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2011年03月16日

1000年に1度の大地震

阿部勝征先生が『貞観地震(869年)の再来かも。1000年に1度の大地震』とおっしゃったようですが、貞観三陸地震はM8.3~8.6程度とされており、そういう意味では有史以来の日本としては未曽有の大地震と言ってよいのかもしれません。
正直僕も、生きてるうちにM9の地震を目の当たりにするとは思わなかったです。ただ、それを『未曽有の』のひと言で片づけてしまうのはどうかな、とも思っています。


世界に目を向けると1900年以降の世界では、今回の東北地方太平洋沖地震を含めM9.0以上の地震が実に5回も起こっています。仮に1900年以前もこの頻度で巨大地震が発生していたと仮定すると、1000年の間に40~50回ものM9.0以上の地震が起きていたことになります。
また、資料によって違いますが、世界で起きる地震の1~3割は日本周辺で起きると言われています。1割としても、1000年の間に日本の近くでは4~5回のM9.0以上の地震が起きていた、と算出されます。巨大地震が起きやすい場所、っていうのもあるでしょうから、これが正しいかは分かりませんが。

地質時代において、人類の時代と言われる第四紀は約258万年前に始まった、とされています。また、現生人類であるホモ・サピエンスが誕生したのは約25万年前。
1000年に1度と言われた今回の地震を日本周辺での有史以来最大ということで、仮に1万年に1度としましょう。
これを、いわゆる『人間らしい人間』ホモ・サピエンスの時代にあてはめると25万年の間に25回。自然科学的なものの見方をすれば決して少なくない回数の、M9クラスの地震が日本の周辺で起きていたのかもしれません。


次に『1000年に1度』の話。
『1000年に1度』と言われると、何だか1回起きてしまうとあと1000年は起きないような気がします。でもそうじゃない。1回起きたあと1000年かからずに起きるかもしれないし、1000年以上たってから起きるかもしれない。200年で次が来るかもしれないし、1500年たっても来ないかもしれない。言い換えれば『1万年に10回』とか、『10万年に100回』といった、ものの考え方をした方が良いのかもしれません。


最後に余震の話。
どこかのテレビ局では、M5以上の余震の回数を過去の地震と比較してグラフに表していました。これは本震の規模が違うので単純に比較するべきものとは違うと考えます。一般的には本震が大きければ余震も大きくなりやすいと思いますが、地震そのものの発生機構により、余震の起き方も違うのかもしれません。

とりあえず、気象庁が発表した『3月13日10時から3日間のM7以上の余震の起きる確率は70%』、これについて考えてみました。細かい数字はarrozによるざっくり計算なので間違いもあるかもしれませんが、大体そんなものなのかなっていう感じで。

気象庁ホームページより、3月13日10時から3日間の余震と思われる地震(最大震度3以上)を抽出してみた。この3日間での余震(最大震度3以上)は計62回。マグニチュードは最大M6.4から小さいものでM3.9。
この余震62回分のエネルギーを全部累計したところ、M6.9の地震ほぼ1回分になります。というか、にしかならないというべきか。こんな事情が17日午後2時までのM7以上の余震の発生する確率を未だ40%としているところにあるのでしょうね。
被害の出ない地震を頻発させて、残ったストレスを放出してくれるのは良いことだと思いますが、その度に「また来たか!」と思われているであろう現地の皆さんのことを思うと、そうも言っていられません。


これ以上の被害を出さずに、余震が収束に向かうことを願っています。

posted by arroz |18:56 | 雑記 | コメント(0) |

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