2007年11月13日

氷のような白刃

前回のような体たらくの試合を道内に露出してしまった、
しかも視聴率もそこそこ良かった、ということはそれだけ
北海道を代表するJチームのレベルの低さを露骨に周知させて
しまったわけで、あんなに見てて昂揚感のないパフォーマンス
しかできないチームの試合に誰が見に来るか、とオイラはすっかり
自棄になったものだが、聞くところでは前売り券の捌け方も上々
らしい。

4年前からの札幌を知り、なおかつ応援し続け、今年の戦法を
涙を呑んで受忍してきた身としては、今まで弱い札幌に洟もひっかけ
なかった一見さんがいったい何を期待して見に来るのかはなはだ
疑問ではあるが、観客が増えることは営業としては好ましいこと
確かではあるので、まずは祝着至極である。

昇格が目の前に迫って各ブログも熱く応援の気概を表明している
わけで、その熱気の高まりや良し、とは思うものの、肝心の自分は
なぜか、先々週からの風邪から来る体調不良ともあいまってか、
思いはひたすら沈潜し、青く冷えていくばかりなのである。

もちろん、日曜日にはゴル裏にノコノコ参上して、乾燥でガサガサの
喉を張り上げている自分がいることは、まず間違いない。当日の雪で
事故を起こさなければ(各位もじゅうぶんお気を付けください。
オイラはまだタイヤを履き替えていないので、どのタイミングでやれば
いいやら思案中)。

ただ、どうしても重しは取り払えていない。

鳥栖戦前日の万博でのG大阪vs千葉の試合を生中継で見ていた。
執拗な密着プレス、それをかいくぐる巧妙なパス、奪ったボールに
寸分違わず待ちかまえるフォロー、コマのように反転する足捌き…。
どのプレー一つとっても、残念ながら今年の札幌の試合では見たこと
もないサッカーだった。2-0の点差は付いたが、それは結局FWの
差だった。あれだけのプレーをあざ笑うようなFWの決定力が、
J1トップチームにはある。

一方の札幌は、鳥栖に何一つ上回るプレーを見せられなかった。
(この点に関しては、いつも通りのパフォーマンスを見せていた、
と好意的だった道新より「ミスミス負け」と揶揄した日刊スポーツ
の表現は、腹立たしいが正鵠を射ている)
鳥栖が今年一番の良いプレーをしていた、と言い、だから仕方ない、
と言う人も散見したが、そんな免罪符はJ1に昇格したらただの紙切れ
にすぎない。玉石混淆の面はあるものの、J1のチームはおそらくは
それと同等以上のプレーをしているはずだから。
(新潟は確かに負けたが、そういう結果もあり、と考えた方が良いだろう)


のるかそるかの決戦前に不吉なことを書き並べているが、許してほしい。
そも、オイラにとってJ1への昇格は結果ではあるものの終着点では
ない。これはチームもサポもそうだと思っているが、間違ってはいない
だろうな。
J1に行って、横浜FCのようにズタボロにされておめおめJ2に
三度出戻ってくるために昇格するのではない。
いや、仕組みがある以上は降格の危機は必ず訪れるとは思うし、
それは将来的に避けられないとは思うのだが、来年の今ごろに
現在の横浜FCサポのように悲嘆に暮れたくもないし、甲府サポのように
進退窮まった悲鳴のような応援をしたくもないのだ。
J1に行って、J1にふさわしいプレイをし、定着し、コンサドーレ札幌
独自のサッカーを確立するために、その一歩として昇格を目指してほしい
のだ。

ならば、前回の試合をしかたなかった、で済ますべきではない。
「J1を目指すチームがやるべきではない、みっともない弱い負け方
をした」と批判し、あんな醜態を札幌のサポの前では見せない、という
決意が必要だ、と思う。
もしそれを知っていながら看過するなら、来年の今ごろに札幌の
降格を横目に鳥栖が昇格を果たしているかも知れない。
「強いところが勝った、と言っただろう?」と岸野監督の嘲弄を、
オイラは来年の今ごろに聞くのは絶対にゴメンだ。
だから、と言ったら強弁すぎるが、今この文字通りの決戦の前に、
オイラは悪罵を吐く。

そんなんで、J1で生き残れるわけ無いべやっ、と。


今年の神戸のようになれれば簡単だ。金さえあればJ1に相応しい
選手を揃えてチームを底上げできる。
しかし札幌はムリだろう。昇格を果たしてもおそらく今とほぼ変わら
ない選手たちで来年もやって行かなくてはなるまい。ヘタをすれば
中核になる選手がかっさらわれ、レンタル選手は返さねばならない。
むしろ、戦力はダウンするかもしれない。
なればこそ、背伸びをしても見栄を張っても無茶をしても、J1に
伍していけるようなプレーを今から目指さなくてはならないのだ。

選手達の苛酷な未来を思いつつも、オイラは氷のような想いを研ぎ澄まし、
日曜を待とうと思う。


前回のエントリにコメントいただいた方々には、重畳ご不快をお詫び申し
上げます。

posted by FT |20:32 | 071118vs京都in札幌ドーム | コメント(2) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:氷のような白刃

現地で見てましたが、そんなに悲観するほど悪くなかったですよ。
正直、結果はどうであれ、気持ちは札幌の選手のほうが入ってた感じが伝わってきました。
昇格にかける意気込み、ってのは、どんどん強まってる気がします。

私、関東に在住してるので結構いろんな試合は見てるのですが、やっぱJ1とJ2でレベルの差があるのはしょうがないですよ。
ただ面白いことに、日本のサッカーって相手なりに試合が進めてしまうことが多々あって。
レベル高いほうに引っ張られることもあれば、その逆もあり。

J1にあがったとして、レベル高いほうに引っ張られることで、コンサの選手がレベルアップすることを信じたいです。
それによって、去年までのサッカーが顔をのぞかせてくれることもあると期待してるんだけど。。。

posted by oates| 2007-11-13 21:44

Re:氷のような白刃

去年と今年の札幌のサッカーは違うし
今年と来年の札幌のサッカーも違うでしょう。

来年のことは来年(今シーズンが終わってから)心配するのが
精神衛生上最適な選択だと思います。

posted by 生涯一サポ| 2007-11-13 21:57

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