2008年10月19日

もどかしさと希望の中で

降格。

昇格するまでの道のりは、とてもとても険しくて
去年の今頃は……緊張の連続で、
12月1日のフィニッシュを迎えるその瞬間まで毎日吐き気との戦いだった。
そしてやっとの思いでつかみ取ったJ1の舞台だけど
失う時は、こんなにあっけない。

昨日の宣言どおり、今日は座りで観戦。
前半は、おとなしく戦況を見守って。
…でも、後半開始直前に「砂川投入」のアナウンスを聞いて
気がついたら座り席を飛び出して、いつもの真ん中に紛れ込んでた。


試合終了。J2降格決定。
なんか、涙は出なかった。
柏サポの、それは人としてどうなんだ?という光景に、ただただ軽蔑した。
選手がうなだれて挨拶に来て。
色々あったけど、まあそれは今はいいや。

帰り道、一人で駅まで歩きながらこんこんと考える。

「この1年で一体、何を得たのだろう」と。

ホームでは結局4月の1勝のみ。
けが人ばかり出て、最終ラインはずっと猫の目で。
連携も結局最後まで構築できず。
行く試合は常に負けるか良くて引き分けで。
結果は別としても、内容が充実していたといえる試合さえ数えるほどで。
磐田では0-5で負けて。
はっきり言って何ひとつ楽しい事も思い出深いプレーもなかった。

ドームで名古屋に負けた試合。
ガンバに厚別で引き分けた試合。
鹿児島で大分に負けた試合。
…もどかしくてたまらない試合が頭をよぎる。

でも

なぜか…02年の降格の時とは違う「なにか」がワタシの真ん中にあるんだよなぁ。

あの試合、ワタシは鹿島で…現地でその瞬間を見てた。
J2とはそれすなわち地獄で、行きたくなくてたまらなくて
なんの為に今年ワタシはサポをやっていたんだろう的な
一人でよくも鹿島から帰って来られた…というくらい 負 の気持ちしかなかった様な気がする。

かくして今年は?

「それでも120%でやる」っていう「強さ」を
自分なりには凄く得たような気がするんだ。

何かをやり続ける
それが報われなくても仕掛け続ける。
声を出し続ける。
競技場に通い続ける。
気持ちを切り替える。
負けるとわかっている戦いでも絶対立ち向かう。

そんなものを「積み上げた」って、思う。


最下位を独走し始まった頃から…
それでもUSは、若手くんたちを中心に、毎試合毎試合「仕掛け」続けたよね。
人文字、小旗、厚別の歌、競技場全員で作戦…諸々。
鹿児島までも、彼らは小旗を数百本持っていったんだよ。

若手くんたちは特に、ほとんど毎試合アウェイも行っていて。
当然バイトも、死ぬほどしているんだろう。学校だってある。
そんな中でも、常に「仕掛け」を考案し続け、
試合当日はその演出の成功に朝から尽力し、試合ちうは応援を120%やりぬく…
年はずっと下でも、尊敬に値する働きと努力を見せてもらった。

一生懸命やるからこそ、頭にも来て涙も出て。
ちょっとはみ出た事もやっちゃうけれど
でもワタシは、彼らと戦って1年を過ごせたのも誇りに思う。

今日の試合後。
隣では、いつもいつも一緒に戦っている某女さんが泣いていた。
彼女は…夏頃からほとんどアウェイも行っていて、
鹿児島でさえも一人で行って。
降格が現実味を帯びてもなお、飛行機の予約画面で「決済」ボタンを押し続けた。
会社も無理して休んで。
見せられる試合は、努力に比例するものじゃない事がほとんどだったけど。
でも、挑み続けた事は意味があるとワタシは思うよ。

たくさん頑張った人は…まあそれが遠征の数ってわけじゃないけど、
最後までもがき続けて今日まで来られたならば
間違いなく「経験値」が「得たものリスト」にたくさん入るんだ。

ワタシは、今年の経験値を来期以降ずっと護符の様に持っていられる自信がある。
ただ単に、今年1年を過ごしたっていうだけの経験じゃないもの。
しんどくても、数字上辛くても毎試合食らい付いたっていう、
そんな自負を伴う「経験値」。

今シーズンはまだ5試合ある。
本当に若手を起用しないのかとか。
天皇杯をどうするかとか。
来期以降の話も、これからリアルに出てくるだろう。

チームに言うべきところは言う。伝える努力をする。
そして…サポとして出来る事は、なんでもする。

もどかしさが大半を占めた年だったけど、やっぱり希望もたくさん持っているから。
もちろん、チームとしての明確なビジョンを示してもらってから
どんな風な「希望」を色濃く小脇に抱えるかを決めるけれど。
でも、漠然とした希望、なんて、チームを愛していればこぼれるほどあるんだ。
降格したくらいで、失ったりはしない。

希望無くしてサポなんてやってませんよ!

posted by なべみわ。 |18:39 | コメント(13) |

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この記事に対するコメント一覧
Re:もどかしさと希望の中で

私もあきらめません。
USのことをへんな書き込みしてる人もいるけど、私はとてもほほえましく見ています。
若さ故のつっぱしりや至らなさはあるのかもしれませんが、一生懸命やってくれているのがありがたいです。
自分の若い頃の危なっかしさや、純粋にぶつかっていくパワーを彼らの中に懐かしく思い出しています。
特に今日は切ない気持ちで彼らを見ながら、最後まで残っていました。
これからどんなチームなって欲しいのか、選手に何を望むのか、自分はチームのために何が出来るのか、じっくり考えてまとめていきたいです。
死ぬまで応援するチームのために。

posted by スカーレット| 2008-10-19 19:35

Re:もどかしさと希望の中で

>スカーレットさん
まあ、今日のエントリの彼らの部分は、今日の事云々ではなくて
今期ここまでの努力は凄かった、という辺りを一部書いたんですが、
別に悪いことしてもいいなんて当然思ってなくて
でも認めるべきところはたくさんあって、
そんな彼らとこれからもワタシは頑張って行きたいなっていう話しなんですよね。
これからまだ試合はありますし、ほんと、ビジョンは絶対明確にしてもらわないと困りますよねぇ。
ずっと手放せないチームですから(^-^

posted by なべみわ。| 2008-10-19 21:04

Re:もどかしさと希望の中で

柏サポのやったこと。本当に申し訳ありませんでした。サポ仲間とテレビ観戦でしたが、勝ったことより、全員「情けなく」怒りがこみ上げていました。本当にすいませんでした。

posted by すいません| 2008-10-19 21:05

Re:もどかしさと希望の中で

>すいませんさん
柏のサポーターさんでしょうか。
応援のスタイルはチームでそれぞれ違いますけど
さすがに少し場と内容を考えていただきたい出来事でした…。
偉そうに言うつもりは全く無いんですが
きちんと常識をお持ちの方もいらっしゃるんだなと、少しつっかえが取れました。

posted by なべみわ。| 2008-10-19 22:49

Re:もどかしさと希望の中で

02の降格時、自分は千葉に住んでいました。
当然のようにそこにいました。
あれから何年もたち、博多に転勤して、5年。
今回は、日程上厚別には行けませんでした。
あの時とは、全然気持ちが違いましたね。
いろんな事を積み重ねたんで、感覚が麻痺したのか、いろんな状況を落ち着いて受け入れることが出来るようになったのか。
ただ、変わってないのが、チームを好きでいること。
またJ2がんばろう!

posted by z.n.s.mabu1965| 2008-10-19 23:49

Re:もどかしさと希望の中で

 前回の降格決定の時、その場にいました。
 そして今回は・・・その場にいれませんでした。
 その頃とは、気持ちは『これは私応援しないと!』
という気持ちは変わりません。
 また選手と一緒に戦ってゆきましょう!

 柏の応援は、テレビ観戦組の私も気になっていました。
柏的には今年のホームの試合のリベンジがかなったわけで
すから気持ちもわかりますが『懲りてないのか!』と
思ってしまいました(苦笑)

posted by mycroft | 2008-10-19 23:56

Re:もどかしさと希望の中で

>mabuさん
きっと、この後色々波風はたくさんたって
嫌気がさしたり凹んだりいっぱいするとは思うんだけど
結局はこのチームが好きって事で話はまとまると思うんだよね(^-^;;
J2、ほんと頑張りましょう。

>mycroftさん
ずーっと、昇格しようが降格しようが続くんですよね、チームは。
(潰れなければの話ですけど・汗)
長い応援人生の中の一つの歴史なのかなと。て、もちろんめっさやるせない気持ちも強いですけどね。
柏は…試合後のアレ、の事を書きましたよ。

posted by なべみわ。| 2008-10-20 20:16

Re:もどかしさと希望の中で

当日、現地観戦させて戴いた柏サポです。

試合終了後の我々の振る舞いについて、不快な思いをされた方も多かったのではないかと思いますが、一つだけご理解戴きたいのは、決して札幌と言うチーム、選手、サポを揶揄したものでは無いということです。

10戦勝ちなしの状況から抜け出しての連勝であり、勝利後の試合では必ず行っていたためのものでしたが、誤解を与える可能性があることを失念していたのでは無いかと、今更になって猛省しています。

私達も2005年12月10日の出来事を体験しており、降格することの意味を理解しているつもりでしたが、配慮が足りなかったようです。

近藤直也選手の公式ブログでも、本件に関して様々な意見がコメントされています。耳障りの良くない内容などもあるかと思いますが、是非、一度ご覧戴けたら幸いです。

posted by 柏サポ| 2008-10-22 08:15

Re:もどかしさと希望の中で

「試合に勝っても黙っていろ、敗者に同情するのが常識だ」とおっしゃるのなら、何も言いませんよ。バカボンのテーマが流れた一件を言ってるのでしょうが、あれは対戦相手関係なく、勝利試合の後に行う恒例のコールを普段どおりにしただけです。札幌にとってはこれが特別な一日だったとしても、柏にとっては08シーズンの1試合1試合の一つです。互いにはお互いの立場があるのです、一方の都合だけを押し付ける発想こそどうかと思いますが、いかがでしょう?

posted by うさこ| 2008-10-22 10:50

Re:もどかしさと希望の中で

>柏サポさん
ワタシも、普段からやっていることなのかもな、
という事は当然頭にあって、それでもそれを越えて悲しかったんですね。
なぜなら「厚別は札幌のホーム」ですから…
応援のスタンスや試合後の喜び方はチームの数だけ違うのは当然ですよね。
札幌のホームで、札幌サポから見たら、
揶揄されてる、と感じてしまいました。
でも、揶揄されたものじゃないと言うことは理解しました。ありがとうございました。

>うさこさん
重複しますが、札幌のホームという点が重要ですね。
全然同情なんてしてほしいと想いませんし、
柏の勝利 を喜ぶのなら何にも文句はありません。
だって柏が勝ったんですから。
ただ、こちらから見て(ワタシには)柏の勝利を祝っている…とは思えなかったんです。
でも、(これも重複ですが)チームによって…個人個人で主観は違うわけですね。
ただ、あそこは厚別だったということだけはご理解ください。

posted by なべみわ。| 2008-10-22 19:57

Re:もどかしさと希望の中で

それを言うのなら、あそこが厚別だから試合終了後に本来行ってたはずの勝利のダンスもレッツゴー柏コールも自粛したわけですが。
あの場では、降格した札幌に対して柏サポが出来る最大限の譲歩があった事こそ、ご理解ください。
普段はアウエーでもそこまでの自粛なんてあり得ません、札幌だけ特別扱いなんて、札幌サポはどう思いますか?そんなの当然だと思うか、そこまで気を使われて恥ずかしいと思うかは自由ですけど。

posted by うさこ| 2008-10-23 00:55

Re:もどかしさと希望の中で

なべみわ。様
はじめまして、札幌サポで「バカボン」のことを述べてる方、きっといらっしゃるだろうなと思って。

柏サポーターながら、私もムカッときました。あんまり気配りが無さ過ぎた。柏の応援スタイルがあっても、時には自重するのが大人のはず。本当にすみません。

一生懸命応援する札幌サポーターの方々と、クライトン選手の必死さは、観てる者の心を打ちました。

札幌、1年で帰って来いよ!

posted by 柏サポ父さん| 2008-10-23 21:14

Re:もどかしさと希望の中で

>柏サポ父さんさん
応援するチームは違えどサッカーファンという点では仲間ですし
お心づかいありがとうございます。
札幌は、超が10個は余裕でつく豪快な貧乏チームなものですから
色々な兼ね合いですぐ復帰を目標とするかは別なんですけど
J1で戦ったものとして、これからも頑張りますー。

posted by なべみわ。| 2008-10-24 19:50

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