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2007年11月29日

持ち株会のこと(すがさんの質問に答えてみる)ー上

遅ればせながら、

 Re:減資に増資 posted by すが | 2007-11-24 00:21 に答えてみようと思います。


 最終決戦の相手、水戸ホーリーホックとコンサドーレ札幌とでは、大きな共通点があります。それは両チームともサポーター持株会が、筆頭株主ということ。

 札幌は、J1昇格が決定するならば、減資と合わせて増資を行い、増資うち1億をサポーター持株会が引き受けるとされています。こうすることで、持株会の筆頭株主としての位置が保たれるというのです。

 しかし持株会による増資には、強い反発も予想されています。つまり、持株会というものの実態がきわめて不透明で、これの拡大はHFCの経営の不透明さの拡大につながるというものです。

 株式会社の所有権、意思決定権は、株数の多数決よって決まります。過半数の株を持った株主は、クラブの解散や合併、取締役の解任や任命など、なんでもできます。ですから、仮に持株会がクラブの運営会社の過半数の株を握っていたとしたら、持株会は、社長を更迭することも、なんでもできてしまうんですね。

 実際に、これに近いことが水戸ホーリーホックで起こりました。今年4月、社長が電撃解任され、60%の株を握る市民持株会のなかで、最も多くの株を持っていた木材会社社長が代表取締役に就任しました。

 水戸の持株会も札幌と同じく、総会などの開催もなく、一般の会員の意見を反映させる仕組みを持っておらず、一切が闇の中で決められていくようです。こうした組織では、極端な話、株を一株も持っていなくても、持株会という不透明な組織を牛耳ることができれば、クラブを牛耳ることができるのです。

 では、持株会の中で個々の会員の意見が正しく反映されていれば良いのかというと、これも別な問題を引き起こします。個々の会員といっても、しょせんその出資額は数万円で、これを失っても痛くもかゆくもないわけで、経営に対する切迫度、出資に対する責任が非常に軽いんです。

 そうした軽い会員が数千人集まって、意見具申をしてゆけば、意見対立から収拾の困難な混乱状態となってしまいかねません。氷山の浮かぶ南氷洋を航海するタイタニックの進路を、乗客の投票によって決めるようなもので、クラブの運命が持株会会員という烏合の衆によって握られているとすれば、他の企業は近づきがたいでしょう。

 持株会組織ではありませんが、横浜フリューゲルスの解散を受けて誕生した横浜FCは、発足当初、ソシオ・フリエスタという大衆組織に運営資金を依存していました。しかしソシオと運営会社は路線の違いによって内部対立を引き起こし、それが長くチームの足を引っ張っていたのです。皮肉なことにチームが上昇気流の乗ったのは、ソシオが事実上クラブの経営から排除され、レオックジャパンがオーナーになってからです。

 サポーター持ち株会は“市民クラブ”の象徴とも言えるものですが、これまで見てきたように、日本ではチームに混乱を招くこと原因となっていますですから、持株会の勢力拡大は、“闇と混乱の拡大”となりかねないんですね。

 こうして見てゆくと、サポーター持ち株会による増資に反対意見が出るのは当然のことといえます。

 そして、(と言って中に続きます)

posted by hm1644 |00:29 | コンサドーレあれこれ | コメント(0) | トラックバック(1)

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