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2006年03月07日

夢で見た空

夢を、見た。
夢の中で見知らぬスタジアムに居た。

視界には大きく湾曲した観客席。
メインスタンド側からホーム側ゴール裏を見ている。
厚別ともドームとも違う。入江でもない。白っぽい印象の客席が私の居る場所から切れ目無く緩やかに曲線を描いて続いて行く。
不思議とピッチを見た記憶は無く。
視界に入る客席には沢山の人達が居た。
そして、歌声が何処からとも無く響いていた。

スタジアムの後方には青空が広がっていた。
抜けるように青く輝く空が。

色の在る夢は、あまり見ない。
夢の中での色と言うものは、大抵の場合認識するものである。
「これは赤い」「これは青い物だ」色のない物を見てそう知覚する。

けれど、この夢の空は確かに青かった。
青く高く何処までも澄み渡っていた。

青空はスタジアムのすぐ後ろから広がっていた。
まるで他には何も無いかの様に。
このスタジアムが空にあるかの様に、客席の後ろはすぐに青空だった。
その青空に響く歌声。
それは何処か遠くから聞こえるような声だった。

何時も耳にするような、力の籠った大きな歌声ではなかったけれど。
でも温かく心地よく、そして楽しげな歌声だった。
歌声は風に乗り空に広がり、そして散る事無く何処までも響き渡っていた。
まるで青空を隅々まで満たそうとしている様に。

客席を見れば、そこに居る人達の服装は様々で。
レプリカの人達ばかりではなく、普通の服装の人達も大勢混ざっていて。
彼らは立ち上がって応援している訳ではなく、むしろ座って寛いだ雰囲気で。
でも楽しそうに。
そして、嬉しそうに歌っていた。

 
 
 
目を覚ますと、居間で転寝をしていた。
テレビ画面の中では鹿島対広島の試合をやっていた。
ちょうど鹿島のゴールが決まった所で、選手とサポーター達が喜んでいる所だった。

ああ、さっきの歌声は鹿島のサポーターの物だったのか。
どうりで、あんなに嬉しそうだったんだな、と。
ぼんやりとそんな事を思ったけれど。

画面の中の喜ぶ姿に、前日勝利を得たばかりの自分達の姿が重なって。

それだけじゃないか、と思った。
自分達が嬉しいから。
昨日、勝ったばかりだから。
開幕を勝利で飾れた喜びがまだ残っているから。
だから、同じ喜びに共感したんだろう。

勝った時は、同じ様に勝ったチームを見て、その喜びに共感し。
負けた時は、同じ様に負けたチームを見て、同じ悔しさを感じ。

それは何処へ行こうと変わる事のない物。

違うスタジアムで、違うユニフォームを着て、違うチームを応援していても。
同じ様にサッカーを愛し、同じ様に自分達のチームを愛する者達が居る。
 

そしてそれを、同じ青空が見守っていてくれる。
 

 
 

夢を、見た。
夢の中で見知らぬスタジアムに居た。
ゴール裏には沢山の人達がいて。
楽しそうに、そして、嬉しそうに歌っていた。
 

そのスタジアムを優しい青空が包んでいた。
 

 
 

その空は何処か、厚別の空に似ていた。

 
skyoverthelight


posted by 半月 |22:38 | サッカーを想う日々 | コメント(0) |