2007年07月30日

07年夏・北海道旅行記 ~美瑛の丘は厳しく、そして優しく~

7月25日から29日までの4泊5日に渡って、北海道を旅行してきました。
その旅の様子を、3話に分けてお送りしたいと思います。
お暇な方はお付き合いいただければ幸いです。


1日目、2日目
~美瑛の丘は厳しく、そして優しく~

旭川空港に着陸する前に見えたのは、広大な丘陵地帯。
旭川といえば道内第二の都市ですが、とてもそんな面影はない。もちろん、僕も元道民の端くれ、旭川空港が旭川の街からだいぶ離れていると知ってはいましたが、丘陵地帯にぽつねんとある空港を見て、ここまで何もないところに降ろされるのかと思ったものです。そして、ああ、きっとあれが有名な美瑛の丘なのだな、と直感しました。
着陸後、バスで美瑛へ移動。およそ15分くらいで美瑛駅に到着。観光案内所を見たりしながら列車を待って美馬牛へ行き、美馬牛リバティーユースホステルに宿泊しました。
このユースホステルがまた、国際的! ここは本当に日本? ってくらい中国語が飛び交っていました。香港から来た人が多いみたいで、英語もわりと話せます。僕は英語なんてかなり長いこと使っていなくて錆び付いていましたが、何とかかんとか、片言の英語でコミュニケーションを取ったりしていました。もちろん、日本人ともたくさん話をしました。これがユースホステルの良いところですよね。

20070730-00.jpg
翌日、さあ、美瑛の丘巡り! まずは最寄りのレンタサイクル屋さんで自転車をレンタル。
ママチャリは相当きつい、という情報は得ていたので、マウンテンバイク(MTB)にしようか電動自転車にしようか迷ったんですが、結局MTBに。一応、普段多少運動もしてるし、と。しかしこれがのちに……。


20070730-01.jpg
借りたMTBに刻まれた数字は「4」。
ネ申の乗り物に乗ってしまった!


地図を見ながらMTBをこぎます。最初のポイントは美馬牛小学校。とんがり屋根があって、前田真三氏の写真にも写っています。
そして、さらにMTBを走らせ、「四季彩の丘」というところに。

20070730-02.jpg
丘の上に花畑が広がっています。ただ、個人的には、花畑よりもその向こうに広がる丘の方が好きだったなぁ。花畑だけ切り取ったらどこにでもありそうな花畑。やっぱりその奥の広大な丘陵地帯こそが美瑛の真髄じゃないかと。


ここから、丘を下って拓真館へと向かいました。この日のルートの中で、ここが最大の難所でした……。
最初は良いんです。丘をだーっと下ればいい。ひたすら重力に従って下りていきます。
そして、ついに上り坂。この上り坂がすごく急だったり、やっと終わったと思ったらまた上り坂になっていたり……。とにかくえらい疲れました。ギアを一番軽いのにしても、辛いものは辛い。時々自転車を降りて押しながら、なんとかかんとか拓真館までたどり着きました。
が、もはや前田氏の写真を楽しむ余裕もなく、イスに座って一休み。かなり息が上がっていて、やばかったです。
10分か20分も休んで、ようやく少し回復し、写真を見る余裕もできたので、見て回りました。
苦労して来ただけあって、写真であってもその風景に感動。
ただ、あれですね、冬の景色。冬の景色は、やっぱり氷点下の世界で見るから幻想と神秘をひしひしと感じるとおもいますね。「きれいね~」なんて言っていた観光客もいましたが、是非冬の北海道に来て、目だけでなく、肌で、美しさだけでなく、幻想と神秘を感じてほしいものだと思いました。
そして、近くのカフェ&土産物屋に行って、美瑛の牛乳を一杯。う、美味い! 苦労して手に入れたものってのは何でも感動を以て受け止められるものだなぁ。
そこのおばちゃんに、
「お兄ちゃん大丈夫? 息上がってるよ」
と言われてしまいました。
ここまで来るのは本当に辛かった。この先もこんなだったらどうしよう、これはやばいんじゃないか、と、美瑛の丘の厳しさを感じていました。
でも、そうやってお店のおばちゃんが心配してくれるところは、やっぱり北海道の人は優しいなぁ、と思いました。

牛乳を飲んで休んでから、再び出発!
次に目指すは「哲学の木」。ここから先はほぼ平坦。哲学の木が近づいてきてから少し上った程度ですね。
20070730-03.jpg
これが「哲学の木」。少し傾いている様子が何か考え込んでいるように見えることから名付けられたそうです。


ここからは下り坂。とてもホッとしました。勢いよく下って、まあ多少の上り坂もありつつ、「ファーム千代田」というところへ。ここで昼食を、と思ったんですが、レストランが混んでいたのと、牛肉を焼いているらしい煙が立ちこめていて、うーん、なんか僕の求めているものと違う、と思ってここはパス。牧場にいた動物を少し見て、それから、「千代田の丘」という丘に登りました。


20070730-04.jpg
これが「千代田の丘」からの景色。美瑛の丘の中で、僕が一番気に入った景色です。
広々としているでしょう? 左端に湖も見えます。水沢湖というダム湖です。
この景色、これは日本の景色じゃないと思いました。どこかで見たことがある、と思ったのですが、以前イギリスに行った時に見た、湖水地方の景色と似ているんです。
鳥がさえずっていて、なぜか水路があって水が流れる音も聞こえ、車が通るのは希でとても静か。ここの景色は最高でした。
でも、多分ただ観光バスとかで来ただけでは、多分この感動は味わえないと思います。拓真館までの道のりをはじめ、自分で汗をかいてたどり着いたからこそ、「最高」と思えたんじゃないかな。


阿倍首相なんかは、洞爺湖サミットが決まった時に「日本の美しい自然を世界にアピールして……」みたいなことを言っていましたけれど、北海道の自然って日本のものとはだいぶ趣が違うと思うんですよね。良い意味で、「北海道は日本じゃない」と思います。北海道には日本とは違う独自の自然や文化があるように感じます。

結構な時間ここで景色を眺めていたんですが、お腹もすいてきたので、先へ進みます。ほぼ平坦な道を自転車を走らせて「三愛の丘」というところへ。近くの小さな喫茶店で昼食。ここは、丘の上にあって景色も良く、こぢんまりとした雰囲気のいいお店で、良かったです。
そこのお店に先客としていたのが、やはり中国語を話す一団。この辺、絶対日本人より中国人(香港、台湾を含む)の方が多い!
日本人の若いご夫婦が、あとから店に入ってきまして、その方たちと少し話をしました。
旦那さんは僕と同じくMTB。奥さんは電動自転車。
話を聞くと、やっぱり拓真館までが辛かった、とのこと。でも、MTBの旦那さんだけひいひい言っていて、電動自転車の奥さんは涼しい顔だったそうです。さすが、レンタル料金が倍するだけあって、電動自転車強いなぁ。

お昼を食べて、お店を出ると、その先は一気に下り。下って下って、線路を渡り、それから少し上り。「新栄の丘展望台」というところに到着。
そこの売店に「サッポロクラシック取扱店」の札が下がっていて、「生ビール」の幟(のぼり)も。うー、飲みたい! と思いましたが、自転車とはいえ飲酒運転はいかん! と自重しました。
それから、「クリスマスツリーの木」を見るためにさらに自転車を走らせます。すると、こんなものを発見。
20070730-05.jpg
う、牛の横断注意!? こんな標識初めて見たよ! まあでも、鹿とか熊とか、北海道にはきっといろんな標識があるんだろうなぁ。こんなのまだかわいい方なのかもしれません。 しかし、内地出身の僕にはカルチャーショック! 20070730-06.jpg で、肝心のクリスマスツリーの木はこちら。 確かにきれいな円錐状の形だけど、なんとなく元気がないように見えるのは気のせい?


そこから、美馬牛駅を通り越して国道237号線に出て、美瑛と富良野の境目(厳密には富良野に入るらしい)の「深山(みやま)峠」に向かいました。
……が、国道といいながら、片道1車線で、歩道なし。路肩も狭い! おまけに車はびゅんびゅん飛ばすし、やばい、こっちに来たのは失敗だったか! と怖い思いをしながら坂を上りました。

20070730-07.jpg
こちらが深山峠からの景色。
国道の路肩が狭くて怖かった上に、またぞろ上り坂だったためになまらこわかった(北海道弁)ですが、景色はきれいでしたね。


もうさすがに国道を通るのは懲りたので、国道を通らないルートで帰ることにし、坂を一気に下って線路を渡り、多少の上りもありつつ美馬牛駅へ向かいます。でも、来た道ではないので、この道であっているのかなぁ、と不安になりながらの帰路。
しかし、美馬牛小学校のとんがり屋根が見えてくると、ようやく一安心です。すぐに、朝通った道に出て、無事、美馬牛駅にたどり着きました。
一日だけの我が「愛車」をレンタサイクル店に帰して、サイクリング終了。ユースホステルに帰りました。

この日は、ユースホステルは夕食が出ない日だったので、列車に乗って美瑛に夕食を食べに行きました。
さあ、もう自転車には乗らないから、ビール解禁だ! ビールはサッポロクラシックが飲みたいぞ!
駅前の食堂に「サッポロクラシック取扱店」の表示があったんですが、いかにも普通の食堂、という感じで、美瑛ならではのお店って感じがしなかったので、観光情報センターに行って、サッポロクラシックを扱っているお店を聞いてみました。
……が、
「あそこ、この間飲みにいったけどどこのビールだったか覚えてないや~」
とか、そんな感じの反応(汗)。まあ、そのおおらかなところが北海道の良いところではありますけどね(苦笑)。
でも、わざわざ何軒かお店に電話してくれて、クラシックを扱っているかどうか聞いて下さいました。
結果、どうもあまりクラシックを扱っているお店はないみたいだったので、駅前の食堂に決定。
サッポロクラシックの生、めちゃくちゃ美味しかった! 一日美瑛の丘をサイクリングして、クラシックをクーッと! もう最高!!

ユースホステルに帰ると、お風呂に入って、寝る態勢に。
この日もユースには中国方面かららしいお客さんがたくさんいて、夜はにぎやかでした。
何度か外国に行って会得した技術なんですが、言葉が通じなくても、目があったらとりあえず笑顔。あとは、英語が通じそうだと思えば「Hello!」とか、「Good evening!」とか言っておけば場の空気が和むもの。
日本人ももちろんいて、男性の相部屋は全員日本人だったのかな? ユースホステルの慣例「お茶の時間」がここのユースにもあって、そこでお茶を飲みながらいろいろ話したりしました。
わりと早く寝る体制に入ったのに、そんなこんなしていたら、結局寝たのは12時過ぎでした。


posted by 元多摩 |19:40 | 自分のこと |

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Re:07年夏・北海道旅行記 ~美瑛の丘は厳しく、そして優しく~

こんばんは。
電動自転車よりネ申さまと取ったのですね~。
楽さより困難さを選んだあなたは熱狂的なコンササポです。(笑)
比較的平坦な富良野とはいえ,かなり大変だったのでは?!
それにしても良い景色です!

posted by jj_consa | 2007-07-30 21:23

Re:07年夏・北海道旅行記 ~美瑛の丘は厳しく、そして優しく~

元多摩くんこんにちは~\(^o^)/

元気そうで何よりです。前回のエントリーをさっき見たけど、鳥栖戦に
来てたんだね!!私はCVSだったんだけど、会えなくて残念!
エルメスさんはどうやら8月に復帰らしいですよ。元多摩くんはCVSは??

いつも思うけど、元多摩くんは見かけによらず(線が細く見えるもんで。。)
凄くハードな運動をしてるよね!体を張って色々体験してる姿に清清しさを
おぼえます(^◇^)これの続きも楽しみにしてるよ~。

posted by birrla | 2007-07-30 21:36

Re:07年夏・北海道旅行記 ~美瑛の丘は厳しく、そして優しく~

jj_consaさん
あはは(笑)。
いやー、しかし、平坦と見せかけて結構アップダウンがあるんですよ、美瑛は……。
総走行距離およそ25㎞。良い運動でした(笑)。

birrlaさん
こんにちは! お久しぶりです!
はい、鳥栖戦見に行ってました。CVSだったんですね。お会いできなくて残念でした!
エルメスさん、鳥栖戦でお会いしました!
SAにいたので、下をエルメスさんが通るのを見かけて、ご挨拶しました。
CVSやりたいなぁ~。でも、往復&宿泊で4万とかかけてボランティアしに……、
ってのもまた、ちょっとなぁ、と尻込み中です(汗)。

posted by 元多摩| 2007-07-31 16:36

Re:07年夏・北海道旅行記 ~美瑛の丘は厳しく、そして優しく~

お久し振りですー!
1ヶ月ぶりですね。お元気でしたか?
先日は大変お世話になりました。
遅くなってしまいごめんなさい。書き込めるかなー。
実は最終日、玄関でお見送りができなくてユースの部屋からお見送りしてたんですよ~~
無事札幌で朝から張り切ってたユニフォームを披露できたようでw
私はあの後サイクリングをしてたら大雨にやられました~(´;ω;`)
富良野はいつもスルーしてるんで(今回はコープふらのに寄っただけ…フラノカフェ隣りです)、
今度その森の時計に行って見たいです。冬かな。
土曜日の試験頑張ってきてくださいねー!
白恋は無事なんでしょうか?

posted by ゆずこ | 2007-08-29 23:23

Re:07年夏・北海道旅行記 ~美瑛の丘は厳しく、そして優しく~

ゆずこさん
お久しぶりです~。コメントありがとうございます!!
こちらこそ、お世話になりました。
部屋から見送ってくださっていたんですね。ありがとうございます~。
ご挨拶できずすみませんでした。
雨天サイクリング……! 大変でしたね(汗)。
冬の富良野美瑛も良さそうですね。
しかし、美馬牛から拓真館まで歩く気にはなれませんが……(苦笑)。
白恋、とりあえず廃業は免れそうです。
更正してやり直すということになったら、応援してあげようと思います。
試験がんばってきます!
札幌に住んで、コンサの試合がない週末は美馬牛へ!?

posted by 元多摩| 2007-08-30 20:48