2007年09月10日

最後は全ての人の力が問われる-第3クール総括&第4クール展望

 今日、ジョージの大暴れ(笑)を以て第3クールが終わりました。いよいよラストスパート。第3クールの総括と第4クールの展望を書いてみます。
 
【数字上は及第点だが…-成績】
 第3クールの成績は6勝3分3敗・勝ち点21。各クールの目標として設定された勝ち点22~23をクリアできませんでした。もともと8月半ばから9月はじめの日程が厳しいことは分かっていましたから、私はまずまずの結果ではないかと思っていますが、後述のように負け方が悪い。
 星勘定の上で救いとなったのが上位チームの勝ち点を削ったこと。第2クール終了時、2位京都との勝ち点差は6、3位仙台とは同7。これが第3クール終了時には京都とは6のまま、仙台とは10に広がっています。アウェイで仙台・京都から削った勝ち点3は非常に大きかったと思います。
 しかし、ホームで湘南に破れて勢いづかせてしまったことに加え、下位から思うように勝ち点を取れていないことは問題です。現時点での勝ち点差は上位陣も同様に取りこぼしをしているからであって、第4クールにそんなことを期待できるはずもなし。同じような取りこぼしをしているとあっという間に危機的状況が訪れるでしょう。
 
【個々の弱点が顕在化しているのが心配-守備】
 第3クールの失点は14。完封は4。総失点の半分近くをこの12試合で喫したということになります。
 特に最後の5試合はあまりよい守備ではありませんでした。チーム全体で守れていない、つまりFWと中盤のところで上手くプレッシャーがかからず、DF陣が一対一の局面を作られる、という場面が目立ちました。この一対一の局面で、各々のDFが弱点を露呈する形で破られているのが気がかりです。
 相変わらずDFラインの裏に蹴られると全体が下がってしまうという悪癖は直らず。っていうかそうならない方がおかしいのであって、やはり前からのプレッシャーがしっかりかからないと今後も苦しいと思います。つまり、最終的な失点の場面では弱さが出ているもののそれは仕方のないことなので、そういう局面を作らせないように全体で守ることが必要、ということです。
 
【2点目を取りに行く姿勢を貫け-攻撃】
 両SBがかなり高い位置を取る場面が多かった第3クール。もちろんリスクマネージメントは大事ですが、「取れるときに取りに行く」という姿勢は今後も必要になってくると思います。徳島戦では裏目に出てしまいましたが、西谷がポジションを崩して中でプレーし、空いたスペースを西嶋が使うといった攻めですね。言い方は悪いですが、「ゲームを荒らしにかかる」という闘い方で勝てる試合を確実に勝っていけば良いのではないでしょうか。
 攻め方についてもう一つ言うと、第3クールは守備的中盤、芳賀と大塚が攻撃に絡む場面が少し増えてきた気がします。開幕当初からこのフォーメーションでは中盤がいかに攻めに絡めるかが大事だと思っていたのですが、好調時にはだいぶ分厚い攻めができていました。
 ところがこうした厚みがここ数試合では見られません。原因は、もちろん中盤の選手の運動量にもあるのですが、FWにきちんとボールが収まっていないところにある。前で時間を作ってくれないとなかなか押し上げられない。中盤だけではなくDFラインの設定にも影響します。中山・ダヴィには体を張って起点を作ることを期待します。
 
【球際の強さと闘争心-ピカイチ君 of the 3rd cours】
 大塚。全体として低調な出来に終わってしまったチームにあって、ここ数試合の孤軍奮闘ぶりに。ボールを奪った後、サイドを変えるボールは蹴られているので、今後は一気にチャンスにつながるような配球を。
 
【選手・スタッフ、そしてボク等も試される-展望】
 さて、第4クールです。移籍市場は閉まり、ここからメンバー・闘い方を大きく変えるということはほぼ不可能です(駆け込みでまたブラジル人を獲得したチームはありますがw)。これまで蓄積してきたもの、貫いてきた闘い方を信じて遂行していくしかありません。幸いなことに札幌は、上手くいっているときにはきちんと結果を残してきたチームです。だから首位にいるのです。
 これが「これまでは上手くいっていなかったけれど第4クールでは何とかしなければならない」という状況だったら、無用のプレッシャーがかかっているところです。そうではない。さっき三浦もNHKで言っていましたが、勝ち点で有利な立場にいるのだから、余計なストレッサーなしに闘える。だから、今まで通りの闘い方を貫けば良いのです。選手には自分たちの力に関して雑念を抱かないでもらいたいものです。

 とは言いながら、「休みが入るから内容も良くなるさ」という楽観的な見方には反対です。こないだまでの6連戦なんか目じゃないぐらいに辛い場面は絶対に来ます。そこでスタンドまでが狼狽してしまったらどうなるか。ボク等も気持ちの準備をして臨まなければなりません。
 まず具体的に心配しているのは、いつもより観客数が多くなるであろう仙台戦です。動員をかけるのはもちろん素晴らしいことですが、「物見遊山」で来る人もいつもより多くなるはずです(そういうスタイルを批判しているわけではありません、念のため)。数が増えても濃度が薄まってしまえば何にもならない。だから、ゴール裏にはとんでもないテンションで観客を引っ張ってもらいたいし、ボクのような座り客も締まった空気を醸成していければ、と思います。
 残念ながら様々な事情でスタジアムに来られない人も多くいると思います。そういう人たちの間では「念」って言葉が常用されるようですが、そういう「見えない力」も含めて全てが「クラブの力」。物理的に参戦が不可能な皆さんは、物理法則を超越した能力を存分に発揮してくださいw
 
 ここからが本当の修羅場。まだ何も終わっていないし、まだ何も始まっていない。

posted by tottomi |22:25 | コンサドーレ | コメント(2) | トラックバック(1)

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Re:最後は全ての人の力が問われる-第3クール総括&第4クール展望

“ゲームを荒らしにかかる”ですか。巧い表現思いつきますねえ。

トルシエジャパンが強かった時の中田(英)や稲本の価値も、そういうところで一際光っていた気がしますし(比較対照を間違ってる?スミマセン)。でもそれって、基本的には融通効かないくらい組織としてプレーできていてこそなわけで、要はバランスなんですよね。

posted by MasaMaru| 2007-09-11 08:06

Re:最後は全ての人の力が問われる-第3クール総括&第4クール展望

>MasaMaruさん
そうですね。「融通効かないくらい組織としてプレー」するってのは、「チーム全体の意思を統一してプレーする」と言い換えても良いかと思います。
ゲームの流れなどから「今日は引き分けで良いか」という試合も出てくるだろうし。点を取りに行く時も、このまま試合を終わらせるという時も、ピッチ上の選手が同じ考えでプレーすることが大事なんじゃないでしょうか。

posted by tottomi| 2007-09-11 21:54

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