには、22億円以上の売上が必要です(人件費率J1平均44%)。 14億円の人件費を維持するには、31億円以上の売上が必要です(人件費率J1平均44%)。 2012年度の札幌の売上(営業収益)は、13.4億円でした。 J1残留には、2倍近い売上にしなければなりません。 J1残留には、2.5倍近い売上が必要です。 そのために必要なこと、自分にできることは何でしょう?
posted by sca25 |07:58 | コンサドーレ経営状況2013 | コメント(0) |
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