2007年12月13日

妄想CM

会社から帰る夜中の道すがら、立ち並ぶマンションの隙間の夜空に星を見る。
自分の不甲斐無い会社での暮らしを思い、何故自分はこんな場所に居るのか
そんなどうにもなら無い疑問を、どうしようもないと解っているけども感じる。

最寄の駅から自分の部屋に帰る途中、立ち寄ったコンビニ。
何の気も無しにビールが並ぶ棚の前に立つ。
目に映る、目に入る、目に入ってくるのはサッポロ、黒ラベル。

その星を見ていると、頭の中に色んな時間がフラッシュバックする。
絶望的な連敗の後に博多で決めたダイビングヘッド、
先制された状況からルーキーがボールを持ち、ロングを放った室蘭。
準々決勝で破れた後、絶望せず声を張り上げた丸亀。

黒ラベルを手に取り、会計を済ます。
ソレを手に持って家に向かう途上、思い浮かぶ柳下体制の残り2年。

池内で沸き立つ厚別、三原の小瀬ゴール、ドームの3失点。
フッキをドツいて叫ぶ柳下監督、夜の厚別上里のロングシュート、
柏での絶体絶命を起死回生した相川、フッキ、中山のゴール。
勝ち上がっていく天皇杯。一歩も引かなかったガンバ大阪戦。
Jの覇権の一端を担うクラブに突き刺した、生え抜きの一発。

家に帰り、ムヤムヤした気持ちを少し抱えて非常階段の踊り場に出る。
街の冴えない夜景を眺めながらプルトップを開け、ふと立ち上る香りを感じる。
週の終わりのたび、飛び跳ね、怒鳴り、歓喜し、苦悩して、
そうしてついこの間絶頂の感動を覚えた。その時をまた思い出す。
ビールを飲む。喉に流す。
ここまでの数え切れない絶頂の宴会で、どん底の宴会で、
仲間と飲んだその味が、今また喉を突き通る。

そうだ俺は札幌が好きなんだ。その為に走ってきた。
札幌が好きで、その為に走って、跳んで、叫んで、合間には、飲んで
そうして来た全ての時間をこれを飲む度に思い出す。
自分は一人じゃない。同じ思いを共有する誰か、
決して少なくない誰かが居る限り、自分は潰れない。
何が相手でも、誰が相手でも、自分が札幌を思っている限り、
自分は、潰れない。

札幌を思う全ての人の心に沁みる、サッポロビール。

posted by アラブ |00:36 | 由無し事 | コメント(0) | トラックバック(0)

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