2007年06月12日

【第20節】アタックにはトスが必要です

バレーボールで効果的なアタック(攻撃)には、タイミングよくトスを上げてもらう必要があるわけで、アタッカーばかり揃えていても勝つことは難しい。たった一人のセッターがいるのといないのでは大違いになります。

というわけで、第20節鳥栖戦。序盤、開始僅か1分で西澤にイエローを出した主審が一番テンパっていたのは間違いないですが、2番目にテンパっていたのはでっかいフラッグを持っていた人たちでしょう。風が強い日でスタジアムの構造上、気まぐれに向きを変えていましたから。
そんな訳で前半にやたらと黄色い紙がピッチ上に舞い、このままだと誰か退場するのは確実という情勢でしたが、主審も選手もハーフタイムでアタマを冷やしたので、後半は静かなスタートを切りましたが、早々に藤田征也が「J加盟後」通算500ゴールとなる得点を挙げました。J加盟後とこだわるのは、チームとしての歴史を考えるとJFL時代をなかったことには出来ません。この主張というか危惧はもっともで、みんな(マスコミも含めて)が500という数字を前に押し出すなら、それを違うといえるのはサポーターだけです。

鳥栖20th


1点取ってしまうと、このチームは点を取られる匂いを感じないのは毎度のことで、開幕戦の京都サンガ戦@西京極でのヘタレ具合で「合宿の打ち上げの練習試合」と自分を慰めたのが僅か3ヶ月前とは思えないほどの安定感です。相手のサガン鳥栖が妙に中央突破にこだわっていたこともあって、CB2人がことごとく攻撃を跳ね返していきます。まぁ何度もあれば危ないシーンも一度や二度はあるのですが、高木の鋭い判断や相手のツメの甘さがあって点は入りません。
鳥栖が中央突破から抜け出せないのは、札幌のボランチとバックラインの間にスペースがある(ここを最初に使ったのは草津だったかその前の愛媛だったか)からで、そこにボールが入るとそれこそ、雲霞のごとく鳥栖の選手が中央に引き寄せられます。レベルが違うのを承知の上で喩えるなら、見た目は「小学生のサッカー」です。というかいまどきの小学生サッカーでもサイドを使いますが。バレーのアタックにはトスが必要なのと同様に、一度サイドへ出せばかなり違った攻撃になった気がします。特に中央で短いパスを繋いでいくうちにサイドに流れていくと、逆サイドがガラあきで、そこを使われるのはこの日のサイドバックが2人とも絶好調ではなかっただけに札幌にとっては嫌な流れになったと思います。
鳥栖に欠けていたのはボールを散らすことができる視野の広いプレーヤーだったことは間違いありません。本来は尹晶煥がその役割を負っているのでしょうけど。

それでもおそらくハーフタイムでもっとサイドを使うように、という指示が鳥栖にはあったのでしょう、前半は札幌の左サイド、西谷が全く攻撃には機能しなかったのが、後半は何度か左サイドから形を作れるようになりました。そもそも後半開始早々に西谷からゴール前へのクロスが入ったのを相手GKがキャッチして、そのフィードを芳賀が拾って石井に繋いで、DFラインの裏へ出したパスに藤田が走りこんで得点が生まれました。

この日の鳥栖スタジアム、観客は1万人弱ですが、バックスタンドの上部席(2階席、3階席と呼んでます)の大半は招待券でした。席種的にはレギュラー席なのですが、メインの両サイド、バックスタンドの両サイド、バックスタンド上部スタンドとレギュラー席はあちこちに設定があるのですが、「招待券はメインスタンドには入れません」「招待席は1階スタンドには入れません」という案内板が出ており、せっかく足を運んでくれた観客がネガティブな案内ばかり見せられて、次回以降に有料入場者となってくれるか疑問です。とは言うもののメインスタンドアウェー側で我々の前に大人ひとりで子供5人を連れてきた親父のように、ジッとしていない子供を試合中、終始躾ているのも気が散って困ったのですが。

posted by tristar |22:31 | コンサドーレ周辺 | コメント(0) | トラックバック(0)

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