コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2013年02月07日

TRAINING COMPENSATION(国内移籍と海外移籍の違い)

まとめとして、JFAルールとFIFAルールの比較をします。

■FIFAのTRAINING COMPENSATION(海外移籍)
例1)
1つのクラブでジュニアユース→ユース→トップに昇格し、
18歳にプロ契約し20歳のシーズン終了後に海外(UEFA2)へ完全移籍した場合。

計算対象期間は
・12歳のシーズンから21歳のシーズンまでのトレーニング年数。

ジュニアユース~ユースでの1年(12歳から始まり15歳のシーズンまで):4年
これに移籍先クラブのカテゴリ4の金額(1万EUR)を掛け合わせる。
ユース2年+プロになって3年(16歳のシーズンから20歳のシーズンまで):5年
スイス、ベルギーなどは、UEFA II カテゴリ=6万EUR。

[4年×1万EUR]+[5年×6万EUR]=34万EUR
仮に1EUR=120YEN とした場合、34万×120= 4080万円。


■JFAのトレーニングコンペンセーション(国内移籍)(2/8訂正)
例2)
1つのクラブでジュニアユース→ユース→トップに昇格し、
18歳にプロ契約し20歳のシーズン終了後にJ1クラブへ国内完全移籍した場合。

計算対象期間は、2つ。
・満12歳3月31日翌日の4月1日から満15歳3月31日までの期間
・プロ契約の有効開始日を含む年度の2月1日から満21歳の1月31日までの期間。

満12歳3月31日翌日の4月1日から満15歳3月31日までの期間:3年
移籍先に関わらず100万円/年
プロになって3年(18歳にプロ契約し20歳のシーズンまで):3年
移籍先がJ1:800万円

[3年×100万円]+[3年×800万円]=2700万円

ポイントは、計算対象の期間。
FIFAルールの場合、12歳のシーズンから計算できる。
JFAルールの場合、[12~15歳]+[プロ契約開始のシーズン(18歳が多い)]から計算される。
つまり、ユース期間にプロ契約してないと含まれない。

これらを比較すると、海外市場に目を向ければ、
ジュニアユース世代から自前で育てた選手が海外移籍する方がリターンが大きい。
ユース世代からであってもその傾向は変わらない(むしろ広がる)。
J1クラブへの移籍でも、数千万円が見込める。
海外移籍でも国内移籍でも、23歳のシーズンが終わるまでの長期契約を結ぶ方が
クラブとしては望ましい。
しかし、移籍金設定が高い、期間が長い、年俸が高い、大卒の有望選手獲得といった
契約を行おうにも、原資がないクラブにとって、そのような契約ができる可能性は低い。
このような状況から考えると、この仕組みの意義は非常に大きい。

移動費かけてアカデミー費用をかなりかけてまで
プレミアEASTに参加する意義があるのか?と思った時期もありますが、
トレーニングコンペンセーションを理解すると、
ユース世代育成が選手層の強化だけでなく、ビジネスの選択肢の1つになる。
そういった側面も含めて、ユース世代やジュニアユース世代への投資は、
十分に投資価値があると私は考えます。

ユースカップの会見で四方田監督の「基準が全国のトップチームになった。」
という発言がありましたが、改めてユース世代への投資の1つとして
プレミアEASTへの参加を継続しなければならないと思った次第。

posted by sca25 |23:52 | トレーニングコンペンセーション | コメント(3) |