コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2006年08月15日

ひぐまスポーツJ村回顧版(1)

札幌ユースの夏終わる
 サッカーJ2・コンサドーレ札幌の下部組織にあたる各年代別チームの夏の全国大会が終わった。今年は初めてU-18、U-15、そしてU-12と、すべての大会に出場を果たし、それぞれが各地の予選を勝ち抜いてきた全国レベルの強豪との真剣勝負に臨み、貴重な経験を積んだ。
 すでに休む間もなく次の目標に向けて始動しているチームもあるが、ここで札幌ユースが参加した夏の全国大会について振り返ってみたい。


日本クラブユース選手権U-15(8月12日~・於Jヴィレッジ)
 まずは現在も大会は進行中であるが、グループラウンド敗退となったU-15より。
 今大会には01、04、05年に続く3年連続4回目の出場で、過去最高の成績は04年のベスト8だった。昨年もグループラウンドを勝ちぬけていたが、今大会はグループリーグ初戦での大敗が響き、惜しくも得失点差で3年連続の決勝トーナメント進出は成らなかった。


<コンサドーレ札幌U-15集合写真>


<札幌●0-8○京都/12日>
 グループBに属した札幌は初戦で関西の強豪京都パープルサンガU-15と対戦。守備を固める相手にボールは回せるもののフィニッシュまで持ち込めず、逆に手薄になった守備を突かれ2点を奪われて前半を終える。
 立て直したい後半、札幌がいい流れをつかんだ時間帯もあったものの、前半の攻め疲れの影響も出たのか京都の猛攻に晒され、35分ハーフで6失点を喫する。特に終了間際の数分間で連続して同じようなパターンから失点を重ねており、技術面やフィジカル面もさることながら精神面での脆さを露呈してしまった。
 なお京都のベンチには元札幌の古川毅コーチがおり、さしずめ恩返しをされた格好となった。

<札幌○2-1●ジェフ習志野/13日>
 ともに初戦に破れグループ突破のためには後がないチーム同士の対戦。前半優位に立ったのはジェフで、幾度も決定的な好機を迎えたが、札幌守備陣の粘りやシュートがポストに阻まれるなどして得点を奪えず、札幌も数少ないカウンター攻撃も結実せず双方無得点で折り返す。
 後半に入ると期待の司令塔MF古田寛幸(3年)を起点に札幌は本来の攻めの姿勢を取り戻し、互いの闘志がぶつかる好ゲームが展開される。21分に右スローインから今大会右サイドバックで起用されているMF平井雄大(3年)が中央のFW大地優貴(3年)に渡し、ドリブルからシュートを決める。今大会初得点で意気上がる札幌はさらに4分後、今度は左スローインからのボールをジェフゴール前でつなぎ、最後はまたしても大地が冷静に押し込んで追加点を上げる。
 直後にジェフに1点を返されたものの、守りに回ることなく攻めてシュートで終える攻撃を続けた札幌が勝利を収めた。
 この両チームは昨夏も対戦し札幌が勝利を収めているが、実力的には伯仲しており、わずかに勝負運が札幌に傾いただけと言える薄氷の勝利だった。


<札幌-ジェフ習志野戦より。ゴール前の攻防でセーブする札幌GK安田>


<札幌△1-1△大宮/14日>
 1勝1敗・勝ち点3同士でのグループ2位の座をかけた一戦だったが、試合前時点の得失点差で札幌が-7、大宮が-1と不利な状況にあり、札幌は何としても勝利を求められる試合となった。
 試合開始早々札幌右サイドの深い位置から出た何でもないロングボールに対し札幌DF陣は対応を誤り、1人だけ詰めてきた大宮FW苦木にDF3人がかわされて易々と先制されてしまう。「目が醒めていなかった」としか言えない凡失である。3人もいたのであれば1人がボールを処理し、1人が追ってきた相手選手へ付き、もう1人でウラへのこぼれをカバーすれば何一つ難しいことなく凌げた場面だった。練習では問題なくできているであろうプレーが本番でできなかったのは緊張や集中の欠如もあったかもしれないが、声の連携不足が指摘できる。この場面、札幌DFは誰一人声を出さず指示も送らず、それぞれの役割分担が不明確なまま曖昧なプレーをしてしまった。失点は必然である。
 そもそも札幌の選手間での声の連携が少ないことは数年前から指摘されてきた重大な問題点である。これが一向に改善されず、危険な局面で露呈してしまう現状を見るにつけ、選手個々がより一層試合中のコミュニケーションの重要性に気づくような意識改革を日常の練習の中から実践していかなければならないと強く記しておく。
 試合に戻ると、6:4程度の割合で大宮が試合を握る。中盤でのプレッシャーにいまひとつ厳しさのない札幌はマイボールとなっても相手バイタルエリアまで持ち込み崩しきる場面が少ない。古田のミドルレンジのシュートも枠を捉えきれず前半をビハインドで終える。
 後半は互いの意地のぶつかり合いとなる見ごたえのある応酬も見られた。開始早々の2分に右サイド奥まで単独突破で持ち込んだ古田が角度のないところから(恐らく)相手GKのニアサイドを抜き同点ゴールを決める。その後は気温29℃の厳しい条件が互いの足を重くさせる中、双方決定的なチャンスは作るものの決めきれずに時間が経過し、1-1のままのタイムアップとなった。
 この試合を観戦していた昨年までの札幌の現役選手で、現在は浦和レッズでスカウトを勤める田畑昭宏さんは「どっちに転んでもおかしくない試合だった。あと1点取れるか取れないかのちょっとの差が大きい。この年代はそういったことを選手たちが自分で気づいて学んでくれればいと思います」と語った。まさにその通りである。悔し涙を無にしないためにも全国の舞台で戦ったこの経験を次の舞台で活かしてほしい。
 今大会の札幌U-15は本来攻撃的な選手をコンバートさせたりといった影響で守備ラインに不安を抱えていた。この不安がチームに伝播しマイボールになった際の出足の最初の一歩の判断、あるいは守備の局面において「かわされてはいけない」の心理からかあと一歩の詰めの甘さにつながったように思う。初戦はともかくジェフ戦、大宮戦では最終局面での身体を投げ出す献身的な守備は見られただけに、あとは高い位置からの組織的な守備に磨きをかけていきたい。
 向上心を燃やし続ける若者に終着駅はない。


<札幌-大宮戦より。右SBで起用された平井>

(以下次回)


posted by higuma |21:17 | コメント(0) | トラックバック(0)

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