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2008年03月15日

勝たなければいけない試合だった(2008-J1-#02 vs横浜FM@札幌ドーム/現地観戦)

それまでほぼパーフェクトといってよかった佐藤優也が前に飛び出して、いわゆる「かぶった」とき、あっ!と思ったら、もうやられていた。その直後の2失点目は、それまでペナルティエリア付近ではつねに体を寄せて相手にまともに前を向かせなかった守備陣が、山瀬との間に少しだけ距離をあけてしまい、それまではがっちりキャッチしていた優也が山瀬のシュートをはじいてしまった。

それですべてが帳消しになってしまうのだから、守備の仕事は厳しい。ただ、救いは、試合終了後、バックスタンド前に挨拶に来た優也が、誰も寄せ付けないようなオーラを発しながらグローブを自分の体に叩きつけ、その前を歩く平岡と坪内と芳賀が、激しく何かを言い合っていたことだった。バックスタンドから拍手を受けようとも、選手たちは、もう次の試合に向けて戦い始めている。

そう、バックスタンドは、選手たちを大きな拍手で迎えたのだが、僕はこれが気に入らなかった。以前なら「こんな試合で拍手なんかするなよ!」と言葉を発して周囲を凍りつかせたりしたものだが、そんなことをして初めて見に来た人たちをコンサから遠ざけてしまうようなことになってはいけない、ぐらいの分別はつく年齢になったので(笑)、何も言わずに、人の波が引くまでずっと席に座ったままでいた。

いや、まあ、拍手しようが罵声を浴びせようが、見た人によって思いが異なるのは当然なのだから、かまわないんですけどね。でも、これで「負けたけどよくやったよ」「しょうがないよね」などと思ってしまってはいけないのだ。「負けたけど内容は…」とか言ってるうちに、気が付けば上位との差がどうしようもないほどに開いていて、それまでチームがとってきた戦い方を変えてでも勝ち点を取りに行かねば…となって、泥沼にはまることは、よくある。近いところでいえば、2002年の監督交代後や、2003年の序盤がそうだった(<全然近くないか)。

だから、今日の試合は、きっちり勝たねばならなかった。でも、そういう僕自身も、試合が始まる前から「今日はマリノスだし、負けてもしょうがないかなあ」と思っていたし、同点に追いつかれたときには「やっぱりな」と、頭の片隅で考えていた。見ている側がそういう気持ちでいると、何かふわふわしたものがスタジアムに漂ってしまい、ピッチ上の選手にも伝染してしまう。そんなことを考えていた自分は、勝つつもりでやっている選手たちに失礼だったと思うし、サポーター的姿勢としてはまったくダメだ。もう、何年サポーターやってるんだよ>自分。

サポーターは、いい子になっちゃいけないし、評論家になっちゃいけません(<自戒)。試合が始まる前から負けたとき用の理屈を準備しておく、なんてことは、やっちゃあいけないのだ。

反省してください(>自分)。

直接の敗因は、終盤に起きたGK含む守備陣のミスではあったが、試合全体を通じてみれば、2点目が取れなかったことが痛かった(もちろん、クライトンのPK失敗も)。

あの最後の数分間以外は、守備陣は、信じられないような集中力を保ち、「これぞ札幌!」と言いたくなるような、打たれても打たれても取られない、粘り強いディフェンスを続けていた(やっぱり、コンサには、こういうカラーのほうが似合うような気がするなあ)。マリノスが高い最終ラインの裏をねらってきたのに対し、GK含む後ろの5人がしっかりとケアできたことには、正直、驚いた。後ろの5人の関係は、PSM以来の3試合を続けて見てきている中では、今日は格段によかった。

ただ、前節の鹿島に比べると、今日のマリノスは中盤の運動量が少なく、くさびのボールをもらう選手は立ち止まったままだった場合が多かったので、コンサとしては守りやすかっただろうから、前節の0-4が1-2になったことは、かならずしも進歩とは言いきれない(むしろ、相手の力量の差のほうが大きかったように思う-そのぐらい鹿島は強かった、と思う一方で、鹿島とマリノスの中盤の人の並び方の違いゆえかな、と思わないでもない)。そもそも、いまやっているのは本番であって、もうテストではないのだから「改善された」「前よりはよくなっている」などと言っている場合ではないのだ。

まあまあまあ、落ち着きましょうよ(>自分)。

1点リードのまま勝っていれば、今日のMVPは、西嶋か芳賀だったと思う。

最終ラインの4人のうち3人が、自分のゾーンがどこなのか、その間に入ってくる坂田を誰がみればよいのか迷いながらどうにかやっていた中で、西嶋の手堅い守備と機を見て仕掛ける攻撃とは、大きなポイントになっていた(前節はお話にならなかった西が生き生きとやれたのも、後ろの西嶋が安定していたからだろう-ということを考えると、左サイドは西谷の早い復帰が待たれる)。

芳賀は、前節では守備の仕事に追われていた印象しかなかったが、今日は(マリノスが鹿島ほどには厳しいプレスをかけてこなかったこともあってか)周囲に指示を出してボールと人を動かし、全盛期(?)の野々村ばりの司令塔的役割を果たしていた。最終ラインでの大きなサイドチェンジが何度かあったのも、芳賀の指示あってこそだ(もちろん、すべてのサイドチェンジが芳賀の指示によるものではないが)。ああいうふうにピッチ上でしゃべれる選手は、近年のコンサにはいなかっただけに、今日の芳賀はいつにも増して頼もしく見えた。

そんでここからは柏と川崎との4試合ですか。へんな日程だなあ。

posted by issey11 |23:07 | 2008ホーム |