2006年03月27日

ポゼッションサッカー

ykkさんに前エントリーのコメントにて問題提議してもらいましたので、エントリーでお答えします。

ポイントは
①去年やっていたプレス&カウンターの方が見ていて楽しい。
②今のコンサの個人技術ではポゼッションは難しい。
ということだと思います。

実はこのブログの最初の方のエントリーで書きましたが、私は”プレッシング&カウンター”の経験者です。ただし、種目はバスケットボールですけど・・・。バスケットの場合は5人しか人数がいません。でもコートはサッカーの1/4程度しかなく、時間も約半分の20分HALFです(当時)。結論から言うと、それでも1試合中プレスをかけ続けるのは体力的に厳しいです。同じようなプレスDFをするチームで有名なのは”能代工業”ですが、プレスをかける時間帯と遅攻の時間帯を使い分けています。

去年、コンサは第1クールと第4クールあたりはいいプレスをかけて、うまい具合にカウンターを仕掛けてました。しかしながら、有効な攻撃はうまいことインターセプトできて、数的有利を作れるくらい早い攻撃が出来たとき”だけ”でした。それがうまく出来ないときは結構攻めあぐねていました。結論として言いたいのは”両方のオプション”を持つと常に攻め続けることができるということです。時間帯や相手関係によって使い分けが出来るようになれば、”苦手なチームがなくなったり””体力を温存しながらプレスをかけることができるようになる”と考えてます。

ポゼッションは個人技術がないと出来ないか?・・・個人技術があるほうがきっとやりやすいと思いますが、出来ないことはないと思います。ポゼッションサッカーというのは大雑把にみて、パスサッカーで基本的には”遅攻”になると勝手に解釈しています(速攻ではないという意味で意識的に遅くするということではない)。私はこれをやるにあたって、最も重要なのは”コンビネーション”だと思ってます。例えば、パスミスのことをよく非難する方がいらっしゃいますが、パスというのA選手からB選手のボールを移動するだけではなく、相手の守備がマンマークの場合2対2になっているのです。実際やってみるとわかりますが、守備がいる場合、意外にパスって出せないものなのです。なので必要なのは”受け手の動き出し”そして”あ、うんの呼吸”ですね。個人技術があるとやりやすいというのはパスを出す前の時点でキープ力があるので、”落ち着いてパスを出せる”からです。

これを戦術によってまかなう方法があります。3角形を作ること。すなわち、必ずパスコースを2つ作ることです。パスコースが一つだと前述したように受け手がしっかり振り切るのをキープしながら待たなければならないのと、パスコースを断定されてインターセプトされる可能性があるということですね。ボールがわたった選手のそばで必ず2人が動き出しパスをもらいにいくということを続けなければ、パスは単発で終わっちゃいますね。最大の目的は相手DFに少しづつ”ズレ”を生じさせて、どこかのエリアで数的有利を作ることなので、単発のパスを出しても仕方がないです。

3角形は無理に作らなくても基本的にはあります。FW2人SH2人ボランチ2人をつなぐと6角形になります。真ん中にトップ下を置いてそれぞれとつなぐと3角形は6つできますよね。もちろん、ぼけっとそこに立っているわけではないですから、それぞれがボールの動きに合わせて動き出さなければなりません。決まりごとを作ればいいと思います。智樹にボールが入ったら、線でつながれている砂川と関がボールをもらうために動き出す。関にボールが入ったら。同じく、砂川と相川が動き出すなど・・・。ただ、練習を見ていると決まりごとではなく、選手の瞬間的な判断力やインスピレーションを鍛える練習を徹底的にやってますので、どちらかといえば”個人技術”を鍛えているようです。

あとはFWのポストプレーで縦のパス交換をしないと、DFラインは引っ張り出せません。あれっ、なんか論点がずれてきたかな?結果論として、キープする力がなくても、ポゼッションサッカーはできると思います。ただし、全員の共通認識とパスの出し手などに対しての”思いやりの精神”があればの話です。

今はまだ”コンビネーション”ができてない状態だと思います。ただし、守備陣形がコンパクトなはずの横浜FC相手にあれだけパスをまわしたのはびっくりしました。あとは、どうやってフィニッシュにもっていくかだけですね。今のところは”8人目の存在”が必要ですね。加賀君、和波君のオーバラップから数的有利を作っていくしかないでしょう。早くペナルティエリア付近で中-外-中-外とパス交換して相手を崩して欲しいです。そして、ここ!と言う場面での”CHANGE OF PACE”で相手を置き去りにして欲しいです。

話は元に戻りますが、引いて守る相手にカウンターを当てるのは難しいと思います。また、ポゼッション攻撃してくる相手に対して、”受け”に回るのは危険だと思います。ポゼッションしてくる相手にはプレスをかけないと・・。DFラインからロングフィードで放り込んでくる愛媛のようなチームには前線からのプレスはききません。様々な戦術があってのJ2です。自分達のサッカーだけではなく”選択肢”も必要だということではないかと思います。

そして一番重要なのはヤンツーはその判断をピッチの中の選手にやらせようとしていることです。マスコミに対してのコメントが他人事なのはそのせいですね。課題を与えた上で”選手の思考力”を作る。多分彼の最大のテーマだと思います。自分は彼の頑固を信じてます。

典型的ポッゼッションサッカーのベルディ相手にプレッシング&カウンターで戦うかどうか本当に注目しています。

長々と失礼いたしました。

あっと・・・追記しますが、あくまでも私が柳下監督の心の中を正確に読んでいればの話です。もしかすると美化しすぎかもしれません。あくまで個人の意見です。


posted by z-press |09:00 | TACTICAL-戦術 | コメント(3) | トラックバック(1)

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Re:ポゼッションサッカー

初めまして。
実は前からz-pressさんのブログのファンで、たまに寄らせてもらっています。
私は感覚でしかサッカーのことを語れないド素人なので、z-pressさんの文章を
読ませていただいて、とても勉強になります。
やはり、選手目線で戦術を語れる方の文章は説得力があります。

今回、ここを読ませていただいて、頭の中がすっかりクリアーになりました。
雲が晴れたみたいな感じです。私の中での迷いも吹っ切れました。
今までどおり監督を信じて、チームを見守っていきたいと思います。

エントリー楽しみにしてますね。ありがとうございました。

posted by ERI | 2006-03-27 19:37

Re:ポゼッションサッカー

こんにちは(^o^)丿

いつもの事ながら、理路整然としたご説明ありがとうございます!!
ERIさん同様、私も頭の中のもやもやが晴れてきた気がします。

私のブログでこのエントリーを紹介させてもらっていいでしょうか?
と言いながら、もう準備にかかってます
z-press教室の授業は本当に私のバカ頭によく効く薬です。
これからもどうぞよろしくお願いします

posted by birrla | 2006-03-27 21:46

Re:ポゼッションサッカー

お二人様、いらっしゃいませ。

ここに書いているのは一般社会でいえばマニュアルです。ヤンツーはマニュアル人間を作るような下衆な上司ではないと思います。最終的には選手自身が状況を把握して、局面を打開すべく方法を考え、まわりとコミュニケーションをとって、チーム全体を動かせるような選手を作りたいのだと思います。選手の技量はよっぽどの身体能力の差がない限り、”頭の中”にあるはずだからです。私の書いたようなマニュアルはただの指標にすぎないと思います。

今のコンサは選手個人は一生懸命ですが、チームが一生懸命ではない状態です。お互いが遠慮しあっているのか、それぞれが言いたいことを言えない状態だと思います。きっかけがあれば”爆発”すると思いますよ。きっかけがコンササポの罵声というのはやだなぁと思っていますが・・・現状はその可能性が高いですね。

posted by z-press| 2006-03-27 22:49

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