2008年07月17日

こちらを立てればあちらが立たず―前半戦総括

 日曜日にすぐ試合があるのであまり「節目」という感じはしませんが、前半戦の総括めいたものを書いておきたいと思います。

【意外に取れた得点―攻撃】
 「一試合一点行くのか?」というのがシーズン前の予想だったのですが、これは良い意味で裏切られました。セットプレーの破壊力は去年より増しているのではないでしょうか。
 ダヴィが通用しているというのは戦前の予想通り。ただ、彼をサポートする他の攻撃陣については物足りなさを感じます。というよりも怪我人・補強の失敗と、計算外の要素が影響していますね。途中からクライトンがフィットしてきて、ボールの収まりどころはできたのですが、彼からボールを引き出すことがなかなかできていません。彼自身のプレースタイルということもありますがどうしても「持ったらラストパス」(そしてターゲットはダヴィのみ)という選択肢しかないのが現状。もう一つ上のレベルの攻めには、周りの選手がサポートを厚くしてやることと、クライトン自身も周りの選手が欲しいタイミングを理解すること、この二つが必要だと思います。クライトンの球離れが早くなったと感じたら、それは攻めがレベルアップしたことの現れなんじゃないでしょうか。

【「答え」が出た―守備】
 一方で守備は迷走状態のまま7月を迎え、そしてここ二試合で一つの答えが出たような気がします。「今のままではクライトンを真ん中に置くことは危険だ」という答えが。
 前述のように攻めにおいては貢献度の高い彼ですが、守備に関しては攻撃ほど働いていない。開幕当初、合流間もない彼を前線に置いて、中盤の真ん中を日本人で組んでいた時の方がセカンドボールは拾えていました。だから、守備だけのことを考えるならばクライトンは前に置いておいた方が良い。「奪うこと専門」の選手を真ん中に二人置いて、取ったらDFラインの裏に放り込んでおく。昨日「去年みたいな守備」と書いたのは、まさにこのような形になっていたからです。
 クライトンが悪い、と言いたいのではありません。自分に一番求められている働き(=攻撃)を彼は優先しているのだから、これはこれで仕方ないことです。守備を優先したポジショニング・プレーをすれば彼の長所は消えてしまい、攻めに厚みがでなくなる。一方で中盤の真ん中の選手が守備面で貢献しなければ戦術が成り立たない。あちらを立てればこちらが立たず…うーむ。

【全てはアノヤロウから始まっているのか!?―愚痴】
 ここで想起されるのがシーズン前の三浦の構想です。確か彼は「奪って速攻、ばかりではJ1では通用しない。ある程度繋いで攻めるというのも必要になってくる」という意味のことを言っていたと記憶しています。そしてそのようなサッカーには「ボールも奪えて展開力もあるボランチ」が必要だ、とも言っていたハズです。残念ながら現状のクライトンは前の半分が及第点ではありません。
 「でもそんな選手、ハナからウチにはいないじゃん」とお思いのアナタ、居たんですよ実は。…ええっと、なんて選手だったっけ?名前が出てこないのですが、確かキャンプ四日目ぐらいまで居たんじゃなかったかな……(遠い目
 かえすがえすもあの出来事は大きかったよなぁ、といまさらなことを思うとともに、アルセウ抜きで編成に苦労している現状を見るにつけ、やっぱり三浦の見立ては当たっているな、と妙に感心した次第です。…ん?今「アルセウ」と言ってしまったねぇ、困ったな。

 というわけで、怪我人・当初の戦力不足なども考慮に入れると、実は監督の思ったとおりに事は運んでるんじゃねぇか、というのが前半終えての感想です。そんな彼が、「今日の内容くらいのゲームを続けていけば、勝ったり負けたりという形で、前半戦よりは勝点を稼げるのかな」(昨日の試合後)と言ったのだから、我々もぶれることなく、これ以上の不幸(怪我人・事故的失点・家本)が訪れることのないように祈りつつ、選手が100%闘えるようなスタジアムを創っていきましょう。ちなみに昨日の家本の笛はあまり大きな問題はないように思いました。

posted by tottomi |22:04 | コンサドーレ | コメント(0) | トラックバック(0)

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