2007年05月24日

UEFA CL決勝・ミラン2-1リバプール

 準決勝を見た限りではもっと白熱した展開になると思ったのですが…
 
 戦前に勝手に思っていたカギは、「リバプールの左サイドが機能するか」と「ジェラードをどこに配置するか」という、リバプールサイドに偏った要素でした。準決勝の素晴らしい出来を見るにつけミランが中盤の構成をいじってくる要素は皆無でしたからね。強いてミランサイドの策を想像すれば、右サイドでプレーすることが多かったジェラードに対しガットゥーゾを左に移す可能性もなくはないな、程度のもの。結局、ミランは形を崩さず、リバプールはジェラードを真ん中に持ってくることで失敗したかな、と思います。
 
 立ち上がりはややリバプール優位という感じがしなくもなかったですが、ミランは「やらせている」と思っていたのかも知れませんね。リバプールはサイドに長いボールを入れてそこからチャンスを作るという狙いだったと思いますが、イマイチ攻撃に厚みが出ませんでした。9分、ミランの左SBヤンクロフスキのミスからペナントがシュート。対するミランも16分、中盤でゆっくりつないで最後はカカ。お互いチャンスらしいものは作るものの決定的に崩して、という場面はなかったように思います。そんな中、何度か遅れ気味のディフェンスでファールを犯していたシャビ・アロンソがカカを倒しミランのFK。ピルロが蹴ったボールがインザーギに当たりゴール。ハンドという意見もありますが、ハンドじゃないですね。ミランが先制して前半折り返し。
 
 後半、真ん中にスペースがなくジェラードにボールが入らないリバプールは攻めの形が作れず。59分、ゼンデンOUT、キューウェルIN。これで左サイドを破れるようになりましたが、それでも真ん中にターゲットがないのでは点にならない。ただ、ガットゥーゾがサイドに引っ張られることで真ん中にスペースができてジェラードにボールが入るようにはなりましたが、最終ラインの固さは相変わらず。78分、クラウチIN。このへんからなりふり構わず放り込んでも良かったんでしょうが…。82分、ミランはカカのスルーパスに抜け出したインザーギがゴール!最初はオフサイドポジションにいてDFの意識から完全に消え、カカがボールを持つやDFラインを横に走って絶妙のタイミングで縦に抜け出しての得点。FWの理想的な動きとして教則本に載せたいようなプレーでした。
 89分、CKからカイトのゴールで一点差に詰め寄るも遅すぎた。ロスタイムは3分あったはずなのにかなり早めにホイッスルが鳴って試合終了。前半のロスタイムも短かったように感じました。
 
 カカ、セードルフ、ジェラード、シャビ・アロンソと、私が期待した中盤の選手はことごとく平凡なパフォーマンスに終始。スーパーなプレーもなく、ミランのしたたかさだけが印象に残った決勝でした。それにしても欲しいね、こういうしたたかさ。

posted by tottomi |22:45 | サッカー全般 | コメント(2) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:UEFA CL決勝・ミラン2-1リバプール

私はまだ眠いです。歳を取るとなかなか回復できないですね。

仰るとおり、ミランのしたたかさが印象に残り、
イスタンブールでのドラマチックへの仕返しを、
淡々とした勝利で果たしたっていう感じでしょうか。
カルチョの奥の深さを見せ付けられたような気がします。

posted by kenji | 2007-05-25 23:43

Re:UEFA CL決勝・ミラン2-1リバプール

>kenjiさん
返事遅くなっちゃってごめんなさい。
豪華な中盤のタレントから「イタリアらしくない」面も指摘されるミランですが、試合の運び方は「イタリアそのもの」でしたね。

posted by tottomi| 2007-05-29 02:10

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