コンサドーレ札幌サポーターズブログ

スポンサーリンク

2006年04月30日

バリアフリーについて考える

昨日の試合の話で盛り上がっているこのコンサブログの中で違うテーマで書かせて頂きます。自分の中での「お約束」なんで許してくださいね!

バリアフリーって言葉ではよく聞くけど実際に経験している人ってどれほどいるだろうか?

僕は経験した事があります、バリアフリーの素晴らしさを。今回はそんな話を・・・

前にも書いたように僕は腰の骨を折った事があります。04年の4月に職場で怪我をして診断結果が「腰椎横突起骨折」というものでした。左側の横突起という骨を4本折って救急車で運ばれて即入院、最初の10日間は車椅子でなくちゃ移動が出来ませんでした。

その車椅子生活で気づいた事は「ちょっとした段差や凹凸ってすごく怖い」ということ。

例えば車椅子でエレベーターを使って売店に行こうとすると、エレベーターとフロアの間にある「ちょっとした隙間」がいやらしい。力を入れればなんて事はないんだけど下手に力を入れると腰に負担がかかる。ちょっとした隙間が「ものすごく大きな溝」に思えてしまう。

実際に歩行訓練のリハビリをする時もちょっとしたでっぱりが「大きな丸太」のように思える事もある。足元が平らってすごくいいもんだなぁと感じました。

バリアフリー、文字通り障害物がない状態というものは本当に必要なのかもしれない。さっきの車椅子生活を過ごしていた時、例えばトイレに行くと車椅子用の洗面台がある。これが車椅子からの視線にちょうどよくあう。非常に使い易かった。

また公衆電話でも(病院で携帯を使ってはいけません)車椅子用の電話があるんだけど、これもちょうどいい高さで、且つ車椅子から楽に手を伸ばせて電話を掛けられるように設計されている。あまり感じなかったけど自分がその状態で経験してみて「なるほどなぁ」と感心していた。

じゃあ世間的にみて本当の意味で「バリアフリー」なのか?って話になると実際はそうじゃないと言わざるを得ない。

施設面では確かにバリアフリーは実現できているだろう。では「人との繋がり」においてはどうだろう?

例えば体にハンデを負っている人を健常者が「障害」と感じているだろうか?もしそう感じているならバリアフリーとはいえないだろう。

若者が集う討論番組で足に障がいを持ったひとりの男性がこう言った。

「障がいを持っている男を彼氏にできる?」って。答えた女の子は少し時間を置きながら「・・・できるよ!」と言った。
その男性はつかさずこう言った・・・

「うそつくなよ」と。

もしその気持ちがあるならなんで少しでも迷うのか?というのがそう感じた理由らしい。これはよくわかる気がする。つまりどこかに「偏見」があるのかもしれない。その気持ちは理解できる。

でも障がい者は健常者と同じように扱ってほしいし、自分が助けを必要としている時、もし助けの手を差し伸べられたら喜んでそれを受け入れる姿勢を示しています。

これは僕が経験したことなんですが、職場に「白い杖」を持った方が客としてこられます。いわゆる「全盲」という方です。

「お手伝いしましょうか?」と聞かれてまず断る人はいない。それは自分の限界をわかっているから。それは本当に謙遜な人なんだと感じました。そして相手の善意を理解している、これは見習わなくちゃいけないなぁと感じた。

僕自身も入院中に車椅子を使ってのエレベーターでの乗り降りを全く知らない人に手伝ってもらった事が何度もある。そのような厚意に対して「ありがとうございます」としか言えなかったけど,そうしてもらえた事がすごく嬉しかったし、自分が逆の立場になった時には積極的にそうしてあげたいと強く感じました。

数年前の話なんだけどひとつだけ「手話」を教えてもらいました。その手話は「ありがとう」という手話。右手と左手を十字に交差させるという簡単な手話なんだけどこれを覚えて本当によかったと思う。

職場には「ろう者」の客が来る事があります。ろう者とは「手話で話す人」、もっと言えば口から言葉を発せられない人たちの事をいいます。そのひとりの客は自分が言葉を発せられない事にものすごいコンプレックスを抱いていたようでものすごく申し訳ないような気持ちを抱いていたのだろう。その客が帰る時に、「ありがとうございます」の手話をしたところ、その客は「涙を流して」くれました。

この時「本当のバリアフリーってこういう事を言うのかな?」って思いました。

人との繋がりにおいてのバリアフリーはまだまだ難しいし、課題も沢山あるでしょう。でもひとりひとりが少しでも意識するならこの「障害」は除かれると思う。僕はそう信じているし、その一端を是非担いたい。

posted by ダイ |14:45 | 月末に語るマジメな話 | コメント(2) |

スポンサーリンク

スポンサーリンク

この記事に対するコメント一覧
Re:バリアフリーについて考える

はじめまして。
時流に乗って行く風潮に逆行し、【自分の中での「お約束」】のくだりに敏感に反応し、3回読み直し、3回涙が出た、”すれすれ草@おバカ川柳”でございます。
ダイさんが経験あるからこそ書ける文章だなと感心・・・ただ、状況は分からないが、討論番組の女性が「少し時間」を置いたのは心の中で己の考えを何度もリピートし確認に要した時間だからでは?・・ちょっとそう感じました。
ダイさんが手話をし、お客が帰り際流した涙は人間関係における「千金の値」がある・・そう思います。

posted by すれすれ草| 2006-04-30 17:01

Re:バリアフリーについて考える

>すれすれ草さん

はじめまして、ようこそおいでくださいました!!
すれすれ草さんのブログを見た記憶があるんですが・・・ごめんなさい、思い出せないでいます(苦笑)
さて、討論番組での話ですが、僕も最初から見ていないのでどういう流れでその話が出たのかはわからないけどその質問をした時に聴かれた女の子(10代)は明らかに「動揺」していました。僕が見てもわかるほどに。それに反応したのでしょう。もう数年前の話ですが未だに印象に残っています。

僕自身ちょっとだけでもバリアを壊せれるのかな?と考えました。またよかったらこのブログに起こし下さいな。

posted by ダイ| 2006-04-30 21:00

コメントする