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2007年02月02日
ずいぶん前に書きかけていたものを置いておきます。ここを見て下さっている方で将棋ファンというのは少ないと思いますが、自分の備忘録として。常々、サッカーと将棋というのはかなり両極端な(対照的な)ゲームであると思っているのですが、折に触れてその話もしてみたいと思います。 2006年の将棋界は、今後数十年の未来を左右する3つの大事件がありました。それが下記の3件ですが、どれも「将棋界はどうあるべきか?」という根本に関わる、深くて難しい問題を抱えています。 1.名人戦問題~なぜ将棋でメシを食えるのか? 詳細は「勝手に将棋トピックス」さんに纏められているので、そちらをご参照下さい。今回の件で私が個人的に言いたいのは、今の日本将棋連盟理事会がビジネスというものを全く理解していない事ですかね。もしHFCがこんなお粗末な対応をしていたら、札幌サポの皆さんからはブーイングの嵐が吹き荒れるかとw そもそも朝日新聞社と毎日新聞社は長年名人戦の主催を巡って争ってきた歴史があり、将棋連盟はそのおかげで様々な恩恵にあずかってきました(例:毎日の王将戦設立、朝日の全日本プロトーナメント(現朝日オープン)設立)。その朝日と毎日を連合軍にさせてしまった事は、今後は1対2で戦う事を意味し、将来の契約金交渉で不利に作用する可能性大です。その後、連盟は名人戦VS竜王戦(読売新聞社主催)というもう一つの対立軸を利用して契約金大幅UPを目論んでいたようですが、結局は朝日から「普及協力金」と言う名の一時金をもらっただけに終わっています。これからの課題としては「普及協力金」をどのように生かして将棋衰退の流れを止められるかだと思いますが、まあお手並み拝見という事にしておきましょうか。 他にも色々言いたい事もあるのですが、将棋世界1月号での特集があまりにもひどかったので、一々批判する気もなくしてしまいました。 2.女流棋士独立~アマに対するプロはどうあるべきなのか? これも重たい問題ですね。女流棋士は男性棋士よりも実力は劣っていますが、将棋という男の趣味においては貴重な存在だと思います。我々がプロサッカー選手と一緒にフットサルをやるとして、フッキと川上直子だったら当然川上さんを希望しますよね?w ということで、今後はよりレッスンプロとしての意識を高めていって欲しいものです。 3.将棋倶楽部24買収~将棋が強ければプロなのか? これはインターネットの世界での大事件ですね。これも将棋をやらない人にはなじみがないと思うのですが、全国の初心者からプロまでが集まる「将棋倶楽部24」という有名サイトがあるんですよ。誰でも無料で(しかも自宅で!)将棋対戦&観戦ができるというのは画期的な事で、これによって地方の将棋レベルは格段に上昇したと思います。サッカーで言ってみれば、宮の沢でいつでもバルセロナと練習試合が出来るようなものです! ここで問題となるのが、自宅でプロorそれに準ずるクラスの将棋が見られる時代に将棋プロの存在理由ってなんでしょうか?並のプロ級の将棋なら「24」でも見れるので、今や将棋を指しているだけでお金を取れるのは上位30人程度の棋士だけではないでしょうか。インターネット道場という強力なライバルに対して採りうる対抗策というのは、プロ棋士としての含蓄に溢れる指導という道しか残っていないのではないかと思います。(要するに、もっとアマチュアへの普及をまじめにやれ、という事ですね。) 昨年、日本将棋連盟はこの「将棋倶楽部24」の買収を発表しました。このこと自体はライバルの「近代将棋」誌への対抗策と思いますが、前述のように「プロ棋士」と「インターネット道場」というのは対立する関係にあるので、連盟がこの貴重なサイトを有効に運営できるのかという点に関しては疑問視せざるを得ません。(余談ですが、近代将棋を潰しても将棋界にプラスの効果は全くないと思うのですが・・・) <プロタイトル戦結果> タイトル 保持者 スコア 挑戦者 結果 名人 森内 4-2 谷川 防衛 竜王 渡辺 4-3 佐藤康 防衛 棋聖 佐藤康 3-0 鈴木大 防衛 王位 羽生 4-2 佐藤康 防衛 王座 羽生 3-0 佐藤康 防衛 棋王 羽生 1-3 森内 奪取 王将 羽生 4-3 佐藤康 防衛 (朝日) 羽生 3-1 藤井 防衛 七大タイトル戦では、森内名人が棋王を奪った以外は全てタイトル保持者の防衛という結果。また、登場したのもほとんどが羽生世代であり、表面上はあまり動きがなかった一年でした。しかし、盤上では力戦振り飛車や一手損角換わりなどの新しい戦法が多く試され、数年前までの序盤に対する閉塞感を吹き飛ばす新鮮な将棋が多く指されました。 特に5つのタイトル戦に登場した佐藤棋聖は毎局のように斬新な構想を披露し、「魅せて勝つ」を実行する活躍でした。いずれも負けてしまいましたが、王将戦・竜王戦のフルセットの戦いは今年一番の名勝負に挙げられるかと思います。 <女流タイトル戦結果> 名人 清水 0-3 矢内 奪取 王将 千葉 3-2 中井 防衛 王位 清水 3-1 石橋 防衛 倉敷藤花 清水 1-2 斎田 奪取 長年、清水・中井・斎田の三強時代が続いていた女流棋界でしたが、今年は矢内・千葉・石橋の新三強がタイトル戦に登場し、旧三強に2-1の勝ち越し。高い壁でしたがついに捉えつつある印象です。独立問題で盤外での苦労も多くなるでしょうが、新しい風に上手く乗って一気に世代交代となるでしょうか?と書いておいたら、今年のレディースオープントーナメントで里見香奈女流1級が大ブレイクしました。矢内女流名人との決勝戦は現在1-1で、最終局は2/22に行われます。これまでの2局を見た印象では、実力はすでに五分に近いでしょう。この里見さんも地方在住ながら「24」で強くなった人の一人だそうです。
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