コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2006年07月31日

命の尊さ、重さを改めて知るこの7月・・・

あらかじめお断りしておきます。

今日の記事はとてつもなく「重い」内容になっています。その事をご理解していただいた上でご覧になってください。

ではご覧下さい。

もうすぐ7月が終わろうとしている。毎年の事なんだけど、いつも7月を迎えると気持ちが少しブルーになってしまう。

別に誰かのせいというわけじゃない、自分の中できちっと整理つけなくちゃいけない事なんだと思うけどなかなかうまくはいかない。でもそのおかげで自分自身を守っているような気がする・・・今回はそんな話を書いていきます。

北海道で有名なもの・・・コンサドーレや日ハム、ジンギスカンやスープカレー、野菜や海産物などイメージがつくものが結構あるでしょう。他にも北海道といえば・・・というものがあります。これは決して喜ぶべきイメージではないです・・・

交通死亡事故件数の多さ

これは本当に深刻な問題です。ここ数年北海道警察の努力の甲斐があってか昨年は交通死亡事故の件数全国ワースト1を返上した。前年と比較すると飛躍的に減少した事になる。ちなみに交通事故死亡者数は今日7月31日現在では126人で前年と比較すると19人減っている事になる。とてもいい傾向じゃないだろうか?

実は以前ある人からのメールでこんな一文があった。

「ダイさんは人殺しってどう思う?」

一瞬ビックリしたけど僕なりに考えてこう答えた。

人殺し・・・どんなことがあっても絶対にしてはいけないことだと思う。僕は毎日車に乗っているけどそれは「人を殺すことが出来る凶器」に乗っていることになるから、スゴク慎重に運転しているよ。人を轢くことの悲惨さというものを第3者的立場から見ているから。

本当にそう思っています。僕は車という便利な乗り物を利用しているけどそれが人を殺す凶器にだってなりうる。このメールにもあるように第3者的立場からこの悲惨さを経験した。

いまから7年前の話、僕が22歳のころ・・・

1999年7月23日金曜日、その日の朝夜勤を終えて一時的に仮眠を取り、昼から人に会うために出かけた。眠い目をこすりスーツに着替えその人に会い、一緒に食事でもしましょうか?っていう話になって車を動き出した時に僕の携帯が鳴った。

相手は僕の兄貴だった。

兄貴「ダイ、今いいか?」
ダイ「今運転中だけど車を止めたよ、どうしたの?」
兄貴「いいか、落ち着いて聴けよ!○○(僕の友人)が昨日の夜車に轢かれたんだ。」
ダイ「えっ?どうして??」
兄貴「詳しい事はわからない。ただ轢かれて危篤だっていうのは分かっている。時間があったら今すぐ病院に行ってくれ!」
ダイ「分かったよ!で、その病院はどこ?」
兄貴「桑園の市立病院だ。場所は分かるな?」

ってなやり取りをして一緒に食事しようとしていた方も一緒に(共通の友人だったため)市立病院へ。兄貴の話によると救急医療の集中治療室にいるという話なのでまっすぐそこに向かう事に。

病室の扉を開けた瞬間、信じられない光景が僕の視界に入ってた・・・

人工心肺をつけられて「何とか生きている」という友人の状態、当然意識はない。目が半開きで言葉も発する事もできない。手を握っても握り返す事は出来ない。

絶句・・・言葉が出なかった。

その友人の家族とは家族ぐるみの付き合いだったので当然その場に僕の母もいた。

友人の母親によると木曜日の夜、本人が仕事帰りにコンビニで弁当を買って横断歩道を渡って帰ろうとした時、RV車に跳ねられたそうだ。病院には轢いた本人、加害者もいた。当然沈んでいる。

僕はその加害者を殴りたかった、思いっきりボコボコにしたかった。でも出来なかった・・・ある意味加害者も被害者なんだなって事がわかったからだ。自分が悪いという事は本人も良くわかっている事、責められて当然だと言うこともよくわかっているはず、だからそれに追い討ちを掛ける事はできなかった・・・

次の日も病院に向かった。面会をするためにだ。友人の両親は僕を温かく迎えてくれた。

僕は友人に話しかける・・・

「おはよう、そろそろ起きようか?」

返事はない

「暑くないか?病室はクーラーが効いていて涼しいだろ?」

返事はない

「そういえば巨人はどうなっただろ?結果知ってる?」

反応があった。と、いっても脈拍や血圧が若干上がった程度だが本人には聞こえているのかも?と思えた。

その後少しずつではあるが脈拍や血圧の上昇が見受けられた。そして僕自身もそう感じたし、友人の両親にとって一番嬉しかったのは「病院スタッフが友人を人間扱いしてくれた」ことだった。

正直に言うと状態としては「植物人間状態」だった。ただ点滴を通じて最低限の栄養を得ているような感じ。でもそんな患者相手に歯を磨いて上げたり、ヒゲを剃ってあげたり、体を拭いてくれたり・・・と普通の患者と同じ接し方をしていた。

そして日に日に脈拍や血圧が少しずつではあるが上昇し、回復傾向に向かっているのでは?と思った矢先・・・

1999年7月28日の夜、容態が急変したらしい。友人の家族はすぐに病院に向かったが僕の手元にはその情報が来なかった。僕の元に情報が来たのは翌朝だった。

1999年7月29日 友人はこの世を去った。享年18歳、もうすぐ誕生日を迎えるところだったのに・・・

18歳だから友人と言うよりは「弟分」として可愛がっていた存在だった。

その情報を知っていてもたってもいられなかった。車を走らせてすぐに病院に向かった。

病室に入ると青白い顔をした友人がいた。不思議と涙が出てこなかった。

「頑張ったんだなぁ・・・」

そう思うしかなかった。

母は葬儀の手伝いをする事になり会場に母と母の友人と共に車で向かう。既に遺体も運ばれていたようだ。葬儀会社の人間が遺体に化粧を施すという。その間、僕は車を運転できる関係上色々な雑務をこなしていた。少しでも遺族の役に立てるのなら・・・という思いだけで手伝いをしていた。

まもなく化粧が終わった。遺体がある部屋に通された。

綺麗な顔になっていた。

ちょっと頭を叩いたら「なにすんだよぉ!」とでもいいながら起き上がりそうな感じの顔だった。そしてスーツ姿に着替えた姿・・・

一気に涙があふれ出した・・・

その時友人の死というものを初めて受け入れた気がした。

翌日葬儀が行なわれ、その次の日に荼毘にふされた。

友人を轢いた加害者の男性はただ下を向くばかりだった。後から話を聞いた内容によると彼は近々結婚する予定だったという。ただ今回の事故で婚約破棄はされなかったけど結婚は延期になったらしい。納める結納金を補償に当てたのだそうだ。

こういった事から人の命の儚さと、人は簡単に人の命を奪えるんだということ、そして交通事故の悲惨さを目の当たりにする事ができた。

僕は車の免許を取得して11年目を迎えます。免許の更新の時はよく交通事故被害者の遺族の声というようなビデオを見せられるんだけど、その気持ちが痛いほどにわかります。もし、僕が加害者になって轢いた人間を殺したら・・・と思うとぞっとするし、そうしたくはないと願う。アイルトンの事もあった、友人の事故もそう・・・僕は交通事故に対してすごくナーバスになっているかもしれませんね。

ハンドルを握る時点で「4つの命」を握っている事を意識しています。

自分の命
同乗者の命
対向車の乗員の命
歩行者の命

命は自分の両親を通じて神様が与えてくださった貴重な贈り物、それを大事にしたいし粗末にしたくはない。まして自分の手で人の命を無くするような事はしたくはない。

友人の死から得た教訓を無駄にしないためにも・・・

そしてコンササポの方が交通事故で悲惨な目に遭う事は僕には耐えられないことです。だからこの記事を通して皆さんが命の尊さや交通事故の悲惨さを理解していただければ幸いです。

僕はこの事をきっかけに「ひとりひとりの関係を重んじる」ようになりました。友人との死別というものはそれだけ僕に影響を与えました。そういうことなんです・・・

posted by ダイ |09:05 | 月末に語るマジメな話 | コメント(7) |

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この記事に対するコメント一覧
Re:命の尊さ、重さを改めて知るこの7月・・・

こんにちは
ないかコメント入れようと・・・開いたんですが。

ママも免許取得して10数年。取得して運転して自分の車を自宅車庫入れでミラー壊したのを手始めにいろいろ事故もありました。駐車場で動いてない車にどうやっても向かってしまい警察の方に「運転未熟ですねえ・・」とあきられたり・・・冬の交差点でブレーキかけて滑って普通車にコツン、凹んだのはぶつかっていったママの軽。最近は実家に行くのに札幌旭川を月2回以上高速で往復。必ずチェックされてつかまってる車を見ます。事故る前で良かったねと思いながら。でもそのあと「どうしてこいつはつかまらないの?」と思うスピードの車が・・・
ハンドル握ると性格変わるとか。ママもそうかもと。
いつ加害者にも被害者にもなってもおかしくなさそうな。
あらためて気持ちをこめてハンドル握らなくてはと思いました。
ありがとうございました。

posted by モリーママ| 2006-07-31 10:00

Re:命の尊さ、重さを改めて知るこの7月・・・

初めまして、蒼と申します。
ダイさんのブログの記事を読んで私は涙が出ました。
というのも、ダイさんの友人の方が亡くなる一年前、
私が小学校四年生のときに私も父を交通事故で亡くしています。
私はいわゆる『交通事故被害者の遺族』です。
交通事故はあってはならないものだと今でも思っていますし、
交通事故のニュースが報道されると胸が痛みます。
自宅近くに父の事故現場がありますがそこを通ると何とも言えない気持ちになります。
加害者は正直憎いです。
事故さえなければ私は今とは全然違う生活をしてたはずだし、
父親がいないことや事故の事で、
『自分は人とは違う』
なんて思うことはなかったはずです。
でも、加害者も被害者も、凶器となった車を創り出したのも同じ『人間』なんですよね。
私は今年で18歳になります。免許が取れる年齢になります。
多分私は免許を取得する事になると思います。
そうなってもならなくても、これからもダイさんがブログで書かれていた
『4つの命』
大切にしたいと思いました。
ダイさんの記事を通して皆さんが交通事故の悲惨さや命の尊さについて理解してくれれば、
遺族としても凄く嬉しいです。
それでは長々と失礼しました。

posted by | 2006-07-31 10:00

Re:命の尊さ、重さを改めて知るこの7月・・・

ダイさん辛い思いされましたね・・・うちにも悲しい切ない夏が来ました。
大事な人を亡くすのはつらいです。

交通事故・・・ちょうど昨日免許更新だったので改めて思いました。
子どもがいる身なのでチャイルドシートをしない親が多いのにも気になります。
以前見たのは授乳しながら・・・とか・・・ありえません。

自転車でさえ凶器になるんだからもっと考えてほしいと思います。

ましてお酒飲んだ人が運転とか・・・飲酒運転なんて人殺しと同じですよね。

免許もってると「乗せて~」と言って来るママ友もいるのですが、正直家族以外の人を乗せるのが怖いです。
私がその命奪うかもしれない。そしてその家族悲しませるかもしれない。
なので出来るだけお断りしてます。
乗せるときは緊張しながら運転してます。

事故が減って悲しむ人が減るといいですね(。>_<。)

posted by ミルクチョコ| 2006-07-31 12:20

Re:命の尊さ、重さを改めて知るこの7月・・・

ではレスを・・・

>モリーママさん

そうですね、捕まっている車の横でこれ見よがしにスピードを上げて走る車がいますね。そーゆー人間は事故らないとわからないんじゃないか?と思っちゃいます。ハンドルを握るという事は命をも握ることなんだから、気をつけなくちゃいけないですねお互いに。

>蒼さん

ようこそこのブログへ!!
相当辛い思いをされたのでしょう、ひとつのコンプレックスみたくなっちゃうんだろうね。
僕はね、今は考え方を変えて「加害者のした事は憎い」んですよ。ちょうど湘南戦が命日でその前日に滝野にお墓があるんで掃除してきて、絶対友人の事を忘れないようにしようと心に誓っています。
蒼さんとは本当に色んな話がして見たいです。良かったらこのブログのコメントにメアドを添付していただけませんか?添付した内容は僕にしかわからないようになっているんで情報が漏れる事は無いですから。

>ミルクチョコさん

そちらのブログでも書いてありましたね、授乳しながらかよ!?って思ったし。
飲酒運転は絶対にしない!ホントに人殺しですよ、あれは!少しでも事故が減ってくれればいいよね。ミルクチョコさんも気をつけてね!

posted by ダイ| 2006-08-01 08:00

Re:命の尊さ、重さを改めて知るこの7月・・・

メアド添付しました。
コンプレックス・・・なのかも知れないですね。
結構友達が裕福だったりとか私から見てればいいなぁと思う家庭でも、
『父親ムカつく、いらない』
みたいなことを言っているのを見たりすると傷ついたり、じゃぁいない私はどうなるのさ?という感情に駆られます。
返信遅くなってしまうかもしれませんがいつでもメールくださいね!

posted by 蒼| 2006-08-01 12:56

Re:命の尊さ、重さを改めて知るこの7月・・・

車が凶器になる、本当に思います。
私自身は誰か親戚が事故で亡くなったとかはないですが。

昔アウトレットモールの駐車場の警備のバイトをしていた事があります。
その時、目の前で交通事故を見ました。
Uターンしようとした車のどてっぱらに直進車がどーんと。
Uターン車は家族連れでどなたも怪我はなかったのですが、乗っていたお子さんは泣き叫んでいました。
私はその後どうなったかは知らないのです、すぐ無線で本部に連絡をして、代わりの人に来てもらい、私はその場を離れたので。
その時思い出したのが、小学生の時の同級生の事でした。
お父さんがバイクにはねられて亡くなられたという、連絡が小学3年の時にありました。
バイクだって人を殺す可能性あるんだから、車だったらもっとだ、と。
小3の時もそしてその事故を目撃した時も思いましたね。

私は免許を持ってないので、もっぱら歩きで行動してますが、自転車に乗るときなどは何があるかわからないですから。
自分が誰かを跳ねて殺してしまう可能性だってありうる、そう思ってます。
大切な事を思い出させて下さって、本当にありがとうございます。

お目汚し失礼致しました。

posted by ひろ | 2006-08-02 19:00

Re:命の尊さ、重さを改めて知るこの7月・・・

>蒼さん

メアドありがとう!こちらからメールしたけど届いたかな??これを機に仲良くなれればいいですね。

>ひろさん

お目汚しなんてとんでもない!!
人として生きていく上でリスクはつきもの、気を付けていたってどうなるかわからない。でも気をつけるのとそうでないのとではリスク回比率は全然違う。お互い気をつけたいものですね。本当にそう思います。

posted by ダイ| 2006-08-02 20:00

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