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2007年01月30日

失うものの幸せ

あいのりという番組がある.今更説明も必要としない人気番組だが,普段は見ない.嫁はこの番組が大好きで時々興奮して「★☆がさぁ.」などと登場人物の愛称を紹介することがあり,その都度話を聞いているふりだけしている.
昨夜は久しぶりに夫婦揃ってテレビを見ていた.そこにはふられることを覚悟の上で告白する女性の姿があった.振られた彼女を見ていて,なんと幸せな人だろうかと感じていた.好きな人と過ごす時間に終わりが近づいたことを認識し,残された時間を限りなく濃厚にその人のことを考えて過ごす事ができた.彼から振られるのを待つ彼女の表情を見て,その後がどうなろうと最早関係ないのではと思った.考えてみれば告白を受け入れて貰ったところで,その後その気持ちが未来永劫続く保証などありはしない.むしろ多くの「愛」に賞味期限があるのだから,明日失うかも知れない愛情をいとおしんで過ごすべきなのだ.
決して失う事そのものは幸せではない.不幸だろう.だが,大事なものが掛け替えのないものであり,いつ失ってもおかしくない儚い存在であることを忘れて幸せだと思いこんでいる日々は薄っぺらでばかばかしすぎる.そんな不幸はないだろう.だから失うものの大切さに気付いた人はそれだけまだマシなはずだ.
自分自身を振り返ってみると,大事な人を失ってから気付くことが多かった.賢者は失う前に気付くのだろう.多くのことを学び,多くのことを享受する.僕は愚か者だから多くの過ちを犯してきた.せめて時々身の回りをその視線から見てみたい.「もし明日がなかったら?」
信じて疑わない自分自身の気持ちすら明日を保証するものではない.だからこそ,全ての気持ちを,全ての人を大事にして生きていきたい.
それが幸せの秘訣だと思う.

posted by 番台番 |14:38 | uncategolized | コメント(3) | トラックバック(0)