コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2009年08月18日

ひぐまスポーツJ村2009版5

札幌U-15、グループ全勝でベスト16へ(その1)【福島】

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<初戦・横浜FC戦前の円陣>

 中学生年代のクラブユースチームの日本一を決する「第24回日本クラブユース選手権U-15」が8月14日から福島県楢葉町のJヴィレッジで開催されている。
 15日から始まったグループラウンドでは参加32チームを8つのグループに分けて総当り戦を行い、各組上位2チームがベスト16にあたる決勝トーナメントへの切符を手にする。
 6度目の出場となったコンサドーレ札幌U-15(以下“札幌”)はグループBに割り振られ、関東地区代表の横浜FCジュニアユース、関西地区代表の千里丘FC、中国地区代表のサンフレッチェ広島ジュニアユースと3試合を戦い全勝を収め、勝ち点9のグループ一位で決勝トーナメント進出を決めた。

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<横浜FC戦より。主将・6堀米悠斗と名塚善寛監督ら札幌ベンチ>

 初戦となった横浜FC戦は激戦の関東地区予選で4位となり、同市内の名門・横浜F・マリノスをも脅かす実力を付けてきたとも噂される相手であった。加えてお盆を迎えてようやく福島の空にも夏の強い日差しが照り付けるようになり、厳しい試合となるは必至と思われた。
 ところが横浜FCは初戦の堅さがあったのか、とても関東代表とは思えぬルーズな守備で札幌に中盤を支配されてしまう。対する札幌は前年度の高円宮杯を経験した選手や、小学生年代において「全日本少年サッカー大会」に出場しJヴィレッジの雰囲気を知っている選手も多く、立ち上がりから伸び伸びとプレーし、10MF神田夢実(3年)を中心にパスを回しドリブルも織り交ぜ、自分たちから試合を支配しようとアグレッシブに戦う。

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<横浜FC戦より。決定機をGKに当ててしまった10神田夢実>

 札幌優位で迎えた15分(今大会のグループラウンドは35分ハーフ・延長戦なし)、神田が右に流したボールをPエリア右角付近から5MF深井一希(3年)がゴール前へ浮かしたボールを送ると、これが相手GKの頭上を越えてゴールネットを揺らし先制点となる。打った本人はクロスを企図したつもりだったらしいが、結果オーライのループシュートとなった。
 その後も札幌が優勢に試合を進め、神田、深井、11FW下田康太(3年)らが次々とシュートを放つものの追加点を奪えず前半を1-0で折り返す。
 公式記で28℃という暑さによる運動量の低下が懸念された後半だったが、立ち上がり2分(通算37分)に4DF永坂勇人(3年)がセンターサークル右から左サイドへ一発のロングフィード。これを受けた下田が見事なタッチで相手DFをかわし、逆サイドのゴールネットへ突き刺し、札幌に追加点がもたらされた。

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<横浜FC戦より。相手選手のオフサイド気味の飛び出しからのシュートを防ぐGK16福永浩哉>

 その後は横浜FCが猛反撃を見せる。札幌は積極的にボールを回そうとするがミスも多く、たびたび決定機を許してしまう。しかし至近距離から放たれたシュートを札幌16GK福永浩哉(3年)がことごとくセーブしチームを鼓舞する。
 しばし札幌が耐える時間が続き、好機らしい好機を得られずにいた15分(通算50分)、決定的な相手シュートをまたしても福永が止めた直後、中盤でのプレスから左サイドを6MF堀米悠斗が果敢にドリブル突破。下田とのパス交換から再び堀米がサイドを深くえぐり、ゴール前へ丁寧なクロスを通すと、右サイドでフリーになっていた神田がゲットしてダメを押した。
 その後は次第に焦りの色が見え足も止まりがちになった横浜FCに対し最後まで運動量が落ちなかった札幌が耐え抜き3-0で初戦を白星で飾った。
 全体に札幌の、特に中盤でのプレッシャーが横浜FCのそれを圧したといっていい内容ではあったが、数度にわたって決定機を与え福永の美技に救われた点は看過してはならない一方、攻撃面でも絶好機でGKの正面にシュートを放ってしまったり、枠を捉えきれなかったりなど、反省点も浮かぶ一戦であった。


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<千里丘FC戦より。183cmの体躯でDFラインに立ちはだかる4永坂勇人>

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<千里丘FC戦より。激しい当たりも厭わずクリアする20MF前寛之>

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<千里丘FC戦より。きょうも最後尾から味方を鼓舞し続けた福永だったが…>

 翌16日は一サッカーファンとしては非常に後味の悪い試合となってしまった。
 対戦相手は関西地区代表の千里丘FC。初戦で広島を破り勝ち点3を得ている。千里丘とは2年前の高円宮杯全日本ユース選手権U-15のグループラウンドにおいてコンサドーレ旭川U-15が対戦し勝利を収めている。無論選手はその当時とは入れ替わってはいるが、ガンバ大阪のジュニアから入った選手も多く、手ごわい相手であることが予想された。
 序盤こそ昨日の勢いそのままに札幌が攻め立てるが、やがて昨日の横浜とは打って変わって厳しいプレス受けながらボールを奪い合う展開となる。双方に好機は生まれるが、互いにミスやGKの美技でスコアは動かない。ただ、早い段階から些少な接触プレーに対しても頻繁に笛を吹き、ファールを取り続けるレフェリングには注意が必要とは感じていた。

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<千里丘FC戦より。何らの問題もないプレーで福永が退場。悪夢としか言い様がない光景だった>

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<千里丘FC戦より。突然の出番にも気持ちを込めてゴールマウスに立つ1阿波加俊太>

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<千里丘FC。GKの退場なので阿波加を交代出場させるため退いた17FW内山北斗。彼も被害者の一人だ>

 そして28分。札幌左サイドを突破してきた相手のボールに対し、GK福永が勇敢に飛び出してボールをブロックする。ここに相手DF13永井が飛び込み、ボールを処理した体勢で残っていた福永の体を越えてピッチに倒れこむ。ボールはゴール方向とは逆(倒れた選手とも逆。ピッチの内側)に弾み、永坂が大きくクリアしたものの、主審は高らかに笛を鳴らしPKを宣する。それどころか間髪を入れずレッドカードを提示し、今大会幾度ものピンチを救ってきた守護神は失意のままゴールマウスを離れることになってしまう。余談だが笛が鳴った瞬間は千里丘の数人の選手も「何故?」と主審に向かって両手を広げて疑問のジェスチャーをしていた。恐らくシミュレーションによる笛と感じたのだろう。観戦者が見た限りではいずれにも非はなく、プレー続行が妥当な一連の状況であったように感じる。
 GKの退場であるため、札幌はFW17内山北斗(3年)を止む無くベンチに下げ、背番号1を付けながら控えに回っていた長身183cmの阿波加俊太(3年)をピッチに送る。最初のプレーとなったPKは左へ飛んで相手シュートを見事にブロックしエンドラインへと弾いたものの、これで与えたCKから相手5古賀琢也にヘディングシュートを許し、今大会初失点を喫してしまう。しかしその後の阿波加は安定したプレーを見せ、交代出場とは思えぬ存在感を発揮していく。

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<千里丘FC戦より。中盤で奮戦する8MF佐々木誓哉>

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<千里丘FC戦より。絶体絶命の危機を右足一本で救った阿波加>

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<千里丘FC戦より。逆に1対1の絶好機を相手GKの美技に阻まれる22FW國分将>

 後半も双方攻め合い凌ぎあう見ごたえのある展開となったが、相変わらず主審の基準が不安定で好ゲームに水を差し続ける。神田のシュートに対し相手選手がPエリア内で手で防いだプレーも至近距離で見ていたにもかかわらず流した一方、17分(通算52分)には神田を後ろから削った千里丘9FW采女にこの日2度目の警告が為され(これは妥当な判定)退場となり、これで双方10人対10人と数的互角になる。

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<千里丘FC戦より。神田を後ろから倒した千里丘9采女がこの日2度目の警告で退場となる>

 このままでは終われない札幌はさらに前への圧力を強め、途中出場の22FW國分将(2年)が相手GKと一対一となるなど決定機も創出するが相手の堅い守備の前に寸でのところでゴールを割ることは叶わず、1点が重くのしかかったまま終盤を迎える。
 しかし28分(63分)、中盤右で深井からのパスを受けた堀米がドリブルで進撃し、ひらりひらりと相手を交わし正面へと切れ込みながら左足でシュートを試みる。相手DFに当たって浮いたボールをゴール正面で待ち受けていた下田が身体を投げ出すようにして右足を合わせると、ハーフライナーとなったボールは相手GKのタイミングを微妙に狂わせゴールネットへと吸い込まれる。
 起死回生の同点ゴールで意気上がる札幌はさらに相手左サイドが手薄と見て圧力をかけ、32分(通算67分)に下田→國分と渡ったボールを、長い距離を走り味方を追い越してきた7MF中原彰吾(3年)が相手DFの間を抜け出して受け、ゴール左に流し込んでついに勝ち越しに成功する。
 ロスタイムには決定的なピンチも迎えたが相手のミスにも救われ、札幌が苦闘を制し2連勝を飾った。

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<千里丘FC戦より。11FW下田康太の同点ゴールを祝福するイレブン。流れは一気に札幌に傾いた>

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<千里丘FCより。試合終了。1失点は喫したがその後を抑え活躍した阿波加とチームメイトが握手>

 1人少ない時間帯が長く、強い日差しと27℃という気温も札幌の選手たちの足に錘を付けたに違いないが、ベンチも含めた全員が漲る闘志でハードワークした結果手にした価値ある勝ち点3である。対して互角の戦いを見せた千里丘FCの選手たちにも拍手を送りたいが、あらためてゲームの主役が選手たちであることを忘れたかのようなレフェリングに終始した審判には苦言を呈しておきたい。あまりにもお粗末と言える誤審はこの際さて置いても、試合を通じて随所に疑問な判定が百出したことは協会、クラブユース連盟ともに猛省を促したい。


【オマケ・粘着その2】
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 後半。神田夢実のシュートを相手選手がPエリア内で手を伸ばして止めている。
 審判がこうしたハンドを見逃すことはレベルやカテゴリーを問わず日常的にあることで、普段ならいちいち気にしてはいられない。オレ的にはむしろ「誤審を含めてサッカー」と理解するように努めているタイプだと思う。実際、三角山の実況の中でも単純な誤審に関しては「人間だもの、しょーがない」などと、これまで相当に審判を擁護してきたつもりだ。
 だけどねぇ…先にエントリ上げた福永くんの一件といい、この写真のシーンといい、本当に緊張感を持って目ぇ空けて彼らのプレーを見ているのかと小一時間と言わず雪虫が飛ぶ頃まで問い詰めたい。
 この位置この角度にいて、しかもあの高さまで腕を上げてボールを弾いている様を、本当にこの黒い人は見ていなかったと言うのだろうか?

 この大会、札幌とはまったく別の試合で、審判の判定に激昂したチームスタッフが椅子を蹴飛ばしたところを第4審判が目撃し、主審にそれを告げてスタッフを退席処分とした光景を目撃した。これは別におかしなことでも何でもない。スポーツマンシップに反した行為を行ったのだから、処分が下されるのはやぶさかではない。ただ、その逆で副審や第4審判から主審の判定に対し「今のはファールではありませんよ」とか「カードに値するようなプレーではないですよ」といった注進が為された光景をまったく見たことが無い。ここ数年、最終結論を主審が下すことに変わりはないものの、その判定に対して副審や第4審が積極的に関与し、「チーム」として試合を公正かつ円滑に裁くことができるように協会審判部でも改革が行われてきている。ワールドカップで審判が無線でコミュニケーションできるシステムが導入されているのもこの流れに沿ったものだ。それなのに、我が国ではいつも選手を不利益に追い込む場面でしか審判チームのコミュニケーションが図られていないように感じるのはひぐまだけだろうか?
 「ゲームがプレーヤーのためのものであるために」、サッカーファミリーの一員として審判は存在し、尊重と信頼を置かれるべき立場であると思う。で、なかったら審判を志す若者も続かなくなるだろう。それはこの国のサッカー界全体にとっての不幸なのであるから、我々も審判をもっとリスペクトしないといけないとは思っているし、一方で審判もプレーヤーに対して(たとえまだ少年であっても)リスペクトを払わねばならないのではないだろうか。


posted by higuma |18:38 | コメント(0) | トラックバック(0)

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