赤黒徒然草

　 一晩をおいても冷静になれない。すごい試合でした。
　私が、コンサドーレサポになったのは、1997年、JFL第7節対川崎フロンターレ戦に逆転劇を目撃してからですが、あの興奮に限りなく近いものが昨日の厚別にはありました。（あの試合も90分だけを見ると、昨日と同じ引き分けです）

　第１クールの７連敗を払拭し、フッキを中心に手堅いゲーム運びで順位を上げてきた東京ヴェルディは、間違いなく最強の敵でした。今シーズン開幕前、ヴェルディの補強を見て、どのメディアも断トツの評価を与えたものです。昨日、ヴェルディはまさに断トツの評価にふさわしいメンバーであり、プレイでした。

　前半、相対的にヴェルディがボールを持つ時間が多いものの、札幌は高いラインを保ち、しっかりとスペースをつぶしてヴェルディに対して効果的な攻めを許しません。札幌ドームでの対戦の時には制空権を握られた船越が先発で入ってきましが、札幌は事前に十分対策していたためか、孤立する状況が目につきました。

　前半15分（この試合に限らず札幌は開始15分間は守りに徹している）をすぎると、札幌は効果的なカウンターを繰り出せるようになってきました。ここから試合は、試合は真剣と真剣で相対峙するような緊迫した展開に。スコアこそ０ー０で終わったものの、一時の脇目も許されない、スリリングな展開でした。

　前半のシュート数はヴェルディ３本に対して札幌１本。一見、札幌が攻められているように見えるものの、間違いなくゲームの主導権は札幌にありました。後半に入ると、札幌は一転して攻勢に出ます。後半の15分過ぎまでヴェルディのゴールを脅かすシーンが続きました。

　札幌のゲームプランは前半は０ｰ０、後半の始まり15分までに１点を取るというものだったと思います。しかし、後半の１点目が遠かった。守備を立て直したヴェルディのデフェンスも堅い。時折、ヴェルディの厳しい反撃を受けるものの、札幌は砂川や石井を投入するなど、アグレッシブに攻撃を続け、後半84分、曽田のヘッドで、ゴールを奪いました。

　ここでスタジアムは興奮のるつぼ。おそらく、ここから選手に厚別の興奮が乗り移ってしまったんだと思います。気持ちではしっかりと守りたいところなのに、スタンドの興奮が乗り移って体が前にのめってしまう、そんな感じでフィールドの中がバタバタし始めると、ヴェルディの選手がゴール前に大挙してなだれ込み、フッキのヘッドで同点に。

　勝ち越しを狙って札幌は再び攻勢に出ますが、終了間際の89分にフッキのミラクルワールドクラスゴールが出て逆転。これは凄いシュートで、札幌の整ったデフェンスラインの前でボールを受けたフッキは、そのまま突破にかかるかと思いきや、左足を振り抜きました。これは札幌の守備は責められません。

　普通ならば、これでゲームは終わりです。短い間に立てつづけに２失点。守備が信条で、攻撃力に見劣りのある、札幌の心が折れるところです。しかし・・・

　今日の試合は、厚別での100試合目のメモリアルだった（口調が興奮して変わっちゃいます）。このスタジアムでは幾度となくミラクルが演じられてきた。それはフィールドを赤黒に取り囲む１２番目の選手、サポーターとフィールドの中の11人に選手が一体となることによって、生まれる奇蹟なのだろう。

　昨年までならば、フッキのような得点を見せられると、サポーターの心も折れてしまった。ところがこの日、残された時間がわずか３分だったとしても、厚別の12番目の選手たちは、勝利を信じ歓声を送ることを辞めなかった。スタジアムの声援に後押しされた札幌の選手たちは果敢にヴェルディのゴールを目指した。

　わずか３分の間に、砂川のシュートがバーを叩き、曽田のヘッドがゴールをかすめる。そしてロスタイム残りわずか20秒。砂川の突破がゴールエリアでのスローインを生む。これを砂川がそのままロングスロー。ゴール前の競り合いがコーナーキックに。この時、試合終了まで残り５秒。

　ここでヴェルディの戸川健太が額から出血。止血するためにフィールド外に。ロスタイムが加算される。ロスタイム３分53秒。砂川のコーナーキックは、予想を裏切って低い弾道でニアに。これをありえない角度から、石井がさわってヴェルディゴールに突き刺した。

　同点！　同点！　　奇蹟がおこった厚別公園競技場！！！

　アナウンサーが興奮して叫ぶとともに、終了のホイッスル。
　相手選手に流血を生むほどの闘争心が結果的に同点弾につながった。
　厚別はまた伝説を刻んだ。

この記事に対するコメント一覧

厚別やはり聖地

フッキの２点目はイリュージョンを見ているようで、ポカーンと見つめていました、あれは町内会の運動会に助っ人でカールルイス（古ッ！）が走ってるような感じでした。フツーはこれで終わりですが・・・

でもその後でスカーパーからでも異様な雰囲気と、まるで魔法にかかった様に画面の前で凝視していました・・・そして歓喜のゴール♪♪♪♪♪♪×1000000

まだサッカーにあまり関心の無かった大学生の頃、友人から「サッカーは３秒あったら点が入るスポーツだよ」と言われた事をン十年振りに思い出しました。

魔法をかけたのは、スタンドの赤と黒の魔法使いと魔女達だったのですね♪

コンサはこれまでガタガタに崩されたゲームはありませんでした、開幕戦も得点差程の崩れはありませんでした。

しかしひばりさんの危惧しているように、この先、このＦＷ陣では強いチームどころか、中位のチームに対してでもアウェイなら引き分けが精一杯のゲームが増えるでしょう・・・やはりスピードのある松橋がいるといないでは大違い？・・あんなゴタゴタが無かったら意外とスンナリ来てくれた筈なのに・・・（死んだ子の歳を数えるとはこの事？）

相川は期待出来そうも無いので、せめて元気が今から（遅いけど・・やらないよりマシ？）ゴールの精度を上げる練習をハードにしてもらって前半で一点取ってから交代するようになればよいかなァ・・・（タメ息）

（魔の時間が来ました！）

コンサ番記者「なにか報道陣をシャットアウトした秘密練習があるとか？？」

ＨＦＣ広報「どっから聞いたの？・・ヒントだけ言うけど厚別サポで魔法のようなオーラを出した人をオーデションで選んでＦＷ陣と特別なメンタルトレーニングを決行するのさ♪すこしはＦＷ陣の精度が上がるようにとネ」

コンサ番記者「それってまさか皆でハリーポッターの新作映画を見に行くとかじゃないでしょうね？？」

ＨＦＣ広報「そこまで知っていたか・・・やはりマスコミ対策は甘いと非難されても・・・」

コンサ番記者「あの・・その映画の試写会の券はウチの新聞が提供してますが・・」

posted by 大阪の道産子| 2007-07-22 20:50

Re:【第29節】厚別はまた伝説を刻んだ　

ありがとうございます。

　松橋の件ですけど、北海道日刊スポーツの番記者２４歳君の勇み足だったような気がするな。

http://blog.nikkansports.com/soccer/jleague/consadole/top-consaban.html

　はじめて担当したクラブでつかんだ、はじめての大ネタ。ウラ取りも不十分なまま突っ込んでしまったと。やっぱり、地方は駆け出し記者が回されることが多いので、こんなことは多いのかな。

posted by hibari| 2007-07-22 22:31

サッポロは都会かも

全国展開している会社は（マスコミやＮＨＫを含む）ご存知のとうり、エリートコースがあります。

（特上）東京本社採用→札幌・福岡・大阪・名古屋等主要都市勤務→東京本社重要部署→重役＆more

（上）全国各地採用→本社勤務→そのまま東京本社重要部署でも役職には就けず。

（並）全国各地採用→主要都市勤務→なぜか東京に戻れず大阪支社管理職でＥＮＤ！

（下）全国各地採用→地方都市勤務→さらに田舎営業所勤務→宮仕えに嫌気がさし早期退職→誰よりも先に人間らしい生活を手に入れる。（幸福度は順不同）

２４歳クンのブログ見ましたが・・・やはり若いですね。札幌はマスコミ的には地方ではありません。新聞社はブロック単位で本社にし独立採算に近い経営をしています。札幌は人口でも経済規模でも名古屋に次ぐ５番目の都市です・・・だから○新が威張ってますが（笑）・・・嗚呼ーッそれにしても松橋が・・・・

・・・あっ・・そろそろ

（３０年後の日刊スポーツ東京本社）
部下「○島さん取締役兼スポーツ局々長、ご就任おめでとうございます」
○島一浩「ああっありがとう」
部下「ここまで来るにはさぞご苦労があったのでは？」
○島一浩「そうだよなぁ苦い思い出は・・駆け出しのころになぁ・ホラっ今ＦＥＳ（極東アジア・シベリア・沿海州）リーグでナンバーワンの「赤黒コンサヒバリアン」・・がコンサドーレ札幌って言ってた時に、シーズン途中の選手の獲得で初めてのスクープを記事を書いたんだ」
部下「それでどうなりました？」
○島一浩「さんざんさっ！コンササポからも非難の嵐！ちゃんとウラ取ったか？とデスクに聞かれて、ウラも表も取りました・・じゃ記事にすると」
部下「ウラは取れていたんですね？」
○島一浩「それまでウラを取るってのは・・取材経費で落とす領収書の表書きを書き換えて貰う事だと思ってたから・・」
部下「そりゃ出世するわ・・・」

posted by 大阪の道産子| 2007-07-23 16:14

Re:【第29節】厚別はまた伝説を刻んだ　

オオドサさん

面白すぎます！！

posted by hibari| 2007-07-23 20:03

やった！初ゴール♪　

初めてひばりさんにうけました♪ややループシュート気味でしたが・・・やったね♪

それにしても次のベガルタ戦は正念場ですネ、勝てばその次は京都は休みなので・・・
でも僕は２強状態ならそんなに心配してませんョただ三つ巴とかは辛くなるので・・でも監督はきっとプチ姑息戦術をしばらく使うはず♪

posted by 大阪の道産子| 2007-07-23 20:48

Re:【第29節】厚別はまた伝説を刻んだ　

　いえいえ、土曜日の石井のスーパーヘッド並みのスーパーシュートですよ。

　仙台は、うちを１年遅れで忠実にトレースしているから、今年は攻撃サッカーで終盤に失速して、来年、守備重視のゾーンプレスで昇格でしょう。１年遅れですから。

posted by hibari| 2007-07-24 00:25